松本内閣府特命担当大臣記者会見要旨 平成22年10月1日

(平成22年10月1日(金) 10:03~10:24  於:第5合同庁舎25階会見室)

1.発言要旨

 まず、御報告があります。
 2点ありますけれども、本日から水俣病被害者の救済及び水俣病問題の解決に関する特別措置法に基づいて、一時金の給付が開始されました。迅速な給付に向けた関係者の御協力に、まず感謝を申し上げたいというふうに思っております。
 昨日ある国会議員と会いましたけれども、園田先生始め、関係者の皆さん、そしていろいろな方々が一所懸命頑張ってこられたのを今改めて思い起こしています。私も実は30年ほど前、石牟礼道子さんの「苦海浄土」とか、森崎和江さんとか、上野英信さんとか、いろいろな方々と国会議員になる前にずっとお会いしておりますけれども、そういった人たちの顔を今思い浮かべております。引き続き円滑な手続が進むように努めていきたいと思います。
 続きまして、10月4日、月曜日に米倉会長を始めとする日本経団連の皆様と、環境政策に関する意見交換を行います。環境省からは、私や近藤副大臣も参加をさせていただき、そして事務方も含めて懇談をしたいと思っております。
 名古屋で今月18日から国連地球生きもの会議が開催されるほか、この臨時国会では地球温暖化対策基本法案を改めて御審議いただくことになります。会議を成功させるとともに、この基本法の成立を図っていく上では、私自身が産業界や、様々、労働界あるいはNGOの皆さんと広く意見交換をした上で、判断をしていくということが重要だと思っておりますので、その第1弾として、経団連の皆様と意見交換を行うものであります。
 以上が冒頭の御報告です。

2.質疑応答

(問) 水俣なのですけれども、一時金の給付が10月1日から整うという形になりまして、それに対して大臣はまずこれから今後どういうふうに、新潟の問題もあるかと思いますけれども、どう考えていらっしゃるのかということと、あとチッソの分社化、これは何度も何度も質問等あるかと思うのですけれども、もう一度御見解をお聞かせください。
(答)書いてありますとおり、迅速かつあたう限りのすべての救済という特措法の目的実現に向けて、これはファーストステップだと思っておりますので、これから、知らなかったとか、手を挙げられなかったということがないように、引き続き周知広報に努めてまいりたいというふうに思っています。
 分社化につきましては、しっかり、いろいろな方々の不安がありますけれども、そういうことがないように、我々バックアップ体制、しっかりとした体制を整えられるように努力をしていきたいと思います。
(問)もう1点なのですけれども、今度は4日に経団連の方と意見交換をされるということで、それはやはりABSの問題であるとか、今度のCOP16の温暖化に関連して、もちろん温対法、排出量取引とか、いろいろあるかと思いますけれども、どういうふうなことで。特に。
(答)中身については、まだまだいろいろな意見が出てくると思います。ABSが一番関心が高いと思いますけれども、COP10、COP16等々の話もあるでしょうし、またいろいろな意見を幅広で聞くというのが目的でありますので、特定の議題ということにはならない。いろいろな意見を聞くというのが目的です。
(問)10月1日ということで、クールビズが終わっていると思うのですけれども、大臣はずっとネクタイを割とされていまして、その辺どういうふうに。今度ウォームビズとかもあるかと思うのですけれども。
(答)私もクールビズを大体ずっとしていたのですけれども、公式行事が、例えば20日から国連の会議に出たり、ほとんどの方がネクタイをしておられて、日曜日に帰ってきて、そのままごあいさつ回りとか、小沢前大臣との引継ぎも実は昨日やったということで、そういう意味では最初に1週間いませんでしたものですから、ずっと閣議もあったり、いろいろなことがあったりして、公式行事が続いておりましたし、ある意味ではフォーマルなことが多かったので、そういう意味でネクタイをしておりましたけれども、ほかに他意は別にありません。
(問)小沢大臣との引継ぎでは、特にどのような点を。
(答)やはり一番最初は、COP10の成功に向けて頑張ってくださいという励ましをいただいたし。ある意味では小沢前大臣が今回のニューヨーク行きについては前もってセットをされた。それに従っていろいろな昼食会であるとか、様々、大臣が追加されてやったこともいろいろあったのです。バイとか、2国間協議もそうですけれども、EUとの話合いとか、事務方との話合いとか、そういうのを全部セットしていただいた。そういうセットしていただいたことが非常に大きかったなと、改めて昨日の引継ぎで思いました。いろいろ温暖化法はもちろんのことですけれども、いろいろなことを引継ぎの中で、また後の雑談の中でもいろいろな話をさせていただきました。
(問)水俣病に関してなのですけれども、水俣病の関西訴訟で勝訴した後に水俣病と行政認定をされた男性が、補償協定に基づく補償を拒んでいるチッソに対して一時金を求めた訴訟の判決が昨日大阪地裁でございました。結果は被告のチッソの主張というのを認めて、裁判で解決済みということで、原告の請求を棄却する結果になったのですけれども、まずこの結果についてどのように受けとめられるか。
(答)請求が棄却になったことは聞いていますけれども、民間と民間といいますか、そういう形で、私ども当事者では直接ありませんので、判決の内容についても詳細に聞いてないので、コメントは差し控えたいと思います。
(問)もう1点なのですけれども、この男性は認定申請をされてから認定するまで23年間かかっているのです。本来、認定制度というものは、裁判よりも迅速な救済ということを目指していたと思うのですけれども、これがこれだけ長期間かかったということで、裁判の結果の方が先に出て、補償協定に基づく補償を受けられないという事態になっているのですけれども、この点に関してはどのように考えられますか。
(答)水俣に関しては、先ほどちょっと申し上げました、もう半世紀以上前、私の一番、新聞を見た一番最初の記憶が、水俣の父親が被害に遭った子供を抱いている姿が子供心にずっとあのことが思い出されますけれども、その間ずっと私も直接はかかわっておりませんけれども、先ほど言ったように国会議員になる前からずっと、ウォッチといいますか、ずっと救済されればいいなというふうに思っておりましたけれども、この件につきましては、先ほど申し上げましたように、コメントする今立場にないし、詳細もまだ聞いておりません。
(問) 裁判そのものということよりも、男性が認定申請してから23年という長い期間かかっているのですね。本来認定制度というものは、裁判よりも迅速な救済ということを目指していたと思うのですけれども、これが非常に時間がかかったために今回のような事態になったという点についてどう思うかということをお尋ねしています。
(答)23年かかったということについて。それはおっしゃるとおり長い年月がかかって、それぞれ皆さんいろいろな訴訟があり、いろいろな和解があり、いろいろな法律があり、そしていろいろな努力があったということで、その方のいろいろなことは分かりますけれども、少なくとも今詳細はまだ聞いておりませんので、このことについてコメントする、今立場にないというふうに思います。
(問)先ほど温暖化対策基本法案に関して言及されたのですが、これから各団体と意見交換して判断していくというふうにおっしゃいましたが、判断というのはどういった判断ですか。
(答)判断というか、いろいろな意見がこれから国会、もし法案が審議されたらいろいろな意見が出てくると思いますし。そういう意味では経済界、産業界、あるいは労働界とかNGOとか、そういった方々の意見は、前もってやはり聞かなければならないということです。
(問)それは前もって、例えば法案を出す段階で、前回の通常国会に出したものとどこかを変えていくとか。
(答)そういうことはありません。基本的に小沢大臣はそのことをずっとやられたと思いますし、改めて私もそういう意味で引き続きやっていかなければならないし、改めて時代も少しずつ変わっていますから、そういう意味では新しい問題もあるかと思いますので、そういうことに耳を傾けなければならないと思っています。
(問)補正予算の絡みで、公明党と政策の対話をするというふうな報道があったのですが、例えば温暖化対策の基本法案に関しても、野党との対話とか連携というのは、どういったお考えでいらっしゃいますでしょうか。
(答)それぞれ虚心坦懐に耳を澄ましていくというのは当たり前のことだというふうに思いますので、いろいろな御意見をこれから聞くのはやぶさかではありません。
(問)それは法案の提出前にということですか。
(答)いえいえ。提出前もいろいろな意見があることは承知しておりますので、いろいろな話を向こうからされるとかということがあったら、それは聞くということはあります。
 昨日も実は自民党の野田毅先生と会ったのですけれども、いろいろなそういう意見を、話をするのはあります。そういう話はあります。
(問)野田先生と会われたのは、温暖化対策基本法案の話をされたということですか。
(答)ごあいさつです。
(問)具体的に基本法案の話はされていないのですか。
(答)いろいろ話はあります。
(問)補正予算案についてなのですけれども、経産省の方はレアアース対策を入れてくれというような要望をしているようですが、環境省側からは何か。
(答)環境省側からは、まだそれは、経産省からは、直接大臣からは聞いていません。
(問)環境省独自で例えば環境対策について補正予算案に入れるように要望するというようなことはあるのでしょうか。
(答)環境省について、補正予算につきましては、これからいろいろな意味でやっていくことを今しっかりまとめておりますので、レアアースそのものについては、まだちょっと聞いておりません。
(問)平成23年度予算に盛り込む予定だった特別枠を前倒しで平成22年度の補正予算案に入れるという動きもあると思うのですけれども、大臣としてはそのお考えをどう評価されていますか。
(答)場合によってはそういうこともあると。今精査しているところです。
(問)水俣病関係ですけれども、先ほど現段階でファーストステップと思っているということで、知らなかったことがないように、周知に努めていきたいというお話があったのですが、現在の申請状況、人数を含めて、どういうふうに見ていらっしゃるのかという点と、何か課題とかそういったものがあるのかどうか、具体的に周知に努めるというのはどんな形でやっていきたいかという点について伺います。
(答)現在の人数。
(問)人数含めて、申請の状況というのが、漏れがないようにということなのですけれども、漏れがもっとたくさん、潜在的にもっとあるんじゃないかとか、そういった部分についてはどういうふうに。
(答)今日中には98件の支給が行われるというふうに聞いております。漏れがないようにということは、先ほど言いましたように、知らなかったとか、そういうことがないように、周知徹底、広報とか、いろいろな意味でしていきたいというふうに思います。
(問)98というのは、昭電とチッソと合わせてという、全部合わせてということですか。
(答)全部です。合わせて。
(問)内訳は、チッソの側が何件で、昭電の側が何件なのでしょうか。
(答)内訳は、いろいろな意味で公表は避けたいと思います。いろいろな無用の憶測を呼ぶことは避けたいと思いますので、内訳何件、何件という話は、ちょっとこの場では避けたいと思います。
(問)とにかく昭電とチッソが支払うようなケースが合わせて98件ということですか。
(答)はい。
(問)水俣病でもう1件なのですけれども、先ほど昨日の大阪地裁判決の話をしたのですが、原告男性と同じようなケースで、裁判に訴えられずに直接チッソと交渉して、補償協定に基づく補償を求めていらっしゃる女性がいらっしゃるのですけれども、この女性は環境省に対しても、チッソに補償協定に基づく補償をするように働きかけてくれと以前から何度か要望しているのですが、これまで環境省としては大阪の裁判の推移を見守りたいというようなスタンスだったのですけれども、昨日判決が出たわけですけれども、今後その女性に対してはどのようなお考えですか。
(答)お話は聞いておりますけれども、詳細についてまだ私今日で2週間ということで、おわびをするわけではないですけれども、詳細については、やはりこれから見守っていくということしか言えません。
(問)見守るというのは何を。
(答)詳細についてはよく分かりませんので、そこを勉強していきながら、見守っていきたいということです。
(問)今の段階では、その女性が求めているような、チッソに対して働きかけるというようなことは考えておられないということでしょうか。
(答)はい。
(問)京都議定書についてなのですが、約束期間、国内が2008年4月1日からと考えると、昨日でちょうど半分が過ぎたことになると思うのですが、改めて6%の目標達成の見通しと、環境大臣としての意気込みというか、抱負を聞かせていただけますか。
(答)先ほどから、一番の懸案の課題はCOP16ということで、今度のメキシコのカンクンで11月の終わりから12月、京都議定書のことに関しては、今回のCOP16については、コペンハーゲン合意を先を膨らませていくということがありましたけれども、包括的な枠組みの中で議論をしていくというのがあれで、京都議定書そのものを深掘りさせていきながら、それを延長をさせていくという単純な作業ではないと思います。ですから、3割未満という枠の中でやっていくというのは、ある意味では、目的は世界全体のCO2を削減するということですから、そのことを大前提にして、様々取り組んでいきたいというふうに思います。
(問)日本の6%目標、2012年度までにというのは、それは、それに対する意気込みというか。
(答)それは意気込みはちゃんとあります。
(問)今度の日本経団連との懇談は、環境省が向こうの意見を聞くこと以外に、環境省側からはどんなお話をされるお考えですか。
(答)今までの法案の経緯とか、それぞれ御存じだと思いますけれども、ある意味では喫緊に迫った生物多様性のCOP10の成功に向けて、もう18日ですから、御協力をいただきたいとか、様々そういうことのお願いはあるでしょうし、温暖化対策の基本法についても、いろいろディスカッションするということになろうと思います。
(問)今後は定期的にこういう場を持つことは考えてらっしゃいますか。
(答)言ってみれば、帰ってきて初めて会う団体が経団連ということでありますから、第1弾に経団連を重視したということではなくて、ある意味では、いろいろな方々との話合いの中で、最初は経団連、これから労働界とかNGOとかいろいろな方々と話をしていきたいと思いますけれども、特段まだ日程等は決まっていません。
(問)経団連に行かれるわけですか。
(答)場所は。

(事務方)ニューオータニです。

(以上)