細野内閣府特命担当大臣記者会見要旨 平成23年6月28日

(平成23年6月28日(火) 10:22~10:46  於:合同庁舎4号館6階605会議室)

1.発言要旨

 おはようございます。
 今日初めて閣議に出席をしてまいりました。
 これから様々な経験したことがない、慣れない、様々な大臣としての仕事がありますので、それをしっかりとこなしていきたいというふうに思っておりますが、ただその一方で原子力発電所の事故の問題というのは、一刻の猶予もありませんし、また非常に力の要る仕事でございますので、そこは滞りなきように、政府として進めていく必要があると思っております。その意味では、助走期間というのは設けることは許されませんので、今日から再び事故対応の責任者として、この仕事を全うしてまいりたいというふうに思っております。
 今日、閣議の中で特段私の仕事に関わる案件はありませんでしたので、あと皆さんのほうから御質問があれば、それにお答えをさせていただきたいと思います。

2.質疑応答

(問)TBSの峠田と申します。よろしくお願いします。
 今日、閣議後なんですが、総理と海江田大臣と残られて、役割分担について話し合ったということなんですが、その内容をちょっとお聞かせ願えますか。
(答)海江田大臣と福山副長官と私が総理から呼ばれまして、短時間でしたけれども、打合せをいたしました。
 確認いたしましたのは、役割分担ですね。海江田大臣が原子力全般をやり、私が事故対応をやると。そして、組織の改編の問題は私が担当ということで、連携をしっかりとしていこうということで確認をいたしました。
 福山副長官が私と一緒にいろいろな形での仕事をしていただけるということですので、福山副長官も含めて、打合せをできたということです。
 もう一つは、大きな議題が何といっても、この組織改編をどういうスケジュールでやっていくのかというその辺りなんですけれども、党の側とも協力をして、できる限りスピードアップをしてやっていこうという方針を総理が示されましたので、そこは具体化していくのは私の仕事ですので、精力的に取り組んでまいりたいというふうに思っております。
(問)読売新聞の高田です。
 昨日も伺いましたけれども、今日の今のお話で、組織改編をできるだけスピードアップしてやっていく。それで、責任者として具体的なスピードアップのスケジュールのイメージがあればお話をしていただけますでしょうか。
(答)昨日の今日ですので、昨日のスピードアップはしたいということを申し上げましたけれども、時期的なめどであるとかやり方は少し慎重にしてまいりたいと。要するに、段取りは慎重にやって、結果としてスピードアップするようにということを申し上げましたが、今も全く状況は同じなんですね。
 ですから、党の側のいろいろな検討の在り方、さらには国会の情勢、そういったものも見極めて、時期的なところは皆さんにしっかりとお話できる段階になったら、改めてお話をさせていただきたいと思います。
(問)PTの山口さんたちと連携してということでしたけれども。
(答)そうですね。総理の方からは、荒井座長がやられているPTについては、しっかり連携してやっていくようにという、そういうお話がありました。
(問)フリーランスの上出です。
 今後の我々に対しての対応なんですけれども、今まで共同記者会見を細野さんが取り仕切るという立場でございますね。今後このお立場になった場合、記者会見のやり方、あるいは情報公開の仕方、他の共同会見のスピーカーとの関係とか、その辺のことをちょっと分かりやすく教えていただけますか。
(答)まず、国民の理解、後押しをいただくためには、情報公開は更に徹底をしていかなければならないし、これまでのやり方が十分だったとは思いませんので、そこは私が大臣になることによって、加速をさせていかなければならないというふうに思っております。
 そういう観点から言っても、記者会見はできれば継続をしていきたいというふうに思っておるんですね。ですから、今日は株主総会ということで、開催することはできませんけれども、明日以降どうするか、できるだけ早く御相談したいと思っておりまして、制約は物理的な時間だけなんです。国会があると、なかなか例えば答弁に呼ばれるようなことがあれば、それは最優先でしなければなりませんし、また大臣としての様々な打合せも出てくるということですので、それと両立をできるようであれば、是非やりたいと思っていますし、物理的にどうしてもかち合うようなケースはどうしていくのか、そこは今日少しスケジュールの確認をしながら、最終的には判断をしていきたいと思っております。
(問)とりあえず今日の共同記者会見はいかがですか。
(答)今日は東京電力が株主総会なんですね。それで、元々、後のスペースが空いていないので、今日は共同記者会見は行わないということで、昨日から決めておったんです。
(問)その次の予定は…。
(答)それを少し調整をした上で。
(問)基本的には、このまま共同会見でも主な役割を演じるという考えには変わりはない。
(答)そのスタンスでいたいと思うんですけれども、今までも申し上げているんですけれども、特に初めはそこは事故自体の収束については、情報を逐一昨日も得ておりまして、適切な私なりの判断はしていこうと思っているんですけれども、物理的な時間ということに関して言うと、大臣としての職務をまずはきっちりこなすという面も、これも必要なものですから、そこのジレンマをどう解消できるかということで、調整をしたいと思います。
(問)更なる情報公開に対して、具体的に何かお示しいただければ。
(答)当面、私が一番力を入れていきたいと思っているのは、環境の放射線モニタリングです。それぞれの省庁が頑張ってやっていただいていたんですけれども、統一感がなかなか十分できてなかった部分があると思うんですね。
 もう一つ重要なのは、日々国民の関心は移り変わりますね。例えば、放射線量にしても、当初およそどれぐらいなのかというマップをつくるというのが一つの大きな我々としては課題だったんですけれども、今はもう少し個別の問題ですね。例えば、通学路や海水浴場、これもできるだけ放射線量を測るようにしていますが、こういったことについての夏に向けての関心が非常に高まっています。
 さらには、それぞれ皆さんが生活をしていく中でのいろいろな不安をどう取り除くかというのがこれが大きな課題になりますので、そういう国民のニーズに基づいたモニタリングをしっかり行って、そして情報を公開していくと。政府の情報が十分信頼性がないという方も国民の中には数多くいらっしゃいますから、そういう不安に応え得るようなモニタリングをまず最初にしっかりやっていきたいと思っております。
(問)朝日新聞の倉重です。
 今日の閣議と閣僚懇で、菅総理の今回の人事の手法について、何か閣僚から発言等あったでしょうか。
 あと閣僚懇で、細野大臣がお話をされたということを伺ったんですけれども、具体的にどういった話をされたのか、お願いします。
(答)人事については、どなたからも発言がありませんでした。総理のほうから、組閣の報告がありました。松本大臣と私のことが主になりますけれども、それを受けてどなたからも発言がありませんでしたので。
 私から挨拶をしたらどうかというようなお話をいただいたので、本当に短い項目だけのあいさつをいたしました。
 申し上げたことは二つです。
 一つは、原発の事故というのは極めて深刻なので、その責任をしっかり果たしていきたいということです。
 もう一つは、皆さん私以外の全ての閣僚の皆さんは私にとっての政治家としての大先輩になりますので、そこは是非御指導いただきたいということを申し上げました。ごく短い時間でしたので、皆さんお忙しいでしょうから、その二つだけ申し上げました。
(問)時事通信の岡谷と申します。
 昨日、副大臣と政務官のお話が出ましたが、事務局として大臣をサポートする体制、現在も内閣官房、そういう組織があるからあれなんですけれども、大臣になられて、人数の規模ですとか、メンバーの構成含めて、今何かお考えあったら教えてください。
(答)それをこれから今日は調整したいと思っております。
 これまでも、秘書官に何名かついていただいて、非常に皆さん一生懸命やっていただいて、この体制でやってきました。引き続いて統合対策室については、事務局長としてやっていきたいと思っておりまして、その意味では余り大所帯のものを作ることが必ずしも必要ではないというふうに思うんですね。
 ただ、その一方で二つある程度体制を整えなければ乗り越えられない問題がありまして、一つはこの組織改編の問題、これは事故対応というまさに走るところと少し違って、先を見ながら、政府全体の在り方を考えなければならないというかなり異質の部分があるわけですね。ここにはある程度のスタッフがいないと実現できないと思いますので、そういうスタッフをどう整えるかというのが一つの課題です。
 もう一つの課題は、国会での答弁がありますので、特に原発の事故というのは、非常に国民の大きな関心事で、当然国会でも説明する責任が大臣としてはあるというふうに思っていて、国会のサポート体制というのはしっかりしていかないと、本当にいろいろな意味で、国民の皆さんにも御心配をおかけをすることにもなりかねませんので、その体制をどう整備をしていくのかというのがもう一つの課題であります。
 ですから、その二つの課題をしっかりと克服し得るような体制をできるだけ早い段階で整備をしたいと思っております。
(問)毎日新聞の足立です。
 冷温停止の定義の件でお伺いしたいんですが、昨日大臣は冷温停止というのは健全な炉に使う言葉で、こういう今回の事故のような炉とは違うとおっしゃっていたんですが、もともとそういう健全な炉に使う専門用語を損傷している炉の収拾の工程表に元々入れたことで、非常に今混乱を生んでいると思うんですが、例えば別に安定的な冷却という言葉でもよかったと思うんですが、なぜ冷温停止という専門用語を工程表に入れたのかということと、あと今後定義する場合に、定義というのは誰がやるんでしょうか。保安院なのか、安全委員会なのか、大臣御自身がやられるのでしょうか。
(答)冷温停止という言葉は、原子力の世界で言うならば、象徴的な原発が止まっている状況を表すんですね。ですから、そこの言葉を使ったこと自体は、私は間違ってはいないんじゃないかと思っているんです。
 逆にそういう言葉を使わずに、原発が安定していますとか、安全ですと言っても、その根拠なり、その状態というのはどうなのかということを問われかねませんので、言葉を使ったこと自体は、私は間違ってないんじゃないかと思っております。
 ただ、国民の皆さんからすると、じゃ、その冷温停止状態というのは一体どういう状態なのかということについての説明を求められるのは、当然のことだというふうに思っておりまして、その状態が通常の発電所の状況と今回のような事故後の状況というのは、違うのではないかということで、より丁寧な説明が求められるということです。
 100度以下というのが冷温停止の条件ですけれども、それだけだとまた100度を超えるような状況にすぐなるのではないかとか、またそういう炉の温度はそれぐらいになっているけれども、放射能はそこにまだ出ているじゃないかとか、そういう御心配をされる方が当然いらっしゃいますし、それに応えることが責任だというふうに思っております。
 最終的に、どういう定義にするのかの判断は私自身でしたいと思っております。ただ、私が技術的な十分なそれこそ専門性を持たずに勝手に判断することは、あってはなりませんので、今、保安院や原子力の専門家、東京電力ももちろんそうですけれども、慎重に検討してもらっています。安易に定義すべきではないと思いますので、とにかく慎重にやってくれということで、今積み上げで作業をしております。そういう積み上げを尊重して、それが国民の皆さんに理解をされるというふうに私が判断をした場合には、その定義を国民の皆さんにお知らせをしたいということです。
(問)静岡新聞の上田と申します。
 食品安全の分野でちょっと伺いたいんですけれども、お茶の放射性物質の現在の暫定数値に関して、静岡の茶産地の関係者から、科学的根拠が乏しいのではないかという声も出ています。ちゃんと規制に合った独自の規制値を設定してほしいと求める意見もありますけれども、大臣はこの件についてどのようにお考えでしょうか。
(答)お茶の仕事をされている生産者の皆さんや、また流通に関わっている皆さんから、非常にこの問題について、大きな被害が出ていると、さらには業界としても非常に厳しいという声は私も本当に申し訳なく承っております。
 特に私の場合は静岡県選出ですので、そういう声が直接的に入ってきますので、極めて深刻に受け止めております。
 基準自体は、確かにいろいろな御意見があるわけですね。お茶については、別に食べるわけではなくて、お茶としてそこから薄めてというか、それで飲むわけですから、その危険性について個別の基準をという声があることは、理解をしているんですけれども、こうした基準は政府が直接的に決めるというよりは、例えば原子力安全委員会であるとか、食品安全委員会であるとか、そういう様々なアドバイスも頂いた中で決めるというものだと思うんですね。
 ですから、そこはいろいろ御異論あることは承知をしておるんですが、政府としてそういう助言をされた場合には、そういう基準を採用することがこれが政府としての立場としてはやむを得ないところだということを是非御理解をいただきたいと思います。
 そういった中ですので、例えばそういうお茶に係わる皆さんの被害に対してのしっかり償いをしていくことは政府の役割ですので、そこは私もしっかり努力がなされるようにはっきり言っていきたいと思いますし、今後のお茶を巡る様々な皆さんからの要望にも、最大限応えられるように努力をしていきたいと思っております。
 私は静岡県の川勝知事ともこれまで親しくお付き合いをしていただいた関係ですので、そこはもちろん原発担当大臣という、そういう役割も加わりましたので、しっかりと連携をしてやっていきたいと思っております。
(問)共同通信の宮嶋といいますが、野田大臣が菅首相の今回の人事に関して、かなり厳しい今回批判をされているということで、今回、細野大臣はこういう状況下でどのようなお気持ちで役職をお引き受けになったか、また改めてちょっとお聞かせください。
(答)こういう政局的に様々な動きがある中ですので、今回の総理の判断についても、いろいろな声があることは私もよく理解をしております。ただ、それについて私がどうなのかということになれば、そこは私は仕事に専念するしかないし、それが果たすべき役割だというふうに思っております。
 原発の事故の収束というのは、特にどんな内閣だろうが、どんな政党だろうが、我が国の最大であることは明らかだと思うんです。ですから、そういう役割を私が頂いた以上は、それに専念をするということでやってまいりたいと思います。
(問)朝日新聞の稲垣です。
 消費者担当大臣のお仕事に関連してお尋ねなんですが、今、消費者庁では独立行政法人の国民生活センターを消費者庁に統合しようという消費者庁の組織にも関わる議論が進んでいます。ただ、この統合案に対しては、内閣府の消費者委員会ですとか、あと消費者団体からは、反対若しくはもっと慎重に議論すべきだというような懸念の声も上がっています。
 それで、大臣はこの統合案について、今後どのような姿勢で臨むのか、お考えをお聞かせください。
(答)国民生活センターというのは、消費者の相談窓口として、歴史的に非常に大きな役割を果たしてきました。様々な消費者運動をやられた皆さんからも、この国民生活センターをどうやって形にするのかということについて、実は様々な意見があるというふうに承知をしております。
 したがって、本年夏までに結論をまとめたいというふうには思っているんですけれども、現実的にもう少し慎重に様々な関係者の皆さんから話を聞いたほうが適切な対応ができる可能性もありますので、今年の夏というと、もう今年の夏に入っていますので、この問題は原発の問題も大事ですけれども、極めて緊急性が高いですから、できるだけ早く夏までに本当にまとめ得るのかどうかということも含めて、私なりの考えをまとめたいと思っております。
(問)前任の蓮舫大臣は、夏までに結論を出すというふうに表明されていたんですけれども、これは今後夏までというスケジュールを延ばす可能性もあるということでしょうか。
(答)夏までに判断をしたいというふうには思っておりますけれども、もう少し時間をかけて議論をしたほうがいいのではないかという、そういう声もあるやに承知をしておりますので、それをしたほうが消費者のためになるのか、少し慎重に議論したほうがより良くなるのか、そこも見極めていきたいというふうに思います。
(問)度々の質問ですみなせん。読売新聞の高田ですけれども、力を入れるとされる環境モニタリングの関係なんですけれども、今のお話ですと、夏に向けてプールとか、そういった関係もやるというお話でしたが、国民の関心というのはあとはホットスポットについて関心がありますが、これについて国としての何か取組というのはお考えでしょうか。
(答)ホットスポットは、既にかなり詳しいモニタリングには入っておりまして、まずホットスポットがどこにあるのかというのをしっかり調べるというところからスタートしております。そこは当然もう既に視野に入っておりますし、精力的にモニタリングをするべきところだというふうに思います。
 そのときに、ホットスポットの場合には、住民の皆さんに避難をしていただくのか、もしくは残っていただくのかも含めて、自治体の協力の下にいろいろな御判断をいただかなければならないということになるわけです。ですから、警戒区域とか緊急時避難区域とはまたちょっと性質が違いますので、その分より正確な情報を迅速に国民の皆さん、特に地域の皆さんにお届けをする責任があると思いますので、しっかりやりたいと思います。

(以上)