与謝野内閣府特命担当大臣記者会見要旨 平成23年1月18日

(平成23年1月18日(火) 9:38~9:55  於:合同庁舎第4号館4階共用408会議室)

1.発言要旨

 閣議は案件どおりでございまして、特段御報告することはございません。

2.質疑応答

(問)閣議後に玄葉国家戦略担当大臣と打ち合わせをされていたのかなと思うんですけれども、もし今後の社会保障改革の協議の枠組みとか足元のスケジュールで決まったことがあれば教えてほしいのと、もう一点、6月に打ち出す方向性の中に給付付き税額控除の後ろ盾となるような番号制の議論も含まれて議論される予定かどうかお聞かせいただけますでしょうか。
(答)藤井副長官が官房長官にかわって色々段取りの心配をされておられまして、とりあえず何人かで今後の段取り、スケジュール感、そういうものを打ち合わせする必要があると。玄葉大臣ともよく相談をしてということなので、玄葉大臣にお目にかかって早急に段取りの御相談をしようということになりました。まだどういう議論がなされるべきかということはお話をしていません。
(問)番号制については、大臣は6月までに一定の考え方を下すべきとお考えでしょうか。
(答)番号制は、社会保障番号制、納税者番号制等は随分以前からその必要性が言われてまいりました。今も政府はきちんとした番号制度の導入、それのきちんとした検討をしておりますので、私が直接検討をしているわけではありませんけれども、社会保障番号制というのは事務の効率化のほかに社会保障を受ける側から漏れがないというようなことを保障する、そういう色々な観点から私は大変有効だと思っております。
(問)もう一点なんですけれども、大臣は消費税を上げる場合は、区分経理などもした上で社会保障に充てるというお考えをお話しなさっていますが、大臣が担当されている少子化対策の部門も社会保障の範囲に入るというふうなお考えなのかという点と、その場合、子ども手当のファイナンスも含まれるということになるのかどうか、今お考えの部分を教えていただきたいと思います。
(答)税法の附則104条では、将来の消費税の話、一つは社会保障のみに使うという目的税化するということと、それから、目的税化した場合にはきちんと区分経理をして、それは確かに社会保障に使われたという証を国民に立てなきゃいけないということが決まっておりますし、その社会保障の中には「・少子化対策」といって、少子化対策も入っております。これが子ども手当とどう相関関係があるかということは今までだれも議論をしていないのではないかと思います。
(問)今後の議論ということになりましょうか。
(答)ええ、今までは議論していないという。
(問)関連しますが、税と社会保障の一体改革という場合に、社会保障をどこまで入れるのかという問題が、同じ関連なんですけれども、出てくるんですが、大臣の今のところのお考えとしては、所掌の中に子ども手当等も含まれるとお考えになるのか、どこまでが社会保障一体改革の範囲であるとお考えになっていらっしゃいますか。
(答)私が閣僚として担当しているのは少子化対策なのですが、税・社会保障一体改革のときに、やはり社会保障に関しては年金、医療、ともに社会保障国民会議の報告書があります。安心社会実現会議の報告があります。藤井官房副長官がトップでやられた民主党の中の報告書があります。昨年の暮れの閣議決定がございます。また、社会保障に関しては非常に色々な御提案が新聞社や研究所、あるいは与野党を超えた議員のグループからも出されていますから、そういうものはきちんと勉強する必要があるのではないかと思っております。
 もちろん、民主党にもきちんとした考え方があるわけでして、そういうすべての考え方をやはり一度きちんとおさらいをするというところから始まらなければならないと思っております。
(問)年金の改革案の関連で伺うのですが、枝野官房長官はNHKのテレビ等で、民主党の最低保証年金等の改革案と、あと大臣が仰っているようなこととか、あるいは野党が言っているような社会保険方式の改革案とそう大きなずれはないと。現在の基礎年金の半分が国庫負担じゃないかというのも例示しながらおっしゃっているんですが、枝野長官の大きなずれがないという認識に対して大臣はどのようにお考えですか。
(答)社会保障は、どんどん細かい議論をしていくと、何か制度が違うとか枝分かれしていくというふうに考えがちなのですけれども、結局は最後に残るところは、現役を離れた方々が受け取るべき年金というのはどういうものかという給付の問題と、その財源の問題と。日本の経済全体、マクロで考えた部分、日本全体の経済のケーキカットをして社会保障に充てる、年金に充てるというマクロ的な考え方があって、税でくくるのがいいのか、社会保険料でくくるのがいいのかというのはいろいろな要素で決まってくる。
 ただ、現役世代を離れた方に一定の年金の額を受給可能にするというのは、今も必要ですし、将来に向かっても大事なことなので、要は年金制度そのものの持続可能性ということをはかるというのが最大の眼目であろうと思っております。
(問)大臣の就任について、野党側からの批判が止まりませんが、それについては。
(答)御批判があるのは当然ですし、御批判があればそれに対して丁寧に私の真意を御説明する。また与えられた仕事をきちんとやるということでお応えしたいと思っております。
(問)それに関連して、野党側は、まず与野党協議を呼びかけるならば政府与党案をまとめろということですが。
(答)これは数次の機会で申し上げましたように、菅総理が6月を一つの目標にされているわけですから、6月までに検討を重ねて菅内閣としての案をつくり、これを各党に提示して御検討いただくということで、野党の言っておられることは、案がないのに協議ができないというのはもっともな御主張だと思っております。
(問)昨日、藤井副長官が具体的な案をまとめ、法的整備をする期間について、税法附則104条を尊重する旨の発言をされています。大臣は、この間の会見でもお伺いしたので改めての質問になりますが、具体的な法整備も含めてスケジュール感について、附則104条の考え方も踏まえ、どのような考え方か改めてお聞かせいただけますか。
(答)政府は法律には拘束されていますから、藤井副長官の御発言は、税法104条にのっとれば法的整備が今年度中に行われると御発言されることは法律に則った至当な判断、御発言であると思っております。
(問)関連して、ちょっと気の早い話になるかもしれませんが、財政構造改革法等の反省なども踏まえると景気に対する配慮というのは不可欠かと思うんですが、その場合、景気とか弾力条項についてはどういうお考えで臨まれるんでしょうか。
(答)2006年の「骨太方針」というのを読んでいただくと、やはり歳出削減等々すべてを含めて、やはり経済との関連をきちんと見なければいけないということなので、財政再建一本やりとか、あるいは社会保障の持続可能性一本やりとかというのではなくて、やはり経済の動向というものを注視しながら政策選択、政策決定を行うというのは政府としてはあるべき姿ではないかと思っております。
(問)もう一つ質問なんですが、附則104条の件なんですけれども、これは自民党政権下で与謝野さんが御尽力をされた部分もあり、こういう形になっているんですけれども、これに対する政府の責任ということには先ほどから御言及されるんですけれども、その当時、与党であった自公政権、自民党、公明党の責任についてどうお考えになっていらっしゃるかということと、それから、国会はどういう責任を果たすべきかということについて大臣のお考えがあれば教えてください。
(答)法律が生きている以上、政府がそれに拘束されることは言うまでもありませんが、立法府をどの程度拘束するかということは議論の分かれるところでありまして、はっきりした答えは出ませんけれども、しかし、法律である以上、全く拘束しないという議論は成り立たないと思っております。ある一定の方向性を示しているということは、法律を制定した国会自体をも一定の範囲で拘束しているのではないかと思います。一定の幅のことはわかりませんけれども、全く無拘束という状態ではないと。
(問)先ほどの与野党協議、政府与党案の絡みで伺いたいんですが、まず政府与党のほうが案を提示するのがもっともだという趣旨の発言がありましたが、そうすると、与野党協議というのは6月までに政府与党案が出た後に与野党協議に入っていくという手順になるんでしょうか。
(答)先ほども申し上げましたように、案がなければ協議はできないという野党の御主張は当を得たものであって、協議を始めるためには机の上にやはり案が乗っていて、それについて協議をする、あるいはその案よりもっといい案があるということが起きるかもしれないと。ただ、スタートとしてはやはり第一次案というのがなければならないのだろうと思っております。

(以上)