片山内閣府特命担当大臣記者会見要旨 平成23年1月11日

(平成23年1月11日(火) 10:37~11:22  於:会見室)

1.発言要旨

 おはようございます。今日、閣議がありまして、幾つか案件がありましたが、特に御報告することはありません。ただ、私が明日からマレーシアに出張に行くことになりまして、その間の臨時代理に蓮舫国務大臣が代わりを務めていただくということが、今日、閣議で決まりました。以上です。

2.質疑応答

(問)共同通信の藤田です。よろしくお願いします。地方自治法の改正に関して、二つお伺いします。一つはですね、事務処理が法令に違反している地方自治体に対して、国とか、場合によっては県がですね、違法であるということの確認を求めて第三者機関に申し立てたりとかですね、あるいは提訴したりというような仕組みを考えられていると思うのですけれども、現在では、自治体側には、こうした国の是正要求とか、指示に対して、不満、不服がある場合には、こうした権利を行使することができるとなっておりまして、国と地方が対等、協力な関係にある、この地方分権の時代にあってですね、片方で、そういう時代だからこそ、一方の当事者にも権利を与えようという議論があったわけですね。一方で、国の自治体に対する関与というのは極力抑制的にしようという、いわゆる地域主権の流れからすると、これに逆行しているのではないかという議論も出かねない状況ではないかと考えられます。それで、この件につきまして、大臣のこれまで公式的な御見解というのは無かったと思うので、それを伺いたいのが一つとですね、それから、今、政府では、住基ネットを使った共通番号制度というものを導入しようということで検討が始まっていますが、これは念頭にあるのかどうかということですね。この二つをお伺いします。
(答)後者の方から言うとですね、特にそれがあるから前者の方の検討を急いだとか、進めたということは無いと、私は思います。昨年の9月に私が内閣に入りまして、地方自治法の改正案についてのそれまでの議論をフォローし、その後の議論について自分も加わってやってきましたけれども、それを念頭に置いてということは無いと思います。それから、前者の方の質問で言いますと、地方分権、それから、地域主権改革を進めるということは、これは自治体の自立ということになるわけですけれども、それは、国と自治体とが対等の立場になる、もちろん法治国家でありますから、自治体といえども国民と同じように法律の規定には従わないといけない。しかし、それ以外の関与というのは、法律に定めたもの以外は無くそうという、こういう関係になるわけですね。そういう意味で、法律には従うけれども、国と自治体の間は対等で、役割分担の違いはあるけれども対等で、上下関係は無いと、こういうことになるわけですね。そうしますと、では、その間に、意見の違いとか、対立とかがあったときに、どうやってそれを解決するのかということになりますと、これは法治国家の原則にのっとって司法が解決するということに当然なるわけです。対等な立場で、律するものは法律でありますから、その法律について見解の違いとか対立があれば、司法が解決をするということになるわけです。既に自治体から国に対して司法的な手続を通じて、不服でありますとか、それを是正するというルートがあるわけでありまして、逆向きが無いわけですね。これはやはり、一つの法律の不備だろうと私も思います。地方行財政検討会議でもそういう観点から議論がなされてきて、国から自治体に対しても、法律を守るべしとする、そういう意味の延長において、司法の解決を求めるということがあって、私はいいと思います。むしろ、地域主権の時代であればこそ、対等な時代であればこそ、両者の関係を律するのは法律で、その法律関係を裁くのは司法ということだと思います。
(問)地方自治法改正の関係でもう1点、お伺いいたします。住民投票の法制化ですね、一般的な、これ住民投票制度を創設するというふうに言い換えていいのか、まだ制度の具体的なイメージは、今、詰めているところだと思うのですけれども、これ、住民自治というものを進めようという大臣の強い思いが込められていると思うのですけれども、これ制度改正の具体的なイメージとしてですね、まず、対象、大規模施設の建設であるとか、市町村の合併、分離、あるいは、議員の身分なんかにも入ってくるのか、まず、対象ですね、それから、方法論ですね。今、言ったような場合について、すべての自治体に住民投票をするように義務付けるのか、あるいは、条例に基づいて住民投票を実施した際に、その結果に拘束性というか、投票結果に強制力を持たせるというようなやり方を考えられているのか、その辺りをちょっとお聞かせください。
(答)私はですね、個人的な見解としましては、もっと我が国の地方自治制度の中に、住民の皆さんが直接意思表明をする機会、すなわち、住民の皆さんの政治参画機会がもっとあっていいと、かねがね思っております。現にですね、拘束力があるかどうか、拘束力を持たすことが可能かどうかというのは議論があるのですけれども、住民投票をもっと利用しようと思えば、今の現行の制度でも、例えば、自治基本条例などを制定して、その中に住民投票の規定を織り込むことによって、住民投票を活用するということは可能なのですね。現に住民投票の規定を置いている自治基本条例も出てきていますから。ただ、これはあまり普遍的では、現状では普遍的ではありません。それで、それから地方自治法の改正の問題になるのですけれども、9月から自治法の改正を論ずるアジェンダの一つに、住民投票の導入ということが入りまして、そこで議論を重ねてきました。最終回に、地方行財政検討会議の最終回に、西尾先生がまとめられたと思いますけれども、何らかの形で住民投票の仕組みを導入することは必要だろうと。ただし、あまり一般的な仕組みとして導入するのは時期尚早ではないか。むしろ対象としては限定的にスタートさせたらどうかという、そういう意見をまとめられたと思いますので、私もそれでよろしかろうということを申し上げておきました。その対象を、例えば大規模施設などを建設する過程において、どこかのプロセスにおいて、どこかの過程において、住民の意思が表明できるような仕組みを設けるということは有効ではないかということ、それにプラスアルファして、どういうことがあるのかということ。これを今、検討しているところであります。対象としてはそういうことですね。それから、方法論としては、全国一律に義務として法律で課すということも考えられますけれども、これも西尾先生がおっしゃっていましたけれども、全国一律でやるよりは、選択肢として住民投票の仕組みを選び取った団体が導入するということも、有力なのだと思います。条例、具体的には法律が改正になれば、条例でもって住民投票を、限定された対象領域について導入すると。そういうことを選び取った団体については、その結果については拘束されるというような仕組みが、一つ考えられるのではないかと、現段階では思っております。そんなことを中心にして、今、検討しているところであります。
(問)北海道新聞の中村です。2問質問します。まずは一つ目、明日から行かれるマレーシアの通信大臣会合ですけれども、各国と具体的にどのような、今後、連携を進めるように、マレーシアでは調整されてきたいとお考えでしょうか。
(答)これはですね、ASEANの諸国と、それから、日中韓の3か国が情報通信という分野で一堂に会するということになります。したがって、ASEAN諸国と日本との、これからのICTの分野をめぐる共通の課題の確認とか、協力の方策について論ずるということになりますが、のみならず、日中韓とASEANとの関係を、これからどういうふうに構築していくのかということも、一つの議題になります。それが一つと。それから、もう一つは、せっかくの機会でありますので、日中韓の3か国が、たまたまマレーシアで会いますので、マレーシアにおいて会合を開いて、日中韓の3か国の協力、連携、この分野での協力、連携についても話し合うことにしております。それから、あと、マレーシアを訪問するいい機会でありますので、これは総務省の問題だけではなくて、今、政府全体として、閣僚が海外に行くときには、国益を代表して、政府全体としての行動をするということになっておりまして、私にも、例えば、原子力の問題でありますとか、それから、水の問題でありますとか、要するに、パッケージインフラの輸出の問題について、幅広い観点から関係国と話をするということになっています。
(問)それから、話は外れるのですけれども、現在、月内に向けて調整を進めている公務員制度改革法案についてなのですが、スト権を、公務員にスト権を付与するかどうかが争点の一つになっています。大臣の、個人的なお考えでも構わないのですけれども、国民生活への影響も懸念される中で、スト権を付与するということについて、大臣はどのようにお考えなのか、お願いいたします。
(答)これはですね、私は国民的合意をとる必要があるだろうと思います。方法論ですけれどもね。ですから、よく議論をするということが一番基本だろうと思います。具体的にどうかと言われますとね、必ずしもこうだという定見を、今、持っているわけではありません。ただ、一つですね、私は地方自治にずっと関係してきまして、自治体の首長を務めたことがありますし、それより以前に自治体の、県の総務部長というのを務めて、労務担当と言いますかね、交渉担当も務めましたけれども、実は自治体にはですね、今、労働基本権について、団結権と団体交渉権が付与されている職種があるわけです。現業職員という。国の方ではごく一部しかありませんけれども、自治体ではかなり普遍的にあるわけですね。公営企業の職員とか、それから、現業職について。そういう職種の人たちと、それこそ団体交渉をして、労働協約も締結してきた経験がありまして、ただ、無いのは争議権なのですね。そういう経験をしてきた者から言いますとね、これ本当に個人的な見解ですけれども、国家公務員の一般職について、一足飛びに争議権まで行くよりは、これまで幅広く自治体が実践してきた団結権と、それから団体交渉権までというのを実践してみるのも、段階的という意味でも現実的ではないかなと個人的には思いますけれども、ただ、これはこれまでの国家公務員の労働基本権の回復をめぐるいろいろな議論、経緯がありますから、それらも踏まえて、さっきおっしゃった国民生活への影響という懸念も含めてですね、よく、更に議論を積み重ねることが大切ではないかと思います。
(問)フリーランスの小川裕夫と申します。光の道構想についてお伺いします。金曜日ですか、菅直人総理大臣が、総理大臣としては初めてのインターネット報道番組に出演しました。また、1月5日にですね、岡田幹事長がニコニコ動画に出演しまして、今後の政治の展望などを語ったりしています。総務省では、2015 年までに全世帯にブロードバンドを導入する光の道構想を提唱しておりますが、先日の会見で大臣は、まだインターネットに全世帯が接する環境に無いということで、総務省の大臣会見や政務三役会議などは、動画配信はしないということをおっしゃっていますが、総務省のホームページでは動画配信コーナーは、22年 6月11日から更新がありません。こういったことを踏まえまして、光の道構想の妨げになっているという御認識、若しくは、今後の光の道構想についての大臣のお考えを伺えればと思います。
(答)光の道構想は、この間、タスクフォースで検討していただいて、その結果を頂いて、その結果を踏まえて総務省としての取組を早速に示したところでありますから、あの方針に従ってやっていくということであります。それについて、年が変わって何か方針に変更があったということはありません。淡々と進めて、淡々と、かつ積極的に進めていきます。前回ですか、私が申し上げたのは、インターネットに接続していないとか、いるとかではなくて、動画配信を、ずっと最初から最後まですべてを全部じっと見ている人が、果たしてどれだけいるだろうかということを申し上げたわけです。秋葉市長の会見の問題で。だから、動画配信されるのはそれで結構ですけれどもね、記者会見をしないということについては、私だったらしただろうなということを申し上げたわけで、今、おっしゃったことと、必ずしも論点はすり合ってはいないだろうと思います。
(問)大臣、すみません。NHK、太田です。近く行われる見通しの内閣改造で、仙谷官房長官の取扱いが、今、注目されているわけですけれども、内閣の要として役割を果たしてこられた仙谷さんの取扱いについて、大臣はどのようにお考えでしょうか。一般論でも結構ですから、参議院の問責決議案と閣僚の進退の関係についてどうあるべきかというのを合わせて教えてください。
(答)仙谷官房長官が内閣の要と言うのかですかね、もちろん一番の要は総理ですけれども、その総理を補佐していろいろな諸問題の解決に尽力されてきたということは、そのとおりだと思います。私も9月の17日に改造内閣に入りまして、仙谷長官の仕事ぶりも間近に拝見していますし、私自身も幾つかの問題について、官房長官の助力を得たということはございます。それに対して的確な助言を頂いたり、それから、犬馬の労をとっていただいたことも少なからずあります。ただ、世間でいろいろ批判を受けられておられますけれども、必ずしも、私は、傍にいるからかもしれませんけれども、身近にいるからかもしれませんけれども、官房長官に対する批判が的を射ていない面も多かったのではないか、多いのではないかと思います。それから、問責をされたことは、これは事実であります。この問責に対してどういうふうに対処するかというのは、それこそ、これ、官房長官自身がおっしゃっておられますけれども、法律論的には問責をされて辞任をするということは、これは憲法の要請では無いわけです。衆議院の場合の不信任、内閣に対する不信任というのは、解散か、総辞職かという、両方にリスクのあるプロセスであります。参議院の場合には、参議院の問責というのは、参議院の解散というのはありませんから、リスクが一方的であるという、そういう意味で、法律論として官房長官のおっしゃっていることは、全くそのとおりだろうと思います。そういう文脈の中で、政治的問題としてこれをどう取り扱うかというのは、それは総理が御判断をされることだろうと思います。
(問)フリーランスの畠山理仁です。明日から海外出張に行かれるということなので伺いたいと思います。OECDやEUはですね、日本の記者クラブ制度について、毎年のようにその閉鎖性を非難する決議を出しています。また、相互主義による解放を求めているわけですけれども、大臣は、今回、国益を代表して海外に行かれるということですが、各国の大臣からですね、日本の記者クラブの閉鎖性を問われた場合、どのようにお答えになるおつもりなのか、お聞かせいただければと思います。
(答)記者クラブの現状を問われればね、記者クラブの現状と、今、畠山さんをはじめとして、いろいろな方からそれに対して意見が出ているということを率直に申し上げますけれどもね。そういう機会があるかどうか、分かりません。
(問)フリーランスの岩上と申します。よろしくお願いいたします。昨年のですね、2月19日、原口大臣に質問を、私、させていただいたのですが、今、質問した畠山さん、先般、個人の資格で動画の配信を行ったということで一石を投じましたけれども、私、その2月19日の時点で原口大臣にこの問題を質問しております。その時点でですね、大臣の回答は、我々フリーランス、そして、記者クラブの面々とですね、よく話し合ってくださいと。先日ですね、片山大臣がですね、お答えになったのと全く同じような御回答でした。私も記者クラブ側にですね、我々の言い分を聞いてくださいと、そういう機会を設けてくださいということは申し入れたのですけれども、検討します、連絡しますということで、何度かの申入れに対して、その後、回答も無く、今日まで来てしまいました。実力行使というのは、いささかそれは問題があるのかもしれませんけれども、今日まで話し合いに応じていただけなかった。話し合ってくださいという、二代続いて大臣のですね、アドバイスにも従っていただけなかったのは残念ながら記者クラブの方で、我々としてはですね、どうこの後話し合いをする機会を設けたらいいかということに、大変迷っております。何かしらですね、このこう着した状況を打開できたらなというふうに思っているのですけれども、大臣としてはですね、できればこの問題について、ただ話し合えではない、もう一歩進んだイニシアティブの取り方を発揮していただけないでしょうか。また、ここの入口のところに貼られた紙にはですね、こうした同趣旨の質問が繰り返されるなどの事態があったことは極めて遺憾であり、協力いただけない場合は会見の参加を認めないという、厳しい言葉の張り紙がされております。質問を重ねるだけでそういうことになってしまうというのは、これまた遺憾ではないかなというふうに思いますが、いかがでしょうか。
(答)この種の質問がね、私の記者会見でしょっちゅう出てくるのですけれどもね。この記者会見というのは、皆さん方いろいろ批判があったり、善し悪しは別にしましてね、記者クラブで主催されているわけですから、その記者クラブで主催されている中で、ルールを守るのか、守らないのか、ということだと思うのですね。私の方でルールを変えるという、そういう筋合いのものではないと思います。ですから、結論としては、よく本当に話し合っていただきたいと思います。そのことを、特に、こちら側はそういうことをおっしゃられていますから、クラブ側の方に、私の方からもよくお願いをして、話し合っていただきたいと思います。
(問)読売新聞の北浦と申します。政治家の方の政治資金のパーティ券の関係でお尋ねいたします。今回ですね、政治資金パーティに関して、収容人数以上の上回るパーティ券を、自治労などの組織がですね、組織的に売っていたというようなことが明らかになったのですけれども、そのことに関して、所管である大臣としてですね、法改正を含めてこの問題についての御見解をお願いいたします。
(答)これは事実関係がよく、私は、新聞報道を見ましたけれども、よく分かりません。私自身、政治資金規正法上の公職の候補者等という、そういうポジションにあったことがありますけれども、そのときにも政治資金パーティは、実は開きませんでした。ですから、個人的にもよく分からない面はあるのですが、いろいろな人に聞きますと、やはりある程度多めに券を出すということは、これはあるのだろうと思いますね。実際に来ようと思っても来られない人もいるでしょうし。ですから、多少の差はあるのでしょうけれども、それはどの程度のあいさがあるのかというのは、特に法律上も規定が無いでしょうから、常識上の問題だろうと思います。で、政治資金規正法にのっとって資料の公開もあるでしょうから、それを見て有権者の皆さんがどう判断されるのかということが、まず第一義だろうと思います。
(問)合法的ではあってもですね、脱法的ではないかというような指摘は免れないと思うのですけれども、その点については、政治家のモラルと合わせて、どういうふうにお考えになりますか。
(答)ですから、それがどの程度かによると思うのですね。さっき言ったように、政治資金規正法に、何割増しだったらどうだというような規定も多分無いでしょうから、ですから、後は常識の問題としてモラルとか照らし合わせて、有権者の皆さんがどう判断するかということだと思いますけれどもね。
(問)共同通信の佐野です。自治体のクラウド推進についてなのですけれども、今、有識者会議で具体的に検討しているところだと思うのですが、前大臣のときにですね、今度の通常国会で財政支援なんかも含めた法案の提出なんかをやるというような話もあったのですけれども、一部、伝えられるところでは、それもう法案については見送るという話もありましたけれども、そうだとすれば、その理由、あるいは、推進方針について変わりはないのかということについても、お伺いしたいと思います。
(答)自治体がクラウドを活用されるということは、大いに結構だと思います。それぞれの自治体ごとにソフトを開発して、システムを作ってやるということは、これはこれで、別に駄目だとは言いませんけれども、多くの自治体に共通するシステム開発などについては、できるだけコストを下げるという意味においても、それから、機材などを独自に全部揃えるよりは、クラウドを活用した方が、コストは多分安いでしょうから、そういう意味で、大いに活用していただきたいと思います。最近でもですね、私のところに先般も、ある県の町村長さんなどが何人も来られて、いよいよやることにしたということをおっしゃっておられまして、大いにやってくださいという話を申し上げておきました。で、これについて、法律でそれを促進するかどうかというのは、これは一つの判断の問題だろうと思いますけれども、法律を作るということは、どういう意味があるかというと、政策を遂行するときに法律を作るということはどういう意味があるかというと、それは、権利を制限するとか、それから、義務を課す場合には、法律によらなければならない、法律に基づく行政です。ですから、権利を制限したり、義務を課したりするのに、例えば、行政命令とかですね、通達とか、やってはいけないわけですよね。できないわけですよね。だから、自治体のクラウド活用を促進すると言った場合に、自治体の権利を制限するとか、自治体に義務を課すとかですね、そういう局面があるかどうかという点検をしてみましたら、現状では無いのではないかというのが私の感想であります。例えば、これがすべての自治体で必ずクラウドを使えというようなことを政策としてやりたいということでしたらね、これは法律が要ると思います。だけれども、それは、私は政策としては、必ずしも当を得ていないと思います。むしろ、自治体が自主的にクラウドを活用されるのがいいだろうと思います。それに対して、モラルサポートはもちろんできますけれども、財政面でのサポートをするかどうか、これは政策判断でありまして、これを仮にするとなっても、それは多分法律は要らないだろう、予算措置でいいだろうと思います。それは、どうするこうするということを具体的に決めているわけではありませんけれどもね。というようなことで、クラウド活用を促進する、していただきたいという方針はもちろん、原口大臣のときと変わっておりませんけれども、法的な手段を講じなくても、それはいいのではないかと私は思っております。
(問)日本インターネット新聞社の田中龍作と申します。我々フリーの質問にも、フリーにも質問させていただく片山大臣には敬意を払うところであります。それで、ルールということでお聞きしたいのですが、そこにいらっしゃるですね、オブザーバー資格の白石さんが、昨年1月質問したところ、幹事社から、会見が終わったあとですね、幹事社がつかつかと寄ってきて、頭をつかんでですね、「皆さんこの人のようなことをしちゃ駄目ですよ」というふうに、そういう事件があったのです。これはもう暴行であり、セクハラでもあります。こういう野蛮なことをしている人たち、野蛮なことをされても我々は粘り強く交渉してきたのです。その事件については、大臣、どうお考えでしょうか。
(答)よく分かりません、それは。もう当事者でそれは解決してください。私、クラス担任でも何でもありませんのでね。いちいち、それ、皆さん方の、いざこざと言うと失礼だけれども、それ、私、いちいち裁く能力もあれもありませんので、よく相談してください。で、私が申し上げるのはね、これまでの経緯はよく分かりませんけれども、クラブ側もよく本当に、よく耳を傾けて、相談に応じてあげてください。これは申し上げます。申し上げました。その限りにしておいてください。
(問)朝日新聞の稲垣です。小沢一郎元代表の国会招致が一つの論点になっていますけれども、菅総理は、政治とカネの問題について、一定のけじめを付けるということに、並々ならぬ熱意を傾けられているようなのですが、一方で、今の政権与党の問題は、菅総理のリーダーシップであるとか、マニフェストの重視であるとか、そういったものが問題なのだという、ある種の路線対立みたいなものが見られるのですけれども、政権与党が分裂するような印象を与えるのは、政権運営にとってはあまりいい印象を与えていないようにも思うのですけれども、これについて大臣はどうお考えでしょうか。
(答)それは両面あると思いますね、おっしゃったとおり。アンビバレントな部分があると思いますけれどもね。政治とカネの問題というのは、やはり非常に、国民の皆さんの間に関心の強いテーマですよね。ですから、民主党として、これに対して、国民の皆さんの非常に関心の強いこの点について、現時点でどうすべきかというのは、やはり、それは真剣に政党として考えるべき問題だと思います。その上で、総理は党首としてこの問題にけじめというのか、一定の前進を図ろうというお考えだろうと思いますので、それは、私は多としたいと思います。
(問)毎日新聞の乾と申しますが、NHKの会長人事についてお伺いします。報道では、就任要請をした方に対して、反対が、経営委員会の方で多数あって、撤回というようなことが言われております。総務省としては経営委員会の任命をされて、大臣としても推移を見守るということをおっしゃっていたのですが、現状の混乱の状況をどう把握されていて、もしこのまま混迷が続くということであれば、調整の労をとられるような可能性はあるのでしょうか。その点を聞かせいただけますか。
(答)前回、いつだったでしょうか、申し上げましたけれども、これ、経営委員会が決めることということで、その作業をされている最中だろうと思います。その中でいろいろな意見があるということについて、私も報道などで承知をしておりますけれども、特に私の方から、今、コメントを差し上げることはございません。
(問)ジャーナリストの寺澤有ですけれども、私、昨年、この総務省の記者会見に出席させていただきまして、私、以前からですね、情報公開制度について勉強しているものですから、それで出席させてもらって、大臣にも情報公開法改正の問題について御質問したと思うのですが、何かその後に、急に、おまえらは、もうここに来ちゃ駄目だみたいに話になっちゃってて。
(答)私がそのようなことを。
(問)いやいやいや、ここに並んでいらっしゃる皆さんの方から、そういうような御意見が出されてですね、情報公開法のこと、情報公開制度のこと、たくさん聞きたいのですけれども、聞けなくなっちゃっては困るので、私、またこういうことを聞かざるを得ないのですけれども、何かここで動画を撮影するのがいけないんだという話になっているらしいんですね。私はフリーですけれど、それ、ここの記者クラブの人から一回も言われたことがなくて、いつそんなふうになったのかなと思っているのですが、同僚のフリーランスの人たちの話によると、何かそれをやるとですね、悪意的な二次使用があるかもしれないとかっていうような理由があるらしいのですけれども、片山さんは、これ悪意的な二次使用って、例えばどういうことを想像されるのですかね。
(答)分かりません。ルールメーカーではありませんので。
(問)私も分からないのですよ。だから、想像も付かないような理由を持ち出してやめろとかって言われているからこういうふうになっているのですね。
(答)だから先程来言っていますけれどもね。
(問)もう一ついいですか。
(答)よく相談してください。
(問)ちょっと待ってください。あともう一つ聞きたいのは、大臣は、このまま、今、我々ネットで中継していますけれども、そのまま大臣の言葉がですね、国民に直接届くということに対しては、何か大臣、嫌なことがあるのですか。記者クラブさんの方で、ちゃんと編集していただいて、もしまずいことを言っちゃったときは、そこをカットしておいてほしいとか、そういうお気持ちがおありなのですかね。
(答)私についてはありませんね。私は8年間、鳥取県で知事をやっておりましたときには、同時放映と言いますかね、配信していましたのでね。特に8年間、何かまずいということはありませんでしたね。もちろんあれですよ。私が発言したことについて、中身について、批判とかね、それはもちろん当然ありましたけれども、それは当然、そういうことも織り込んだ上で発言していますから。ただ、何かその、ねじれて使われて困ったとか、そんなことはありませんでしたね。
(問)それを聞いて安心して、ちょっと情報公開法を一つだけ聞くのですが、昨年、私、片山大臣に情報公開法の改正について、この公務員の情報隠しを防止するためには、情報公開法に罰則を科してですね、故意で、故意の情報隠しは刑事罰を科した方がいいのではないかというようなことを言いましたよね。そしたら、大臣の方は、これは、今、政治主導でやっていて、実は総務省においては政務三役で決裁していると、どの情報を出す、出さないか、というようなことをおっしゃっていました。私、それ、早速、昨年記事に書いたのですけれども、読者の方たちからちょっと同じような指摘があって、私も、言われてみればそうかなと思ったのですが、大臣がですね、すべての、その情報公開の請求に対して、どの程度、本当に目を通しているのかと。実際、政務三役が見て、情報公開のこの情報は公開するとか、この情報はしないというのは、具体的にどういう情報に対して政務三役は目を通して決裁しているのか。あるいは、その具体的に、だから、それは公務員の情報隠しにならないという担保がどこにあるのか。だから、一応全部、全件自分たちで見ているのだったら、それは担保になると思うのですが、一応これは大臣どうでしょう、副大臣どうでしょうと、上がってきたものだけ見ているのかとか、そこのところをもうちょっと具体的に聞いてくれと。
(答)これは、一番いいのはね、決裁規程を改正しましたので、私が大臣になりましてから。その内容を、後で説明を聞いてください。多分、それで納得いただけると思います。例えば定型的な請求って随分多いのですよ。そういうものは事務的に、何の判断も要らないようなものが多いですから、そういうものは処理をするという。それから、一部不開示とかですね、全部不開示とかですね、そういうものもありまして、それについては原則として政務三役の方に上がってくる。分けても重要なものは大臣のところに上がってくるという、そういう仕分けをしていますので、是非それを御覧いただければと思いますし、私は、できれば、他の省でもですね、そういう情報公開の、各府省単位でやることになっていますけれども、そういう仕組みにしていただければなと思っているところでありますので、とりあえず改正後の決裁規程を御覧いただいて、評価をしていただければと思います。また意見がありましたら、聞かせてください。
(問)はい、分かりました。是非来られるようにしたいと思います、次回も。
(問)フリーの岩上です。すみません。たびたび動画の撮影の件になってしまって申し訳ない。記者クラブ側と話し合えということは、本当に全くそのとおりで、できれば記者クラブの方、話し合いの機会を設けていただきたいと思いますし、我々の言い分を是非聞いていただきたいと思います。この場を借りて申し上げておきます。と同時にですね、大臣、この場でですね、大臣がイニシアティブを発揮できないその理由は、招かれている立場だということをおっしゃっております。ならば、大臣主催の会見、もしくはですね、我々また別にですね、別途、以前、これ金融庁でですけれども、金融庁の亀井大臣のときですけれども、オープンの市民会見というのを開いたことがあります。そこで一般の人たちを入れてですね、その一般の人たちから直接の質問を頂くという会見を開いたことがあって、亀井大臣現役のときにですが、応じていただいたことがあるのですが、そうした、もし会見を我々が企画した場合はですね、応じていただくことができるかどうか、御見解をお願いしたいと思います。
(答)私は、やはり、物理的な制約もありますので、この会見の場をできるだけ、何らかの進化が必要であれば、進化をさせた形で、ここで終始するようにしていただきたいし、そうであってほしいと思っています。だれでも入れる会見というのは、もうこれ、会見ではなくて、多分、市民集会のような、政治集会の場だろうと思います。それは、私も知事のとき、何回もやったことがあります。どなたも入って、マスコミも入って来られて、一般の市民、県民も入って来られて、当面の県政についてやり取りをするということは、それはよくやりましたけれどもね。それは会見ではないだろうと思います。市民対話だろうと思いますね。会見ということになりますのは、いわば政治をやっている者の責務として、説明責任を果たすということだろうと思います。それは、法律上は国会の場でその責務を果たすということ。これは法的義務であります。もう一つは、法的な義務ではありませんけれども、こういう会見の場で、国民、有権者と為政者との間をつなぐジャーナリズム、メディアの皆さんとの間でやり取りをする。そこで説明責任を果たすということだと思いますので、時間がですね、本当にたっぷりあってですね、余裕綽々であれば、幾つかこなすことはできるかもしれませんけれども、正直言って、非常にタイトな日程をこなしておりますので、週2回のこの場で完結できればと思います。
(問)すみません、ちょっと関連して。岩上です。ということは、大臣がですね、この場というのは非常に貴重に思っていらっしゃるということ、そして、大臣の責務としてですね、ジャーナリズムとその質問に答えなければいけない。その答えなければならないジャーナリズムというのは、大臣の定義によれば、それは記者クラブに所属するジャーナリズムだけを指すのか、それとも、それ以外のフリーランス、ネットメディア、雑誌ジャーナリズム、そうした今まで伝統的に記者クラブに属していない、あるいは、そこから排除されてきた存在、しかし、それなりの報道の責務を果たしている存在に対しても、応じるという姿勢をお持ちなのか、そこを確認させていただきたいと思います。
(答)現にもう今、記者クラブの皆さん方ではない方々とやり取りしてるでしょう。だから、答えは、一つはそういうことですよね。ただですね、だからと言って、全く、だれでも入っていいかという、全くオープンスタイルかというと、それはそうではないと思います。一定の、やはり客観的な基準に基づいた制限というのは、これは、私はあり得ると思います。それは、さっき岩上さんがおっしゃったように、役所が主導して会見を開いたとしてもですね、やはり何らかの制約は当然設けることになりましてね、だれでも自由というわけにはいかないでしょうね。だから、そのルール作りを、今は、記者クラブの方が、経緯があって作られているわけですから、それをどういうふうに進化、改善されるかということを、是非、当事者の皆様方でよく御相談していただきたいということを何度も申し上げているわけです。
(問)了解しました。
(問)今、重ねて、進化という言葉をですね、記者会見の場の進化と。これ、進む、化けるという字ですよね。深めるではなくて。
(答)そうそう。進化論の進化です。
(問)よろしいでしょうか。どうもありがとうございました。
(答)はい。どうも。

(以上)