玄葉内閣府特命担当大臣記者会見要旨 平成23年4月19日

(平成23年4月19日(火) 9:54~10:05  於:内閣府本府5階522記者会見室)

1.発言要旨

 おはようございます。
 本日の閣議について、特に私から御報告することはございません。
 閣議後の閣僚懇談会では、私から一言だけ発言をさせていただきました。それは、人への風評被害というものがあるということでございます。つまりは、大変残念なことでありますけれども、他県に福島ナンバーの車が止まっていると「どけ」と言われる、あるいは、福島県の方が他県に行って旅館やホテルを予約しようとすると断られるとか、子どもは全く悪気はないと思いますけれども、他県に避難して学校に入っている子どもが、放射能が付いているのではないかと言われるといったことがあるという話が私の事務所などには沢山届いております。そういったことが絶対に起きないように、各省、各大臣において、できることを精一杯やっていただきたいというお願いを私からさせていただいたところであります。
 言うまでもないことでありますけれども、今回の事態は人類初の事態だといつも申し上げております。特に原発事故が収束していない福島を中心とする地域におきましては、地震、津波、そして原発、風評という、いわば四重苦の状況であります。私自身は、福島県民の皆さんの悲しみとか、苦しみとか、憤りを全身で受け止めて活動しているつもりですし、大変な恐怖と緊張とストレス、不安で一杯なのだろうと思います。そういう中で福島県の人たちは、秩序と冷静さを保って行動しています。心から私は福島県民を誇りに思っておりますし、多くの国民はそういった福島県民を温かく心の痛みを理解してサポートしてくださっているわけでありますが、残念ながら、心ない一部の方々がそういった対応をされるということが本当に残念で残念でなりませんので、そういうことのないように、各省でできることを、関係業界の指導等もあるでしょうけれども、是非お願いをしたいということを申し上げたことを御紹介させていただきたいと思います。
 私からは以上です。

2.質疑応答

(問)復興再生債についてですが、その具体的なイメージと、償還財源を現実にどう考えていくのかについてお考えをお聞かせ下さい。
(答)復興再生債は、いわゆる復興財源の関連で必要な債券であると思いますけれども、まず復興財源を考えるに当たっては、歳出の見直し等を行っていくことが大切かと思います。その上で、仮称ですけれども、復興債あるいは復興再生債なるものを発行していかざるを得ないのではないかと考えております。
 その際に、償還財源も併せて検討していく必要があると思います。ただ、その償還財源の中身については、様々な議論や複数の考え方があり得るし、それぞれの組み合わせもあるかもしれないということで、今この段階で私が具体的に申し上げない方がよいのではないかと思います。
 ただ、一つだけ言えることは、仮に税という議論をするとすれば、2つのことに配慮しなければならないと思います。1つは、景気への配慮。これは経済有事でもありますので、景気への配慮が必要であるということです。もう一つは、被災地・被災者への配慮。これも必要であると思います。この2つの配慮、あるいは時期的なもの、そういったことをしっかり勘案して償還財源を決めていかないといけないのではないかと考えております。
(問)関連して、大臣はかねてから増税は頭の中にないとおっしゃられておりましたが、消費税を3%引き上げるという一部報道があるのですが、その大臣のお考えを踏まえて、そういったことについての所感をお聞きしたいと思います。
(答)現時点での増税は私の頭の中にはありません。償還財源は様々な考え方があり得ると思います。今、この時点で増税というのは頭にないというのは、経済有事だということが一番大きいということであります。ですから、時期というのをしっかり考えていかなければいけないし、税についても様々な税目がありますし、その組み合わせもあり得るかもしれないということです。
 繰り返し申し上げておりますけれども、償還財源の検討に当たっては景気への配慮、そして被災地・被災者への配慮という2つの配慮をしっかりとしながら検討していかなければならないと考えております。
(問)もう1点、消費税増税となると被災地への配慮ということとはなかなか相反するようにも思えるのですが、その辺に関してはいかがでしょうか。
(答)具体論をこの場で申し上げると予断を与えかねないと思いますが、景気が良くなって、例えば消費税でという議論が出てくると仮定して、その場合の被災地への配慮というのは私は技術的には可能だと思います。
(問)復興財源として、例えば消費税を増税する場合は、選挙を経る必要はあるのでしょうか。それとも、こういう場合は選挙を経なくてもいいというお考えでしょうか。
(答)いずれにしても、償還財源については先ほど申し上げたように、現時点での増税はやはり考えられないし、同時に償還財源の検討は一方で必要であり、その際には2つのことに配慮が必要ということだけ現時点では申し上げたいと思います。
 それと一部報道で、復興のための基本法について、私から自民党、公明党に提案をしたと書いてございましたけれども、正確には自民党から共同提案あるいは共同作業をしようという御提案があって、私がそれに応え、同時に私から公明党に、自民党からこういう提案があったので一緒にいかがかと申し上げたということでございますので、敢えて補足させていただきたいと思います。
 人知を超えた巨大な問題が起きたわけでありますから、そこに私心とか政党の損得勘定があっていいはずがないと考えておりまして、やはりこうした問題は与野党の共同作業で進めることができることに越したことはないと思いますので、最大限の努力をしたいと思っております。

(以上)