末松副大臣記者会見要旨 平成23年2月23日

(平成23年2月23日(水) 15:34~15:55  於:消費者庁6階記者会見室)

1.発言要旨

 私からは、まず2件申し上げます。
 これは、もう長官の会見でも皆さんに申し上げたと思いますけれども、武富士の過払い債権届出締切りということで、1人でも多くの過払いの債権を有する人に知っていただきたい、漏れがないようにしたいということで、改めて長官からもやっていただきましたし、私からもやっていきます。資料はそちらにあると思いますので、是非そこはマスメディアの方にも御協力をお願いしたいということでございます。よろしくお願いします。
 2点目が、焼肉のメニュー表示の改善状況調査という結果についてでございます。調査して、調査結果は昨年10月からの状況でございますけれども、調査対象となった12社のうち、一言で言えば改善が見られたということでございます。そして、これが大体25%でございますので、あと75%については、追々これを広めていくということでございます。この調査結果の詳細については、この後、事務方から説明させていただくことにしたいと思います。
 それから、私から申し上げたいのは、トランス脂肪酸の情報開示についての指針が策定されましたけれども、これについて義務化するかどうかという点につきまして、更に栄養成分表示検討会で議論いたしまして、今年の夏ごろをめどに方向性を取りまとめたいと思っております。
 私からは以上でございます。

2.質疑応答

(問)焼肉の9社は、直っていないところの3社も、今後の改善状況などを見ると、恐らくほとんどすべて消費者庁が出したように改善するということになるのですね。
(答)ええ。
(問)よかったですね。
(答)ええ。よかったです。
(問)そうすると、業界団体が、何か「スティックロース」とか「ヘルシーロース」というのにしたらよいみたいな代替案を出してきたのですが、では、あれを採用することはなくて、消費者庁が言ったとおりに、12社みんな変えますよということなのですか。
(答)「ロース」ということで不当表示がないような形でお願いすると。「ヘルシー何とか」と言われても、分からないですよね。
(問)まあ、おもしろい名前だなと思いましたけれども。分かりました。
(問)さっき、25%で、あと75%は広めていくというのは、今後、その残りの25%も調査していくということですか。
(答)まず様子を見たいと。25%といっても、大手とか、いろいろとありますので、それで右にならえしていただく方も結構おられると思うのです。ですから、ちょっとそこの25%をやって、そこの状況を見ながら、そこでどういう対応が更に必要かということを我々として決めていきたいと思います。
 そして、こういう記事を、できればお書きいただいて周知徹底していただくほうが、我々としては有り難いのです。ですから、是非これもマスメディアの方にお願いしたいと思います。そうしていただくことによって関係者が、皆さん、新聞を読んでおられると思いますので、「ああ、そうか、これはそうなのだな」ということで、これが周知徹底されればよいなということをお願いするところでございます。
(問)特に、調査を今後も引き続きやるということではないのですよね。
(答)そこは、ちょっと様子を見ながら、更にどうするかということをやっていきたいと思います。
(問)前回のときに、今後半年ぐらいで、更に違う表示をしていたら、景品表示法違反ということで厳正に対処すると。では、今からまた違反があったら、景品表示法違反で厳正に対処するということになりますか。いつからか。
(答)そこの期限的なものは、ちょっと様子を見ながらというところだったのですけれども、これは事務方から何か言いますか、その期限的なもの。
(表示対策課長)去年10月7日に考え方を出していまして、それは、ロースでないものを使っているものについて、メニュー表示として「ロース」というものは景品表示法違反になるという考え方を出したと。長年の慣行なので、急に改まるという事情でもないということで、おおむね半年程度、表示の改善の状況を見てまいりたいということでございます。そういう意味で、まだ今回、途中の中間の状況で、こういう具合になっていますという調査結果を取りまとめて、公表させていただくということでございます。
(問)焼肉の関係なのですけれども、10月に公表された際、全国焼肉協会、業界団体にメニュー表示の改善は要請されたわけですけれども、その際に、別のフードサービス協会という団体のほうにも、当初は要請されるというお話だったのですけれども、現在のところ、そういう話はなく、フードサービス協会のほうがその要請を受けないというような態度でいることで要請ができないでいるみたいな話も聞くのですけれども、実際のところどうで、業界団体が要請を拒んだら消費者庁が要請できないというのは、どうも解せないのですけれども、その辺はどうお考えでしょうか。
(答)フードサービス協会は、やったのではなかったのでしたか。
(表示対策課長)フードサービス協会に対しましては、昨年11月9日に協会の理事会に出席しまして、10月7日に出した景品表示法の考え方について説明して、意見交換を行っております。
(問)それで、書面で要請は、焼肉協会と同じように……?
(表示対策課長)書面で要請どうこうというより、その中身について詳細も含めて御説明して意見交換しておりますので、その内容については協会の皆さんに伝わっているということで理解しております。
(答)10月の要請書という書面は渡しているのでしょう。 
(表示対策課長)10月7日に出した時点で渡すつもりでいたのですけれども、フードサービス協会がおいでにならなくて、その書面自体は渡していませんが、先ほど言ったように意見交換という形で、その内容については御説明しているということです。
(問)意見交換はしたけれども、要請はしていないということなのですよね。
(表示対策課長)いえ。意見交換会の中で、その考え方はこうでございますということで、協会の会員の皆様を含めて、会員・非会員を問わず、この考え方にそって表示の改善を図っていただく必要があるということを申したということです。
(問)中小系の業者が入っている焼肉協会と、大手チェーンが入っているフードサービス協会で、対応が違うのは解せないのですけれども、どうしてなのでしょうか。
(表示対策課長)当庁の対応としては、一定の期間、表示の改善の状況を見守るということで、その考えを示しているという意味では、その内容について両方の協会にお伝えして、考え方を示しているということですね。
(消費者庁長官)今回の12社には両方入っていますよね。
(表示対策課長)今回の12社の中に、それぞれの協会の会員というのが入っております。
(問)副大臣として、御意見があればお願いしたいのですけれども。
(答)何について。
(問)今の話について。
(答)今の話のどの点について。
(問)2団体に要請すると言っていたところが、対応が異なっているという点について。
(答)今、課長から申し上げましたけれども、我々としては要請したわけですね。だから、そこ自体、我々の意思を示しているわけですから、その意思でもって向こうのほうは、「いやいやいや、そういうふうなこととは受け取っていません」と彼らが本当に言っているのかどうか、ちょっと私は信じられないのですけれども。我々が要請するときには、しっかりびしっとやるのが当然ですから、そこで知らないと言うのだったら、では、その方にもう一回来ていただいて、「どういうことなのですか」ということを我々は聞きますよ。だから、もしフードサービス協会がその要請を受けていないというようなことが事実だとすれば、ちょっと我々としては驚くべきことなのですけれども。
(問)つい最近の話ですが、製品安全行政に対する総務省の勧告を受けて、副大臣自ら、警察庁あるいは総務省、消防庁に現状の改善を申入れたと思うのですが、そのときどんなやりとりがあったのかということを教えていただきたいのです。副大臣からどのような内容の要請をして、先方からはどのような回答が返ってきたのか、簡単で構わないので教えていただけますか。
(答)私からは、総務大臣からの勧告があったということ、そして、これに対して協力方をお願いしたということ、そして、それにかかわらず、もう少し広く消費者事故等について関連するような形で情報がございましたら、是非そこは緊密に我々に御連絡いただきたい、それも適時適切な形でお願いしたいということを、幅広ですけれども、お願いしたいということでございました。それに対して国家公安委員長のほうは、そこは関係の部署の方に対して、そういった指示をしておられました。それから総務大臣も、そこは分かりましたということです。
(問)今おっしゃったことは、恐らく消費者安全法に基づく事故情報を幅広く消費者庁に寄せてほしいというお願いという理解でよろしいでしょうか。
(答)そうですね。勧告のものにプラスアルファの、我々としてはどうしても消費者を対象にしておりますので、できるだけ我々のほうも早く、そしてできれば幅広くやっていただきたいなというのを潜在的に思っておりますので、それも併せて伝えさせていただいたということです。
(問)ちょっと個人的に気になっているのが、医療機関ネットワークで、京都府内でパワーウインドの事故が起きたということが……
(答)パワーウインド?
(問)パワーウインドで幼児の指が挟まれて切断するという事故がありまして。
(答)ちょっと前の事故ですね。
(問)ええ。それが、病院からの医療機関ネットワークという形で上がってきているのですけれども、消費者安全法では恐らく上がってきていないと私は認識しているのですが、今後、例えばこういったパワーウインドの事故ですとか、あるいは除雪機の事故、今シーズンも50人以上死傷しているみたいですが、あまり消費者庁に情報が来ていないようですし、あるいは昨年話題になったライターによる子供の火遊び事故ですとか、こういった消費者事故なのかそうでないのか―私は消費者事故だと思っていますけれども、そういったグレーゾーンのものが、きちんと上がってくるのかどうか。そして、上がってこなかった場合、消費者庁としてさらなる要請をするのかどうか。その辺、どうでしょうか。
(答)生活用品の安全に関する事故について、我々としては、もう基本方針として、そこは漏れなく早く教えてもらいたい。当然、それは当たり前の話なのですけれども、今、経産省関係のものは、業者からも直接来るような形になっております。
 これは、私の将来的な、庁としてではなくて個人的な思いなのですけれども、重大事故等については、各省を通さずに、事業者そのものから即座に、あるいは早く、迅速に上げていただけるような体制を、長期的には目指したいとは思っております。それはまだ、庁としてやるわけではないですけれども。それは、民主党に危険情報の表示のマニフェストがございましたけれども、そこの考えともつらなった考え方でございます。
(問)副大臣個人の思いということは理解しましたけれども、それは例えば消費生活用製品安全法で報告義務が事業者にかかっていますけれども、そういった考え方を消費者安全法の世界にも広げたいというお考えでしょうか。
(答)基本的にはそうですね。
(問)それは、例えば消費者庁に、検討するようにと指示したりはしていないのですか。
(答)検討はお願いしております。検討としては。
(問)いつごろお願いしたのですか。
(答)結構前だよな。その思いは伝えているという状況ですね。消費者庁も、いろいろなプライオリティがございまして、ただ、私の思いは伝えております。
(問)もしよければ長官に、現在の検討状況など、この場で伺えれば一言お願いしたいのですが、よろしいですか。
(答)長官が答えられる範囲で答えていただければと思います。
(消費者庁長官)先ほどの懇談会でも出ましたけれども、重大事故に限らず、きちんと通知してもらうような新たな仕組み、事業者が通知する基準を明確にしていくということが更に必要だろうということは副大臣から言われておりますので、それは検討していくということにしております。申しわけありませんが、まだ具体的にここまで考え方がまとまっているという段階ではありません。
(問)先ほどの肉の関係のやりとりの中で、最後、日本フードサービス協会について質問が出たときに、もう一度、確認させてほしいのですけれども、私がこれまで何カ月か取材している中では、日本フードサービス協会は、「協会としては受理するつもりはありません」と何度も言っているのですけれども、それについて、先ほど「驚くべきこと」とおっしゃっていましたが、もう一度、要するに「驚くべき」というのは、常識では考えられない、非常識だと言っているのと同じなのかなと思うのですけれども、どういう点についてそういうような感想が出たのかというのと、先ほど、フードサービスの方に一度来てもらうとかという話をされましたけれども、これまで恐らく私の知っている限りでは、消費者庁の表示対策課長なりが先方に出向いて説明するという形をとっていましたけれども、逆にこちらに来てもらうという考えでよろしいのですか。
(答)先ほど課長から御説明があったとおり、我々としての方向性を示したわけです。それに対して、「一切聞く気はありません」というようなことをフードサービス協会が言っているのであるならば、先ほど意見交換会ということが出ましたけれども、こちらで要請はしているわけですから、そこに全く聞く耳持たぬということであれば、それは驚くべきことだなということが、私が先ほど申し上げた感覚でございます。
 そこは、しかし、我々として、ではフードサービス協会から―私、フードサービス協会が我々の要請を正式に拒否したという認識は持っておりませんのでしたので、そこは、私はもしそれが事実であれば、それは驚くべきことだなと思ったわけでございますけれども、そこで仮に拒否して「一切協力しません」ということであるならば、我々としては、もっと彼らに対して、当然そこは粘り強く、きちんと我々の考え方を伝えていくべきものだと思っております。
 そういう中から、課長が出向いていくか、あるいはこちらに呼ぶかとか、それはやり方の話なので、こちらはきちんとそこで検討させていただきますけれども、本来、そこで拒否するということは、私の感覚からいけば、驚くべきことだなということです。

(以上)