片山内閣府特命担当大臣記者会見要旨 平成23年1月7日

(平成23年1月7日(金) 11:02~11:44  於:会見室)

1.発言要旨

 おはようございます。今日、閣議がありまして、数件閣議案件がありましたけれども、特にここで御報告をするようなことはございませんでした。私の方からは、今朝は以上です。

2.質疑応答

(問)おはようございます。共同通信の藤田です。地上デジタル放送への完全移行が、残り200日を切りましてですね、世帯普及率は90%を超えている状況ですが、残された課題は大きいと思いますけれども、今後どの辺りに重点を置いて対応されるのか、改めてお伺いします。
(答)これは、以前からたびたびお話しをしていると思いますけれども、今年の7月に向けて最後の追い込みと言いますか、全力を挙げなければいけないということでありますけれども、特に、低所得者の世帯でありますとか、それから、高齢者のみの世帯でありますとか、そういうところについては、よくよく注意をしなければいけないということで、支援策でありますとか、サポート態勢なんかを整えておりますので、それを更に徹底をしたいと思います。あとは、そういう世帯でなくても、ビル陰でありますとか、そういう難視聴の条件がある地区、そういうところに共同アンテナなどの整備が進むような、そういう支援などもしていくことにしております。それ以外にもですね、まだぎりぎりになって買い換えとか、そういうことをすればいいではないかと思っている方もやはりおられないわけではありませんので、是非そういう方々には、できるだけ早めに対応していただくように、別途呼び掛けることもしたいと思います。それから、いろいろ一部のマスコミなどで懸念などの声も寄せられております。それについては、必ずしも当たっていないということも多いのでありますけれども、よく耳を傾けて、なるほどと思うようなことがありましたら、それは政策の中にこれからも柔軟に反映させていきたいと思っています。
(問)フリーランスの上出と申します。前回の会見に出られなくて、それを読ませていただきまして、冒頭にですね、総務省の在り方について、難しい面もあると、一体感とかですね、そういうことを言っておられたのですが、私、98年の橋本内閣の省庁再編を取材しておりまして、そのときに、例えば通産省と郵政省の激しい、政治家も巻き込んだバトルがありまして、その結果こういう形になったりして、国民から見ると何だろうというような、そういう面もありました。二つお伺いします。そういった、振り返りまして、今のお立場で、全体として、どういう省庁再編にどういうメリットがあったのか、本当に国民にとっての。それと、総務省においてメリット、デメリット、もう与えられた形の中でやるしかないとは思いますが、その辺どういうふうにとらえておられるのか、お聞かせいただければ。
(答)個人的な感想をここで申し上げるのがいいのかどうか分かりませんけれども、それも踏まえて、含めて、申し上げていいということでありましたら、幾つかの所感を申し上げますけれども、橋本内閣のときの省庁再編というのは、評価すべき問題としてはですね、例えば、霞が関のそれまでの各省の在り方というのは、多少の改変はあったにせよ、基本の各省の枠組みというのは、牢固として変わらなかったわけです。これを当時の政治主導、当時、正に政治主導だったと思いますけれども、相当大幅に変えたということ。このことは、それこそ政治主導を具現化するという意味では、大変大きな意味があったのだろうと思います。それから、例えば国土交通省なんかを見ますとですね、それまで鉄道と道路というのは同じ交通手段、特に高速交通体系を考えなければいけないときに、鉄道、航空、道路というものが考えられるわけですけれども、それが、鉄道と航空は一緒の運輸省でありましたけれども、道路は建設省ということで、ばらばらに政策が論じられていたのが、これが一体化したという、そういう意味もあるだろうと思いますし、厚生省と労働省が一緒になったというのも、国民の目から見ると、そのばらばらのところが一体化したという、そういうメリットがあるのだろうと思います。デメリットとしてはですね、一概には言えないとは思いますが、ちょっと大きくなり過ぎている役所が、やはりあると思います。それはですね、ちょっと非常に言いにくいのですけれども、当時の内閣では必ずしも、大臣とか、今で言うと政務三役ですけれども、そのポストにある人たちが主導的に仕事をしているという実態では必ずしも無かった。これ大変言いにくい問題ですけれども。例えば国会答弁なんかも、当時、官僚の人たちがかなり主体的にやっておりましたよね。そういう前提で大括りにしても差し支えなかったという面が、やはり無いわけでは無かったと思います。今日、一昨年来、民主党政権になって、政権交代が実現をして、政治主導になって、国会答弁なんかも大臣中心に政務三役で行うということになったときに、やはり所掌の範囲が非常に広いとかですね、という問題は出てきているのだろうと思います。これをどうするかというのはですね、今後の課題でありますけれども、いろいろな問題点がありますから、それを今後の国家行政組織の改善とか、そういうことに、今でなくても、つなげていければと思います。
(問)総務省のことに関してはどうですか。
(答)総務省はですね、これは、私は国家行政組織とか、国家公務員行政を扱う分野と、それから、地方行財政の枠組みを扱う分野とが一体化したというのは、それはそれなりに意味があると思います。連携をしながら、内政の在り方、内政運営の在り方を論じることができるという、そういうメリットはあるのだろうと思います。ただ、注意しておかなければいけないのは、国家の都合と言いますか、それを同列に論じて地方の方に押しつけるということがあってはいけないので、そこは、地方自治の原理、理念というものをちゃんと見据えた上で遮断をしなければいけないという、そういう省の運営上の注意事項はあると思いますね。それから、郵政とその他が一緒になったというのは、これはそのときの、いろいろな事情があったのだろうと思います。率直に言って、必ずしも必然性は無かったかもしれない。ですけれども、一緒になりましたので、それは例えば、地方ということを考えた場合に、地域の在り方というものを考えた場合に、地方自治体行政というものももちろんありますけれども、郵便局のネットワーク、郵政のネットワークというものもあるわけでありまして、これは今、民間会社でありますから、必ずしも同じような論じ方はできないかもしれませんけれども、行政という広い意味でカバーしているという面から言うとですね、いろいろな協力とか、連携とか、できる可能性がありますし、現に今、実践もしているものもありますから、そういう面のメリットを生かすということは、貴重なことだろうと思います。
(問)フリーランスの小川裕夫と申します。よろしくお願いします。先日なのですけれども、広島市の秋葉忠利市長が退任会見を開かないで、インターネットの動画サイト、ユーチューブで自分の退任の会見をされるということで、これを記者の方は全部見て、それで記事にして欲しいというようなことを発言されて、実践されているのですけれども、こういった秋葉市長のような、多分、退任会見という、長年やってきた思いを述べるには、テレビや新聞だと、かいつまんでやられるので、多分、自分の思いを一字一句述べたいということで、多分、インターネット動画を選んだと思うのですが、そのことについての片山大臣の御見解を頂きたいということと、もう一つはですね、動画配信のユーチューブのサイトですと、例えば、海外に住んでいらっしゃる方も、これは見ることができるということで、例えば、総務省の大臣会見もしくは政務三役会議はインターネット配信をされていませんけれども、例えば、片山大臣のお話ししているところを見たいという海外在住の方、日本人が、多分、一定の数いると思うのですけれども、テレビで、多分、海外で報じられることというのはほとんど無いと思うのですね。報じられても、多分、数行ぐらいのレベルだと思うのですが、そういった方に応えるということは、大臣としてはお考えになっていないのかどうかということも。
(答)前者で言いますと、これは秋葉市長の御自身の考え方に基づく行動だろうと思いますから、私がそのことをとやかくいう筋合いのものではないと思います。ちなみに私が三選目の知事選挙に出ないということを、鳥取県民の皆さんを中心にお話を申し上げたのは、定例の記者会見の場でありました。秋葉さんが、私、直接伺ったわけではありませんが、報道によりますと、記者会見だと必ずしも真意が伝わらなくて、かいつまんでとか、それから、切り取りによって報道されることが、不本意だということのようですけれども、私はですね、ある意味では、それはやむを得ないことだと思って、割り切っていました。
(問)やむを得ないというのは、切り取られることがということですか。
(答)そうです。それはですね、例えば、私の不出馬表明のときのことになぞらえて言いますとね、そのときもインターネットで配信されていましたけれども、それをじっと全部、最初から最後まで、一字一句、御覧になって聞き取られる方というのはそんなにいないです。世の中そんなに暇ではありませんから。やはり多くの皆さんが、この情報を知り得るのは、やはりマスメディアによって編集されたものだろうと思います。新聞とか、テレビとかですね。それを御覧になるというのが一般的であります。そうしますと、そこにどうしても編集というものが入ってくるわけですよね。これは、それぞれジャーナリスト、ジャーナリズムの皆さんが、それぞれの見識に基づいてやられるわけでありまして、十人いれば十人十色、百人百様でありますから、やはりそこに、私の小一時間ぐらいの発言をですね、どこが重要であるととらえるかというのは、それぞれの方々の見識とか、感性とかの問題だろうと思うのですね。大衆社会において、権力と言いますか、為政者の側と、有権者、国民の皆さんの側との、つなぐ機能というのは、どうしてもそういうふうに編集というのは避けて通れない問題なのですね。その編集は、さっき言いましたように、それぞれのジャーナリズム、ジャーナリストの皆さんの見識とか、資質と言うと失礼かもしれませんけれどもね。そういうものに負うところ大でありますから、そうすると、必ずしも自分が発した一番重要だと思ったことが、必ずしもよく理解されてないとか、断片的に伝えられたという、そういう恨みが残るかもしれない。そういう可能性は十分あるわけですよね。そこは、やはり受け入れないといけないと、私は知事をやっていたときに思いました。それが駄目だと言うのであればですね、それは一から、全部、十まできちんとチェックするという検閲社会になってしまうわけで、検閲は、これは、民主主義の国家においては、表現の自由を著しく制限するものであって、こんな社会は駄目ですよね。そうすると、多少、自分の真意と必ずしも一致しない伝えられ方をすることがあったにしても、それが悪意であっては、それはいけませんけれども、皆さんが善意で伝えられる、その結果が、発信者の真意と必ずしも一致しないからといって、いちいち目くじらを立てるというべきものではないと、私は割り切っておりました。ですから、検閲社会を選ばないとすればですね、選んではいけませんから、選ばないとすれば、やはりある程度のそごというものはしようがない。それを受け入れなければ、この大衆社会における政治というのは、民主政治というのは、機能しないだろうと思います。
 それから、二つ目で、海外の皆さんもそういうことを所望しておられる方がいるのではないかと。おられるかもしれませんけれども、これはどこまでやるかという、程度の問題だと思います。どこまでコストをかけるか。前回もここで議論になったのですけれども、できるだけこういう、国家の重要な仕事を仰せつかっていますから、自分がどういう考え方で何をしたいかというようなことは、できるだけ多くの国民の皆さんに理解していただきたい。ですから、そういう場を設けたいと思いますけれども、だけど、自分の時間というのは制約があって、限りがあって、いろいろな仕事をやっていますから、全国各地にしょっちゅう出かけて行ってとかですね、いろいろな場で話をするということは、それは物理的にはなかなか難しい面がある。どうしても割り切らざるを得ないわけですよね。そうすると、選択と集中というわけではありませんけれども、こういう場で週に2回、できるだけ時間をとって、自分の考え方を聞いていただいて、伝えていただくということが一番メインになるわけで、そこから更に国内の隅々までとかですね、海外にまでというのは、自ずから限度もあるし、そこはやはり割り切らざるを得ない問題だろうと思っております。
(問)それで、先ほど、編集は避けて通れないというお話があったと思うのですね。新聞社によっては、報道の伝え方が違う、真意とは違った伝え方があるのは仕方が無いというお話だったのですけれども、例えば、A社の新聞はこう言っているけれども、B社はこういうふうに書いたということで、多分、有権者なんかは、どっちが本当だろうというふうなことになってくる、疑問を抱く方もいらっしゃると思うのですけれども、そのときの検証材料として、例えば、この会見が全部動画でアーカイブされていれば、例えば、そこにアクセスして、あ、こういうことを言っていたのだなということが検証できると思うのですけれども、それが無いということに関して、大臣はどういうふうにお考えですか。
(答)ですから、それはさっきの二番目の質問にお答えしたのと同じで、どこまでやるのかというね、やはり物理的な諸条件との間のバランスの中で割り切るということだろうと思います。あらゆる事柄をですね、全部映像にして、所蔵して、アーカイブしておくということ、それは一つの、極端ですけれどもね、そんなことはできませんから、そうすると、どこまでをそういう情報提供するかというのは、程度の問題と割り切りの問題だろうと思います。
(問)北海道新聞の中村です。昨年、平成の大合併が旧特措法の時限切れで一段落しました。そのあとはあまり自主的な合併というのは事実上進んでいないのですけれども、それで、合併、そんなに最初予測したほど進んでいない地域もあり、財政の厳しい自治体が残ったという地方も結構あります。それで、地域主権改革で、今後、地方自治体への事務の移譲が進んでいく中で、この状態で事務をやっていくことは非常に難しいという地域も出てくると思うのですけれども、今後、総務省としては、そういった自治体についてどのような対応をされるのか。以前、大臣は、都道府県の補完があってもいいのではないかというようなお話もされていましたけれども、具体的にどのようなお考えをお持ちなのか、お願いいたします。
(答)前提としてですね、何でもかんでも基礎的自治体に事務を移譲するという考え方は、改めなければいけないと私は思います。そもそも自治というのは、自分たちでできることを、自分たちの責任において決めていく、実行していく、責任もとるという、これが自治の基本ですよね。自分たちの手に負えないようなことまでね、地域主権改革だ、地方自治だからと言って、やりなさいと言って押しつける、それは本来語義矛盾なのですね。ですから、一般論としては、できるだけ住民の皆さんに身近な行政というのは、住民の皆さんに身近な自治体で処理をするということが、これは基本原則でありますけれども、能力を上回るような、手に負えないようなことまで押しつけて、あっぷあっぷするというのは、自治の範囲を越えていると思います。ですから、さっきおっしゃったように、これからどんどん権限が移譲されるけれども、小さいところでは処理できないけれどどうするのかというのは、私から見れば、ちょっと問題の設定が少し、間違っているとは言いませんけれども、少し異なるのではないかなという気がします。これからの方向としてはですね、さっき言ったように、基本的には身近なところにできるだけ権限を下ろすということですけれども、それは、ある意味では、まだら模様になってもしようがないと思うのですね。やれるところでやりたいというところは、どんどん権限が下りていく。そうでないところは、例えば都道府県で処理をするとかですね。それは、都道府県の広域自治体としての補完業務ということだろうと思うのですね。今回ですね、地方出先機関改革なんかも、全国一律、一斉という、そういう従来型の発想はやめて、準備の整ったところから、広域行政機関を移管していきましょうとかですね、それから、47の都道府県単位であっても、都道府県から要請があったところを積極的に移していこうという、そういうまとめ方をしたのですけれども、いわばまだら模様型の一つの具現化だろうと思うのですね。こういう考え方の方が私はいいだろうと思います。
(問)出先機関の話は、それは理解できるのですけれども、地方自治体、合併しない自治体で、それを都道府県が補完するかどうかというのは、どのように判断することになるのでしょうか。そのイメージが全然分からないのですけれども。
(答)ちょっと質問のイメージがよく分かりません。
(問)すみません。要するに、やれないところは都道府県で補完するというふうにおっしゃいました。それは、いわゆる自治体側がやれませんよというふうに判断して、都道府県にお願いしますというような形なのでしょうか。
(答)だから、やれないことまで押しつけることを、まずやめなければいけないということですよ。やれないことまで押しつけておいて、返上しますという、そういうプロセスもあるかもしれませんけれどもね。これからは、やはり市町村の力量を上回るような、そういう権限まで権限移譲しますということは、避けなければいけないと私は思います。今まで、やはりよくないなと思いましたのはね、何でもかんでも、とにかく市町村に、小さな市町村にも全部、横浜市でも、小さな市町村でも、町村でも、全部一律に権限を移譲して、それで、専門家がいないじゃないか、能力が無いじゃないか、一人前じゃないから合併しなさいというような、そういう追い込み型はよくないと思うのですね。それは29次の地方制度調査会でそういう議論を経て、更なる合併促進というのは、29次の地方制度調査会でもう引っ込めたのですよね。これからは、市町村のそれぞれの主体性と意思に基づいて、合併したいところはすればいいし、それはそれで応援しますし、そうでないところは自立の道を選ばれてもいい。そういうことを前提にして権限移譲というものも、一律、一斉ということでは必ずしもないような、もっと柔軟なやり方をしなければいけないということだと思います。それから、もちろん今、市町村が、これまでどんどん下ろしてきましたからね。その中で、やはりこれは広域団体としての県でやってもらいたいなということがあれば、それはそれぞれの県で申し出られたらいいと思いますね。県の方も、それは柔軟に受け止めてあげていただきたいなと思いますね。
(問)フリーランスの畠山理仁です。前回ですね、会見の主催者であるクラブのルールを破って、事前通告無しにインターネット中継を行いました。その際ですね、幹事社の方と会見の途中でお話をするような形になりまして、大臣の貴重なお時間をですね、無駄にしてしまいまして申し訳ありませんでした。これは、全国民の皆さんにも謝りたいと思います。ただですね、前回の記者会見動画なのですが、海外在住の方も含め、今現在、1万人以上の方が視聴してくださいましたし、今現在も544人の方がこの会見の中継を御覧になって、注目されています。先日の会見で大臣は、記者会見に応じるのは大臣としての責務だとおっしゃいました。その一方で、会見のオープン化については、私は招かれる立場なのでコメントは差し控えたいともおっしゃいました。ただですね、現在、記者クラブのルールによって、例えば、インターネット上での影響力を持つインターネットメディアやですね、地域に根ざした報道を続けているタウン誌、それから、個人のブロガーは、記者クラブが指定する協会に加盟していないため、この記者会見に参加できず質問もできません。総務大臣は情報通信や地方自治を担当する方なので伺いたいと思いますが、先ほど、検閲というお話がありましたけれども、検閲とまでは言えませんが、会見に参加できない彼らのですね、自由な質問が、記者クラブという公的な場所を無料で占有する任意団体によって阻害され続けることについて、情報発信の観点から大きな損失だとは思われませんでしょうか。
(答)それはですね、記者クラブが主催するこういう記者会見の場であっても、それから、例えば、仮に役所が主催をした記者会見の場を設けたとしてもですね、いずれにしても何らかの制約はあると思いますね。全く自由というわけにはいかない。それはもう、早い話が、スペースの問題もありますし、時間の問題もありますからね。やはり何らかのルールを設けて、制限と言いますかね、をしなければいけないだろうと思います。それを前提にしましてね、今は、今日は、この記者クラブ主催の会見の場に、私も出向いてきているわけでありまして、そのルールは、今、記者クラブの方にあるわけでありますから、それについて御不満とか、そういうものがあれば、当事者同士でよく話し合っていただきたいと思います。仮に役所がやったら全部フリーになるかというと、決してそんなことはありませんのでね。やはり役所も何らかのルールを設けることになると思います。そういうことを前提にして話し合っていただければと思います。
(問)すみません、よろしいでしょうか。フリーランスの畠山理仁です。もう1点、先ほど小川裕夫さんの質問にお答えになるときに、動画を残すことはコストの問題から難しいというようなことをおっしゃっていたかと思います。今現在ですね、私がインターネット中継をしているのは、この、床に置いた一つの携帯電話で中継しているわけですけれども、これは私個人のですね、小遣いで使えるような代物であって、総務省がその予算をとれないとは思えないのですけれども。あと、また、国会審議もですね、1年間は動画がアーカイブで残されています。週に2回のですね、大臣の記者会見を動画で残すということは可能ではないかと思うのですが、いかがでしょうか。
(答)先ほど言いましたのは、単に経済的問題だけではなくてね、いろいろな問題もありますから、それも含めてよく御相談ください。
(問)ありがとうございました。
(問)朝日新聞の稲垣です。冒頭出ました省庁再編の話に戻るのですが、再編されてから10年目だと思うのですけれども、この間、例えば厚労省が大きくなり過ぎて分割すべきだとか、こちらの総務省でも、情報通信系を、例えば経済産業省の関連部署と統合すべきである、これ自民党政権時代にそういう議論がありました。先ほど大臣も、大きくなり過ぎた役所があるとおっしゃいましたが、再々編とは言わないまでも、何らかの国民生活にかんがみて、見直すべきだというような必要性を、大臣はお感じになっていますでしょうか。
(答)私は今の府省体制が、全く最善で、これをずっと長期間やっていくのがいいとは必ずしも思っていません。やはり幾つかの手直しはあってもいいのかなと思います。ただ、なかなかですね、省の再編という話になりますとね、そんなたやすく話が進む問題でもありませんから、よほど慎重に検討して、物事を諮っていかなければいけないと思います。ただ、問題意識はですね、私だけではなくて、他の閣僚の方も持っておられる方もおられますのでね。これから、恐らくは一つの議論になっていくのだろうと思います。
(問)中国新聞の荒木と申します。先ほどの広島市長の話にちょっと戻るのですけど、秋葉さんのことには、とやかくは言わないという前置きがありましたけど、聞いていますと、現職の首長が退任を表明する際にはやはり記者会見なりを開いて、きちんと質疑応答に応えるのが筋ではないかというふうに聞こえたのですけれども、そういう理解でよろしいでしょうか。
(答)私はだから、今おっしゃったようなことをしたわけです。それは、私の常識と良識で行ったわけで、私だったら今回の広島市長さんのような方式はとらなかっただろうと思います。ただ、これは個人個人の問題ですから、とやかく言う筋合いのものではありませんし、退任というか、不出馬宣言をするときには必ず記者会見で表明しなければいけないと法律で決まっているわけでもありませんからね。そこまでは申しませんけれども。私の場合だったらちゃんとやはり記者会見を、当時もしましたし、同じような状況であれば、同じようなことをしただろうと思いますね。
(問)毎日新聞の笈田です。週明けに成人の日がありますけれども、18歳に対する選挙権の付与の問題について、大臣の御見解とですね、その辺、成人年齢とはまた切り離した問題として、選挙権についてどのようにお考えになっていらっしゃるか、お伺いできればと思います。
(答)これも個人的な見解でよろしいですかね。私は、もうこれも決め方だと思います。何歳からちゃんとした政治参画の、その権利が与えられるか、権利を享有するかどうかというのは、決め方だろうと思いますね。そういう意味では、もっともっと国民的な議論があっていいと思います。特に該当する世代ですね、若い方々からこの問題をどうとらえるのかというのは、もっと議論があっていいのだろうと思いますね。私もいろいろな方に、知事をやっているときも聞いてみたりしましてね。意外に高校生なんかは、18歳まで下げてもらいたいという方が多かったですよ。ところが、大学生になるととたんにトーンが下がってね、まぁ二十歳でいいんじゃないかという、その辺に、非常にね、意外な感じを受けたことはありますけれどもね。あとは、これも意外にね、18歳にするのであれば、もっと該当の年齢の人は、政治に参画するという自覚を持たなければいけないと。もっと勉強しなければいけない。今のままでは不十分だというようなことを言う当事者というか、その世代の人が多かったことに驚かされたこともありましたけれどもね。もっともっと私はよく議論したらいいと思います。基本は、できる限り多くの国民が政治に参画する機会が与えられるという、これが民主主義社会の基本ですよね。これはもう歴史を辿ってみても、一部の多額納税者から始まったわけです。これは世界の趨勢ですけれども、日本でも多額納税者から始まって、それから普通選挙ということになったのですけれども、1925年、普通選挙ということになったのですけれども、これは男子だけだったのですよね。それから戦後、男女普通選挙ということになって、だんだんこう拡大してきているわけですよね。それは、できるだけ多くの国民の皆さんが政治に参画をするという、政治を担うということの大きな流れですよね。その流れの中で、二十歳がいいのか、それとも18歳まで拡大するのがいいのかという、この1点だろうと思うのですね。よく、私は議論があって然るべきだろうと思っています。
(問)フリーランスの上出です。先ほど畠山さんの質問されたオープン記者会見に若干関係あるのですが、違うポイントで。前にも話したかもしれません。いまだにオープン化されていないところがありまして、そのうちの一つが、この前質問された寺澤有さんの問題でもあるのですけれども、記者クラブではいいと言っているのですが、警察庁が駄目だということで入れない。庁舎管理権の問題ともかかわる問題ですね。これは記者クラブと、地方によっては対決して、警察なんかはやはり自分たちに反対する団体の記者会見は認めないとかですね、そういう問題。国民の税金を使って、庁舎の問題も管理権の問題も、これは議論はあるのですけれども、こういうことは内閣できちんと決めてですね、民主党の精神から言っても、情報開示、それにはオープン化というのは当然のことだと思うのですが、これは内閣で決めれば決まる問題だと思うのですが、皆さん関心をあまり持たれてなくて、どの大臣に聞いても逃げてしまわれているのですが、そういうような点から御見解をお聞かせください。
(答)それはね、内閣が全く無関心なわけではないのです。いつだったでしょうか、閣議の終わった後の閣僚懇談会でも、できる限りオープンにしようという基本方針が確認されているのですね。ただ、それぞれの省の事情とか、業務の特殊性とか、いろいろありますから、そういう制約がある中でできる限りオープンにしようという、そういう基本原則の中で、各府省はそれをどこまでやるかという、これは各府省の責任でやるという、そういう、今、仕組みになっているのだろうと思います。
(問)フリーランスの畠山理仁です。先ほどの記者室のことについて伺いたいのですけれども、現在特定の記者クラブがですね、記者室を、家賃無料で使用していることの根拠というのは、昭和33年の大蔵省管財局通達であると認識しています。ただ、これは法律上の根拠というわけではなくてですね、また、記者クラブと言えども特定の私企業に所属する記者の集まりであって、こうした記者室を彼らが独占的に使用する、記者室を彼らに使用させることは、公有財産の目的外使用、つまり、日本国憲法第89条違反ではないかという指摘もございます。公的機関からですね、便宜供与を受けて、国民の知る権利、先ほどの会見参加の問題や質問権の問題ですけれども、これを阻害し続ける記者クラブ制度、これについて大臣がどのようにお考えなのか、御見解を伺えればと思います。
(答)逆にですね、例えば、適正な対価を取って有料でということになって、それがある一定の水準を超えたらもうみんな来られないということを想定しますとね、これは由々しき問題でしてね。国民の皆さんに、例えば、私の考え方なんかを伝える術が、完全にかどうかはともかく、かなり消失するわけですよね。というのは、もちろん、ではインターネットで流せばいいじゃないかと言われるかもしれないけれども、国民のみんながみんな、まだインターネットを見ている時代ではありませんから、やはり国民の皆さんの多くはマスメディアを通じて情報収集しているわけでしてね。そのマスメディア、要するに、さっきの言葉でいうと、編集機能を持ったメディアの皆さん方が、コストの問題でだれも、今、不況ですからね、結構皆さん。来られないという話になったら、これはこれで由々しき問題ですから。ですから、今のこの記者クラブ制度が昭和30年代ですか、始まって、そのクラブに一定の便宜供与をしているというのは、それは、私は、さっきのことを考えれば、合理性は決して否定されるものではないと思います。
(問)日本インターネット新聞社の田中龍作と申します。今、大臣がおっしゃった、私の政策が伝わないと、記者室が無くなったら恐れがあるというふうにもおっしゃいましたが、記者クラブというのを、記者室というのを日本で一番最初に無くしたのが日本インターネット新聞社社長の竹内謙でした。これは朝日新聞社の記者出身でそこら辺の事情を分かっていた方で、どういうルールを作ったかと申しますと、報道に携わっている者という条件を付けたのです。だから、だれでも彼でも来てというのではないのです。そうなると、大臣おっしゃっていた編集機能を持った方々が来るわけです。で、より多く伝わったわけです。で、今の現状を見ますと、もうごくごく限られた新聞社とテレビ局しか入れないわけです。それはもう、今、新聞離れ、テレビ離れが進んでいることを考えたら、ものすごい失礼な言い方をしますが、大臣はたこつぼの中に向かって話しているようなものなのですよ、これ。それはかえって、政策を伝えるということには、国民にあまねく、できるだけ広く、政策を伝えるという、量的な部分でも損をしているとは思われませんでしょうか。
(答)今までどおりでね、全く今までどおりでいいとは思いません。それは社会も変わっているし、通信媒体も変わっているし、国民の側の、利用者の側の、どういうツールを利用するかというのも変わっていますからね。今までどおりで、これから未来永劫いいとは思いません。だから、進化と言いますか、変化も、当然あり得るだろうと思います。それを私が一刀両断でね、こうしなさい、ああしてくださいという筋合いのものではないと私は思いますから、よく御関係の皆さんで相談をしながら、その進化、変化を模索していただければなというのが、私の率直な気持ちですけれどもね。
(問)引き続き、日本インターネット新聞社の田中龍作でございます。大臣は記者クラブとよく話し合いなさいというふうにおっしゃいますが、それはそれでちゃんと話し合いが成り立てばいいのですが、幹事社が2、3か月おきに変わって、前の人は引き継ぎさえもしていなかったというのですよ。これでどうやって話をしろとおっしゃるのですか。
(答)よく話し合いをしてくださいね。もうそれしかないですよ。本当にね、私がここで、右、左と言うべき問題ではないと思いますから。自主的な皆さん方の集まりですからね。それぞれ大人になってよく御相談ください。
(問)よろしいでしょうか。どうもありがとうございました。
(答)はい。

(以上)