与謝野内閣府特命担当大臣記者会見要旨 平成23年8月26日

(平成23年8月26日(金) 9:04~9:19  於:合同庁舎第4号館4階共用408会議室)

1.発言要旨

 閣議は案件どおりでございまして、消費者物価指数が発表されましたが、大きい観点から見れば、そう大きな変動はなかったというふうに思っておりますが、総合的に判断すると依然として緩やかに物価が下落をしていると。これはデフレと呼ぶか、緩やかな物価下落と呼ぶかというのは好みの問題だと私は思っております。
 それから、閣議の後、総理室で、官房長官、総理大臣、財務大臣、私、4人集まりまして、実は一昨日、民主党の岡田幹事長から突然お電話がありまして、皆は代表選挙で忙しいようなのだけれども、やはり国民に対しては政府が継続的に円高対策というものを考えているということを明らかにすべきだと。今皆忙しいから与謝野さんに頼むのだけれども、それをやってほしいと言うので、夕方までに内閣府総力挙げて案をつくって、翌日、昨日の10時半に私も岡田さんとお目にかかって、円高対策自体は、予算措置や、あるいは法律改正を伴うものであるから次期内閣の仕事であるけれども、円高に対して政府がこういう考え方を持って検討されるべき項目、あるいは方向はこうだということを、一応29日、経済情勢検討会合、これは日銀からも総裁がオブザーバーとして出席されますが、そこの会合で紙として、一応こういう検討が始まったという形を次の政権に引き継ごうということで合意に達しました。
 以上です。

2.質疑応答

(問)今御指摘がありました円高対策というのは、3次補正の下敷きになるという考え方でいいのか、また、金融政策も入るということでいいのかということが1点と、あと、ちょっともう一度整理させてほしいのは、今日何か夕方までに組み立てて発表があるのか、それとも29日まではオープンにならないのか、教えていただけますでしょうか。
(答)29日に、議論したことをオープンにいたします。この円高対策の予算措置、あるいは法律改正等々は次期内閣がやると思いますが、それは3次補正でやるのか、あるいは来年度予算でやるのか、あるいは3次補正、あるいは来年度予算に含まれる経済予備費等を創設してそれに含まれるか、色々な可能性があるけれども、今のところ決まっておりません。
(問)続いて代表選についてなのですけれども、今日、見通しや条件が揃って菅総理が退陣を表明して、いよいよ29日の代表選へということなのですけれども、ここまでの議論を見て、党代表選に期待すること、逆に心配や懸念することということがあれば教えていただけますでしょうか。
(答)代表になる方は次の総理大臣をやるわけですから、国全体を統治するという極めて強い責任感を持ってやっていただくわけです。この中には、やはり国を維持していく、経済を発展していくということは甘い話によって成り立っているわけではなくて、政府・国民が一体となって努力をし、貢献をし、やっていく作業なので、ただバラ色の政策を並べて、日本経済が、あるいは国際経済の中で日本の地位を維持していくということは出来ないと、そういう使命感と責任感を持ってやっていただきたいと思いますし、選挙の都合を考えて政策を選択するということを最優先事項にするようなことは、やはり政治家として避けて通らなければならない道筋だと思っております。
(問)もう一点なのですが、改めて復興増税の議論について、まさに今大臣が御指摘なさった内容にも重なるところもあると思うのですが、候補者は皆、濃淡はありますけれども、基本的には早期の復興増税にも殆ど慎重であるという点がやや一致しつつある状況です。復興債は、大臣がかねがね仰っていたとおり、財源の後ろ楯があるということが条件だったと思うのですが、今後これはどういう落としどころで議論を進めていくべきだとお思いになりますでしょうか。
(答)これは、欲張った考え方の人がいて、基幹税を中心に付加税をかけ、5年で回収するなどということを言い出したわけです。元々そのようなことは、消費税が2015年に導入されることを考えれば、もう少し緩やかな負担をやるということが必要だということを何度も申し上げたのだけれども、そういう政治環境が分からない方々がいたということで、解決方法としては、復興債を発行しますけれども、やはりタームは5年、10年に限らないで、もう少し長期間にして、それで確実に返済出来る、なるべく痛みの少ない増税措置をとるということが政治的に私は可能なことだと思っております。
(問)その場合、では税目も基幹税ではなく幅広く考えていいということでしょうか。
(答)基幹税といっても、基幹税というのは、今、法人も7割赤字で、特定の方が払っている税金になってしまっている。所得税も課税最低限が上がって、1,700万人ぐらいの方が所得税とは無関係になっているということですが、やはりもう少し幅広く、広く薄く、皆が少しずつ復興に貢献するという、やはり意義を持って税金を払うということが実現出来れば、私は最善だと思っています。
(問)冒頭にお話のあった29日にオープンになる円高対策なのですけれども、もう少し輪郭というか、どういった趣旨のものになるのか。この間、野田財務相が1つ打ち出しましたけれども、これと性格を異にして、違って、どういった性格のものになるのか、お願いします。
(答)2つ考えていただきたいと思うのですが、大きな方向というのは、やはり国内で円高の直撃を受ける人たち。これは金融面でも雇用の面でも打撃を受ける。2つの例しか挙げませんでしたけれども、そういう国内の問題。それから、もう一つは円高を活用した問題があって、1つは、やはり円高のメリットというものはあるので、そういうものが国民に還元されるということも1つ。それから、円高によって海外に資源開発等々、有利な投資が出来る環境が整ったという、国内、国外、両方併せての色々な展開をしなければならないと。単に円高対策といって、為替レートの介入でその水準を上下させようというのは、武器として持っている必要はあるけれども、それはしょっちゅう使える武器ではないと、そういうことです。
(問)今の関連で1つお伺いしたいのですが、先日、財務大臣が仰られた外為特会を利用したというのは、円高のメリットをまさに生かしたということだと思うのですが、それと、また更にその円高のメリットを生かしたような政策というのを新しくやりたいというようなお考えなのでしょうか。
(答)そのようなことはなくて、あれも一つの考え方ではあるのですけれども、あれは部分的なもので、全体として政府がどう考えるかということを国民に明らかにする必要があると。菅政権の最後の仕事で、私としては、岡田幹事長がいきなり電話を私にかけてきて、どうしても誰もやっていないのでやってくださいと言うので、最後の仕事になると思いますけれども、一応こういうことをやったらどうでしょうかと、次の内閣で。
(問)関連ですが、今の円高対策についてなのですが、方向性を打ち出すということにとどまらずに、具体的な政策に関してもサジェスチョンをすることになるのでしょうか。
(答)ですから、こういうときは皆の知恵を集めて、こういう項目で検討したらどうでしょうかと、そういう検討リストをつくると、そういうふうに考えていただくのが一番正解です。
(問)民主党の代表選に関してなのですけれども、小沢元代表の周辺が挙党一致、前原前外務大臣を支持する条件として幹事長職を要求しているということなのですけれども、こういうことについて大臣としてはいかが思われますでしょうか。
(答)私は、巨人、阪神の行方のほうが気になっていまして、代表選はあまり関心がない。

(以上)