与謝野内閣府特命担当大臣記者会見要旨 平成23年5月10日

(平成23年5月10日(火) 10:13~10:24  於:合同庁舎第4号館4階共用408会議室)

1.発言要旨

 本日、閣議前に経済情勢に関する検討会合が開かれました。ポイントだけ御報告します。
 御出席は、総理、官房長官、財務大臣、経済産業大臣、国家戦略担当大臣、金融担当大臣と私、また日銀からは山口副総裁がオブザーバーとして出席されました。
 まず事務方より、政策推進のための全体指針案について説明がなされ、説明に基づき議論が行われました。
 全体指針の案では、目指す経済財政の中長期展望として、従来の想定と同程度の経済成長の実現を目指し、必要な改革を加速していくこと。震災復興の財源確保、社会保障・税一体改革などにより財政健全化を着実に進めることなどを明記しております。
 特に後者は、市場の信認を堅持していくために重要な点であって、6月末までに具体的な成案を得たいと考えております。
 検討会合では、海江田大臣から、国と国との絆の部分について、昨年11月の閣議決定の方針を堅持、これは要するにTPPに関する件でございます。その上で、具体的な問題を検討するというわかりやすい書き方とすべきという御意見があり、この後、鹿野大臣もいる閣僚懇で更に議論したいと。
 総理大臣は、皆様方が聞かれているとおり、社会保障・税一体改革、成長戦略、環境エネルギー、包括的経済連携、農業再生など、どのように進めるのかをまとめたものがこの全体指針だと。全閣僚でこの後議論、この指針に沿って日本政府全体の政策を推進していくと。今週末の閣議決定を目指して、玄葉大臣と私で最終案を取りまとめていきたいと思っております。
 なお、閣僚懇では、これらについて何人かの大臣から御発言がございました。
 以上です。

2.質疑応答

(問)まず浜岡原発なんですが、昨日の夕方、中部電力が政府からの全面停止の要請を受け入れるということを発表しました。これにより中部電力の電力供給量というのが350万キロワットほど減りまして、中部電力管内、特に東海地方の自動車産業などへの影響というのが懸念されています。
 これに関しまして、大臣として、この浜岡停止という決定そのものについてどう御覧になるかということと、その浜岡停止による影響というのをどう御覧になるのか、それをお聞きします。
(答)浜岡が永久に停止したわけではなくて、一定の条件が整えば再開するということでありますから、一定の条件というのは、津波その他に対する安全性の向上ということですから、それは理由があってのことで、中部電力も早急に経産省の要請に対応した措置をとると思います。
(問)経済情勢の検討会合ですけれども、海江田大臣からの従来の方針を堅持するという考え方というのは、6月までに結論を出すということも含めて表明されたのかということと、あと、閣僚懇で農水大臣等からどういう意見があったのかというのを教えてください。
(答)海江田大臣あるいは外務大臣からは、原文よりはもう少しはっきり書いてほしいという御要望もありまして、鹿野大臣からは、それに対する直接的な反対ではなくて、色々なことも考慮しながら物事を進めていく必要があると、そういう柔らかい発言がありました。
(問)色々なことというのはどういうことですか。あと、原文にはどういうふうに書かれていたんですか。
(答)原文ですか。原文はまだ、未発表です。
(問)教えてください。原文の中身を教えていただけますか。今大臣が仰られた部分。
(答)どの部分。
(問)原文よりもはっきり書いてくれというふうに仰ったわけですよね、海江田さんは。その原文の中身を教えていただけますか。でないとよくわからないですよね。
(答)ですから、原文はやや曖昧に書いていたのですけれども、やはり書くのであったら昨年11月の閣議決定文章を引用した文章にしてほしいと、こういうことでございます。
(問)あと、鹿野大臣からは具体的にはどういう意見が出たんですか。
(答)震災もあってのこともよく考えなければいけないという趣旨の御発言がありました。
(問)それは、震災とか原発事故があって、農業者や漁業者から非常に不満が高まっていて、今の段階でTPPを推進するのは困ると、そういうことでいいんですか。
(答)そういう意味に私はとっていません。
(問)ではどういう意味ですか。震災もあってということですけれども、震災は当然のことですよね。大臣が言っている意味がよくわからないんですけれども。
(答)何が。
(問)鹿野大臣が、震災もあって色々なことを考えなければいけないという非常に漠然とした言い方ですけれども、その意味というのはどういうことになるんですか。
(答)私は、震災があって、農水産物について、例えば輸出が出来るとか、そういうことも風評被害とか色々あって、なかなか前に言っていたようなことは出来ませんと、そういう意味に私はとらえましたけれども。
(問)わかりました。連休明けに閣議決定するということでしたけれども、今日閣議決定できなかったのは、やはりTPPをめぐって政府内の意見がまとまらなかったというのが原因の一つと考えていいんですか。
(答)そういうふうには、元々今日閣議決定しようと思っていたわけではありません。
(問)浜岡原発の件で2点お伺いしたいんですけれども、改めまして、総理が中部電力さんに全炉を停止することを要請したことの御判断についてと、それを中部電力さんが受け入れられたことについての姿勢について、大臣の御所見を伺いたいというのが1点と、先ほど質問出ましたけれども、この浜岡原発が停止することによる生産への影響、中部も含めて日本経済への影響をどのように考えていらっしゃるか、この2点頂戴出来ますでしょうか。
(答)総理は経産大臣を指揮監督する立場にありますから、総理大臣の要請というのは、根拠を持った要請であると思っております。実際の要請文は原子炉行政の長たる経産大臣の名前で行われていますから、それはしかるべき理由があって行った行為だと思っております。
 中部電力が浜岡原発をやめることによってどういう影響があるかと。一般的なことしか申し上げられませんけれども、夏のピーク時に若干の電力不足が生じる可能性があるということと、高い燃料費の発電所を動かさなければならないので、長期的には原価が上がると、この2つだろうと思っております。

(以上)