玄葉内閣府特命担当大臣記者会見要旨 平成23年7月8日

(平成23年7月8日(金) 10:07~10:24  於:内閣府本府5階522会見室)

1.発言要旨

 本日、午後4時から3党政調会長会談を開くことにいたしました。3党政調会長会談につきましては、会期延長問題で政治状況が混乱したことを踏まえて中断しておりましたが、本日、正式に再開することになったわけでございます。
 子ども手当の問題、年金臨時財源の問題を中心に話し合いたいと思いますけれども、プラスアルファで幾つかの議論をさせていただければと考えています。
 子ども手当は、大体、来週いっぱいを目標に一定程度の合意ができればありがたいと考えています。
 私からは以上です。

2.質疑応答

(問)定期点検中の原発の再稼働についてですけれども、首相官邸、経済産業省の一連の判断も迷走しているようにも見えるのですが、この動きを大臣はどう見ていらっしゃるかということと、ストレステストを行うことは再稼働の前提となり得るのかという認識についてお願いいたします。
(答)閣僚懇談会で総理から、「指示の遅れ、不十分さがあったことに責任を感じている、おわびを申し上げたい」という話がございました。その上で、一言で申し上げれば、経済産業省と官邸が早い段階で意思疎通をしておくべきであったと思います。
 再稼働のあり方につきましては、総理から海江田経済産業大臣と細野原発事故の収束及び再発防止担当大臣に指示をしていることでありますので、基本的にはお任せをしたいと考えております。ただ、仮に原発の再稼働が半年あるいは1年できなかったときにどうするのかということの対策を、国家戦略担当大臣としては考えておく必要があると考えております。すなわち、当面の電力需給の問題についてどう考えていくのかということではないかと思います。
 今、国家戦略室では徹底したコスト検証をしているところです。仮に原発が動かなかったときに、3兆円分のコスト増があることになっていますけれども、本当にそうなのかどうか、きめ細かに電力会社ごとに、つまりは地域ごとに需給をしっかり調査する必要があると考えております。例えば、各電力会社で火力代替分はどのくらいあるのか、自家発電はどうなのか、省エネの問題、ピークシフトの問題、節約分の買い取りというネガワットの問題、DR(デマンド・レスポンス)という問題がありますけれども、そういった問題について我々はしっかりと考えておく必要があります。
 簡単に申し上げれば、1つは、仮に半年、1年、原発が再稼働しないことになったときの対策を国家戦略室としては考えています。つまりは、電力不足にならないようにするということです。もう一つは、普通にいけばコスト増になって、電気料金がはね上がると言われておりますけれども、それを料金の引き上げにあまりつながらないようにするためにどうするかということをしっかり考えておく必要があり、そういう指示を国家戦略室に以前からも出していたところであり、かなりの検討が今、進んでいると申し上げてもよいのではないかと思っております。
 エネルギー・環境会議の議長を私がさせていただいておりますが、基本的には、中長期のエネルギー・環境戦略の論点整理を7月中に行います。同時に、当面の短期の対策の中間整理をしっかりやらなければいけないということを申し上げてきました。
 総理の思いとしては、特に新エネ、再生可能エネルギー、そして省エネのあり方について新成長戦略実現会議あるいはエネルギー・環境会議でやってほしいという思いはあろうかと思いますけれども、国家戦略的観点から言えば、先ほど申し上げたような対策をしっかり検討しておくことが極めて大切ではないかと考えております。
 特に、既存技術を集中投入するということを短期ではやらなければいけないことをこれまでも申し上げてまいりました。需給管理するのに、例えばスマートメーターを導入しますが、その導入インセンティブをどうするか。先ほどのDR(デマンドレスポンス)という話も、電力会社に節約分を買い取ってもらうという制度ですけれども、そういうことを現実的な話としてしっかりつくり上げることができるかというのが最大のポイントの一つになるのではないかと思っております。
(問)冒頭お話しになった3党政調会談に臨むに当たっての意気込みのようなものを伺いたいと思います。大臣がおっしゃったように、自民党も一時期は会期延長の問題などでかなり態度が硬化して、交渉もなかなか進まないように思えたのですが、再開するに当たって、例えば子ども手当とか、少しずつ何となく目途はついてきているのかなと思うのですけれども、その辺りの意気込み、さらに言うと、特例公債法案を通すという大目標もあったのですが、そこにつなげる思いを2つお聞きします。
(答)意気込みという話でありますけれども、それは当然、特例公債法案の成立の必要条件になっているわけでありますので、若干時間をかけてでも、つまりは今日1回でまとまるということではなくて、第2次補正予算成立までに必ずまとめたいと考えています。それは私に一任されているわけでありますから、民主党の中がまとまっていないということでは全くありません。私は厚生労働部門・子ども・男女共同参画調査会合同会議で何回か議論をして、私自身も出席して、私に一任をいただいていますので、もちろん我が党の議員の意見をできる限り踏まえて決めていかなければなりませんが、幾ら泥をかぶってでも私が責任を持ってまとめるという役割を担っていると考えております。
(問)アメリカのスペースシャトルですけれども、まもなく30年の歴史に幕を閉じます。日本の宇宙開発はアメリカ頼り、スペースシャトル頼りでこの30年間進められてきましたけれども、この30年を日本にとってどう総括されるかということと、シャトルなき後、日本はどう進むのかということについて聞かせてください。
(答)スペースシャトルは、日本人の宇宙飛行士が7人乗ったという意味では、日本とも密接不可分だったと申し上げても過言ではないだろうと思います。
 物資を運ぶのは日本の役割ということで、しばらく日本がしっかりと役割を担っていくということに尽きるだろうと思います。これからISS(国際宇宙ステーション)などについては国際協調の中で、日本が特にプレゼンスを発揮できる分野は何なのかということをしっかりと専門家も交えて、特定しながら、その役割を果たしていきたいと考えています。
(問)子ども手当ですけれども、所得制限の部分については、今、大臣はどういうお考えでしょうか。
(答)私自身は、以前から申し上げているとおり、理念にかかわりますので、大切にしたい部分だと考えています。ただ、これからどういう交渉になっていくかしっかり見極めたいと思います。何もしなければ児童手当に戻ってしまうということがあります。あるいは先ほどの質問にもありましたように、特例公債法案の必要条件にもなっていることを踏まえながら、所得制限に限らず、どういう形が日本のこれからの子ども・子育て政策に望ましいのかということを考えながら判断し、決断していきたいと思います。論点の一つは所得制限、もう一つは、給付と扶養控除の見直しとの関係、つまりは実質手取り額の問題が大きな論点になるのではないかと思います。
 ただ、所得制限で非常に難しいのは、理念にかかわるということが一つありますが、同時に、自治体の事務負担の問題がありまして、かなりテクニカルな部分も、理念のみならずありますので、その辺りもしっかり詰めて最終的な結論を出したいと考えております。
(問)復興財源についての閣僚の会合を今度開くということですけれども、税制調査会との関係はどうなるのかお聞かせください。
(答)私の推測では、恐らく私もメンバーの一人になるのだろうと考えておりますが、復興財源の個別の税目についてどうするという話につきましては、税制調査会で議論するのではないでしょうか。これから議論しようとしているのは、大枠のスキームではないかと思います。大枠のスキームを議論し、できれば、今日の政調会長会談でもお願いベースでありますけれども要請しようと思っているのですが、復興財源、復興債を出すのであれば、その償還の道筋をどうするのかについても3党で協議しようではないかということを申し上げようと思っておりまして、そういったスキームの議論をし、与野党で一定の話し合いがなされ、個別の税目の議論ということに流れとしてはなるのではないかと考えております。必ずしも税だけではありませんし、実際、組み直しもございますし、経済状況との関連で、何から何まで増税というわけにはまいりませんので、そういったことも含めて総合的に勘案しながらこの問題の結論を得ていかなければならないのではないかと思います。

(以上)