片山内閣府特命担当大臣記者会見要旨 平成23年8月19日

(平成23年8月19日(金) 10:39~11:02  於:会見室)

1.発言要旨

 おはようございます。今日は、閣議がありまして、一つは、閣議と閣僚懇談会を通じてですけれども、その中で、平野大臣の方から、福島県関係の予算について、第3次補正予算案について、県からの要請などを踏まえて、各省関連の予算案について怠りなく要求をしてほしいという発言がありました。これは私もかねがね気になっていたことでありまして、復興基本方針を7月29日に決めましたけれども、どちらかというと、津波災害、地震災害の方が中心になっておりまして、福島県関係の原発に起因する被災された方々、被災された地域に対する施策というのが、まだ、あの基本方針では必ずしも具体的に取り上げられておりません。しかし、現場では、7月から今日にかけてもいろいろ事態が進展しておりまして、例えば除染の問題だとか、そういう基本方針に盛り込まれていないことでも、必要なことは3次補正に的確に盛り込まなければいけませんので、そういうことを私も気にしていたものですから、今日、改めて各省の方に、関係予算について怠りのないようにということを決めました。総務省の方でも、よく点検をしてみたいと思います。
 それから、科学技術基本計画を今日決めましたけれども、変更を決めましたけれども、それに関連して何人かの大臣からお話がありましたが、私の方からもあえて発言をしておきましたけれども、それは、科学技術基本計画の変更の作業に私も加わったのですけれども、その中で一つ気が付きましたのは、どうしても、国の機関、それから独立行政法人の試験研究機関、それから大学の研究機能というものが中心になって、この科学技術基本計画というものは成り立っておりますけれども、考えてみれば、都道府県、一部市もありますけれども、主として都道府県の方で数多くの試験研究機関を持っておりまして、その中に、相当数の優秀な研究員、スタッフを抱えているわけであります。もっともっと、この都道府県立の試験研究機関の持っているポテンシャルというものを活用すれば、我が国の科学技術の裾野が広がり、しっかりとしたものになりますので、これについても、今後は、科学技術基本計画の中に位置付けていく必要があるだろうということを、今日、申し上げておきました。総務省の方でも、既にもう、都道府県立の試験研究機関の実態について少し把握をして、これをもう少し、今以上に活性化すると言いますか、研究員の皆さんにモチベーションを高めてもらうためにはどうすればいいかということについても、少し取り組もうということにしておりますけれども、今日、いい機会がありましたので、各関係大臣に対しまして、関係する分野の都道府県立の試験研究機関に対して、例えば、ミッションの再確認でありますとか、それから研究員の皆さんのモチベーションを向上するための施策などを、是非、考えてほしいということを、今日、要請しておきました。
 それから、総理の方から、今の時局と言いますか、政治の環境の中で、今国会中と言いましょうか、それとも、今の内閣の任期はあるわけではありませんけれども、事実上の任期と言いましょうか、その中で、どうしてもやっておかなければいけないものについては、それぞれの大臣がよく整理をして、整理をしてと言うのは、この内閣でやっておくべきことと、それから、きちっと次の内閣に引き継ぐものとをよく整理をして、それぞれがうまく、円滑に行くようにしてくださいという指示がありました。要するに、あと半月ぐらいになるのでしょうか、の間に、処理すべきもの、急ぐべきもの、どうしてもやっておかなければいけないものは、ちゃんとやるような手はずを整えてもらいたいし、必要があれば、総理にもそのことを話してもらいたいということでありましたので、総務省としても、いろいろな案件を持っておりますので、これも改めて、先ほどの整理をしてみたいと思っております。
 それから、今日、岩手県と、それから岩手県大槌町の選挙管理委員会の関係者が来られまして、総務省で、この度、行われます選挙についてお話をされます。これは、大変、大きな被害を受けたわけでありますけれども、できるだけ早く選挙をやろうということで、県議選、知事選、それから、大槌町の町長選、町議選をやるわけですけれども、有権者の多くの皆さんが域外に避難をされている、いまだ避難されている方がおられるわけでありまして、その方々に、該当の選挙について情報を提供しようというものであります。異例のことでありますけれども、東京に出て来られて、是非、これは皆さん方にお願いを申し上げたいのでありますけれども、こういう非常に困難な状況の中、環境の中で選挙を挙行されるわけでありますので、できるだけ多くの有権者の皆さん、全国に避難をされている有権者の皆さんに、ふるさとの選挙があるということ、これが伝わるように御協力をお願いできればと思います。政府といたしましても、こういう情報提供の場を提供するということはもちろんでありますけれども、政府広報などを通じて、できるだけ情報を提供したいと思っておりますけれども、皆様方のお力を頂ければと思っております。よろしくお願いいたします。
 私の方からは、以上です。

2.質疑応答

(問)幹事社から2問ほど、お願いしたいのですけれども、1点目は、大臣が立ち上げに準備を進めていらした地方制度調査会についてなのですけれども、初会合の時期など、めどが決まっておりましたら、お教えいただけますでしょうか。
(答)今月中に、それこそ、これはですね、先ほどの整理ではありませんけれども、立ち上げだけはですね、今の内閣の下でやっておきたいと思っております。ですから、今月中にやりたいということで、来週にはできると思っております。まだ正式に発表できる段階ではありませんけれども、来週には開催できる運びとなると思っております。
(問)もう1点なのですけれども、大阪府の橋下知事が代表を務める維新の会がですね、公務員の身分保障を転換すべきだということで、かなり厳しい分限処分などの制度の大半を盛り込んだ条例案を提出されようとしているのですけれども、こういった考え方とか、こういった動きについて、大臣、何か意見があれば、お伺いできますでしょうか。
(答)これは、国家公務員法も、地方公務員法も同じ体系をとっています。さっき言われた分限処分とかですね、それから懲戒処分もそうですけれども、国家公務員法も、地方公務員法も同じ法体系をとっております。私も県で知事をやっておりましたときに、その地方公務員法の該当条項の適用を行う局面に何度か立ったわけでありますけれども、そのときの記憶と言いますか、印象は、規定自体がですね、非常に概括的な規定にしかなっていないのですね、具体的な基準がありません。例えば、分限で言いますとですね、正確な表現は、ちょっと今思い出せませんが、要するに、仕事がなかなかできないという、そういうときにはですね、分限処分できるようになっているのですけれども、では、それはどの程度かとかですね、どういう要件が満たされれば、例えば、分限免職ということになるのかということが、明確になっていないのですね。単に、こう、職務、仕事ができないというだけではですね、相対的なものですよね。あの人はできる、あの人はできないというのは相対的なものですよね。それが、分限免職という処分をしようとしたときに、どういう基準であればいいのか。それは、取りも直さず、最後は裁判になる可能性がありますから、その免職処分が妥当であったかどうかということを裁判で争われますので、そのときに、裁判できちっと対抗できるだけのですね、要件を備えてなければいけない。これは当然ですよね。免職される方は、非常に重大な岐路に立たされるわけですから。ですから、一方では仕事ができないので、これやはり税金を使って給料を払っていくというのは公平に反するなという考え方がありますし、一方では、生活の糧を、とりあえず奪われるわけですから、その両方のバランスをどう考えるのかということで、裁判になったときに耐えうるかどうかということが、処分する方としては非常に気になるわけです。ですから、その辺をよく慎重にしながら、私も分限免職というか、その規定を適用しようとしたりしたのですけれどもね。そういう面で言いますとね、一般論で言いますと、今の分限とか懲戒の処分の基準を、地方公務員法で定めた規定よりももっと深掘りと言いますか、具体化と言いますか、明確にするというのは、私は評価できると思います。その後ですね、どういう基準にするのかということが問題になると思いますね。これを非常に、なんて言うのですか、首長が濫用しやすいようにですね、作るというのは、これは許されないことだと思います。もちろん、そういう濫用が行われた場合は、裁判で、多分、処分した方が敗訴しますから、そういう制約はもちろんありますけれども、いずれにしても、基準がどうかという内容の妥当性が問われると思いますね。ただ、明確にしようという、そういう基本的な方向というのは、私は共感を持っております。
(問)被災地の地方選挙の関係なのですけれども、延期された、選挙を延期した自治体の中には、もう十数の団体がですね、実際に選挙にこぎつけているわけですけれども、投票率を見ますと、前回と比べてかなり落としているところがありまして、その辺、どう思われているかということと、あと、これから選挙ラッシュに入るわけですけれども、各自治体の取組、どう取り組めばいいのか、それを総務省としてどう支援するのか、という話を聞かせてください。
(答)投票率がある程度落ちるというのはですね、これは程度の問題でしょうけれども、ある程度落ちるのは、これやむを得ないことだと思います。やはり、平時に、通常の選挙が行われる場合と違いますので、特に、有権者の皆さんが、まだ、これごく一部ですけれども、所在が不明な方もおられますし、それから、所在はもちろん分かっている方が、ある程度の人数、ある程度の方が域外に避難されているという、そういう、やはり、選挙を行う上では困難な事情、環境がありますのでね、ある程度はやむを得ないものがあると思います。ただ、これからの選挙のことを考えますとね、是非、自治体の選挙管理委員会には、そういう困難な事情を克服するように、最大限、最善の努力をしていただきたいと思います。そのためには、例えば、通常、町村の議会の選挙でありますと、5日間という、告示から選挙まで5日間という、告示から投票まで5日間ということに、通常なっておりますけれども、これをもっと前倒しをして告示をして、有権者の皆さんに情報が届きやすくするとか、それから、域外に避難されている方の不在者投票が、ある程度余裕を持って可能となるようにするとかですね、そういう工夫が必要だろうと思いますし、それから、以前もお話ししたことがあるかもしれませんけれども、遠隔地に避難されている方に、選挙の情報ができるだけ的確に伝わるようにということで言いますと、もちろん郵便で資料を郵送するということが必要ですけれども、それ以外に、ICTを活用して、選挙管理委員会のホームページに選挙関係の情報を掲載することはもちろんですけれども、例えば、選挙公報というものを紙で配布するというのが今までのやり方ですけれども、併せて選挙管理委員会のホームページに選挙公報を掲載するということも、是非、取り組んでいただきたいと思います。
 それから、国とか県の方はですね、やはり、こういう困難な事情で選挙が行われるわけですから、是非、全面的な支援をしなければいけないと思っております。例えば、さっきもちょっと触れましたけれども、政府の広報媒体を使いまして、被災地の選挙がいついつ行われるということを、広報をしたいと思っておりますし、それから、いざ選挙になりますと、相当の人手が掛かりますから、これは県の方でまず第一義的には応援態勢というものを考えていただきたいし、それだけで足らない場合には、当然、全国の自治体に呼び掛けて、被災地の選挙の支援をしていただくとか、それから、総務省自身が職員を派遣をして支援をするとかですね、そういうことを柔軟に、かつ、積極的にやっていきたいと思っております。
(問)今の話ですと、期日は延期したことと、あと、総務省の後方支援というのがあったと思うのですけれども、投票そのものは、従来どおりの法律、現行法にのっとった形でということになるのですが、もっと、こう、期日前投票がやりやすくなるようにとか、不在者投票がやりやすくなるようにという面で、地元からは、特例ができないものかという声も、今になって上がっていると思うのですけれども、なかなか難しいとは思うのですが、その辺は、やはり現行法どおりということでしょうか。
(答)現行法で定められていること、それから、一部特例法を作りましたのでね、その特例法で定められている範囲内に、やはり限られると思いますね。やはり選挙というのは手続が非常に重要ですので、その手続が法律にのっとって公正に行われるかどうか、平等に行われるかどうかということが、これ非常に重要ですから、現行法、それは公職選挙法だけではなくて、先般作りました特例法も含めた、その範囲内ということになります。その上でですね、いろいろな工夫が有り得ると思いますので、法律も、森羅万象すべてを書いているわけではありませんから、いろいろな応用とかですね、解釈によってある程度柔軟にできることもあると思いますから、その辺は、是非、できる限り有権者の皆さんの投票機会を奪わないという、そういう基本的な考え方に立って、工夫を是非していただきたいし、具体的にこういうことができないだろうかというようなことがありましたら、是非ですね、県の選管なり、県の選管を通じて総務省なりに御相談いただきたいと思います。その上で、総務省としてもですね、現行法の範囲内という基本的な枠組みはありますけれども、その中で、地元の事情に応じて、できる限り柔軟な、応用が利くような知恵がないかということを、一緒に考えて、助言を申し上げたいと思います。
(問)共同通信の今井ですけれども、地方制度調査会の諮問事項なのですけれども、地方自治法の改正案以外にですね、固まっているものがあれば教えていただきたいのですけれども。
(答)これはですね、第1回目の調査会が開かれますときに、総理の方から諮問することになると思いますけれども、私の方で、担当大臣として考えておりますのは、地方自治法の改正ということが当然ありますけれども、それと重複する面ももちろんありますけれども、地方議会の在り方ですね。これ当然、地方自治法の中に議会の規定があるものですから、地方自治法の改正という、その範囲内ではあるのですけれども、必ずしも法律の範囲内にとどまらないでですね、地方議会の活性化と言うと、一般的な表現になってしまいますけれども、より民意を糾合して、自治体の政策形成であるとか、自治体行政のチェックに資するような議会の在り方というもの、これは制度面だけではなくて、運用面も含めてですね、議論をして、是非していただいて、改善に資するようにしたいと思いますし、それから、今次の大震災を経ましてですね、やはり自治体機能の在り方というのが、少し問われている面があると思うのですね。今の地方自治法というのは、基本的には、平時と言いますか、自治体がちゃんと存在して、ほぼうまく機能するということを前提にした法体系になっておりますから、今回見られたように、自治体機能が当座、ほとんど失われてしまうとかですね、そういう場合の対応策というのがやはり不十分な面があると、私、印象を持っておりますので、そういう観点からの点検というものも是非してみたいと思います。これも地方自治法の関連になりますけれども、場合によっては災害対策基本法とかですね、そういうものとの関連も、多分、出てくると思いますので、そんなことも、是非、いい機会でありますから、審議の対象にしてもらいたいなと思っています。
(問)それと、7月の記者会見では、可能であれば7月中にでも開催したいというようなことをおっしゃっていましたけれども、結局、8月の下旬ぐらいになったと、その理由は何なのでしょうか。
(答)あのですね、こんな政局になって、なかなか、いろいろなスケジュールが立て込んできたということですね。それから、やはりある程度の人数の委員の皆さんに就任していただきますので、一人一人丁寧にお話をして、御本人たちの同意を得る作業、これ、かなり、やはり日数を要しましたので、結果的に今日になったというところであります。
(問)いかがでしょうか。ありがとうございました。
(答)はい、どうも。

(以上)