蓮舫内閣府特命担当大臣記者会見要旨 平成23年3月2日

(平成23年3月2日(水) 18:46~19:06  於:第4合同庁舎2階220会議室)

1.発言要旨

 お疲れさまでございます。
 ただ今行政刷新会議が終わりました。
 今日の行政刷新会議では、来週の日曜日、月曜日、3月の6、7日に行います規制仕分けについて、御報告、御議論、そして御了承頂きました。民間の評価者の御了承、そして、実際に仕分けで取扱わせていただきます具体的項目についての御了承も頂きました。資料をお配りさせていただいておりますけれども、2日間合わせて12項目の規制・制度について仕分けでは取り上げさせていただくことになりました。
 また、2つ目は、去年、試行的に行いました国丸ごと仕分け、行政事業レビューですが、去年行って、更なる改善点等も考慮させていただきながら、行政刷新会議での指摘も踏まえて事務方で作業を進めてきたものを御提示させていただいて、来年度から本格的な実施をさせていただこうということで、御了承をこちらも頂きました。
 委員の中からは、規制仕分け、これからも是非続けていっていただきたいという御意見を頂いたり、あるいは、レビューに関して国民の認知度がそう高くはないのではないか、もう少ししっかりとした取組みなどで国民の皆様方に知っていただく努力を是非政府にしていただきたいというような御要望も頂きました。
 なお、官房長官からは、前担当大臣だったということもありまして、国丸ごと仕分けをより強力に進めていきたい、毎年度閣議決定をして、しっかりと進めていきたいというような御提案も頂きまして、会議の中で皆さんで了承を頂いたところでございます。
 私の方からは以上です。

2.質疑応答

(問)日刊工業新聞の中沖と申します。質問が2点あります。
 規制仕分けで、大臣がその場ですぐに廃止などと評価しないというふうなことを発言されていたと思いますが、その理由についてと、あと、今回の規制仕分けの議論を踏まえて、規制改革の方針を策定して、3月末に閣議決定するというスケジュールでよいのかどうか教えてください。
(答)まずは、事業仕分けの場合には、実際にその事業の目的を達成するために、お金の使われ方として、国民の皆様になかなか御納得いただけない、なぜか中間団体、中間法人をう回して、そこには再就職の方がいるというような形の場合ですと、このお金の使い方は、その場で改善ができますよね、そういう指摘ができますよねというものでしたけれども、ただ、規制仕分けの場合には、法律が幾つも重なっていて、その法理念を実行するために、どういう形がよかったのか、その時代、時代で、その時々の政府が最善と思って考えて、各省庁が執行してきた経緯がありますから、今の時代において、これまでの考え方が本当に適しているのか、そう思ってお考えになる方たちの参考人の意見も聞きながら、いや改善したほうがいいんじゃないかという意見も聞いて、方向性をやはり出していく、こちらのほうが私は大事だと思っています。
 方向性を出していくときに、国民の皆様方にも関心を持っていただいて、これは緩和した方がいいのか、それとも継続した方がいいのか、あるいは、強化した方がいいのか、納得いただけるような、いろいろな議論が出ることが私は大事だと思っています。その部分で、その場で即廃止という従来の事業仕分けという手法にはなじまないと思っています。
 その上で、そこで御議論いただいたものについては、基本的には規制・制度改革分科会第2クールのまとめは3月末までをめどとしておりますので、政務三役の調整を経て、3月末をめどに考えていきたい。
 ただ、例えば、農業の分野などに関しては、他方で政府の中の会議体で、6月までに一とおりの結論を見るという方向で走っている会議もありますので、そこと歩調を合わせた方がいいものは、これも政務三役で調整をさせていただきますが、3月末までとは必ずしもならないのではないかとも思っています。
(問)毎日新聞の青木です。
 規制仕分けの対象となる項目、今日発表になりましたけれども、これそれぞれ選んだ理由、あと全体的にどういう基準で選ばれたかということを伺いたいと思います。
(答)前回の行政刷新会議のときに、基本的に対象項目を選定するときの考え方というのをお示しをさせていただきました。構造改革、あるいは、時代の変化に適していないと思われるもの、あるいは、新たな参入制限になっていると思われるもの、あるいは、国民生活にこの規制を改革することによって影響が出ると思われるもの、幾つかの基準点がありましたので、ちょっと今手元にはないんですが、あとでお示しをもう一回したいと思いますけれども、そこに沿って選定をしてきたつもりです。
(問)TBSの峠田と申します。
 先ほどおっしゃられたとおり、国民的議論にしたい、この規制仕分けの後、例えば国民の意見をどういう形で吸い取るかという考えはおありでしょうか。
(答)非常にいい視点だと思っています。現段階で、規制・制度改革分科会で議論してきたものは、その時その時で情報公開もさせていただいておりますので、そこは国民の視点というのも当然踏まえた上で、外部の有識者に入っていただいて御議論いただいております。
 今回、仕分けをしてみて、実際どういう議論になるか。やってみなければ、いろんな視点というのが、まだ見えてはきていないんですけれども、そこにおいて新たな国民の皆様方の関心を呼ぶ議論、争点というものが出た場合には、必ずしも3月末ということではなくて、もう少しそれはいろんな考え方を含めた加工の仕方があるのかなとは思います。
(問)医療の専門誌を出しております「じほう」という会社の栗田と申します。
 規制仕分けのテーマの中に、医薬品及び医療機器の審査手続というのがあるんですけれども、海外で使える薬とか医療機器が国内で使えない、ドラッグ・ラグ、デバイス・ラグの問題について、大臣としてどういうふうにお考えなのかというのが1点と、あと、もう一つ日本発の医薬品とか医療機器が生まれにくい現状になっているという指摘があるんですけれども、これについて大臣としてどのようにお考えなのか、お考えをお聞かせいただければと思います。
(答)やはりラグの問題は、その薬の誕生というのをやはり待っておられる患者さんの視点というのを抜きには語れないとは思っております。
 ただ、同時に安全性というものを考慮していかないと、なかなか我が国として、そこに許可を出すのは、当然、これは難しいものでもあると思っています。
 他方で、我が国の医療機器、あるいは、医薬品が世界に通じる技術の高いものであるとも認識をしておりまして、その部分をどうやって整合性を合わせていけばいいんだろうかという議論は、国民の皆様方にやはり開かれた形で行われるのは望ましいのではないか、その考え方で今回取り上げさせていただこうとは思っております。
 ただ、厚生労働省の中でも、ここの部分、当然、御議論様々いただいておりまして、政務三役の主導の下で、どうやってこのラグを縮めるかという知恵は出していただいておりまして、PMDAの中でも新たな相談室というのを設けて、これまでのラグを生まないような、優先品目の審査とはまた別に何らかの形でもう少し早く審査結果が出るようなアドバイスを専門性のある方を相談窓口に担当者として置いて進めていこうという御努力もありますので、その厚労省側の視点も是非議論させていただければと考えています。
 併せて官邸の方にも、医療イノベーション推進室、あるいは、知財という形なんですけれども、国際標準化という部分で医療機器についての議論も来ておりますので、ここは、うちの規制・制度改革だけで進めるというよりも、政府全体として調整をして一定の形を出していきたいなとは思っております。
(問)TBSの山﨑と申します。
 話が少しそれてしまうんですけれども、大臣が代表を務める政治団体に、脱税で有罪判決を受けた企業の関連企業から献金が120万円行われているんじゃないかという報道があるんですけれども、そのことに関して、どんなお考えをお持ちでしょうか。
(答)今朝、一部報道があったのは承知をしております。そこで事務所にすぐ調べてもらうようにお願いをして事実関係を調査しました。
 私が代表を務めております民主党東京都参議院選挙区第3総支部なんですが、平成19年、2007年の6月1日です、株式会社メディア不動産開発という企業から、御指摘のように120万円の寄附を受けていることを事務所で調べて確認をしました。
 ただ、この企業が今おっしゃった事件、脱税を起こした方と関連があるかどうかというのは、なかなか私のほうで調査して断定するというのは難しいんですけれども、疑いを持たれたということ、まさに李下に冠を正さずではないんですけれども、道義的観点から、これは事務所に言って返還するようにと、今もう指示をしたところです。
(問)同年度のを見比べると、メディア不動産開発が120万と、他の法人よりもかなり高額の寄附をしているんですけれども、大臣御自身がこの企業の関係者と面識があったりとか、そういうようなことはあったりするんでしょうか。
(答)直接的に親しいというよりは、ある会食で、大変たくさんの方が出入りをしている会食なんですが、名刺交換をさせていただきまして、その方から後に事務所に連絡をいただきまして、寄附の申出を頂きまして、名刺等をチェックして、そして政治資金規正法がありますので、その条件、外国人法人ではないか、あるいは、3年以上赤字ではないかとか、あるいは、国や地方から補助金等を受け取っている企業も、これは寄附の禁止対象ですので、ここに照らし合わせて問題がないということで事務的に受け取ったと報告を受けております。
(問)共同通信の澤野と申します。
 対象項目のことで、ちょっと細かくなりますけれども、規制改革の議論というよりは、消費者庁、国民生活センター等で話題になっていたかと思います貴金属の業者の件を盛り込んだ、その辺の理由をお聞かせいただきたいのと、あと、パーソナルサポートサービスですね、これが規制・制度の改革とどう結びつくのかというのがちょっと分かりませんので教えてください。
(答)これは今回のみならず、やっぱり規制・制度改革を行っていくときに、過去の政権の中において、どうしても規制改革というと、緩和だという方向性が示されたときがありました。緩和ありきの結果、社会的規制も緩和をされたことによって、なかなか例えばタクシーの関係ですとか、その影響が大きかった方たちがおります。
 規制というのは、緩和するにも強化するにしても、やっぱり国民生活の安心と安全を守るという観点抜きには語れないと思っていますので、規制改革をするときには、しっかりと守っていく部分、その視点も欠かしてはいけないと思って、今回選ばさせていただいたところでございます。
 その上で、貴金属の買い取り業者、押し売りというのはあるんですけれども、押し買いというんでしょうか、今までにないもので、実際に被害が消費者庁にも報告をされています。現行の法規制では、しかもこうした問題への対応は、なかなか不十分な、ある種新しい消費者の安心を脅かす事態だと思っておりますので、開かれた場所で、どういうものなのか、どういう対応があるのかというのは、是非議論させていただきたいと思っております。
(問)パーソナルサポートは?
(答)今回、規制仕分けをするときに、二つの考え方があると思ったんです。
 一つは、個別の規制を一つ一つ議論をしていくことによって、組み合わせることによって目的を達成する。例えば、菅内閣でいったら強い農業をつくるときには、何が必要なんだろうか、農地をどういうふうに有効に活用するのか、あるいは、農業従事者、農業に実際携わっていただく方たちに、どうやって参加をしていくのか、耕作放棄地をなくす、農業の平均年齢が高いのをどうやって下げていくか、新規参入を増やしていくか、そのためにどういう規制があって、どの規制が時代にそぐわなくなって、見直しをすれば、この目的が到達できるか、目的から規制というものを拾っていく考え方と、もう一つは、パーソナルサポートは、菅総理の非常に強い思い入れ、新しい公共でもあるんですけれども、寄り添う政治、何でもかんでも官がするんではなくて、民間、NPO、新しい公共の方たちのサービスを組み合わせることによって、1人じゃないんだ、それこそワンストップサービスではないですけれども、何らかの形で、行政の中での仕事をスリム化して、民間の方にも入っていただいて、そして新しい公共というのをどうやって展開していけばいいのか、この議論をすることによって、どんな規制が問題になっているのか、逆の視点で浮き彫りにすることができないんだろうかという考え方で、ここだけは確かに御指摘のように、個別から入るのではなくて、大きなテーマから個別な論点を探して次の改革につなげていきたいなと思っています。
(問)日本テレビの伏屋です。
 今度の規制・制度の仕分けというので、これまでいろんな国民の声というのは、いろんな角度で、分科会で踏まえて取り上げて議論されてきたとは思うんですけれども、今回、あえて公開の場でやるという意味で、国民と規制・制度というのはどんなものなのか、なぜ例えばずっと固まったままになってしまうのかとか、いろんなものを共有しようという狙いがおありだと思うんですけれども、物によっては、恐らくメリットが出る人、変化によってメリットが出る人、デメリットが出る人というのが出てくると思うんですけど、当該利害関係者というのを直接呼んで、国民に分かりやすく議論してもらうということがあり得るのか、もしくは民間評価者の方とかが代弁するにとどまるということになるのか、どういった形の議論を考えていらっしゃるか教えてください。
(答)事業仕分けのときにも、やはり仕分けの評価によって、いろいろ影響がいい意味でも、そうじゃない意味でも出るということもありましたけれども、規制も全く同じで、メリット、デメリット、その当事者の立場によって変化というものは出ると思うんですよね。
 今回の規制仕分けでは、民間の評価者、国会議員の評価者だけではなくて、参考人の方をお呼びして御議論をいただこうと思っております。各省庁の方に御推薦をいただいた参考人、そして、私どものところで推薦をさせていただいた参考人に、まず、それぞれの立場から、この規制の必要性、あるいは、改革の必要性について御議論いただいて、実際に議論に参加をしていただいて、そして、その方たちは当事者ですから、関係者ですから、評価シートに書く形での参加はしていただかないんですけれども、議論には参加してもらいます。
(問)週刊国保実務の細沼と申します。
 規制仕分けの対象項目なんですけれども、今回、訪問看護ステーションの開業要件というのが入っていますけれども、こちらがそ上に上がった理由と、この後、実際の仕分けの中でどういったところを議論していきたいのかというところ、もしお考えがあればお聞かせください。
(答)訪問看護ステーションの開業要件、今、開業するには、実質看護師2.5人という規制があるんですけれども、これは秋に私ども政府が出した、「日本を元気にする規制改革100」の中の一つに取り込んでおりました。
 実際、厚生労働省さんも担当省庁として前向きに捉えて検討してくださっておりますので、フォローアップという立場から今回取り上げて、どういう形で検討していただいて、どういう形になっていくのか、そして、その規制を変えることによって、どのような変化があって、実際、訪問看護を受けている方たちは、どういうふうに変わるのかという議論を様々な論点から公開の場でさせていただこうと思っています。

(以上)