玄葉内閣府特命担当大臣記者会見要旨 平成23年3月8日

(平成23年3月8日(火) 10:15~10:26  於:内閣府本府5階522会見室)

1.発言要旨

 本日の閣議については、特にご報告する案件はございません。
 閣議を終えた後に総理から、前原外務大臣が辞任という事態になったけれども、政権としてやるべきことをしっかりやっていくためにそれぞれの職責をきちっと果たしてほしいという話がございました。
 私からは以上です。

2.質疑応答

(問)前原大臣の辞任ですけれども、大臣はどのように評価されておられますか。
(答)前原大臣と私には共通の恩師がおります。その方がかつてよくおっしゃっていたのは、出処進退、進むときは人任せでいいけれども、退くときは自分任せであるということです。退くときは自分任せというのは、退くということを決断したときは、人に相談はしない、相談をすれば慰留されるに決まっているということで、私は推測でありますけれども、前原大臣は1人でさまざまな状況について、総合的に考慮して判断されたのではないかと感じています。
(問)関連ですけれども、外国人から献金を受けたかどうかというのを判別するのは、現実問題として難しい側面もあると思うのですけれども、大臣としては制度の改善の必要性等についてどうお考えですか。
(答)今、率直に申し上げて、定見を持っているわけではございません。ただ、おっしゃったような指摘も出ていることは事実でしょうから、与野党でそういったことを話し合う機会があればいいと思います。
(問)前原大臣の辞任を受けて、今度は細川厚生労働大臣について、年金の運用3号をめぐる問題で野党が攻勢を強めていますけれども、大臣としては細川大臣の責任についてはどうお考えかということと、それからこの問題の対処方法はどうあるべきかということについて、お考えがあればお聞かせください。
(答)細川大臣の責任等について私が申し上げる立場にはないと思います。
 それと、この運用3号の話は、まさに救済と公平性のバランスがとても大事だと思っていますので、一番よいバランスのとれた解を与野党で見つけていくことが一番よいのではないかと思います。
(問)今の話に関連してなのですが、民主党の政調としてこの問題に何らかの対応をしていくお考えがあるのでしょうか。
(答)細川大臣と片山総務大臣と枝野官房長官がこの問題で話し合いを持たれたときに、私は開国フォーラムで仙台に行っておりましたので、城島政調会長代理に入っていただきました。当然、何らかの形で政調が噛んでいくことは必要なのではないかと考えておりまして、事実上の窓口役を現時点でつくっているという状況でございます。
(問)原油高や資源高が世界経済や日本経済に与える影響がまた強くなっていると思うのですけれども、改めて大臣のお考えをお聞かせください。
(答)一言で言えば、懸念していると申し上げていいと思います。ただ、その動向にまさに我々としては注視をしながら、今、三段構えの経済対策の最終段階として、まず予算案と予算関連法案をしっかりと成立をさせる、一刻も早く成立をさせることこそ、最も大切なのではないかと思っています。また同時にさまざまなそういったリスクに対応していくためのいわばマネジメントを常に政府の中では検討をしていく必要があるのではないかと考えております。
(問)仙台の開国フォーラムについて、玄葉大臣にとっては、ある意味、地元でもあるのですけれども、農業者を中心に慎重な対応を望む声がかなり多く寄せられたと思うのですが、実際お出になられた感想をお聞かせください。
(答)とても有意義な会だったと思います。経済連携を一段と高めていくわけでして、少なくとも2国間のハイレベルEPAについては、既に政府として決意をしたわけです。TPPについては、まだこれから判断するということでありますけれども、こういった経済連携の次元を高めていくに当たって、それを奇貨として、むしろ農業、農村の持続可能性を高めることにつなげていくことこそ、ピンチはチャンスでもありますから、むしろ大切だというのが私の意見であります。
 ですから、是非、前向きで具体的な、例えばこういった農業政策を展開すれば、輸出が拡大をするのではないかとか、持続可能性が高まるのではないかとか、そういった具体策を提言していただくことがむしろ大切なのではないかと思います。
(問)三菱電機がトルコから衛星を受注したということなのですが、大臣としての受け止めをお願いします。
(答)御存じのように、宇宙システムの海外展開が初めてということでありますから、まさに政府を挙げて、新成長戦略の実現に取り組んできた一つの成果ではないかと思います。
 現にトルコ政府からの要請は、いわゆる衛星の設計、製造、試験におけるトルコサット技術者の直接参加、つまりは技術者も参加させてください、あるいは宇宙機関の設立に向けても協力してくださいというもので、これがまさに我々がよく申し上げてきたところのパッケージなのです。
 パッケージでやってこなかったことが日本の技術の海外への売り込みにマイナスだったという反省を踏まえて、今政府を挙げて取り組んでいることの成果の一つだと考えています。そういう意味では、これから更にこの宇宙産業の海外展開、加速をさせることができるように、積極的に展開できるように、努力をしたいと考えております。
(問)話が戻るのですけれども、前原大臣の辞任の件で、共通の恩師という先ほどのご説明がありましたが、これはどういう方かお聞かせいただけますか。
(答)伝記作家の小島直記さんです。

(以上)