細野内閣府特命担当大臣記者会見要旨 平成24年9月7日

(平成24年9月7日(金) 8:46~8:58  於:合同庁舎4号館1階108会議室)

1.発言要旨

 おはようございます。
 私からは1点御報告申し上げます。災害がれきについてでございます。
 岩手、宮城及び福島3県の沿岸部の災害廃棄物の処理の進捗状況、8月31日付で報告がございました。発生推定量1,802万トンのうち、7月31日時点分より約34万トン、処理・処分が進みました。合計をいたしますと442万トンの処理が完了いたしましたので、割合としては25%の進捗率となりました。ちょうど4分の1の処理が終わったということでございます。
 8月の主な動きといたしましては、宮城県内におきまして、石巻ブロックにおきまして1基の仮設の焼却炉が本格稼動を開始いたしました。宮城東部ブロックにおきましては、破砕・選別施設における処理が開始をしたことによりまして、被災地全体では19基の仮設焼却炉が設置をされ、16カ所で破砕・選別施設が処理開始できるようになったということでございます。
 広域処理でございますけれども、8月中に新たに山形県、茨城県等におきまして計4件の本格受入が実際に開始をされました。埼玉県、さらには北九州市等で計7件の本格受入開始の表明が行われました。また、大阪府、大阪市が岩手県と基本合意書を締結するなど、取組が着実に広がってきております。
 一方、8月7日に公表した処理工程表において定めました平成24年度末に約6割の処理をするという中間目標を達成するためには、処理をさらに加速させる必要がございます。今後とも被災地の処理、さらには広域処理を含めた全国的な応援をいただいて、一日も早い災害廃棄物の処理、さらには被災地の復興を実現をしてまいりたいというふうに思っております。
 私からは以上です。

2.質疑応答

(問)テレビ東京の宇井と申します。
 概算要求についてお伺いしたいんですけれども、円高や電気代の値上げで日本の産業の国際協力が全体的に低下していると言われています。大臣の所管の中で、こうした産業の再生に向けた施策が今回の要求であれば、お聞かせください。また、その施策にはどのような期待をされていますでしょうか。
(答)今回の環境省の予算といたしましては、やはり被災地の復興、さらには再生可能エネルギーに対する後押しの予算というのが非常に重点項目となっております。被災地の場合には産業という面は非常に強いんでありますけれども、ベースの部分で全体の復興に寄与するようにということになります。特に産業ということで焦点が当てられるとするならば、やはりそこは再生可能エネルギーということになろうかと思います。これまでの太陽光、水力、風力に加えまして、バイオマスであるとか、さらには地熱、海洋エネルギー、さらには風力発電の中でも洋上風力などに重点的にしっかり取り組むことができる予算を確保しております。そうした予算を積極的に活用することで、まさに再生可能エネルギーを我が国の産業の柱に据えていく。いわゆるグリーン成長というのを果たす私はきっかけになるのではないかというふうに思います。
(問)共同通信の渡邉です。お願いします。
 災害廃棄物の進捗で確認したいんですけれども、これはがれきの全体というよりかは災害廃棄物の進捗で、津波堆積物は含まれないものだということでよろしいんですか。
(答)幾つかの数字があるので若干複雑になっていて恐縮なんですが、今御紹介をした25%という数字は、これは災害廃棄物のみで、津波の堆積物は入っておりません。津波堆積物につきましても、様々な再生利用などが進んでおりまして、そこの数字もございますが、改めて事務方から、今私の手元に十分な資料がありませんので、御紹介をしたいと思います。
(問)宮城県では7月末現在では25.5─災害廃棄物で対応ですけれども─だったかと思うんですけれども。宮城県は3割に届いたりとかって、これも事務方に確認したほうがよろしいですか。
(答)そうですね。ちょっと細かい数字は事務方に確認していただけますか。すみません。
(問)朝日新聞、小林です。
 温暖化対策基本法なんですが、この国会でも結局成立がならなかったということで、年末のCOPに向けて影響はあるかと思うんですけれども、今後どのように対応されていくのか、大臣の受け止めとお考えをお聞かせください。
(答)今、エネルギー環境戦略の具体的な最終段階での調整に入っていますので、まずそれをしっかりと決めることが重要だというふうに思います。その基本的な方向性ができた暁には、特にやはり2020年というのが一つの大きな目標になりますので、2020年にどういう具体的な目標を掲げるのかという、詰めの作業に入っていくことになろうかと思います。もちろん、国内のいわゆる真水による削減、それに加えまして森林吸収源やCDM、2国間オフセットクレジットなど、国際貢献の部分がありますので、そこは単にエネルギー環境戦略だけではなくて、そうした様々な政策対応による上積みということができますので、そこも含めてCOP18に向けて政府としての考え方を整理するということになろうかと思います。
(問)共同通信の太田です。
 原子力規制委員会についてなんですが、国会同意人事が採決されないまま、今日、事実上の会期末を迎えていますけれども、その発足に向けて今後どういう対応をとるのか。一部では、来週に設置法の施行日を決めて、19日にも任命という日程も報道されていますが、この対応についてですね。それと、その規制委を早期に発足させる必要性について、なぜ早く設置しなければいけないのかという点について改めてお願いします。
(答)早期に設置をしなければならない理由ですけれども、これは国民の皆さんから御覧をいただいても、国際社会から見ても、日本の原子力の規制・安全というものについてやはり改めていく必要があるというのは、おそらく異論がないところだと思うんですね。そういったことを考えますと、原発の事故から1年半が経過をしている中で、今でもその体制が変わっていないということ自体、私はこれは見過ごすことができないというふうに思っています。ですから,早期の発足は、そういう国内・国外からの様々な厳しい目から見ても、当然のことだと思います。
 また、国会の中で成立をしていただきました原子力規制委員会設置法におきましても、3カ月以内に発足をさせるというのが明記をされています。その期限が間もなくやってまいります。ですから、法的な意味でも早期の発足が必要であるということです。
 明日が会期末ですが、実質的に今日が会期末に近い扱いになろうかと思いますので、国会で同意をいただけなかったということにつきましては、大変残念だという思いがございます。私どもとしては、やはり国会での同意ということが、これが望ましいと、当然そう思っておりました。今日、まだ国会は開いておりますので、今後の日程について具体的に私の方から申し上げることは控えたいと思います。ですから、国会で同意がどうしてもいただけないということであれば、政府として判断をしていかなければならないということにはなろうかと思います。
(問)エネルギー政策について、昨日、民主党の調査会が2030年代に原発ゼロを可能にするよう、あらゆる政策資源を投入するというようなまとめをしたわけなんですけれども、これに対する大臣の評価と今後、政府のエネルギー環境会議でどのようにこの提言を取り込んでいくのかということについてお考えを。
(答)原発のゼロを目指していくという方向性は、これは政府、与党とも既に共有されていると思うんですね。あとは、そのことによりましてエネルギー政策全体が大きく変わりますので、そこは巨大なパズルみたいな形になっていまして、1カ所だけいじるというわけにいかないんですね。必ず他のパーツが変わりますから。ですから、そこをやはり整合性のある形でお示しをするのが政府の役割だというふうに思います。
 当然、再生可能エネルギーをどう拡大をしていくのかという、原子力に代わる代替電源の話がありますよね。それは太陽光のような非常に家庭でも取り組んでいただけるようなエネルギーもあるんですが、どうしても現段階においてはベース電源というのも重要になりますので、そういった面からも再生可能エネルギーの中でどういったものがあるのか、さらには化石燃料の割合をどう考えるのかということを含めて、総合的な判断ということは必要だと思いますね。
 その他にも、使用済み燃料の扱いにつきまして、特にやはり青森ですね。昨日も青森県知事、来られていましたけれども、やはり青森の皆さんに大変な御負担をお願いをしてきていますので、それをこれまでの信頼関係をどう維持をしていくのかというのは欠かせない視点だと思います。
 さらには、やはり世界の中における日本の役割、エネルギー問題、これはつながっていますので、そこについても総合的な判断が必要だということだと思います。
 これから党の提案もしっかり受け止めた上で政府としての最終調整に入るということです。

(以上)