片山内閣府特命担当大臣記者会見要旨 平成23年8月9日

(平成23年8月9日(火) 18:58~19:17  於:会見室)

1.発言要旨

 今日は、都合でこういう時間になってしまいましたけれども、先ほど閣議がありました。そこでは、私の方からは、一つは、情報通信白書について報告をしておきました。
 それから、閣議後の閣僚懇談会で、これも私の方から、各閣僚の皆さんに要請と言いますか、お願いをしましたけれども、特に、被災地に政府が決めたことなどを、情報を流しますけれども、これが従来のルートで、政府から、各省から県に行って、県から市町村長さんにという、こういうルートで流れるわけですけれども、是非、市町村の議会にも必要な情報、政府が決めたこと、住民の皆さんに対する施策などの情報が、市町村の議会にも伝わるようにお願いをしたいということを申し上げておきました。実は、かねて総務省では、この被災関係もそうなのですけれども、それ以前から必要な情報につきましては、財政とか、それから税とか、それから給与関係とか、既にもう昨年から、できるだけ議会の方にも必要な情報が伝わるようにということを実施しております。それは、給与にしても、財政にしても、税にしても、ひっきょう、議会が最終的には決めることになりますので、その決定権者である議会の方に、政府の方針でありますとか、必要な情報が伝わるようにする必要がありますので、それを実施しておりますけれども、この際、特に被災地関係には、被災地の関係でありますと、仮設に入っておられる方とか、避難されておられる方とか、市町村長さんももちろん接触されますけれども、当然ですけれども、議員の皆さんもそれぞれ被災された方々に日々接しておられるわけで、そういう方々にも、やはりちゃんとした情報が伝わっておくことが必要でありますので、是非、各省も、議会の方に、議員さん方に情報が伝わるようにということを要請しておきました。これが閣議関係であります。
 それから、もう一つ、御報告でありますけれども、昨年の補正予算で、いわゆる「住民生活に光をそそぐ交付金」なるものを計上いたしまして、1,000億円を自治体に交付したわけでありますけれども、それの使い方とか、使った結果とかが出てまいりまして、この際、初めての試みでもありますし、今後、この種の政策をまた進めていくとした場合に、どういう改善点なりがあるかということを、先般、関係府省の幹部の皆さんに、私のところに集まっていただきまして、意見交換会、反省会と言ってもいいのでしょうか、を実施いたしました。その結果、いろいろな意見が出てきまして、後で資料をお配りすることになりますけれども、いろいろな興味深い論点が出てきましたので、御報告をしておきたいと思います。例えばですね、何分、時間がタイトであったので、じっくり自治体の方で考えて施策に取り組めなかったというような意見もありました。これはごもっともなことで、もとよりそれは認識をしておりました。年末に予算が執行できるということでありましたから、なかなかその時点で、自治体の方でじっくりと考えながら、検討の上、予算化するという、いとまがなかったということはありますけれども、政府としては、改造内閣の下で、新しい施策をということで、できるだけ早くという、そういう気持ちもありましたので、予算化しましたけれども、今後の問題としては、やはりもう少し時間的余裕を持って、この種の施策というのは浸透させていく必要があるのだろうと。これは、こちら側の一つの反省点でありますが、自治体側の問題としては、非常にうまく使ってくださった自治体もあります。したがって、今まで光のあまり注がれていなかった分野にこの交付金が注がれて、非常に効果を上げたという自治体からの報告もあります。それは非常に多としたいと思います。ただ、一方では、必ずしもいい使い方がされていないという印象を受けるものもあります。例えば、どういうことかと言いますと、確かに交付金を事業に充てたことにはなっているけれども、その分を、その充てた分を翌年度の当初予算から削るとかですね、結局、2か年度を見てみたら、全然金額は増えていないというような、そういう自治体もあると聞いておりまして、結局、それはそういう自治体の場合には、当方が目指した、期待した効果が必ずしも上がっていない。その交付金を使って事業をやったことになっているけれども、翌年度のそれに、本来ならば毎年投入されていた予算が削られているということになれば、結局、プラス・マイナス・ゼロでしかないのではないかと、こういうところもありまして、これは、非常に、こんな使い方というのは残念でありまして、もう少し私どもの志というか、目指すところを、もっと真摯に汲んでいただいて、住民の皆さんにとって非常に重要な事柄、だけれども今までは必ずしも予算面などで光が当たっていなかったようなところに目配りをしていただければなと思っております。
 それから、もう一つは、これは先ほど申し上げたことと関連するのですけれども、この種の情報というのが、やはりその時点では、県を通じて市町村の執行機関に、市町村長さんにつながるというルートでありましたので、議会に、新しい試みが政権の下でできましたよという情報が必ずしも伝わっていなかった。議会に伝わっていれば議員さんは複数おられますから、それだったら、光を当てるべきところというその分野が、もっときめ細かく議会筋から出てきた可能性がある。例えば、学校図書館に関心のある議員さんだったら、学校図書館に、こういういい機会だから予算を投入しようではないかとか、DV対策に関心のある議員だったら、その方面にもっと施策を展開すべきではないかとか、自殺予防もしかり、消費者行政もしかりというようなことが、もっと多様に出てきたのではないかという。私もそのとおりだと思いますので、もっとこの種のことをこれからやる場合には、議会に、議員の皆さんに情報を伝えるようにしなければいけないとかですね、そんないろいろ反省点とか改善点が出てまいりまして、非常に興味深いので、皆さんに情報資料として、後刻、提供を申し上げたいと思います。
 以上です。

2.質疑応答

(問)幹事社から2点、お願いします。閣議で情報通信白書について報告されたということですけれども、今年、震災などもありまして、その辺りの概要も盛り込んでいらっしゃるかと思うのですけれども、特に強調したいことなどございましたら、お伝えいただければ。
(答)3月11日に大震災がありましたので、そのことも踏まえた記述を加えておりますけれども、一つのテーマ、大きなテーマとして、共生型ネット社会の実現に向けてということで、ICT、情報通信というものが、人と人の絆を結ぶ、社会の絆のインフラストラクチャーになるという、その点を重視しております。これは、情報通信が経済を引っ張るという、もちろん面があります。それから、個人個人の活動領域、知的活動領域が非常に広がるとかですね、そういう面がもちろんありますけれども、今回の場合には、人と人とを結ぶという、絆を強化するという、そういう方面に着目をした章立てとか記述をしているということが、一つの特徴だろうと思います。
(問)ありがとうございます。もう1点なのですけれども、宇宙開発の分野でですね、昨日、政府の宇宙開発戦略本部の専門調査会がですね、これまで各省がやっていた関係の予算要求についてですね、内閣府主体でやっていこうというような最終報告書がまとめられたのですけれども、この点についてどうお考えか、お願いできますでしょうか。
(答)これは、昨日の今日ですから、まだじっくりと取りまとめた報告を、私も目を通すいとまがないのですけれども、これはよく目を通してみたいと思います。一つの報告でありましょうから、それも踏まえながら、今度は政治のレベルと言いますか、政務のレベルで、この問題を今後どう取り扱っていくのがいいかということを、早急に検討しなければいけないと思います。差し当たっては、大臣政務官クラスで関係府省の集まりがありますので、そこで、この問題についての意見交換をまずは行うことになると思います。
(問)自治日報の内川と申します。子ども手当の見直しと社会保障と税の一体改革について、それぞれ1点、お伺いしたいのですが、まず、子ども手当の見直しについて、12日に協議の場を開いて自治体の理解を求めるというような報道がありましたが、そういう御予定があるのかどうかということと、所得制限を導入するという合意について、その所得制限の導入自体が自治体に大きな負担を強いるので、一体改革のように与野党間協議の前段階でも協議の場を開催するべきではなかったかというような意見もありますが、それについての大臣のお考えをお伺いできればと思います。
(答)子ども手当の見直しについて、各党間で合意ができたということでありますので、それを受けて、国と地方の協議の場を通じて、自治体側の皆さんの理解を求めるということと、それから、これについて自治体側から要請とかが出てくる可能性がありますので、それを政府として受け止めるという、こういう作業が必要になると思います。それで、これはできるだけ早くやらなければいけませんので、今のところ12日ということで、日程の調整などをしております。恐らく12日に開くことになるのだろうと思います。まだ正式には決定しておりません。
 それから、その内容についてでありますが、今、お話があったように、改めて所得制限というものを導入するという内容になっておりますので、これは、10月からすぐにということではありませんけれども、一定の期間を置いた後、所得制限を導入するということになるでありましょうから、自治体の方で、また改めて所得の捕そくというものを、これが必要になってきます。これについては、これは私が申し上げることでは、必ずしもないかもしれませんけれども、この種の政府の施策というのは、自治体が実施することになるわけでありますから、できるだけ自治体の負担を軽くするということが必要だと思いますし、制度というのはできる限り安定的であって欲しいと、私も自治体の首長をしていた経験からしますと、そう思います。ですから、今回、また変わるということは、自治体にとっては一種の戸惑いがあるとかですね、あると思いますけれども、これも政治のいろいろな事情の中で、妥協の中で、この局面を打開するために、特に、特例公債法案をちゃんと成立させるという、そういう局面を打開するための一つの妥協でありますので、そこは自治体の皆さんにも大筋受け入れていただきたいと思います。と言いますのは、特例公債法案については、これ政府のもちろん問題なのですけれども、もしこれが通らなかったとした場合には、自治体にも大きな影響を及ぼすわけであります。特例公債法で財源を調達して、それが地方交付税交付金になったり、国庫支出金になったりするわけでありますので、これは、国だけではなくて、地方にとっても非常にかかわりの深い、しかも、もしこれが通らなかったら非常に打撃の大きい事柄でありますので、そういう問題を、局面を打開するための一つの政治的妥協でありますので、そこは受け止めていただきたいと思います。ただ、さっき言いましたように、所得の捕そくという問題が出てまいりますし、それから、システムの改変ということが出てきます。当面のシステムの改変というのは、さほど困難なことではないと思いますけれども、それでも、システム改変の負担が秋口から掛かってきますし、それから、所得制限をするシステムに来年度から変わるということになりますから、これ、かなりのシステム改変の作業が伴います。当然コストも伴いますので、その辺を政府としてちゃんとあがなうということも、自治体側からは要請として出てくるでありましょうから、それは厚生労働省が正面から受け止めることになりますけれども、きちっと受け止めて、ちゃんと政府として対応するという、そういう姿勢を持っておくことが必要だろうと思います。そんなことが、今週予定しておりますけれども、国と地方の協議の場では出ると思いますので、かったつな議論をした上で、是非、双方の理解が一致するようにできればと思います。
(問)一体改革なのですが、今月中に自治体を対象に、改めて調査を行うという方針だったと思うのですが、それについての現在の状況についてお伺いしたいのと、一体改革についても協議の場の分科会で、協議を進めていくということだったと思うのですが、それについても12日に開催されるということでよろしいのかどうか。
(答)これはですね、今日も衆議院の総務委員会で、それについての質疑があったのですけれども、分科会を設けるという場合には、親会と言いますか、協議の場で、その分科会の設置、それから、それの概要について決めるということになっておりますので、分科会を設置する前提として、協議の場が必要だということで認識をしておりましたけれども、今回、今週中にも協議の場が開かれますので、その中で、その場において、社会保障と税の一体改革に関する分科会の開催ということを決めたい、合意を得たいと思っております。それから、お触れになった自治体の実態調査については、これは是非、該当の部局から詳細な説明を聞いていただければと思います。
(問)西日本新聞の小野と申します。今日、総務委員会でも質疑がありましたけれども、地域主権改革2次一括法案の見通しについて、お聞かせ願えますでしょうか。
(答)今日、実質的に、審議に入ったわけであります。衆議院の総務委員会で審議をしていただきました。大筋、了解が得られるのではないかという、今日、実際に審議の当事者になりまして、そういう印象を持っております。幾つか、こう懸念とか疑問点とか出てきまして、それについて私も、かねてからの持論も含めてですね、丁寧に考え方を述べたつもりでありまして、大筋、御理解が頂けるのではないかと思っております。
(問)よろしいでしょうか。ありがとうございました。
(答)はい、どうも。

(以上)