玄葉内閣府特命担当大臣記者会見要旨 平成23年1月21日

(平成23年1月21日(金) 12:08~12:19  於:官邸3階エントランスぶらさがり)

1.発言要旨

  私から、財政運営戦略の進捗状況について申し上げたいと思います。
 毎年度、予算の概算を決定いたしますと、財政運営戦略に沿って、検証して公表することになっております。具体的な中身は、平野副大臣からブリーフィングしていただきますし、既に皆様に資料を配布済みではないかと思います。
 簡単に申し上げると、2010年度から11年度にかけて、プライマリーバランスは対GDP比で0.9%改善をしました。確か額で言えば3.8兆円だったかと思います。これが意味するのは、税収が増加したということと、歳出の大枠を守って予算をつくったということだと思います。
 ご存じのように、国債発行額も元々守ると言っていた44.3兆円、そして歳出の大枠も71兆円を守って、一定の規律の中で予算をつくったということで、一定の改善がなされたということでございます。
 ただ、2015年度にプライマリーバランスの赤字の対GDP比を半減する。そして、2020年度にプライマリーバランスを黒字化するという目標について申し上げれば、相当程度の改善が必要になります。また同時に、公債残高が拡大していますので、まずは経済成長、名目成長を大きくしていかないといけません。そして、社会保障制度と財政構造改革、財政健全化、これら一体となって改革をしていかないと財政運営戦略の目標には達成しないのではないかと考えておりますので、引き続きこの一定のルールを守れるように頑張りたいと思います。

2.質疑応答

(問)閣議ではどのような発言がありましたか。
(答)閣議では、特にこういった報告をさせていただいて、同時に与謝野経済財政担当大臣から内閣府のいわゆる中長期試算について説明がありました。実は先ほど申し上げた話には、成長戦略シナリオと慎重シナリオというのがありまして、経済成長が極めて順調にいった場合と、逆に慎重シナリオでいった場合とで、どういった財政再建目標の差があるか、そういった具体的な数字の問題も含めて説明がありました。名目成長率3%、実質成長率2%というのが成長戦略シナリオです。慎重シナリオは名目、実質とも1%台半ば、そういった試算についての説明があったということでございます。
 あとは、私も出席しましたけれども、昨日の行政刷新会議の規制の仕分けの話で総理から発言がありました。
(問)閣議の前に、新体制で社会保障改革検討本部が行われたと思うのですけれども。
(答)新体制で社会保障改革検討本部が行われまして、短い時間だったわけですけれども、特に社会保障についてしっかり議論するようにという意見が出されました。また、社会保障については、いわゆる年金、医療、介護だけではなくて、例えば生活保護の考えとか、あるいは全世代を通じた社会保障のあり方論ということもこの場できちっと議論すべきではないかという意見がございました。
 さらには、閣議の後は、これは私が副議長として進行役をしておりましたけれども、食と農林漁業の再生実現会議がございまして、それぞれ委員の皆様から自由闊達な議論をいただきました。
 これについては敢えてそうしているのですけれど、予定調和的にまとめるということは元々考えておりませんし、そうする必要は全くないと思っていました。
 ただ、今日はいわゆる土地利用型農業の水田の問題について、それぞれからご意見をということと、経済連携の状況について教えてほしいという話が2人の委員からありましたので、現状をご報告させていただいたということでございます。
 特に競争力の強化のためにどうするかと、水田についてかなり具体的な意見が出ておりました。一方で文化としての農業という側面も特に中山間地域にはありますので、そこは分けて考えていかないといけないと思います。そういった議論がありました。それも後で平野副大臣からブリーフィングがあると思います。
(問)社会保障と税の一体改革について、総理から指示が出ていて、6月までに成案を得て、国民的な合意を得た上でというような話なのですけれども、これは具体的に6月までにどこまでやるということを指しているのでしょうか。
(答)私の理解では、以前から変わらないのですけれども、政府で元々決めましたのは、本年6月までに政府・与党としての成案を得るということだと思います。ただ、それは社会保障と税制の抜本改革について、与野党合意を得るための努力は随時していくということだと思います。
(問)最低保障年金についての基本的な考え方をもう一度確認させていただきたいのですけれども、昨日の講演でも少しおっしゃっていますけれども、最低保障部分については、財源を全額税とするという考えでよろしいのでしょうか。
(答)それはそうです。
(問)それについては与謝野大臣、あるいは総理も全額税で賄うというわけではないというような発言をされていますが、その辺、認識の差が出ているような感じがするのですが、それはどうでしょうか。
(答)特に感じません。
(問)というのは、総理も会見では、最低保障は全額税という考えというわけではないという趣旨の発言をされています。
(答)それは私も確かめないとわかりませんが、民主党の案は少なくとも昨日も申し上げたように、保険料に応じた所得比例年金があり、更に補足年金として、税を財源とした最低保障年金があるというもので、それはベースになる考え方になり得るのではないですかと。ただ、与野党で合意を得なければいけないわけですから、様々な案を考えていくのは当然のことだと思います。
(問)FTA、EPAなのですけれども、昨日の大臣の講演で日豪については今年中ごろまでに合意したいということですが、日米については何かスケジュール感等々、考えているところがあるのでしょうか。
(答)特に現時点では持っているわけではございません。
(問)マニフェストの見直しですけれども、今、体制、枠組みをどう考えられているのかということと、、いつから始めるのか、いかがでしょう。
(答)これは幹事長と相談をしながら進めたいと思います。まだ決めていません。
(問)予算がある程度一段落してからですか。
(答)今日、明日とか、そういう話では全くないと思います。一番いい形で進められる方法を考えたいと思います。
(問)小沢元代表の問題で、政倫審の手続を岡田幹事長が断念したのですが、受けとめをお願いします。
(答)私も状況をまだ十分把握しておりませんので、何とも言えませんけれども、基本的には政倫審の扱いは岡田幹事長に一任されております。その後のことということになれば、また役員会等で議論をしなければいけないのかなという感じはいたしますけれども、ただいずれにしても、総理、そして幹事長の下で一体になっていくということが民主党としてあるべき姿であると考えています。

(以上)