細野内閣府特命担当大臣記者会見要旨 平成23年7月26日

(平成23年7月26日(火) 8:35~8:45  於:衆議院本会議場中庭側廊下ぶら下がり)

1.発言要旨

 皆さんの質問にお答えさせていただきます。

2.質疑応答

(問)肉牛に関してなんですが、今各県から全頭検査を求める声が上がっていますが、昨日も関係閣僚で会議をされて、今の進捗状況というのを教えていただけますでしょうか。
(答)肉牛問題は非常に大きな広がりを持ってきておりますので、内閣全体として極めて深刻に受け止めて、昨日も様々な協議をいたしました。今出ている汚染牛の問題については、やはり、直接今取組をするのは農林水産大臣ということになりますので、いろいろと調整している最中ですので、詳細については農林水産大臣からお話を聞いていただきたいと思います。
 私のほうからは、消費者担当ということもあって、汚染されていないもの、基準値を下回るもののみしか市場に出ていないという状況を是非作ってもらいたいと、そのために全省を挙げて取り組もうということで協議をしてまいりました。その趣旨が徹底されるように、サポートしていきたいと思います。
(問)その下回るものという話ですが、セシウムが基準値以下というものでも買い取るかもしれないという一部報道がありますが、その事実関係というのは。
(答)汚染された餌によって、もう既に問題点が指摘されておりますので、餌で判断するのか、若しくは肉の汚染の度合いで判断するのかという問題があるわけですね。消費者の皆さんの不安を考えると、餌自体が汚染されていたということも問題ですから、そこをどういった形にするのかというのは、正に今調整中ということです。
(問)その補償に関してなんですが、例えば買取りを含め、その補償体制というか、機構も含め、その辺も関係閣僚のほうで話は進んでいるのでしょうか。
(答)そこは主に農林水産省のほうでということになりますけれども、最終的な補償そのものは東京電力の賠償のスキームの中でなされるというのが基本的な方針です。
(問)その牛肉の問題で、今日の閣議、閣僚懇で、総理のほうから何か言葉はありましたか。
(答)昨日、逐次いろいろな調整が行われてきましたので、今日の閣議、閣僚懇の中では、その話は直接は出ておりません。
(問)今日、食品安全委員会のほうで、発がんの影響がある数値として、生涯100ミリシーベルト以上とする基準が今日にもまとまる予定なんですけれども、その関係で避難基準の目安というのが、年間20ミリシーベルトというのがあるんですけれども、それとの兼ね合いで考えがあればちょっとお伺いしたいというのと、そもそもこの数値自体を、生涯で100ミリシーベルトを把握するのは難しいんじゃないかという指摘があるんですけれども、そのことについてお願いします。
(答)かねてから100ミリシーベルトというのが、一つのいろいろなところでこれまで議論されてきた数値だというのは承知をしておりますので、そのことについての言及が食品安全委員会の専門部会のほうであるという話は事前に報告は受けております。その後、食品安全委員会そのものの判断というのがありますし、パブリックコメントもやるというような話も聞いておりますので、まだ実際の答申を出すには少し時間がかかると聞いております。そこは専門家の皆さんですので、その専門家の皆さんでしっかり議論していただいて、どういったものが出てくるのかということは見守りたいと、そこはしっかりと、私は担当大臣でありますので、受け止めるという、そういう立場です。
(問)ストレステストの関係なんですけれど、1次と2次の詳細が出ましたが、従来考えられていたよりも1次と2次の差異があまりなくて、かつ2次を受けた後に1次を受けるようなところも今の定義だとあるということで、なかなか分かりにくいというのが自治体や「電力」から出ておりますけれども、これについてはどのように受け止められていますか。
(答)当初と比較すると、1次評価の項目が増えたんですよね。これはどういうことかというと、保安院が当初出したものよりも、原子力安全委員会のほうがより厳密な評価を求めるという、そういう立場をとったということに依拠するものというふうに承知しております。それ自体は、しっかり安全を確認するという意味では、原子力安全委員会の判断は妥当なものだというふうに思いますので、結果として項目が近いものになったこと自体は、特に問題だとは私は思っていません。評価の発想が若干違うわけですね。安全裕度を調べるのが1次評価、クリフエッジといって、ずっとストレスを上げて、最終的にダメージを受けるところまでがどこかというのを確認をするのが2次評価。ですから、項目はかなり近寄ってきましたけれども、調べる数値そのものは違いますから、そこは1次評価と2次評価は私は明確な違いが依然としてあると思いますが。
(問)むしろ1次と2次という表現が分かりにくさを助長しているんじゃないかと、順番がついているかのように見えるので、役割が違うなら、名称を変えるなどの検討が必要なんじゃないでしょうか。例えば起動前審査とか起動中の審査とか、そういうふうな違いがあるのなら、そういうふうにしたほうがいいんじゃないでしょうか。
(答)そこは定義は明確だと思うんですね。再起動のところについては1次評価、そして稼働中のものについては2次評価と、稼働中のものを含めて全てについて2次評価ということですから、あまり混乱をもたらしているとは思いません。
 ストレステストというもの自体、我が国で初めて実質的に導入をされるわけですから、まだ事業者の皆さんや関係者の皆さんに十分浸透していないところがあるのかもしれません。そこはできるだけ正確にしっかり取り組んでいただけるように、政府としては取り組んでいく必要があると思いますね。
(問)あと、IAEAの天野さんが来日しています。それで昨日福島第一を見て、それで中長期的な課題の部分で政府にいろいろ協力をしたいと、具体策も話をしたいということをおっしゃっていましたけれども、大臣としてお会いになる予定はありますか。それとあと、どういったことをお話を伺うおつもりでしょうか。
(答)是非お会いをしたいと思っております。IAEAのほうから様々な協力をいただけるというのは非常に有り難いことですので、具体的にどういう協力関係をつくれるのか、再度協議してみたいと思います。
 あとは、私のほうから少し天野事務局長に御相談したいなと思っているのは、9月に総会がありますので、そこは6月に続いて日本にとって非常に重要な会議になります。そこに向けて、日本として取り組むべき課題が何なのか、そこで日本が発信すべき情報の開示というものはどういったものなのか、そのあたりを少し事務局長から御意見をいただければ、それに向けて取組ができるのではないかと思っています。
(問)先週の金曜日にユッケの食中毒事件で、消費者委員会から消費者庁の対応が遅いというような建議が出されましたけれども、それの大臣の受け止めと、大臣はその当時担当大臣ではありませんでしたが、当時の消費者庁の対応はどうだったのか、その辺りの分析を教えてください。
(答)消費者委員会のほうからは、ユッケの問題に限らず、消費者庁の取組について様々な御意見をいただいております。それ自体は、直接の消費者問題を扱う消費者庁に対して、客観的な中立性が担保されている消費者委員会のほうから、様々な助言、忠告、そういったものがいただけることは、そういう趣旨でできた組織ですので、私は望ましいことだというふうにとっています。
 もちろん、それぞれの対応について、全て百点満点ということは難しいでしょうから、その対応を消費者庁が常にレベルアップしていくと。発足2年ですので、一定の区切りの時期も迎えているのも事実ですから、更にレベルアップすることを担当大臣として促していきたいというふうに思います。ですから、消費者委員会のほうから様々な消費者庁に対する、厳しいものも含めて、意見が出てくること自体は、もともとそういう役割ですから、私はおかしいことではないし、むしろ望ましいことだというふうに考えています。

(以上)