片山内閣府特命担当大臣記者会見要旨 平成23年5月31日

(平成23年5月31日(火) 8:48~9:28  於:会見室)

1.発言要旨

 おはようございます。今日、閣議がありまして、私の方から、定例の労働力調査、家計調査の結果の概要を報告いたしました。
 それから、地域自主戦略交付金。いわゆる、一括交付金ですね。これについて9割相当額を既に配分、枠配分を決めておりました、通知しておりましたけれども、各都道府県から、どういう事業にどれだけ当てはめたかという結果が来ましたので、その概要を今日、閣議後の閣僚懇談会で報告をしておきました。これは内閣府の方の仕事です。
 それから総務省関係では、6月に地方交付税のうちの普通交付税の概算交付を行いますけれども、併せて今回の震災の被災地には9月交付分の一部を繰上げ交付をするということにいたします。6月の概算交付分と、それから、9月交付分の繰上げ交付で合わせて7千7、8百億円ぐらい被災地にいくと思いますけれども、そういう措置を取ろうと思います。昨日も、復興特別委員会で、被災自治体の資金繰りがなかなか難しいのではないかと、がれきの処理などで、相当金が掛かっているわけですけれども、国の補助金がスピーディーに出るのが一番なのですけれども、多少補助金の交付に時間が掛かるということになりますと、施工業者への支払いも滞りがちになると。何とかならないのかという話が昨日もあったのですけれども、そういうことも考慮をして、自治体の、被災自治体の資金繰りが円滑にいくようにということで、普通交付税の交付をしたいと考えております。
 以上です。

2.質疑応答

(問)幹事社から国家公務員の給与引下げについて1問伺います。特別職の自衛官については、一般職と同じ、役職に応じて5から10%削減する方針であるとか、ただ実施時期を半年ずらすとか、そういった一部報道が出ていますけれども、自衛官の給与の引下げの内容と実施時期について、見通しをお伺いします。
(答)これは総理から指示がありまして、少し一般職とは違う特別の配慮をしてほしいということがありまして、その点については防衛大臣と総務大臣でよく協議するようにという指示を受けまして、今、協議をしてきたところです。最終的な協議の詰めを行っておりまして、まだ、ここで皆さん方にその内容を御説明する段階ではありません。いずれ決まりましたら発表をしたいと思います。そもそも一般職の方もまだ連合系の組合代表とは合意ができましたけれども、お陰様で。別の組合とはまだ合意に達しておりませんので、まだ鋭意交渉中でありますので、それも含めて政府の方針が決まりましたら発表したいと思います。
(問)共同通信の今井ですけれども、一括交付金の関係で、制度としては、各省庁の予算枠に捕らわれずに、自由に事業を選択をできる制度ですけれども、結果を見ると、ほぼおおむね各省の拠出シェアに応じたような使われ方をしているように見えるのですけれども、結果について大臣はどのように受け止められているのかを教えてください。
(答)結果はですね、今、おっしゃったように大体拠出額に応じた各都道府県の貼り付けには必ずしもなっていないですね。拠出額よりもたくさんの額がその府省に関連する事業に充当されるというところもありますし、拠出額を下回るところもあります。よくこれから分析をしてみたいと思いますけれども、私がですね、事務方からその概要を聞いた上での直感的な感想を言いますとね、自由度を高める形で供出をしてくれたところは、使い勝手がいいということもあるし、それから、都道府県にとって魅力的な事業がその対象リストに含まれているということもあったのだと思うのですけれども、振り向けた額が多いですね。逆に言うとですね、都道府県にとって魅力のある補助金を従来どおり温存していた、補助金のまま、該当の省に温存していたところはですね、やはり使用額は全体としては減っていますよね。
 これは、例えばですね、一括化するときに議論はあったのですけれども、文部科学省からですね、やはりそれ相応の供出をしてほしいということで申入れをしまして、結果的にはそれ相応の額を拠出してくれたのですね。おおむねその対象となる補助金の半分を供出してくれということで供出してもらったのですけれども、どういう事業を供出するかというのは、それぞれの省に任せたわけです。私が知事をやっていましたときの感想から言いますとね、例えば高等学校の耐震化工事の補助金なんていうのを一括化してくれると非常に有り難いと思っていたので、そういう話もしたのですけれども、結果的には、耐震化工事というのは温存されたのですね。別の高等学校の産業教育施設の整備なんかの補助金を供出してくれたわけです。結果としてはですね、だから、文部科学省も耐震化工事の補助金なんかを供出しておられれば、都道府県の方がもっとそこにどっと使ったのではないかと思ったりもしますけれどもね。その点、農林水産省がですね、非常にもう鹿野大臣が割り切られましてね、途中で。もうできるだけ協力しようということで、都道府県にとって魅力のある農水関係の事業を相当供出されたのですけれども、結果としては、農水は拠出額よりは使用額の方が非常に増えていますね、農水関連の事業は。そんな、直感としての感想を持っていますけれども、ちょっとよく分析してみたいと思いますし、それをこれからのこの一括交付金の発展のためにですね、どういうふうに進めていけばいいか、いかせばいいかということ、これをまた各省と分析結果を突き合わせて相談をしたい。各省にも考えてもらいたいと思っています。
(問)NHKの太田です。国会情勢についてお伺いします。野党の方は内閣不信任を国会に提出するという方針で、一方、与党側でもですね、小沢元代表と鳩山前総理大臣が会談するなど、様々な動きが出ていますけれども、こうした政治の動きを、今、どういうふうに御覧になっていますでしょうか。
(答)野党の方はね、以前から、菅内閣に対しては非常に厳しいスタンスを取っておられましたのでね、それは、震災を経ても基本的には変わっていないと思うのですね。問題は与党の中でいろいろぎくしゃくするということが私などにとっては非常に気になることでして、一つの党ですから、同一の政党ですから、よく党内で話し合っていただきたい。もちろん、小沢さんと鳩山さんは話し合われたのですけれども、そういう話し合い方だけではなくてね、総理も、幹事長も、それから、党内の力のある方もですね、よく虚心坦懐、これからの政権運営とか、党の運営とか、野党との関係とか、よく話し合っていただきたいなと閣僚の1人としては思います。
(問)すみません、朝日新聞の金子ですけれども、今の質問に関連してなのですけれども、被災者支援にですね、携われるお立場から、いわゆる今回の一連の不信任の動き、これが政治空白という形で見られているかと思うのですけれども、このようなことについて、どのように御覧になっていますでしょうか。
(答)私のような立場でですね、日常の業務と、それに加えて被災者の皆さんの生活支援をやっている者からしますとね、政治空白というのはあってはならないことだと思います。できれば、これからいろいろな段階にステージが変化していきますから、被災地のステージが。それで、被災地で今必要なものというのはだんだん変化していきますよね。そういうものが、タイムリーに、順次、政策として打ち出せる、予算として仕組めるという、こういう状態が一番望ましいと思いますので、そういう政治環境というものをやはり維持しておくということが必要だと思いますね。
 一例を挙げますとね、福島県の原発関連で移転を余儀なくされた、避難を余儀なくされる地域においては、これから住民の皆さんがやはりある程度の期間、他の地域で生活をしていかなくてはいけない。これ残念ながらそういう状態になるわけですけれども、では、他の地域で避難生活を送るときの、子どもの学校教育であるとか、介護保険であるとか、国民健康保険であるとか、生活保護であるとか、いろいろな住民生活にとって重要な行政サービスがあるわけですね。これをどういう形で、住民の皆さんが享受できるのか。どういう形で提供するのかということなどもですね、総務省としては大変大きな関心事項なのですね。現行の制度だけでうまくいくのかどうかというのはですね、よく考えなければいけないと私などは思っていまして、今、福島県などとも相談をしているのですけれどもね。何らかの法的な措置が必要ではないかと私は思っておりますけれども、そういうものがやはり必要なときに、タイムリーに法案として国会に上程して、審議していただいて、必要な特例措置などができるということが必要なのですね、求められるのですね。ほかにもいろいろあります。予算でもですね、なるべく早く、自治体への復興支援というのはどういうスキームでやるのか。従来型の補助金に補助率の嵩上げをしたような形で臨むのか、それとも、一括化した、地元から出ていますけれども、交付金のような形でやるのか、基金でやるのかとかですね。そんなことも早く決めなければいけないですよね。これはその補正予算をいつやるのかという問題でもあるのですけれども、そういうことも含めてですね、必要なことがなるべく早くタイムリーに打ち出せる、決められるという仕掛けが必要ですので、国会運営とか、補正予算の時期の問題ももちろんありますけれども、今、御指摘の政治空白を作ってはいけないということの、一つの、私が考える根拠ではあるのです。
(問)フリーランスの小川裕夫と申します。よろしくお願いします。先ほどの震災関連ですけれども、福島原発の不祥事、不祥事と言うか、事態以降ですね、ソフトバンクの孫正義社長などが、太陽光発電などの自然エネルギーの普及など提言されていますけれども、それに呼応して、自治体の首長さんなんかもいろいろと自然エネルギーへの取組というのを叫び始めているのですが、総務省はですね、緑の分権改革という事業をしておりまして、今年度5.8億円の予算が付いていると思うのですけれども、今後、そういった緑の分権改革をですね、今回の震災をきっかけにどのように進めていくのかということをお伺いしたいというのと、もう一つは、大阪府の橋下知事が、新築の住宅に関して、ソーラーパネルの設置を義務付けるというようなことを発言されていますけれども、これについて大臣はどのように思っているのかということをお伺いできればと思います。
(答)はい。自然エネルギーの開発に取り組むというのは、私は非常にいいことだと思います。今日、これだけ深刻な原発災害を経験した、しかも今、その解決に向けて苦悶している我が国にとっては、自然エネルギーの割合を増やしていくということは、国策としても私は妥当だと思います。かねて自然エネルギー、ローカルエネルギーの開発というのはやってきましたけれども、どちらかというと細々とやってきたと思います。私も知事をやっていましたときに、県内で風力発電の開発というのを随分取り組みました。県の企業局で自ら風力発電施設を設けるということもやりましたし、それから民間の風力発電を営む事業者に支援をしたりしましたし、それから小水力発電などを進めてみたり、それからちょっとモデル的に、県庁の玄関の庭に、地元企業、これ三洋電機というのが鳥取県の主力企業なのですけれども、そこの液晶パネルを使って太陽光発電の実証施設を作ってみたり、いろいろやりました。そういう取組は、各県ともいろいろやってきまして、それを、緑というようなことで、整理されたのだろうと思いますけれどもね。それは重要だと思います。その際にですね、私も自分で経験して、そのときに思ったのは、やはり自然エネルギーというのは、今までの我が国の電力政策の中では、端パイという、ちょっとマージャンの用語はよくないですけれども、脇役なのですね。余りそれが主力にならないような構造的仕組みが、やはりビルトインされていると私は思いました。ちゃんとした価格で買い取ってもらえるかどうか、なかなかそれが予測が付かないとかね。そういうのがありまして、かなり私も国の電力政策に対して、そのときに意見を申し上げたりはしたのですけれども、結果としてはなかなか変わりませんでした。今回、いい機会ですから、発送電の分離なども一つの大きな政策課題として提示されていますけれども、そういうことも含めて、もっとローカルエネルギーが前面に出るように、自然エネルギーが前面に出るように、官民挙げて、全国的にもっと取り組めるように、安心して取り組めるような、そういう電力政策、エネルギー政策が取られるべきだと思います。
 その中で、大阪府の橋下知事が、新築住宅には太陽光パネルの設置を義務付けるということを構想されているというのは、これはよく大阪府の中で議論されたらいいと思いますね。一つは、さっき言いましたように、自然エネルギーの割合を増やすという文脈の中では大変いいことだと思います。他方では、新築住宅を建てる府民の皆さんにとっては、一種の義務付けでありますから、賛同する方ばかりでは必ずしもないかもしれない。そういう方にとっては制約、制限が加えられるわけですから、一種の権利の制限であったり、義務を付加するということですから、よくそれは府議会で議論をして、どこに合意が得られるかということだと思います。その過程では、いろいろ補助をするとかですね、そのほかの優遇措置があるとか、そういうことに多分なるのだろうと思いますけれども、それらも含めてよく議論されたらいいと思います。方向としては、私は賛同したいと思います。
(問)北海道新聞の中村です。先日の税と社会保障の集中検討会議で、税率を段階的に引き上げて、来年にも8%というような一つの案が示されましたけれども、大臣御自身、この案そのものとですね、また、こういう議論の手法も含めて、どういうふうに受け止められていますでしょうか。
(答)社会保障と税の一体改革の制度に取り組んでおりまして、私もそのメンバーに入って今日までやってきております。ポイントは、やはり我が国の社会保障の制度をどうすべきかということが一番のメインであって、それには当然財源が必要でという、こういう流れになるわけですね。それで、昨日辺りやっとですね、財源としての消費税の話が出てきまして、それについて、国民の理解をいただいて、税率の引上げということを具体的な検討課題とすべきではないかという議論が出てきました。その際に、いろいろな議論がありまして、例えば、消費税というのは逆進性が高いので、それに対する抵抗感が強いのではないかという命題があって、それに対しては必ずしもそうでもないというような学者の意見もあったり、いやいや、やはり高いのだという反論があったり、今、そんな議論をしているのです。その中の一環で、税率というものを、例えば5%上げるとしたときに、一挙に上げた方がいいのか、それとも、国民の理解を得るためには、やはり2段階くらいで上げた方がいいのかというような、そういう一つの選択肢として議論が出ました。それに対してはですね、国民の理解を得やすいのは段階的に上げるということだろうけれども、社会的には非常に大きなコストが掛かる。それは価格をその度に付け替えなければいけませんからね、自動販売機なども含めて。だから、そういうコストも掛かりますよとかですね、そういう懸念が出たりしました。あと、税率を上げるということになると、さっきの逆進性との関連で、逆進性が、必ずしも、別の見方をすれば高くないという話を、昨日、東京大学の大学院の井堀先生なんかされていましたけれども、いやいや、やはり低所得でずっと所得が低いまま一生涯を送るような方にとっては逆進性が高いのですよというような反論も出ましてね。そういうことを考えたら、例えば、複数税率という選択肢がある。食料品などを非課税にするとか、非課税と言うか低税率にするというような選択肢が一般的にはあるわけですね、諸外国でもそうやっていますけれども。そういう方法もあるけれども、しかし、それはそれでまた、税収減になるとか、それから非常に納税者の負担コストが高くなるとか、徴税コストが高くなるとか、そういう意見があるとかですね、そういう議論が昨日あったわけです。ですから、おっしゃったように、2段階の税率でやるのだということを別に決めたわけではないのです。議論の入り口として論点が提示された。それに対して、幾つかの主張、反論を含めてですね、意見、主張が交えられたということです。
(問)すみません。税の全体像を示してないままですね、こちらの消費税の話がまず出てきていること、こういう議論の進め方についてはどのように考えられますでしょうか。
(答)私はかねてですね、特定の歳出に着目して特定の税だけを考えるというのはね、やはり限界があると思うのですね。もちろんですね、消費税を社会保障目的に主として使おうというのは、考え方としてはあっていいと思うのですけれどもね。それだけでは完結しませんので、特に今のような大幅な歳入欠陥、赤字財政を続けているときには、やはり特定の歳出と特定の税だけを考えるというのでは、議論は不十分ですよね。だから、全体的な税体系の議論が必要だと思います。その際には、国税だけではなくて地方税も含めた税体系の議論が必要だと思います。それは例えば、所得課税と消費課税、資産課税をどうするのかという議論、古典的な命題もありますしね。直間比率はどうかとかという議論もかつてありましたけれどもね。そういうことも含めですね、税体系全体で議論をする必要があると思いますし、それはやはり、税制調査会という場がありますから、本来はそこでやるべきだと思います。昨日、野田財務大臣も、6月に入ったら本格的に税調を動かしたいという話を会長としてされていまして、私は会長代理なものですから、私も全く同感でありまして、早く本格的な税制論議を、政府としても始めるべきだと思います。
(問)日本経済新聞の磯道です。改めてお尋ねしますけれども、国の復興財源の確保という観点で、自治体が貢献すべきなのか、特にする必要がないのか。それから、自治体が今後職員給与の引下げといったことを個々に判断して決めたような場合に、それは国の財源にどう反映するのがよいのか、あるいは反映する必要はないのか。この点を教えてください。
(答)復興財源をどこに求めるかというのは、これから議論が本格化すると思います。復興構想会議では、増税を排除しないとかですね、そういう議論も出ているようですけれども、私はついでに言っておきますけれども、復興構想会議はそんなことよりも、本来、早く復興のプログラムを提示するということに専念された方がいいと、私は思いますね。財源の方は、それは別途、財政当局であったり、それから政府全体、更には与党、更には国会で決めるべきことで、政治が決めるべきことで、復興構想会議は、早く被災地の皆さんが、復興に取り組みやすいようなスキームを早く検討されるべきだと思います。例えば、さっきもちょっと言いましたけれども、従来型の国庫補助金の仕組みでいくのか、一括化された交付金というもので自治体の復興財源を賄うのかとかですね、そういうことを早く決めるということの方が重要だと思います。その上でですね、復興財源をどうするかというのは政治が決めることですけれども、当面国債でやって、あとで、何年か後、日本経済が上向いたときに国民の負担を願ってということもあるかもしれません。もっと早くという意見もないわけではありません。そういう議論の中で、国と地方とが、どういう、地方から言うとですね、どういう協力ができるのかという、そんな議論になるのだろうと思います。全体として、地方財政も国に非常に大きな割合を依存していますので、まるっきり別物ではありませんので、地方としてどれだけの協力ができるのかという議論が今後行われるのだろうと思います。
 それから、給与の話はですね、もともと国と地方と同一のものとして論じるということに間違いがありまして、そもそも給与の決定は、公務員の給与の決定は、国は法律で決める、自治体はそれぞれの自治体が条例で決めるということで、現に今、自治体の給与というのは、もうばらばらなわけです。国の水準よりも低いところもかなりありますし、国並みにしているところも多いし、国より高いところも幾つかあるという、こういう状況なものですから、国が今回、一定の割合で下げるということを決めたとして、その際に、今ばらばらの状態の自治体の給与を国と同じように一定割合で下げろなんていうのは余り合理性がないわけですよね。そうではなくて、自治体の職員の給与は、自治体の条例で決めるわけですから、それぞれの自治体の今置かれた現状をよく見て、給与水準をよく見て、それで、住民の皆さんの、納税者の皆さんの理解が得られるかどうかというよく議論をされるべきだと思います。その際に、自治体が職員の給与を決める際の基準というのは、職員の生計費とか、地域の民間給与の給与水準とか、他の自治体の給与の水準とか、それから国の職員の給与の水準というものを勘案して決めるということになっていますから、当然勘案項目にはなるわけですよね。だから、今の、現状の水準をベースにして、いろいろな勘案事項を考慮して、それで住民の皆さんの理解と納得が得られる、そういう状態にするにはどうすればいいかという議論をされるということですね。それで、その結果が出ますとね、今よりも下がる自治体が多分出てくるだろうと思いますけれども、そうなりますと、地方財政計画の中で給与費というのは毎年積算しますから、見込みますから、それが自動的に多少こう収縮をするということになると思いますね。それが自然な状態だと思います。
(問)共同通信の鳥成です。すみません、先ほどの不信任の関係で、関連で1問お伺いしますが、仮に可決された場合、解散か総辞職かという話になるわけですが、仮に解散を総理が選択した場合はですね、当然、被災地であってもこれ選挙を実施しなければならないということになりますので、それに対して被災地からはですね、まだまだできる状態ではないという批判の声も出ていますが、今現在ですね、被災地において選挙を実施する上で支障になっている具体的な項目はどういうものがあるのかということと、それに対して総務省はどのような手当を考えているのか、今、その辺のシミュレーションをちょっと教えていただけますでしょうか。
(答)はい。総務省の選挙部の職員を被災地に派遣をしまして、実情をつぶさに見てきてもらっています。実はまだ、今日、実は、その報告を詳細に聞くことにしているのですけれども、これまでですね、断片的に伝えられるところをちょっと思い出しながら言いますと、例えば、幾つかの自治体では選挙人名簿が流出してしまって、まだ復元していないというところもあります。これは、住民基本台帳も併せて流出していますから、早急に復元をしてもらわなければいけないのですけれども、現状ではまだですね、避難所の住民の皆さんへの支援とか、いろいろなことの方を優先せざるを得ないので、そこまで手が回っていないというところもあります。これは、選挙を執行する上においてはかなり致命的な障害でありますね。それから、職員の手が回らないと、まだ復旧に追われて、選挙をやるということになりますと、かなりの職員を、選挙期間、その前から動員しなければいけませんから、その余裕がないということ。それから、投開票所、投票所、開票所に想定されている、大体公共施設が多いですけれども、そこが流されてしまって、壊れてしまって使えない。では、代わりの投票所、開票所をどうやって確保するのかという、それがなかなか困難ですというところもありますし、あと、住民の皆さんが取りあえず、着の身着のまま、取るものも取りあえず避難されて、域外に避難されていて、特に福島県の双葉郡とかですね、そういうところがそうなのですけれども、したがって、まだ所在すらつかめていない住民の皆さんがかなりおられるという自治体もあります。そうすると、選挙をやるといって、一応選挙人名簿があって、投票券があるのだけれども、連絡のしようがないと。選挙をやりますとか、告示になりましたとか、こういう候補が出ていますよとか、選挙公報を送る術もないと。まして不在者投票の手続も多分事実上できないでしょうというようなこともあると。そのようなことが今まで伝えられてきています。さっき言いましたように、職員が実際に行って、現地を見て、当事者、選挙管理委員会の皆さんから話を伺って帰ってきていますので、それを聞いたら、また別の事情が判明するかもしれませんけれども、今、私が知っているのはそのような感じです。
 それで、それに対する支援ですけれども、もし選挙をやるということになりましたら、これ大槌町なんていうのは、町長さんが欠けていて、副町長さんは来月の20日だったでしょうか、任期が切れるということで、これは8月までに選挙をやろうかというようなことが伝わってきていますけれどもね。仮にそういうところで選挙をやろうと思ったら、なかなか困難ですから、例えば、選挙人名簿の復元とか、それから選挙をやるとなった場合の職員の確保などはですね、他の自治体からの応援をするということが必要になると思います。それの手配を、県であったり、総務省であったりが、全国の市町村に呼び掛けて確保するということになります。それから、投開票所は、これは投票所を持って行くというわけにはいきませんから、何とか地元で確保していただくことが必要で、それに対して、何らかの助言なりですね、それからお手伝いすることがありましたらそれはやりたいと思います。それから、有権者、住民の皆さんが域外に避難されていて所在がつかめないというのは、これは既にもう全国避難者情報システムを作動させていまして、それで、今、もう5万人を超える方が把握されてきておりますけれども、これを更に全国の市町村の協力を得て、進めていって、1人でも多くの皆さんを把握できるようにするということをやっています。このようなことが支援だと思います。
(問)文化放送の山本です。火災警報器が明日から全国的に義務化されます。これに対する、明日を迎えて大臣の御所見と、それから、まだ設置できていない家庭というのがあるということなのですけれども、明日以降の告知を含めた対応、それから、改めてどのような効果があるかというのを訴えていかれるのかということについて、あと、どれぐらいの普及率になっているのかということがお分かりでしたら併せて、お願いします。
(答)それでしたら、あとで消防庁の担当の方から詳しく説明をさせます。いずれにしても、防火ということが非常に重要で、これまでもいろいろな取組をしておりますけれども、一つの施策として、新しい義務付け、要請をするわけですけれどもね、住民の皆さんの協力がこれはもう一番、自覚と協力が必要ですから、よく周知をして、御協力をお願いしたいと思います。普及率など、ちょっと私、まだ把握しておりませんので、消防庁の方からあとで報告をさせます。
(問)すみません、朝日の金子です。先ほどの大臣の御発言でちょっと1点確認させていただきたいのですけれども、福島県の原発被災地のですね、例えば、今、東京あるいは埼玉に避難されている方への介護ですとか、国民健康保険の提供についてなのですけれども、これは現行だと事務委託というですね、制度があろうかと思うのですけれども、これは大臣のイメージですと、都道府県とか、あるいは近隣、避難先ですね、こちらの方の市町村に事務代行を弾力的にですね、やってもらう、あるいは住民からすると手続を簡素化する、あるいは費用をですね、一時的に国が面倒をみるとかいろいろ考えられるのですけれども、この点については何かイメージはございますでしょうか。
(答)これはね、画一的ではないと思うのですね。自治体によって考え方がかなり違いまして、一様ではないということ。それから、あとはですね、事務によって、また一様ではないということがありまして、例えばですね、学校教育をどうするのかというのは、私なんか一番気になるのですけれどもね。それは、双葉郡の大熊町が会津若松市に避難されているのですけれども、そこではですね、伺いますと大熊町立小学校を会津若松市内の施設を借りてそこで開校すると。それで町民としての教育を施したいと。ですから、施設の区域外設置を直営でやるという、こういうことを考えておられるわけですね。だから、そういうケースもありますし、それから委託をすると、今おっしゃったように委託をすると。別の市町村に避難されている場合には区域外設置ができませんから、あっちやこっちにできませんから、その場合は避難されているところに委託をするという。だから、教育だけをとっても違うのですね。それから、もっと言えば、住民票を移された方がおられたら、もう移った先の自治体の市民になりますから、そこで問題なく行政サービスは受けるのですけれども、今度は、しかし、今までおられたところの、町村との絆というものが薄れる可能性もある。でも、帰れるときにはみんな一緒に帰ろうねということが基本ですから、やはりこれまでの住所地の自治体との間の絆は、やはり保っておかなければいけない。さてどうしようかと。いろいろ悩まれているわけです。それで介護はどうしようか、委託をしようか、それとも自分でやろうか、だけれども介護認定は遠方では自分ではできないので、ではどうしようか、委託をしようか。いろいろなことがあるわけです。ですから、そういう実情を伺って、できるだけ今の地元の自治体、それから住民の皆さんの便宜に資するような仕組みを考えなければいけないと思うのですね。それを今、検討を始めていまして、実情をよく伺って、どういう仕組みが必要なのかということを考えたいと思っております。
(問)共同の鳥成です。1点だけ確認します。先ほど大臣はタイムリーにですね、必要な措置が打てるようにというようなお話をされましたが、これは国会の会期のことを指しておっしゃったのでしょうか。
(答)両方ですね。もう例えば政治空白が起きるとね、もう国会の会期もへったくれもなくなりますよね。政治空白がないにしてもですね、できれば被災者生活支援とか、さっき言った自治体の仕事が円滑に、被災地の自治体の仕事が円滑に行えるようにということを考えますとね、国会はできるだけオープンである方が望ましいと、私は思います。率直に申し上げますけれどもね。それから補正予算もできるだけ早い方がいいと。これは、一次補正はもう既に成立をして、執行の段階に入っていますけれども、必要なものを、順次、タイムリーに、スピーディーにやれるというのが一番望ましいと、私などは思います。
(問)よろしいでしょうか。これで終わります。どうもありがとうございました。
(答)はい。

(以上)