片山内閣府特命担当大臣記者会見要旨 平成23年1月21日

(平成23年1月21日(金) 12:32~13:08  於:会見室)

1.発言要旨

 おはようございますというよりは、随分もう時間が経ちましたけれども、今日は、閣議の前と、それから閣議が終了してからも、いろいろな関係の閣僚が出席をする会議、会合がありましたので、遅くなりました。例えば、パッケージ型インフラ海外展開関係大臣会合というのがありまして、これも、私はメンバーになっているのですけれども、今日は、テーマは石炭火力の話だったのですけれども、たまたま、先般、マレーシアに行きまして、ナジブ首相に菅総理からの親書をお渡しして、我が国のパッケージ型インフラで、特に原子力の問題でありますとか、それから水管理の問題について、私からもマレーシア、ナジブ首相に依頼をしたこともありますので、その状況などについて報告を申し上げておきました。あと、私の方から、これ総務省の案件として、国と地方公共団体との人事交流についての今年度の状況がまとまりましたので、それを閣議後の閣僚懇談会で報告を申し上げておきました。というようなことです。

2.質疑応答

(問)幹事社の共同通信の藤田です。よろしくお願いします。24日で地上デジタルへの移行まで半年という節目を迎えるわけですけれども、かねて大臣は、アナログ放送の終了期限を延期する考えは無いということでしたけれども、総務省の対応状況の調査というのはあくまでサンプルであって、完全にその詳細を把握できているかというような疑問も一部から出ていまして、改めてこれまでの進捗状況を含めてですね、この半年で対応が可能なのかという、その辺りのお話をお願いします。
(答)これちょうどですね、来週の1月24日が、ちょうど期限の半年前になりますので、改めて来週、正式にまた申し上げようと思っておりますけれども、かねて申し上げておりますとおり、この期限を延長するというようなことは毛頭考えておりません。一般の家庭や、それから企業などの、要するに、受像機と言いますか、地上デジタルに対応しているかどうかというのは、最新の調査は9月の末の90%を達しているということで、まだその後のデータは出ておりませんけれども、これも前から申し上げているとおり、その後の受像機の販売等々から見ますと、それよりもまた伸びていることは間違いないということがあります。もう一つは、難視聴とかですね、そういう特別の目配りをしなければいけないところについては、しっかりと把握をしておりまして、それについてはめどが立っているという、そういうこともありますので、だからというわけではありませんけれども、かねて申し上げているとおり、今年の7月24日で期限を迎えることについて、これを延長するというようなことは考えておりません。
(問)テレビ朝日の山根と申します。今、お話がありました難視聴対策について、めどが立っているというふうにおっしゃられましたけれども、具体的にめどというのは、どういうことなのでしょうか。
(答)これは、どういうのでしょうか。対象を把握していて、もう既にできているものももちろん相当ありますし、それから現在計画を立てて進行中のものもありますし、そういう状況を見て、ほぼめどが立っているということであります。詳しいことが必要でしたら、担当部局の方から説明をさせます。
(問)もう一つ、よろしいでしょうか。昨日、総務省内で公立病院の経営改善に関する研究会というのが開かれました。それから、今朝は、政府の方でも社会保障の検討会議というのが開かれましたが、例えば、公立病院、自治体病院については、卒後臨床研修制度なんかの導入で、医師が不足して、医師の偏在化というのが起きていますけれども、そういう中で、例えば、自治体の果たす役割というのは、病院の医者の配置一つとっても非常に重要で、権限とか財源の移譲というのが非常に重要なテーマになってくるかと思うのですが、政府の社会保障を今後考えていく中で、地域主権の在り方も絡んで、この重要なテーマである医療制度というのがどういうふうな取扱いにされているのか、大臣の所見、あるいは、今後の進め方というのがありましたら、教えていただけますでしょうか。
(答)政府で今日開かれました会議は、直接、具体的な、今、御指摘があったようなことについて触れたことは、今日はありません。今日は、今後どういうスケジュールで、どういう手順でやっていくかという、どういう手順で議論を進めていくかというようなことについての合意形成が行われたわけであります。それから、総務省の方の、これは検討会議ですか、これについては内容をよく承知しておりませんので、それは関係の部局の方に問い合わせていただいたらいいと思いますけれども、この問題についての私の所見をということでありますとですね、さっきの二つの会議とか検討会とは関係無く申し上げますと、自治体で私も知事をやっておりましたときの経験からするとですね、医師不足は、当然、私が知事をやっておりました鳥取県でもありましたけれども、その一番の大きな要因は、やはり供給不足だったと思います。それからもう一つは、卒後の研修などが、研修先が偏在化の傾向にあるということでした。ですから、その二つをどういうふうに、これから、現状のニーズを満たすように介在していくかということだろうと思います。その中で、医師の養成と言いますか、医師を生み出す方は、これ専ら国でありますから、大学の医学部の定数とかですね、医師免許とか、これ国の事務になっておりまして、これを自治体の方に移してくれということまでは考えませんでした。むしろ国の方でもっと実態に即して、実情に応じた医師の養成とかですね、医師を必要な数だけ輩出する仕組みを、やはり考えてもらいたいと思いました。あと、この偏在の方はですね、これは量的に充足されればおのずから改善されるのですけれども、その改善されるまでのプロセスにおいては、これは本当に各県が努力をしてですね、涙ぐましい努力をしています。鳥取県でもやりました。卒後、県で医師を続けてくれるという条件で奨学制度を設けて、それについては返済の義務無しというようなことまで設けてやっておりましたけれども、これは、できれば過渡期のことで終わればいいなと。ちゃんと、量的に、全国的に充足するような現状になれば、おのずから問題が解決されるのではないかと、こんなことを思っておりました。
(問)北海道新聞の中村です。一括交付金について伺います。先日ですね、知事会、また続いて議長会もですね、一括交付金の算定、配分基準やですね、対象となる内容について、政府は具体的な情報提示をしてほしいということで声明を出されています。この要望をですね、大臣、どのように受け止められて、どのように対応していかれようと考えておられますでしょうか。
(答)これはもう、適切なものを作るという以外ないですね。いずれにしても、作らないといけませんし、作る以上はできるだけ適切なものを作るということです。ただその際にですね、当の知事会とか議長会の中でも、意見が、必ずしも、まとまってないわけですよね。私も、知事会に、昨年、年末に出まして、いろいろな方から意見がありましたけれどもね。ある知事さんは、もう人口とか面積に比例して、機械的に配れるような、そういう基準にすべきだと。かいつまんで言えば、そういう意見もありました。一方では、いや、そういうことではなくて、財政力だとか、高齢化の比率だとか、そういうものを勘案して、機械的ではない基準を作ってもらいたいというところもありました。ですから、それを両方満たすことは、これ不可能でありますから、どこかで折り合いを付けて、バランスを取った基準を作らなければいけない。今、その作業をしているところでありまして、どんな基準になるのかというのを、現時点で申し上げることはできません。ただですね、事情を申し上げますと、初年度は、23年度予算が通りますと、この一括交付金の配分が始まるわけですけれども、初年度は、これまでの継続した事業が滞りなくできるようにということで、継続事業に充てられる部分を、かなり、割合を多くして取りますので、その点では、その段階ではまだ客観的な基準が無くても、その部分は配れるわけです。残余の部分については、客観基準を作った上で配らなければいけない。多少、その、初年度は、今、9対1ぐらいで考えていますから、初年度は。だから、10分の1ぐらいのところは、ちょっと時間が掛かっても、これは、大きな致命的な支障は無いのかなと思っております。それにしても、早くしなければいけませんけれどもね。それが一つと、もう一つはですね、いったん、いずれにしても作りますけれども、初年度用に。ただ、これをですね、未来永劫そのまま行くかどうかというのは、これは、分かりません。やりながら、2年度目、3年度目で、また、いろいろな意見も聞きながら、基準自体を改善していく、改良を加えていくという、こういう柔軟な考え方でいいのではないかと思います。その際には、是非ですね、知事会や、それから市長会、地方六団体の方からいろいろな御意見がお有りでしょうから、そういう団体の中でもですね、自分たちでどういう案がいいのかというものを、是非、意見集約をしていただいて、お寄せいただきますとね、非常に有り難いです。早くしろ、早くしろと言って、みんなばらばらばらばら出てきて、相矛盾するようなものがばらばら出てきて、早くしろと言われても、こちらも当惑しますのでね。是非、団体の中で、いろいろ利害が異なる面も有るでしょうから、それらを乗り越えて、こういう案がいいのではないかというようなものを作っていただきますとね。では、そのとおりになるわけでは、必ずしもありませんけれどもね。一つの考え方の目安、こちらも把握できますから、そういうものをお寄せいただければ有り難いと思っています。
(問)別件なのですけれども、昨年ぐらいからですね、地域政党というものが、動きが活発になっています。ただ、今の政党助成法の制度ですと、地域政党は助成の要件に当てはまりません。地域政党の中からは、要件の見直しを求める声も出ていますけれども、地域主権を進められる立場の大臣として、この要件の見直しについては、どのようにお考えでしょうか。
(答)これは、地域政党と言われるものとか、首長新党と言われるものに限らずですね、今、法律に、政党助成法にあります支給対象要件から外れたものについては、一緒なのですね、対象にならない。だから、地域政党と言ったから、地域政党だけ何か特別対象に加えるという議論は無いと思いますね。全体として、今の政党助成法の要件がいいのかどうかというのは、これは絶えず点検を加えていく必要があると思いますけれども、いまいま、これを変えるべしという、そういうつもりはありません。これ、国会の各党各会派が、またいろいろ議論がありましたら、それを踏まえて、更に検討を加えたらいいと思いますけれどもね。地域政党が今出てきたから、そのためだけに政党助成法を改正しようという気は、私の方にはありませんし、多分、国会筋でも無いのではないかと思います。
(問)神戸新聞の磯辺と言います。関西広域連合のことでお伺いします。一昨日、連合長の井戸さんが日本記者クラブで講演されたときに、国の出先機関の移管について、奈良県の分も事務を委任してくれれば十分可能だと。奈良県が参加していないことを、移管しない口実にしているのではないかと、改めておっしゃっていたのですけれども、昨日の大臣の日本記者クラブでの会見をお聞きすると、随分、平行線だなというふうに感じたのですけれども、その辺、井戸さんの意見に対してどういうふうにお考えかということと、あと、政令市が参加していないということについてですね、それもやはり移管が難しい理由だというふうにお考えでしょうか。
(答) 地方自治体というのはですね、都道府県は都道府県のレベルで対等なのですよね。それを前提にしたときに、奈良県が入っていない団体に、奈良県の地域で行われるべき国の仕事も含めて、残余の自治体連合に事務を移譲する、移管するということは、私は、それは常識的でないと思いますね。逆に、井戸さんのところで、兵庫県が入らない何か広域団体に、兵庫県の分も含めて移管しますと言ったら、多分、相当反発されるのではないでしょうかね。やはり、奈良県も入った段階で、奈良県も含めた地域に係るブロック機関を移管するということが、具体的な検討対象になるだろうと思います。政令指定都市が入る入らないは、これは、政令指定都市が入らない団体に、政令指定都市の事務まで移管するということは、これは無いと思います。政令指定都市の事務を仮に移管しようとすれば、政令指定都市も入っていなければいけない。要するに、地方公共団体の組合ですから、広域連合というのは。組合というのは、自分たちの事務を共通して持ち寄りましょうということですね。だから、理論的に整理しますとね、国の事務を自治体に移管しますと、まず、それは、本来は個別に移管するということになるわけです。奈良県の県内の直轄事業というのは奈良県に移管する。兵庫県の県内の直轄事業は兵庫県に移管する。それを持ち寄りましょう、それが広域連合というものです。分解すればそういうことなのですよ。だから、奈良県が入っていないのに、奈良県の事務を持ち寄るということはあり得ないわけですからね。だから、やはり、関西広域連合に、農政局だとか、地方整備局だとか、経産局だとかを移そうということになるときにはね、きちんと、近畿圏は、少なくとも近畿圏の府県が全部入っていないと話が進まないですよね。是非、ですから、昨日も申し上げたのですけれども、講演のときに。そういうことを念頭に置くのであれば、当然置いておられるのでしょうけれども、ブロック単位の機関の移管ということを念頭に置いておられるのでしょうけれども、であればこそ、早く、全体が地域的にまとまった形で広域連合が編成されるように、されたらいいのではないかと思いますけれどもね。もちろん、理念的には、奈良県の直轄事業だけ除いて、他の府県の直轄事業を関西広域連合に移譲するということは可能です、理論的にはね。奈良県を除いたものを移管する。そうすると、今度、国の方はね、奈良県内専用の直轄の整備局みたいなものを作らなければいけないということになりますと、これは経済効率的に見てもあまり得策では無いですよね。ですから、是非ですね、よく話し合われて、圏域内がちゃんとまとまられるように、老婆心ながらお勧めしたいと思います。
(問)TBS、両坂と申します。現在、EPAに基づいて、フィリピン、インドネシアから、看護師、介護福祉士の候補者を受け入れていますけれども、その滞在期間の延長などを柱に、構造改革特区の提案を、静岡県が代表となって行いました。しかし、12月に所管省庁から採用は不可能であるという回答が示され、まず、これを受けて、静岡県から反論が出されて、2月ごろに最終的な結論が出されると伺っているのですけれども、現在の進捗状況ですね、あと、地方からの提案に対して、最終結論ではないとは言え、国がノーを突きつけたような形になっている現在のその状況に対して、地方主権に力を入れてきた立場で見ている片山さんの御自身のお考えなどをお伺いできれば。
(答)これはねこの問題に限らずですね、とりあえず自治体から要請があった案件については、各省でまず最初は、各省の説明責任の範囲で回答するということになっていまして、それについて回答が出てきたのは御承知のとおりだと思います。その際に、今の案件というのは入っていなかったということだと思うのですね。これをどうするかというのは、今度、次の段階に移りまして、今、内閣府の担当部局と、それから該当の各府省との間でやり取りをしているところです。それに基づいて、今度、第二次回答というのが出てくると思います。それを踏まえて政府が最終的に、政府全体としてどういう判断をするかという、そういうプロセスになるわけで、いわば三審制みたいな話になるものですから、今、裁判で言うと二審の前の状況だということであります。
(問)フリーランスの高橋と申します。郵政改革法案についてお尋ねしますが、片山大臣は入閣前、昨年、北日本新聞紙上などで、亀井郵政法案はけしからんというようなコラムを拝見しました。このお考えは現在も変わりないのでしょうか。
(答)これはよく読んでいただいたらいいのですけれども、全体を全否定したわけでは無いのです。こういう部分が懸念がありますよということを書いているのです。別のところでは、例えば、そこにも書いたかもしれませんけれども、亀井さんの時代のこの案について、例えば、評価できる点もあるということも申し上げているわけで、当時はそういうふうに、外部から見ていて、もっとこうやればよくなるのではないかとか、こういう懸念がありますよということを指摘してきたわけであります。
(問)今国会では、法案は修正せずに審議という方針と理解していますが。
(答)審議の方針は国会で決められることですから、政府が出した案が継続審議になっているわけで、それが今度の通常国会でも審議されるはずです。その結果どうされるかは、国会の判断だと思います。
(問)大臣の御所見としては、あの形ではどうもということでしょうか。現在の法案では。
(答)現在の法案で通していただきたいということで、先の臨時国会で法案を出し直したわけですから、それでお願いしたいということです。ただ、それをどういうふうに扱うかというのは、これは国会が審議をされて、そのまま通すのか、必要な修正を施すのか、それとも、また別の処理をするのかというのは、国会の判断だと思います。
(問)審議は総務委員会に諮るということで、大臣としても了という。
(答)これ国会で決められることです。当方が決めることではありません。
(問)すみません、共同通信の佐野です。国と地方公共団体の人事交流の関係なのですけれども、大臣、昨年の臨時国会でも、特に国から自治体への出向について、押し付けになってはいけないというようなお話をされていたかと思いますが、今日、これをデータが出たタイミングで関係閣僚の方に、閣僚懇で何かそういった趣旨のことを、何かお話しされたのかどうか、あるいは、今後の大臣のお考えとか対応についてお伺いしたいと思います。
(答)今日、閣僚懇談会で私の方から、この調査結果を報告をしまして、その際に幾つか申し上げておきました。それは、今おっしゃったこととだぶるのですけれども、自治体の方から主体性を持って、いろいろな事情があるのでしょうけれども、国に対して人の出向要請があった。これは、私は応じればいいと思うのです。そのことによって、自治体の方の仕事の質が高まるとかですね、パワーアップするとか、いろいろなことがあるとすればですね、それは大いに協力をしたらいいと私は思うのですね。ところが、そうではなくて、自治体の方が必ずしも望まないのに、国の方が、いわば事実上押し付けになっているとかですね、そんなことはあってはならない。ですから、そのことを申し上げておきました。主体的に自治体の方からの要請に応じるのは、それは構いませんけれども、国の方から押し付けがましいこととか、事実上自治体から要請せざるを得ないような、そういう何らかの情勢を醸し出すようなことが無いようにしてもらいたいということが一つ。もう一つは、例えば、私の方から、自治体に対して、自治体とか、自治体の団体である知事会とか市長会とかに対して、この人事交流については、特に国からの受入れについては、必ず主体性を持ってやっていただきたい。漫然と受け入れるとか、慣例で続いているから惰性で受け入れるとか、ましていわんや、さっきの押し付けに応じるとか、そういうことが無いようにということを、そういうメッセージを自治体側に私は出しますから、そうしますと、何らかのリアクションがあるかもしれませんから、そのときは気を悪くしないでくださいと、こういうことを、今日、閣僚懇談会で申し上げておきました。
(問)メッセージというのは、これから何か別の機会に出されるという。
(答)これから機会があれば、どんどん言っていきます。今までも、言っていますけれどもね。例えば、市長会の方が来られたときとかに、ほかにもいろいろなことを申し上げましたけれども、そのときに、天下り、いわゆるこの分野での天下りというのは、主体性を持ってやってくださいね、気兼ね無く。総務省なんかは該当の関係が多いものですから、総務省に特に気兼ね無く、必要ならば言っていただいたらいいけれども、本当にそうでなければ、遠慮無くお断りしていただいていいですからということを申し上げたこともありますけれども、これからもですね、いろいろな機会があると思いますから、メッセージを発し続けたいと思っております。
(問)ジャーナリストの寺澤有です。来週招集される国会に、情報公開法の改正案が出るということで、それに関連して三つお伺いするんですけど、ここのところの会見で聞いてますけれども、今、総務省では、不開示情報については、政務三役で、これ決裁を行っているということですよね。それで、それはもともと片山さんが鳥取県知事時代に、そういったようなモデルを作ってやっていたと。前回の記者会見でのお話ですと、それが公務員の情報公開に対する意識も高めていくことになっているというようなお話でした。私も、その規程とか、これ通達ですよね、通達になっているのを見させてもらったんですけど、これは、本来的には情報公開法の条文に盛り込むべきことではないかと思うんですけど、それについて、まずどうお考えでしょうか。
(答)これは、法案をどうするかというのは、今の段階で、私の方からお話しする段階ではありません。政府内で検討しているところでありますから、それがどうなるかということを、予断を持ってお答えすることはできません。というのは、総務省だけで決めることではありませんのでね。それは、盛り込むかどうかというのは、政策判断だと思います。この間もどなたかにお答えして申し上げましたけれども、まず、モデル的に総務省で、私、やってみたいということを申し上げたと思うのですね。それで、その実績を踏まえて、各省に対して自信をもって、総務省方式が、今の改善後の方式がいいということをお勧めできるかどうかというのは、ちょっと、今しばらく、自分なりに確かめてみたいということを申し上げたと思いますから、まあ、そういう気持ちで、今おります。
(問)分かりました。それで二番目がですね、前回の記者会見でですね、今、霞が関の省庁全体で、この情報公開に対する遅滞があると。私は、サボタージュだと、意図的にやっていると思ってるんですけど、それに対しては、きちんと調査してみたいというようなお話でした。私は、それ自体はすごくいいことかと思ったんですけれども、帰宅してからですね、何人か、この情報公開の実務に携わっている弁護士の方たちからメールが来ていて、調査するのはいいんだけど、役人に調査させたらですね、これだけみんな各省庁がんばって情報公開に努めているんだから、このぐらいの遅滞は仕方ないという結果が、そういう結論が見えているんじゃないか。逆に、法律で、もう1か月だった1か月以内にきちんと公開するというのをきっちり決めちゃえば、今みたいな相当の期間経ってから公開するとかってあいまいなことを言わないで、法律で、とにかく1か月後に公開しろとか、45日後にしろとか、そういうふうにすれば、役人の側で、役所の方でその体制を整えるじゃないかと。それが本来の姿じゃないかというふうなことを言われて、私もそうかと確かに思い直したんですが、どうでしょう。
(答)まず第一にね、この間おっしゃったことを、ちょっとまだ全貌では無いのですけれども、調べてみましたら、改善の足取りは見えるのですよ。だんだん悪化しているという、この間、お話があったと思いますけれどもね。数字を見ると改善をしています、それが一つ。あとで必要がありましたら、また説明を聞いてください。それから、もう一つはね、機械的に何日以内ということを、やろうと思えばやれるのですけれども、実際、私もね、鳥取県で情報公開の徹底に努めましたけれども、やはり決めた期間内にはできないケースが出てくるのですよ。例えばどういうことかと言うと、幾つかのケースがあって、大量にというのももちろんあるのですけれども、それから相手のある話ってあるのですよ。例えば、企業情報なんかで、開示しなさいと言って、開示するというのは、これは簡単なのですけれども、その開示するかどうかの対象の中にね、第三者が入っていることがあるのですよ。そうすると、その第三者について不測の事態が起きるかもしれないとか、第三者がどう考えているだろうかということで、その第三者に実は聞いて、その同意を取ってということも結構やったのですね。だから、必ずしも、機械的に、一律にばさっというわけにはいかない。もし一律にやろうとするならば、かなり長い期間を取って、大体これだけ取っておけばうまくいくだろうなというので、長い期間を取るということになると、これはこれで、またかえって後退の面は否めないでしょう。ですから、やはり基本は何十日ということをきちっと決めておいて、それにどうも合わない、具合が悪いのは、やはり延長もあり得るのかなということの方が合理的だと思いますよ。ただそのときに、それをき下として、意図的に延すということがあってはいけないので、それはチェックしますと言っているわけで、それは、今、事務方の総務省も結構やっていまして、その結果が改善に結び付いたのだろうと思いますし、更に私が申し上げたのは、それでも遅滞をするということがあって、ちょっと悪質とまでは言わなくても、意図的というようなことが見受けられればね、それは、今後はですね、閣議後の懇談会などで、私の方から直接政治主導でもって解決するようにしたいと思っております。もし、そのお知り合いの弁護士さんが言われるように、役人は信用できないというなら、もう御自分でやってくださいというしかありませんから、こちらは、当方は楽でいいです。
(問)もう一つ、三つ目なのですが、この情報公開法の、今、改正案の中に出ていますけれども、公務員の氏名の公開というとこなんですけど、今、原則的に公務員の氏名とかが公開になってないんです、ある役職以上の人しか。そうなるとですね、私のこの経験から言ってもですね、その公務員の、いちいち、人の名前が出ているところを塗りつぶすとかですね、その作業が膨大に掛かっていてですね、それが先ほど言っている遅滞にも、かなり結び付いていると思うんですね。いちいち役人の名前が出ているところをチェックして、全部黒塗りしていかなきゃいけないというようなことになって。で、鳥取県の条例を私も見てきたんですけど、鳥取県でも、やはり公務員の氏名っていうのは、職員の名前っていうのは非公開に、一部なってるようなので。
(答)役職によってね。
(問)ええ、ですね。これ、公務員の名前を、もう、別に全部出しちゃってもいいんじゃないか。そうすると、かなり情報公開の実務的にもですね、時間短縮されるんじゃないかっていうふうに思うんですけれども、これ、情報公開法を施行されて10年というこの大きな節目で、今まで10年間、公務員の名前が出て、何か問題になったようなことも、私、聞かないですから、それについて、大臣はどういうふうにお考えですか。
(答)それはでもね、やはり、危険にさらされるってことがあるのですよ。人に喜ばれる仕事ばかりでしたらね、いいのですけれども、公務員のやっている仕事というのは、職種によって、部局によっては、思いも掛けない恨みを買うとかですね、逆恨みを受けるということも、やはりあるのですね。特に、私が知事をやっていましたときに、しみじみ思いましたのは、特にそういう権力行使に携わっている職員で、主に若い人ですね、子育て中、小さい子供を育てているとか。やはり、そういう職員が、不安にさらされる、危険にさらされるということは、これは、やはり避けなければいけないと思いました。公務員の名前を公開して、何も無いじゃないかということはありません。実際、私が知事をしていたときに、部下職員が、いろいろないきさつがあったのですけれども、本当に、体に危害を加えられたことがあります。本当に、もうちょっと気を遣ってあげればよかったなと思いますけれどもね。善良に、本当に誠心誠意仕事をしてくれた職員が、思わぬことで頭部に危害を加えられたことがありまして、一命を取り留めたのでよかったのですけれどもね。そんなことも無いわけではない。ですから、やはり、私は、一定の配慮は必要だろうと思います。その上で、鳥取県では、一応、役職によって区分しました。警察官も一緒であります。
(問)ちょっと私の言っている意味、ちょっと正確に伝わらなかったかもしれないんですけど、頭部に危害を加えられた方とか、あるいは、もしもそういった事例があったとしても、それ情報公開に基づいて出てきたものでやられたのでは、ないんじゃないかと思うんですよ。
(答)必ずしもそうでもないですよね。だけど、でもね。
(問)私はだから、そういう危害を加える人が、わざわざ情報公開してそういうことをやるっていうことがあり得ないのに、こういうことをやってるんじゃないかってことを言ってるんです。
(答)だけどね、やはり蓋然性はありますよ。
(問)蓋然性が。
(答)それはね、いろいろあってね、その議論をしたときに、鳥取県で、そういう条例だったか、規則だったか、変える変えないで議論したときに、弁護士の方からはね、我々は全部名前を出してやっていると、弁護士は。だから、職員も全部名前をさらしたらいいのではないかと言われる反応がありましてね。それは、言われたらみたらそのとおりでね、なるほど、弁護士の皆さんは、弁護士事務所、看板を掲げて、非常にリスクの高い仕事をされているわけで、それはそのとおりなのですけれどもね。だけれども、やはり、一つの組織として、自らが仕事を選べない、辞めるしか選べないわけで、職員は。それで、意に反したところで、人からいやがられる権力的な仕事をしている。その結果、名前がさらされて、家族に危害を加えるなんてことも、無いわけではないので、そこはやはり配慮してあげるべきだと、私はそのとき思いました。これは、もう判断の問題です。
(問)分かりました。
(問)よろしいでしょうか。どうもありがとうございました。
(答)はい、どうも。

(以上)