山岡内閣府特命担当大臣記者会見要旨 平成23年12月20日

(平成23年12月20日(火) 11:01~11:18  於:警察庁第4会議室)

1.発言要旨

 おはようございます。今日の閣議では、もうテーマは御案内のとおりですけれども、私からは閣議というよりも安保会議の時に警察は12月19日の午後零時5分に警察庁に警備局長を長とする警備対策本部を設置して、都道府県に対しまして、情報収集活動の強化と重要施設に対する警戒・警備の徹底等を指示して、情報収集その他に万全を期しているところでございます。また、北朝鮮の動向によっては、我が国の治安にも重大な影響があると、そういう認識は持っております。しかし、このための情報収集や警戒・警備の徹底を図るように引き続き指導してまいる所存ですと、要点としてはこんなことを御報告申し上げました。さらに、今のところは国内においては特異な動向は把握されておりません。そして、いざという時に対する出動態勢を整えているところですと、整えましたと、こんなような御報告を申し上げました。
 また、その時にも申し上げたんですが、改めて閣僚懇で申し上げたのは、昨日、金正日総書記の死去に伴って、家族会及び救う会からのお申し入れがありましたと、そういうことを御報告いたしました。
 家族会や救う会は、このチャンスを捉えて、拉致被害者の帰国に繋げるように努力をしてほしいと、こういう旨の御要請がありましたし、また、拉致被害者の安全確保について齟齬なきようにしていただきたいと、こういうお話でございましたが、私としては、今後の北朝鮮の情勢を様々な不確定要素がありますので、まず情報を収集して、関係省庁とも緊密に連絡を取りながら、拉致被害者の皆様の安全の確保には全力を挙げてまいりますし、また、一日も早い帰国を実現するために、引き続きあらゆる機会を捉えて、国際社会の理解と協力を求めながら対応してまいりますと、そのようにお答えをしておきました。
 そういうことについて、総理及び閣僚の皆様にも御報告をしておいたと、そんなところでございます。

2.質疑応答

(問)安保会議で北朝鮮の情勢や状況について、どのようなお話が出ましたでしょうか。
(答)安保会議ですか。安保会議の模様は、これは外にお話をしないということになっておりますので、具体的な内容については、ちょっと差し控えさせていただきたいと思います。
(問)昨日1時からあった安保会議に、大臣が遅刻か欠席かというお話になったと思いますがその理由と、特別放送が北朝鮮の方で午前10時に正午からやるという話があったと思うんですが、この情報が入っていたのかどうか、そこら辺、大臣、昨日の状況を教えてください。
(答)まず、その情報は私の元には届いておりませんでした。そして、昨日はあらかじめお届けを申し上げて、栃木の県警本部、また電車の時間までの間、その他のところもちょっと寄りましたけれどもお伺いをして、いずれ福島とか被災県の警察を色々と激励・督励に回ろうと思っていたところで、栃木県も被災県ですから、自分のところで申し訳ないんですが、まずそこから行って、次は福島にと、こう思っていたんですが、そのことは初めて聞いたのは帰りの電車に乗った途端に伺ったわけでございますので、直ちに電話で連絡を取って、そして今申し上げたように、対策本部を設置をしていくようにと、こういう指示をして、そういう対応をしながら戻ってきたんですが、終わり頃に顔を出したところで、総理からこういう3点について御指示をしたので、よろしく対応をということなので、早速手配をいたしますと、こういう経緯です。
(問)安保会議には、そもそも間に合ったんですか。欠席という認識なんですか、それともぎりぎり間に合ったんでしょうか。
(答)そのこと自体が特別意識をしているわけじゃありませんが、終わり頃に入ったんですが、それを終わっていたという言い方もあるし、最後に入ったという言い方もありますし、いずれにしても、私が入った時にはもう総理の御指示は終わった後でしたので、後から個別に伺ったと。その間が10分間でしたから、そういうことです。
(問)昨日の安保会議で、大臣が欠席されたこともあって、警察庁からの発表がなかったということになるんですけれども、そのことに問題はなかったかというのがまず1点。
 それから、昨日の10時に北朝鮮が重大発表するという情報が官邸内には入っていたんですけれども、これが国家公安委員長のところには届いていなかったことは問題があるという認識はおありかどうか、2点伺います。
(答)まず、その会に、私はもう電車に乗って物理的に1時間かかりますから、その招集のお知らせが入ったのは12時25分だそうでございますけれども、1時ということでは新幹線は宇都宮からだと1時間かかるものですから、物理的に10分ぐらい遅れますよと、そういうことを届けておいてほしいということで、お届けはして、御了解はいただいていたそうでございますが、ただ、その間、事務方も出席しなかったということは、これは遺憾であり、二度とこのようなことがないように、今後の対応を、今日の朝の幹部会で打ち合わせて徹底をしてまいりました。
 また、一方、10時というそういう情報は、今聞けば一部流れていたようですけれども、いずれにしても私の元には、そういう情報は入らなかったんですけれども、しかし、そのことは、これはどこにおいても12時を見極めてと、こういう状況であったような感じがするわけで、明快に10時のそれがそういうものだという認識が徹底されては、いずこもいなかったんじゃないかと思っております。
(問)事務方も出席しなかったということですが、昨日の安保会議には、そうすると、警備局長も出席はされていなかったということでしょうか。
(答)そうだと思います。それで、非常に不便なのは、国家公安委員長というのは副大臣がいないんですね。制度上置いていないわけですから、税調等々についても、他は副大臣、政務官、そういう皆さんの御出席の場でも、私が行かないと誰もいないと、こういう構造になっている点は、ざっくばらんに言うと不便な点があるんですが、こういう場合には事務方が出るべきだったと思います。事前に通知もしておりますしですね。
(問)金総書記の葬儀が後日開かれるわけですけれども、日本の朝鮮総連の関係の方があちらに行く、弔問のために行った場合に、渡航制限がかかっているので帰って来られないという問題がありまして、この辺、制限を解除すると拉致被害者の家族の方の心情もありますし、対応が難しいかと思うんですけれども、この辺の対応についてどうお考えなのか、お願いします。
(答)その点については、十分心得ておりまして、昨日総理から3点の御指示をいただいた際にも、このところが検討事項ですと、こういうふうには申し上げておきました。これは色々な状況を検討して、今後の成り行き、諸外国の様子、そういうことを検討して最終的な結論を出そうと思っております。
(問)結論を得る時期は、そんなに日数もないと思うんですけれども、どれぐらいを考えているんでしょうか。
(答)まだ昨日の今日ですから、28、29ですか、29のほうですか、そこに対する状況とか、世界各国の対応とかそういうこと、また、御家族や救う会の皆様のお気持ち等々総合的にこれから勘案をしていこうと思っています。また、それは法務省マターでもありますし、外務省マターでもありますから、その辺は各省庁との協議も進めていきます。
(問)大臣の昨日の行動で1点確認したいんですけれども、公務で栃木県警などを訪れて、その後、例えば、宇都宮市内の専門学校の式典なんかに出られたと思うんですけれども、それは完全に公務とは別という理解でよろしいんですか。
(答)そうです。そこに出掛けましたので、新幹線まで時間がありましたので、顔だけ出して、今さっき申し上げたように、その他のところに行って御挨拶をしたのは事実ですと。だけど、本業というのは栃木県警本部に行くわけですが、時間がありますから、それはそうですけど。
(問)今ほどの関連で、昨日、大臣が安保会議に遅れたこととか、総理が街頭演説に出掛けようとしたようなことに対して、野党からは危機管理能力がないんじゃないかという批判が上がっているんですが、これについてどう思うかというのが1点と、あと拉致問題についてなんですけれども、情報収集に努めているわけですが、これを大臣御自身として、拉致問題が進展する上で好機と捉えているのかどうか、このこと2点を伺います。
(答)先ほど申し上げましたように、県警訪問を公務という御質問でしたけど、それも政務ですから。それで、事の本質について、これは我々は極めて的確にやっているわけで、そこに一分齟齬があったということが重大問題というふうに、重大なことですけども、事の本質をきちっと対応することのほうが私は重要だと思っておりますので、そういう点はあったことは申し訳ないと思っておりますが、しかし、そのことによって、事の本質が損なわれたとか、損なわれているということは全くありませんので、国家国民にとって必要なことはきちっとやっているというふうに御理解をいただきたいと思います。
 また、どうなるかということは、率直に言って、今明快に答えを言える人はいないと思います。どういう状況になっているのかということをある程度見極めていきませんと、今それに対してどうなるからどうということは、まだ申し上げる段階ではないと思っています。

(以上)