与謝野内閣府特命担当大臣記者会見要旨 平成23年5月31日

(平成23年5月31日(火) 8:37~8:53  於:院内内閣記者会3)

1.発言要旨

 閣議は案件どおりでございます。

2.質疑応答

(問)自民党、公明党が近く内閣不信任案を提出するのではないかと、民主党の一部にもそれに同調する動きがあるという見方が出ていますけれども、この動きについていかが御覧になっていますか。
(答)不信任案というのはよくある話なので、それ自体は、国会での一つの出来事だというふうに考えておりますけれども、やはり不信任案には大義が必要だということと、自分たちがつくった内閣を自分たちで壊すようなことをする人は、多分与党にはいないだろうと確信をしています。
(問)今朝ほど報道で、来月2日に出されます一体改革の検討会議の案について、消費税を段階的に2015年度までに10%まで引き上げるという中身が打ち出されるという報道があったんですが、これはこのとおりということなんでしょうか。
(答)どういう根拠でそういう報道がなされたのかということは知りませんが、多分皆様がフォローしてもそう危険な記事にはならないとは思っています。
(問)大臣、今の質問はNHKの朝の報道だと、NHKの朝のニュースだと思うんですけれども、消費税だけではなくて社会保障の中身についてもああいう形になるということでよろしいんですか。
(答)あの報道は決して間違った、内容が間違っているとは言いませんけれども、2日の日に報告して、そこで承認されて初めて案になるので、素案の段階でトプカピ宮殿から盗まれたという話です。
(問)今の一体改革に関連してなんですけれども、そもそも消費増税に反対するような方々が民主党内にも多いかと思うんですけれども、与謝野さんの出される案が具体的に実現するというところにいくまでの自信というかハードルというのはどういうふうにお考えでしょうか。
(答)多分2日の日に案を提示するというのは、山登りで言えば、ベースキャンプがやっと張れたという状況で、頂上を目指すためには高山病とか色々な苦難の道を歩くのではないかと思っています。
(問)ただ、今年度中に法整備をするという附則に書かれた事項は必ずやはり守る、それ自体は変えないということでよろしいですか。
(答)平成23年度中に法的整備をするというのは法の要請ですから、この法の要請は政府をも拘束しておりますし、やはり実定法である以上、国会を構成する国会議員制度をも拘束するものだと私は思っております。
(問)最後もう一点なんですが、最初の不信任案を提出する動きに関連して、被災県の首長さんから、まだ被災して復旧・復興段階にあるのに、こういった動きがあることはいかがなものかというような御意見も出ていますけれども、こうした被災県の反応についてはどのようにお考えでしょうか。
(答)まず、そのことも考えました。両方一遍に議論するというのは非常に難しい作業になるので、よく数学の方程式を解くときに、こちらのほうの変数を固定して、こちらを決めようというやり方があるので、今回はまずは内容が分かっている社会保障のほうの内容と財源の話をやると。それが済んだら、6月20日過ぎには復興構想会議からの御意見も、また場合によっては財源に対する御意見も出てくるかもしれないと、その段階で財源の話をするということなのですが、現金自体の調達は国債でやっていくのだということは三党合意にも実は書いてあるわけで、問題は、そのような国債を発行する場合には、裏付けとしてどういう財源を考えるのだというところが宿題に残っているというふうに思っております。これは今月20日過ぎからの議論です。
(問)例えば、社会保障で10%まで引き上げるというふうに仮定した場合、復興財政の議論が、復興財源の議論が生まれたとき、今度は消費税でという議論をすると、更に引き上げになる予定も可能性もあると、11%と12%というような数字を視野にしなきゃいけない場面も出てくるかと思うんですが、今、復興財源のあり方についてはどういうふうに。
(答)復興財源を返すという話は、所詮税財源をどこかで見つけなければいけないということなのですが、20日過ぎに消費税の話をもう一度するというのはかなりしんどい話ではないかなと。だから、その可能性は勿論残ってはいないのですけども、全く復興財源のほうの話を現在のところ誰もしていないという。ただお金はつくらなければいけないと、かなりの規模で、そういうことがわかっていますから、復興構想会議の答えを聞いた上で、ではどうすればいいのかと。勿論日経新聞の経済教室に書いてあったけど、借金するのはいいのだけど、いつの時代の人が返すのという基本問題がそこにあるので、そういうこともきちんと考えてやらなければいけないのだろうと思っています。
(問)また社会保障改革の件で、先ほど、内容については間違っていないというお話でしたけれども、今回の社会保障改革の内容について、機能強化の部分についてはかなり充実しているが、効率化についてはまだ足りないんではないかという、一部にそういう批判もあります。効率化が足りないという批判についてはどう思われますか。
(答)社会保障というのは、特に顕著なのは医療、介護の分野で、何の制度改革をしなくても自然に増えていく分があります。これは、高齢化の進展と少子化の進展と医療の高度化というもの、また介護については、要介護者が増えると。それでは、それにどう対応していくかというのは、なかなか頭の痛いところで、例えば、マクロでざくっとした数字で年金、医療、介護で、今年度でちょうど100兆を僅かに超えているわけです。では、2025年の数字はどうかと見てみますと、この三経費でトータル150兆を超えてしまうという、この11年間で50兆も増えるというものに社会保険料でどう対応するのか、あるいは税でどう対応するのかと、それかやはり節約ということでも対応しなければいけないという面で、節約という言葉を使うという意見もあるし、効率化、重点化という言葉を使う場合もあるし、最適化という言葉の使い方もあるし、支え合いをするときの、やはりある種の節度という考え方もあるし、色々な考え方があるのですけれども、結局はそこで無理なく出来るところはちゃんちゃんとやるということがないと、何だ、給付を増しただけだという改革になってしまうので、そこのメリハリはきちんとつけたいと思っています。
(問)今朝のNHKさんの記事の中で、社会保障の機能強化について、全体で約4兆円という財源を示した上で、効率化について1兆3,000億という目安を示していたかと思うんですが、昨日、総理が効率化についての方針を示された直後になると思うんですが、これ以上の効率化はもうないと考えていいということでしょうか。
(答)直ちに金目に響いてくる効率化と、制度改正をしておくと将来の金目に関係してくるというようなものとあります。私はNHKの多くのベースになっている報告書というのはまだ見ていないので、すみませんが、これ以上お答え出来ない。
(問)東京電力の関連なんですけれども、社債が昨日格下げされたんですが、政府の賠償支援スキームの法案化等が不透明だということを理由に挙げておられますが、市場への影響とかが懸念されるんですが、大臣の受け止めをお聞かせ願えますか。
(答)外国の格付会社がやっている話ですから、特にコメントはありません。ただ、東京新聞の今朝の見出しは、焦りの何とかと書いてありますけど、実はあの3つのレポートは1月から用意している周到なものでございますから、もう一読をいただきたいと政治部の方にも申し上げておいてください。

(以上)