玄葉内閣府特命担当大臣記者会見要旨 平成23年5月6日

(平成23年5月6日(金) 11:45~11:55  於:内閣府本府5階522記者会見室)

1.発言要旨

 おはようございます。
 本日は10時から閣議がございました。その後、緊急災害対策本部と原子力災害対策本部が久々に開かれまして、1時間15分とかなりの時間にわたって、それぞれ現状を踏まえた意見交換があったところでございます。
 私からは、特に閣議後の閣僚懇談会におきまして、いわゆる原賠法の賠償スキームについて丁寧な議論をした方がよいのではないかという話を一言申し上げました。災対本部では、福島県下で、特に学校に通っている子どもと放射能の問題というのが非常に大きな問題になっております。その点についての私なりの意見を申し上げたということだけは触れておきたいと思います。
 私からは以上です。

2.質疑応答

(問)いわゆる東京電力による原子力災害の被災者に対する賠償スキームについて、連休中も各種報道がありますが、この点について大臣の見解と、それからどういう点を求めていらっしゃるのかという点があればお願いします。
(答)大事な観点が4つあると思っております。1つ目は、迅速かつ十分な補償がなされること。2つ目は、国民の皆さんの理解が得られること。3つ目は、電力の安定供給。4つ目は、マクロ経済的な視点ということで、これらを満たしていくスキームを考えなければいけないと思います。それぞれ大切な観点ですが、どうしても、この被災者の迅速な救済というところがなかなか忘れがちになっている面があるということで、私はかなり強くこの点を主張しているところでございますけれども、当然、様々な議論がございます。党内で活発かつ丁寧な議論が私は必要だと思いますし、最終的に法律が通らなければいけませんので、野党の理解も必要です。一方で、いわゆる東電の決算の問題を始め、それぞれございますので、そういった観点をマーケットもにらみながら、最終的に時期も含めて判断をしていくことが大切で、私としては、あまり拙速になり過ぎるとかえって混乱を招く可能性があるのではないかと考えております。
(問)当初、ゴールデンウィーク明けにこのスキームを決定するという段取りだったと思うのですが、もう少し時間的に余裕を持ってという点についてお願いします。
(答)個人的にはもう少し時間的な余裕はあると認識をしております。その時間を有効に活用しながら物事を運んだ方が、結果として先ほどの4項目を満たすことにつながっていくのではないかと感じているということを申し上げましたし、直接、海江田経済産業大臣にも先ほど別室で申し上げたところでございます。
(問)海江田大臣に申し上げたという点について、海江田大臣から何か反応はあったのでしょうか。
(答)ええ。なるほどというお話であったかと思いますけれども、これからしっかり検討されるのではないかと考えています。
(問)東電の補償の話ですけれども、上限を設ける、設けないという話が出ていますけれども、これについての大臣の見解はいかがでしょうか。
(答)そういうことも含めて、先ほど申し上げた4点をしっかりと検討していただきたい。今、私自身がそこで具体的に言及しない方がよいかなと思っておりますので、そのようなコメントにさせていただきたいと思います。これは法律を通さなければいけません。党内でもそれぞれの考え方がございますし、野党は野党で考え方がございます。これは拙速に過ぎると失敗してしまう可能性があると私自身は危惧しています。先ほど申し上げた迅速性、十分な補償という最初の観点、そして国民の理解、電力の安定供給とマクロ経済、これらの問題をしっかり満たすようなスキームにしていくことが極めて大切だと考えています。
(問)もう少し時間的余裕があるというのはどのくらいの期間を認識しているのでしょうか。それと、閣僚懇でそれに同調するような意見というのはございましたか。
(答)時間的なものは考え方次第ではないかと思います。そこは敢えて私からは現時点で申し上げない方がよいと思います。
(問)同様の意見というのは他の閣僚からは出たのでしょうか。
(答)同様の意見というのは前回出ていました。それぞれの閣僚が報道で知るということについて、どうなのかというような話はございました。

(以上)