細野内閣府特命担当大臣記者会見要旨 平成24年4月10日

(平成24年4月10日(火) 9:22~9:44  於:環境省22階第1会議室)

1.発言要旨

 私から3件、御報告申し上げます。まず、本日これから福島市のほうに参りまして、瀬戸市長と面談をし意見交換をしてまいります。それに先立ちまして、福島市内の大波地区にあります仮置き場を見学をさせていただきたいと思っております。この仮置き場の設置については、各自治体の皆さん、大変御苦労をされて設置をされているものであります。また、地域の住民の皆さんにも御理解をいただいて設置をさせていただいているものでございます。そうした皆さんの御努力に対する感謝の思いも含めて、しっかりと現場を見せていただきたいというふうに思っております。この仮置き場というのはいうまでもなく、除染のためのものでございますので、しっかりと見せていただいた上で、更に除染を加速させていくという体制を市町村とも協力をしながらとっていきたいと思っております。
 次に、先週の6日が期限ですね。3月16日に出しました35道府県、そして10政令指定都市に対する文書でございますが、4月の6日が一つの締切りということになっておりました。これまでに32道府県。10政令指定都市の合計、42自治体から御回答をいただいております。いくつかの自体体からはもう少し時間をということで話をいただいておりますので、そこは4月の6日を一つの目途にしておりましたが、若干、遅れて出されるところも含めて、それぞれ事情がおありでございますので、お待ちをしたいというふうに思っております。この中身でございますが、私もおおまかに把握は既にしておりますけれども、この協力要請、私どもからさせていただいた上での回答でございますので、もう少し内容を精査をして、取りまとめた上で皆さまには御報告をしたいと思っております。また、総理からの要請でもありますので、皆さんにしっかりと御説明をする前に、総理にも中身の御説明をして、総理からもしっかりとゴーを出していただいた上で、皆さんに発表したいと思っております。それ程、時間をいただきませんので、今しばらくお待ちください。
 最後に、災害廃棄物のこの処理の状況でございますけれども、191.5万トンということで、進捗率8.5%という数字になりました。先週が8.1%でございましたので、若干、進捗の伸びが鈍化しているという状況なのですが、これは先程確認をしたところ、それぞれの自治体によって報告がうまく上がってきているところ、その週についてはなかなか把握しきれないところ、いろいろあるようでございまして、そういった意味で進捗自体が遅れているということではなくて、集約自体の数字の問題のようでございます。したがって、この8.5%ということになると、週に0.4とか0.5とか0.6辺りの進捗でございますので、これをやはりもう少し上げていかなければ、目標達成をしませんので、これからもまだ課題を残しているということであるというふうに承知しています。この場所でも毎週のように御報告を申し上げていますが、自治体の中でも仮設の焼却施設が動き出す、更には再利用ができるようになるであるとか、様々な形での処理が加速化をこれからしてくるだろうと思っております。また広域処理についても回答がかなり出てきておりますので、そこから具体的な処理ができるところについては、更なる調整に入りたいと思っております。そういった中で、できるだけ早い段階で被災者の皆さんの前からこの災害廃棄物というのが見えない状態になること、更には処理が完了するということが私どもの大きな仕事でございますので、その課題に向かって、しっかりとやっていきたいと思っております。
 私からは以上です。

2.質疑応答

(問)日経新聞の福士です。二つ、お願いいたします。まず、1点目は大飯原発の再稼働に関してですけれども、昨日、安全基準に概ね適合しているという結論が出されましたけれど、大臣としての受け止めをお伺いしたいのが一つ目。二つ目は、今日この後の福島市長との面会ですが、具体的なテーマについておっしゃれる範囲内でお願いいたします。以上です。
(答)まず後段のほうの福島市長ですけれども、一番目には仮置き場について大波地区については設置をしていただきましたけれども、その他の地区についても今、市長を中心に大変、御努力をいただいてますので、そういったことについての協議をしたいということです。さらに、我々が直轄で除染をしている地区は、まさに国の責任で全てやるわけでありますが、自治体にやっていただいているところについて、国がしっかりとバックアップをする体制をこれまでも努力をして作ってはきておりますが、更に強化しなければならないと思っております。ですから、自治体にやっていただいている除染のこの進め方について、福島市というのは最も規模が大きな形で除染をしていただいている自治体の一つですから、瀬戸市長からしっかりとお話を伺った上で、これからの協力体制を更に強くできればと、そんな思いで行ってまいります。
 もう一点の昨日の会議でございますけれども、これまで4回重ねてまいりまして、その中で安全基準を確認をし、大飯の3号機、4号機についての概ね当てはめを行ったということです。まだ、最終確認には至っておりませんが、私も去年の、実質的には7月頃からでしょうか。保安院が緊急安全対策を出したのは去年のもうその前からですね。その前から様々な安全対策を打ってきているところを見ておりますし、更には事故を踏まえた対応ということで、東京電力の福島第一原発で起こったことと同じことが起こったときに、炉心溶融に至らないということについては、去年からずっとその確認の作業を見てまいりました。私自身も実際に様々な検証作業を通じまして、また、更には安全対策を通じまして、どのような対策を打って出ているか見てまいりました。ですから、4回の会合の中で、そのプロセスをずっと続けてきた中での確認の作業しているという状況です。ですから、現段階でやれることという意味では、もうこれは、打てる手は打っていて、そして、福島第一原発で起こった津波が、仮に襲来したとしても、炉心溶融には至らないということについて確認が、おおよそできたのではないかと、最終的な確認ということではありませんので、そこは慎重に慎重を期したいと思いますが、そのように受け止めております。
(問)共同通信の兼次と言います。水俣病問題について、2点、お願いしたいのですが、一点は、先日、副大臣が水俣入りした際に、被害者の掘り起こしについて、迷惑という発言があったという報道がありますけれども、この発言について、大臣のお考えをお聞かせいただきたいのと、もう一点が、実際に今、被害者の方たちが新たな被害者の掘り起こしの作業を進めているわけですが、7月末の申請期限が迫る中で、そのことをどういうふうに受け止めているのか、大臣御自身はどう受け止めていらっしゃるのかという2点をお願いします。
(答)7月末ということで設定をしたのは、大臣である私自身でございますので、様々な団体の皆さんにも是非、力を貸していただいて、自治体の皆さまにも御協力をいただいて、それまでにできる限り多くの皆さんに申請をしていただいて、あたう限りの救済を実現をしたいと思っております。その意味では自治体や各団体の皆さん、早期の救済というのを当然、目指しておられるわけですから、立場に全く違いはないと思いますので、是非、力を貸していただきたいと思っております。横光副大臣の週末の団体との様々なやりとりというのは、まさにそのことをおっしゃっているのだと、言っているのだというふうに私は思っています。つまり、7月末までにあたう限りの救済をするために、是非、最大限の力を貸してもらいたいと、そういう趣旨での御発言というふうに受け止めております。
(問)7月末という期限があるからこそ、迷惑という言葉が出てきたということですか。横光副大臣の迷惑という発言なのですけれども、7月末までにあたう限りの救済という目標があるからこそ、出てきた言葉だということでしょうか。
(答)団体によって、様々な考え方がありますから、その団体の考え方について、やりとりの中で、そういう言葉を、そういうことをおっしゃる団体がいるということについては、これは受け止めなければいけないですよね。それぞれの団体のお考えがありますから。そういうことじゃないですか。その上で、政府が何をやるかといえば、7月末までにあたう限りの救済をすべく、しっかりと広報するということですから、横光副大臣もその趣旨を踏まえて発言をしているということです。
(問)すみません、あと、大臣御自身は、その掘り起こしが今、被害者団体の中で進んでいるということについては、もう期限が7月末と迫っている中で、どういうふうに受け止めていらっしゃいますか。
(答)申請数が増えていること自体は前向きに受け止めています。それはいろいろな団体の御協力によるものでもあるでしょうし、我々が広報をして7月末だということを言っていることも一定の効果が出ているのだろうと思っていますので、前向きに受け止めています。
(問)北海道新聞の須藤といいます。原子力安全委員会の業務についてお聞かせください。 兼ねてより問題となっている任期満了を迎える三人の方のその後の状況と、そして、大飯原発以外の保安院のストレステストを審査を終えた分についての確認作業を受けるかどうか、このあたり、現時点で大臣のお考えがあればお聞かせください。
(答)これまでと状況としては変わっていません。つまり、昨日も原発立地の自治体の皆さん来られましたが、その中で、やはり、地域の防災計画を作らなければならないという非常に切迫した思いを述べられてました。それは、新しい規制庁の下で法律に基づいてやるというのが政府の方針なのですね。ですから、自民党も公明党も、今その検討をしていただいているというふうに承知をしておりますが、今の状況を放置をできないという意味では、国会の各会派、立場は全く同じだと思うのです。ですから一刻も早く、とにかく、規制庁を発足させる。そのために法案の審議に入るということが重要だと思っております。原子力安全委員の皆さんには、行政の空白を認めるわけにはいきませんので、規制庁の発足までの間について、役割を果たしていただきたいという要請をしております。原子力安全委員の場合は、3年が任期ですので、それこそ、3年の再任という意味では、そういう意思を3名の方がお持ちでないことは重々承知をしておりますが、これまでも、発災以来、問題に関わっていただいた、この責任感の中で、空白を作らないということは御了解をいただいているというふうに承知をしております。
 ストレステストをどうするかですが、それはまだ決まっておりません。
(問)テレビ朝日です。よろしくお願いいたします。先日少しお話はしてあると思うのですけれども、震災がれきの受入れについて、大臣は従来より広域での処理をお願いしたいということをいろいろな場において力説されておりますけれども、今般、テレビ朝日、ANN系列で、関東、東京を除く全256市町村に対して、震災がれき受入れの処理に関するアンケートをとったところ、およそ4割が受け入れをしたいと。条件付きを含め、何らかの形でがれきを受け入れたいと表明をしていて。ただし、4割がそれは困難だという回答をしております。これについて、大臣の、数字を見た上での率直な感想をまず伺いたいのですが。
(答)政府が要請したものに対しての回答もそうですし、各社がいろいろなアンケートをされておられますので、それについての回答もおそらく同じだと思うのですけれども、それぞれの自治体が、被災地のがれきの処理の重要性をしっかり理解をしていただいた上で、非常に悩んだ末に、いろいろな回答をされているのだろうというふうに思うのです。ですから、受け入れができるという回答をしてくださった自治体も、なかなか難しいという回答をされた自治体も含めて、私はそこは、すべての皆さんしっかりと御返答いただいたという意味では感謝を申し上げたいという気持ちです。実際に受入れをする物理的な処理場であるとか、処分場であるとか、焼却施設などの能力の問題もありますから、是非、受け入れに前向きに取り組んでいただきたいというふうに思ってますが、それが許されない、できない自治体もあるわけですね。ですから、そこは私も、それぞれの事情というのは、しっかりと受け止めていかなくてはならないというふうに思っています。したがって、一概に数が高い低いということで評価するというのはどうかというか、そういうふうには、私は受け止めておりませんので、皆さんに御検討いただいているということで感謝を申しあげたいと思います。
(問)さらに追加で恐縮なのですけれども、受け入れると表明した4割程度の自治体においても、条件付きで受入れたいという自治体が非常に多くございました。中でも一番大事だなという条件ということで、自治体さんからでてきたのが、やはり、地域住民の理解、協力、そして放射性物質の濃度なのですね。安全面の確保、そして、焼却するだけではすまないものですから、当然、処分場について、まだ明確な方針というのが示されていないのすが、これについて、まだいろいろな不安があると、そういったところをまず払拭できなければ、受け入れたくても受け入れられないという回答が非常に多くございました。これに関しては大臣はどのようにお考えですか。
(答)処分の方法については、政府としての方針は明確に示しているのです。キログラムあたり8000ベクレル以下については、通常の処理でしっかりと完了していただければ問題ないということでお示しをしております。今、最後におっしゃったのは、おそらく焼却施設はあるけれど、処分場はないところがあるという御主旨ではないかと思うのですが、それは自治体にそれぞれ御事情がありますから、個別にそういったところで処理をしていただけるとすれば、どういう方法があるのかというのはしっかり検討していきたいというふうに思います。それぞれ御事情がありますけれども、具体的に処理を検討していただく段階で、それぞれ、住民に説明をしたり、更には被災地に直接行っていただいて現場を見ていただいたり、そういう手続きに入っているわけです。ですから、意欲をお持ちの自治体、やっていただけるという可能性がある自治体については、そういったところまでしっかり入っていくことが大事だと思うのです。説明にはもちろん行きますし、いろいろ情報は全てお出しをいたしますが、それだけでは問題が解決しませんので、個別にしっかりと協議をする中で、最終的に処理まで、なんとか到達をしていくことが重要ではないかというふうに思います。
(問)最終処分場の問題ということに関しては、現段階では仮に最終処分場が確保できなければ処分が難しいと言っている自治体に対して、国がこういった形で、最終処分場、埋め立てなど、そういった形で何か具体的なバックアップしていくというお考えは今の時点ではないのでしょうか。
(答)いろいろな可能性は探っているのですけれども、処理を迅速に進めるという意味では、それは一番早道なのは、焼却もできて、そして処分もできるというところが一番近道なわけですね。我々としては、できるだけ先に進めたいですから、そういったところについて、まずしっかりとやっていくと。そうでない状況の場合に、例えば自治体ごとの組み合わせということはあり得ると思います。ですから、またそこで移動するということになると、それはコストの問題もどうしてもかかってきますし、組み合わせの量の問題もありますから、なかなか悩ましい問題があるのですよ。日常的な処理をしていますから。日常的な処理をしている中で、たとえば20%一緒に処理をしていただくということになるわけですよね、そうすると震災がれきで処理をしていただいた部分はどの部分かというのは、これはもう混ざりますから、意味がありませんので、そうなってくると、どの部分をどうやって処理をするかという問題がでてくる可能性があるわけですね。ですから、おっしゃることはよく分かりますし、それぞれの自治体にできるだけ寄り添ってやっていきたいと思いますけれども、現実的に、焼却をして、その後最終処理だけどうするかということを取り出して考えるのは結構難しい問題があるということです。ですから、個別にそういう状況の中で、解決方法を模索すべきところがあれば、それはしっかりとやっていきたいというふうに思っております。
(問)今のお話ですと、処分場の問題を抱えているような自治体さんによっては、複数の組み合わせということをおっしゃいましたよね。組み合わせというか、それは複数の自治体を合わせて最終処分を行うようなことも検討するという御主旨でよろしいですか。
(答)ですからさきほど申し上げた形で組み合わせもあり得るというふうに思います。
(問)水俣の件で関連なのですが、掘り起こしの検診を慎むべきだという趣旨の発言があったことについて、患者団体から反発があがっていますけれども、これについてのお考えと、今後なんらかの対応をするお考えがあるかどうかお聞かせ願えますか。
(答)横光副大臣は、水俣病の問題については、副大臣就任直後から非常にしっかりと対応していただいてますので、いろいろな団体との関係も含めて、これまで精力的に活動していただいていると思っています。横光副大臣自身の言葉というよりは、団体の中でそういう御意見があるということについて、それをそのまま言及をされたと、そのやりとりの中でですね。私は先程申し上げましたけれども、7月末までにあたう限りの救済をしていくという趣旨の発言というふうに受け止めております。

(以上)