玄葉内閣府特命担当大臣記者会見要旨 平成23年1月25日

(平成23年1月25日(火) 11:08~11:24  於:内閣府本府5階522会見室)

1.発言要旨

 おはようございます。
 今日は、私から3点ございます。
 1つは、本日の閣議におきまして、「新成長戦略2011」について閣議決定がなされ、新成長戦略について、これまでの成果、そして課題を整理したところでございます。特に、これまで達成された成果はもちろんでありますけれども、2011年、今年、見込まれる成果、課題を取りまとめたものでございまして、先般の新成長戦略実現会議で決定された内容になっています。大事なことは、今までも似たようなものがかつての政権でもあったわけでありますけれども、つくって終わりというのが結果だったわけであります。今回の新成長戦略につきましては、着実に実現し始めております。一部、総理から所信表明でもお話がございましたけれども、まさにその成果を着実に上げていく、実現するということが一番大切だと考えております。
 次に、H-ⅡBロケット2号機による、宇宙ステーション補給機「こうのとり」2号機の打ち上げについて、私から閣議の中で、特にISS、国際宇宙ステーションの運用に大きな役割を果たすものであるということ、そして、我が国の基幹ロケットであるH-ⅡAロケットとH-ⅡBロケットがございますけれども、14回連続の成功であるということで、成功率に関しては世界レベルということを申し上げました。ロケット技術の信頼性の高さを確認することができたということでございます。
 先般、ISSに対する我が国の取組、あるいはその意義について質問がありましたが、基本的には今回も「こうのとり(HTV)」が実験棟「きぼう」のある国際宇宙ステーションに行ったわけでありますけれども、こういったいわゆるISS、国際宇宙ステーションへの運搬というのは、スペースシャトルが退役し、このHTVの役割になるという意味では、やはり日本のこのプレゼンスという問題があるということが1つ、さらには、ロケット・衛星技術という問題、そして有人の宇宙技術といった問題から考えて、基本的には、このISSに対しては今後とも参加していくということを考えているということでございます。
 これは平成22年8月、宇宙開発戦略本部でその意義を確認したところでございます。宇宙ステーション補給機、HTVへの回収機能付加を始めとした有人技術基盤の向上につながる取組を推進するということで、燃え尽きてしまうという今よりも、もっと機能を付加できるような取組を推進するということでございます。
 さらに、今日は閣議におきまして、「科学技術に関する基本政策について」の答申について私から発言させていただきました。昨年12月24日に総合科学技術会議から内閣総理大臣に対して、平成23年度を初年度とする5カ年の科学技術基本計画を作成するための「科学技術に関する基本政策について」に対する答申を行ったところですが、この答申は、グリーン・イノベーション、ライフ・イノベーションなどの課題対応の重点化、基礎研究や人材育成の強化、社会とともにつくり進める政策の展開等を要点としてます。これを基に、これから文科省で基本計画をつくるということでありますが、問題は、第3期までがどうしても科学技術の振興そのものに、ある意味、焦点が当たっているところがあったのですけれども、その科学技術の振興と産業との連関、あるいは安全保障との連関、外交との連関、そういった有機的な一体性というものを保てるようにしなければいけない。イノベーションに結びつくようなものにしなければいけない。もっと言えば、私が国家戦略担当大臣として実際に進捗管理をしている新成長戦略と、直接結びついていかないといけないということではないかと思っていまして、そういう意味ではグリーン・イノベーションとかライフ・イノベーション、そういったことへの重点化を図っていくという内容になっております。そういう意味ではしっかりとこのことを踏まえて、それぞれの大臣において御協力をお願いしたというところでございます。
 なお、まだ検討中でございますけれども、土曜日につくばの視察をしようかと考えておりまして、視察先としてはJAXAの筑波宇宙センター、そして物質・材料研究機構を、今、検討中でございます。また、さらに農業再生、食と農林漁業の再生関連で、農業の現場も併せて視察する可能性を、今、探っているところでございます。
 私からは以上です。

2.質疑応答

(問)年金の改革で、与謝野大臣が支給開始年齢の引き上げに言及しています。引き上げることの是非等々、玄葉大臣の所感をお願いします。
(答)他の先進国でそのようなことが行われていることは承知しておりますけれども、今回の社会保障と税の抜本改革の中で、それらを検討することはないのではないかと、私自身は現時点では考えております。
(問)その検討しないという理由は、どの辺にあるのでしょうか。
(答)中長期的課題といったところではないかと思います。
(問)今日の閣議後に、公務員人件費について関係閣僚の打ち合わせがあったということですが、どのような話し合いがあったのかということを御紹介ください。
(答)これは、片山大臣が担当大臣なので、片山大臣に聞いていただければと思います。基本的に、公務員の総人件費2割削減という目標については、旗としてきちんと掲げていこうということを確認し合いながら、それを現実的にしていくためにどうすればよいのかということを話し合ったということでございます。
(問)今の公務員人件費の2割削減とも関連するのですが、その実現可能性を含めて、ほかの政策も含めて、マニフェストの見直し、修正についてはどのような日程感、スケジュールでやっていかれるお考えですか。
(答)これは、いつも申し上げておりますけれども、これから幹事長部局とも体制を協議します。基本的には任期の折り返し地点がベースだと思っています。
 ただ、例えば社会保障と税の抜本改革を検討するに当たっては、この社会保障の具体的な姿をお示しするわけで、そういう意味では、社会保障の部分については部分的に今の調査会が先行して見直し作業、あるいは点検作業をするということに結果としてなることもあるでしょう。基本的には、任期の折り返し地点を考えております。
(問)スタートは、2月ぐらいからスタートするのでしょうか。また、組織はどんな組織で考えていらっしゃるのでしょうか。
(答)ですから、それは今、考えている最中でございます。慌てておりません。
(問)社会保障と税の与野党協議なのですけれども、正直、現時点では野党側は全く乗らない、つまり、マニフェストを取り消すなら考えてもよいというような主張をしているかと思うのですが、担当大臣の一人として、その辺の野党の主張をどうお考えになるか。また、今後どう打開されるのかというのを改めてお願いします。
(答)恐らく、基本的に呼びかけるのは幹事長、あるいは国対、そして、中身を詰めるのが私ということなのだろうと思っております。ただ、随時、野党側には呼びかけるという姿勢が必要ではないかと考えております。
(問)予算案や関連法案の修正ということについての発言が与党内から相次いでいるのですけれども、それについて、閣僚の一人、政調会長でもあられるので、その辺についてはどうでしょうか。
(答)製造面と営業面では感覚が違うという話がございまして、私は製造も営業も両方関わるという立場なのかもしれませんけれども、やはり製造側からすれば、与えられた条件の下でベストな予算であると、今も強く確信を持っているところでございます。
 ただ、予算案、あるいは特に関連法案を通すということになれば、それはさまざまなことを国対関係者の方々がシミュレーションされる、お考えになられるというのは、当然かなと思います。ただ、私としては、やはりベストな案をつくったと思っています。
(問)科学技術政策についてお尋ねします。先ほど、4期の基本計画実現に向けて各大臣に協力をお願いしたというお話があったと思うのですけれども、具体的に今後、各省庁のどのような協力体制が必要だとお考えになりますか。
(答)これは、総合科学技術会議の位置づけの問題というか、改組の問題をどう考えるかということがあろうかと思います。今言われているのは、科学・技術・イノベーション戦略本部というように、いわば一種、国家戦略としての位置づけを行って格上げするという必要性があるのかなとは、私自身も現時点で考えております。基本的に、現時点でも総合科学技術会議が全体の司令塔、総合調整役になっていると思いますが、それをより戦略的なものに仕上げていかなければいけないのだろうと思っております。
 さまざま議論がありまして、例えば研究開発体制をどうするのかとか、こういうこともあって、つくばに、これは独法の在り方論と絡む話なのですけれども、やはりちょっと足を運んで、実際どのように運用されたりしているのかということをこの目で見たいということもあって、できれば土曜日に伺いたいと考えております。

(以上)