松本内閣府特命担当大臣記者会見要旨 平成22年10月22日

(平成22年10月22日(金) 9:34~9:50  於:第5合同庁舎25階会見室)

1.発言要旨

 おはようございます。まず、発言がございます。
 本日の閣議において、本年9月4日から9日にかけて全国に大雨をもたらせた台風第9号による神奈川県足柄上郡山北町及び静岡県駿東郡小山町の農地等被害について、いわゆる早期局地激甚災害の指定を行う政令を決定いたしました。
 この政令は、いわゆる激甚災害法に基づいて、当該災害を激甚災害に指定し、農地等の災害復旧事業に対し、国庫補助のかさ上げと地方公共団体に対する特別の財政援助等を実施するものです。これにより関係省庁と連携して、被災地の復旧、復興について全力を尽くしてまいります。
 2点目。前線の影響により鹿児島県奄美地方において記録的な大雨となり、これまで死者3名のほか、住家の損壊や浸水などの被害が発生しています。亡くなられた方々の御冥福をお祈り申し上げるとともに、御遺族にお悔みを申し上げたいと思います。また、被災された方々には、心からお見舞いを申し上げたいと思います。
 政府としては、昨日、第1回の関係省庁災害対策会議を開催し、被害状況や対応状況について情報共有するとともに、応急対応に万全を期すよう私から関係省庁に対して訓示したところです。また、できるだけ早く被害状況の実態を把握するため、東副大臣を現地に派遣し、被災状況の調査を行うよう、今、鹿児島県と調整をしているところです。
 3点目。18日に開始されたCOP10も1週間が経過しました。本日午後、私も名古屋に向かい、午後3時からの全体会合で各作業部会議長、ABSに関する非公式協議グループの共同議長などから議論の進捗状況を聴取することになります。各議長を始め、コンタクトグループやスモールグループ等の議長の方々、さらには、各締約国や国際機関、NGO、原住民及び地域社会のオブザーバーの方々など、すべての参加者が真剣に議論に取り組んでおられることに、まずもって敬意を表したいと思います。来週から後半の議論となりますけれども、合意に向けて精一杯努力をしてまいりたいというふうに思っております。
 先ほどの奄美地方の関係ですけれども、今日も第2回目の関係省庁災害対策会議を開催することとしており、ライフラインの早期普及、電気あるいは道、道が29カ所ですか、電気が7,300戸とかという話がありますけれども、また避難されている方が2,700人ということがありますけれども、安全・安心をしっかり確保するために努力をしていきたいというふうに思っております。
 以上です。

2.質疑応答

(問) 昨日も談話をいただいたのですが、新潟での水俣病訴訟について御所見を改めてお願いします。
(答)原告を始めとする関係者の皆さんの御努力に、まず心から敬意を表したいというふうに思っております。ここに至るまでは、本当、私もまだ大臣になって1カ月ちょっとですけれども、今後は基本的合意に基づく個別原告の判定手続等実施していくとともに、熊本でお話ししたとおり、これから周知徹底を図って円滑に救済等について、あたう限りすべての被害者の救済に向けて全力を尽くしたいと思います。
(問)新潟水俣病の関連なのですが、大臣として、今後新潟に行って謝罪するような、どういうタイミングを考えているのかという点と、あと原告被害者の方々は、総理に是非来ていただきたいというふうに話しているのですが、大臣からは総理の方に、例えばそういう働きかけとか、そういうタイミングも含めてどう考えているのか、要請していく考えはあるのかどうかお願いします。
(答)本当に、私も大変このことについては、国の総理がこれから行かれるということは、今、申し上げることはできませんけれども。私もいろいろな意味で、できるだけ早い機会に新潟に行きたいというふうに思っておりますけれども、まだ日程等々、COP10等々ありますから、さまざまな状況を勘案していきながらやっていきたいというふうに思っております。
(問)確認ですが、大臣御自身、新潟に水俣の関係で行かれたことはあるのかどうか。
(答)今までですか。
(問)今まで。
(答)ありません。総理が申されたように、誠に痛恨の極みであるということは申し上げたいというふうに思います。
(問)奄美のことで。副大臣の先ほどの派遣ですけれども、大体めどみたいなものはありますか。
(答)今、調整しています。早急に行かなければならないことは重々承知しておりますけれども、それぞれ日程がございますし。鹿児島県との調整もこれからしていかなければなりませんし。そういうことも含めて、今調整中ということで御報告をするしかありません。
(問)早急にということですか。
(答)はい。できるだけ早く行きたいと思っておりますし。副大臣とも今調整中であります。
(問) それと、昨日の関係省庁会議に鹿児島を入れられましたよね。大臣の指示だったという話があったのですけれども、あれはなぜ入れられたのですか。
(答)どこの災害でも当事者といいますか、阪神淡路のときも毎日、兵庫県、神戸市等々来ていただいて、それこそ東京事務所とかそういう感じですけれども、現地の生の声を吸い上げていくというのは、いつ何どきの災害でも必要なことだと思っていますから。
(問)奄美の件で、1点、これから一番取り組んでいきたいと思う事項を一つ。それと、全体としての課題なのですけれど、今回はライフラインが問題になっていて、奄美でも、自治体の方にはあまり衛星携帯であったりとか、通信手段が十分ではなかったという指摘も現時点ではあります。新潟県中越地震以降、そういったような課題が指摘される中で、今、こういうような状況にあることについて、大臣として何か取り組むお考えはあるのかお聞かせください。
(答)正に、ライフラインというのが一番大事なことだというふうに思います。おとといも、夜、2時間で260ミリという雨というのは、私は本当にびっくりしまして。そういう意味では、想像をはるかに超える記録的な豪雨だったというふうに思っています。ライフラインの復旧については、一生懸命取り組んでいきたいと思いますし。また、現地の状況をしっかりまだ正確に全体を把握しているわけではありませんから、把握する中で、電気あるいは水道等々、携帯の話もありますから、携帯のことについては、これからしっかり我々も電話のライフラインという、固定電話はもう余り使えなくなっていますし、携帯のこともこれからちょっとやっていきたいと思います。道につきましては、今日も昨日も、応急的な措置をするようにというふうな指示はしております。
 ただ、私も経験がありますけれど、山から土砂が崩れてきているような、今、29カ所ですか、朝テレビで見ましたけれども、山から土砂が流れてきているというのは、土砂を除去すれば済むような話じゃなくて、作業中にやはり二次災害が起こるようなことがあってはいけませんから、山の方から削っていって、道の土を除去するという作業になると思いますので、本格的な道の復旧というのは少し時間がかかるのだろうなと。今までの経験からいうとそう思いますけれども、安全な除去作業をしっかりやっていただきたいと。 私は、二次災害だけは絶対起こしたくないと思っていますので、そこのところは、もうおとといから指示をしております。
(問)関連ですけれども、明日で新潟県中越地震から6年になるのですけれども、当時もライフラインの寸断というのがかなり課題になって、通信手段の確保ということが課題になったのですけれども、その辺りの教訓が今回見ていると生かされていないように感じるのですが、その辺りについてどう思っているのかという点と、防災担当相として、今後の指示といいますか、あのときも何回もそういう議論があったのだけれども、なかなか現状こういう形なのですけど、その辺りこれからの取組について具体的にお願いします。
(答)やはり、一つの災害、中越から6年という話がありますけれども、5年前、私も地震を経験しましたし、15年前の阪神淡路も経験しました。阪神淡路の経験からいうと、ガスが、かなりそのときの阪神淡路の経験で、中越のときは余り傷んでいなかったというふうな話も聞きました。
 ですから、日に日にやはり一つの災害から学んでいって、いわゆる防災とか減災とかというものを進化していかなければならないと思います。防災担当大臣になって1カ月ですけれども、ずっとそのことは担当の方々に、災害の新しい在り方とか、減災とか、そういうものも含めて指示をしております。ですから、今度の中越地震も学ばなければいけませんし、奄美の記録的な大雨に対しても学んでいきながら、先ほど新しい課題といいますか、阪神のときも携帯が実はつながりませんでしたけれども、そういったものに対応するために、これから学習といいますか、いろいろな意味で重ねていきたいと思います。
(問)というよりも、恐らく、そのときから指摘されてきた課題が、今回、現時点で、初動の対応という意味で生かされていないのではないかということについて、どのようにお考えになって、どう取り組んでいきたいというお考えがあるのかどうか。
(答)初動の対応ということでいえば、遅れたとは思っていませんけれども、そういう積み重ねの議論というところでいえば、私も指示しましたけれども、なかなか対応が、いつの災害でもそうだと思いますけれども、しっかりやらなければということを今皆さんから言われているとおり、これからやはりしっかり取り組んでいくというしかありませんし、現実にこれから集中的に議論をしていく課題だというふうに思います。
(問)重ねて恐縮ですが、教訓が、6年前のときに山の上に登ったけれどもつながらなかったような、山古志村の村長の話があれだけ報じられて、当時も問題だというふうになっているのに、今回、それの教訓が生かされていないんじゃないかというふうに思うのですけれども、その点についてはどうですか。
(答)山古志村の、今言われたように教訓が生かされていないというのは、しっかり受けとめて、これから課題にしてやりたいと思います。
(問)昨日、関係省庁対策会議の中で、既に大臣はおとといの発生の夕方には、三つか四つほどの指示を現地に出したとおっしゃっていましたが、実際に、鹿児島県知事から自衛隊に災害要請があったのは、昨日の朝ということで、いわゆる被災者が連絡がとれないまま一晩を過ごしてしまうような事態がありました。この辺、政府として、前の日に指示をしたという中で、もっと救助を早くするとか、そういう具体的な指示まではどうしていかなかったのか。
(答)指示というのは、鹿児島県に対して、くれぐれも二次災害が起こらないように拡大しないようにということの指示でありまして、安全・安心、そして子供たちが290人か300人近く避難しておりましたので、そこのところの安全を確保すること、また、行方不明者がおられましたので、一刻も早く救助してほしいということ。そして、国が何ができるかということを、おとといの晩に鹿児島県に申し上げました。

(事務方)補足させていただきますと、厚生労働省の方で災害派遣法の適用は、もちろんおとといの晩のうちに決定されておりまして、防衛省の方も、災害派遣の方は、その日から検討に入っておりますけれども、実際に派遣に向けての段取りをいろいろ検討する等の状況の中で、具体的な派遣要請が次の日の朝になったということでありまして、関係機関によって、その日から問題意識を持って十分にウォッチして可能な対応から順次やっていた。こういう状況でございます。御理解をお願いしたいと思います。

(答)万全を期すということは、いつの時代でもやりますけれども、その万全が本当に万全だったのかという評価というのは、なかなか災害に対しては難しいと、私自身、ずっと災害とか、いろいろなところを見てきて思いますから、しっかり今のお話も受けとめていきながら、いろいろな災害に対して速やかに対応できるように尽くしていきたいというふうに思います。

(以上)