海江田内閣府特命担当大臣記者会見要旨 平成22年12月10日

(平成22年12月10日(金) 11:15~11:29  於:合同庁舎第4号館6階642会見室)

1.発言要旨

 今日は少し遅くなりましたが、後ほどお話しをいたしますが、第94回の総合科学技術会議も官邸で開かれたところでございますので、まず閣議の中身についての御報告から行います。
 今日の閣議は、一般案件としまして、スーダン住民投票監視国際平和協力業務の実施についてということで、ずっと内紛というか内戦が続いておったスーダンでございますが、南部ですかね、あれの独立について住民投票をやるということでございますので、その住民投票の監視団、これを日本からも派遣しようということが決定をされました。
 それから、国会提出案件では、自見金融大臣から、破綻金融機関の処理のために講じた措置の内容等に関する報告がございました。
 そのほか、質問主意書に対する答えなどもございましたが、この自見大臣の報告のありました破綻金融機関の処理のために講じた措置についてでございますが、これは御案内のように日本振興銀行ですか、その破綻処理でございますが、閣議後の懇談の中で、やはりペイオフが行われて、そしてペイオフの概算払戻率ですか、1,000万円まではこれは預金保険機構から保険金がおりるわけでございますが、それを上回る金額についての払戻率が25%ということで、これはいかにも低いのではないだろうかという意見がございまして、やはり検査などが本当にしっかりと行われていたのかどうなのだろうかと。
 このペイオフを決めるときに、できるだけ預金者の負担を少なくするということで検査をしっかりやって、それによって実際にペイオフが発動になったときでも、少なくとも50%以上、60%とか70%とか、預金者に払い戻しをすることができるということでいろいろな整備をしてきたところでございますが、実際ペイオフが行われて25%の払戻率というのは少ないのではないだろうかということで、検査に問題がなかったのかと、そういうこともしっかりこれから検証するようにという意見がございました。
 それを受けて、自見担当大臣も、よく、これは認可の点からいろいろ問題もあったところでもありますので、認可の経緯、それから検査の中身、そういうものについてしっかりと検証してみたいと、こんなようなお話がございました。
 私からの報告は以上でございます。

2.質疑応答

(問)昨日のGDPの上方修正とか、今朝発表があった法人企業景気予測調査の結果を踏まえて、来年度いっぱいぐらいまで日本経済がどういうふうに進んでいくのかということについて、大臣が考えているシナリオを教えてください。
(答)これはもうまもなくでございますが、来年度の全体的な経済の予測をするところでありますから、今、皆様方、いろいろな形で報道をされているようでありますが、私どもから今の段階でまとまった数字といいますか、あるいは何か数字を発表するような段階でありませんので、お書きになるのは自由でございますが、私どものほうでそれについて今の段階で、まさに今の段階で、ちょっとコメントすることはできませんので、まもなくはっきりした形でどういうふうな来年度の見通しをしているかということは発表できます。今しばらくお待ちください。
(問)それに関連して、経済見通しなんですけれども、去年は予算案の閣議決定と同時に閣議了解を得たということですが、今年は公表のスケジュールというのは予算案より前になるのか、それともどの辺になるのか、その辺はどうでしょうか。
(答)これも今検討しているところでございますが、平仄を合わせてという形にしたいと思っております。
(問)小沢氏に対して、政倫審への出席を求める議決に向けた動きというのが出てきているんですけれども、大臣は以前より、小沢氏が公の席できっちり説明するべきだというようなことをおっしゃられていたんですが、この政倫審に対してやはり出席するべきだというふうにお思いでしょうか。
(答)私が公の席でということをお話しをしたのは代表選の前か何かではないですか。その後、いろいろな事態の動きもございます。
 私は、今本当に民主党がやはり一丸となってこの大変厳しい状況を乗り越えなければいけないときだというふうに考えておりまして、その厳しい状況を乗り越えるということの具体的な中身は、まずやはり今税制改正について本当に党でも全力を挙げて議論しているところでございますし、政府も全力を挙げて議論しているところですから、そういうことにみんなが気持ちを一つにして、そして参加をしてもらうということではないかと思っております。
(問)その関連なんですけれども、そうしますと、結論的に言いますと、党の方針どおり議決によって小沢さんを国会に招いたほうがいいというお考えでしょうか。今のお話で、政倫審の議決によって小沢さんを国会にお招きしたほうがいいというお考えですか。
(答)私が申し上げたのは、今は本当に党では、まずやはり税制の問題をどうするのかということをしっかりと党の意見をみんなが、一人でも多くの人が参加をして決めることでありますし、それから、政府は政府でもちろんそういう作業をやっておりますから、民主党全体として、政府と民主党として、そうした国民から期待されている政策の実現に向けて、特にやはり一日も早く予算をつくることが必要でありますから、その予算をつくることが大切だということでございます。
(問)そのことと関連してなんですけれども、やはり数の問題がありまして、通常国会に向けて、やはり政倫審を開いて小沢さんを招致しないと予算も通らないだろうということで、幹事長サイドはそういうことを言っていると思うんですけれども、やはりその点についての海江田大臣のお考えをお伺いしたいんですけれども。
(答)予算を通すというお話は、予算をつくってからの話でありますので、今まだ予算ができていない段階でございますから、まず予算をつくる、その前提として、これも同時並行でございますが、まずやはり税制の議論をしっかりやる、そして予算をつくるということだろうと思います。
(問)つまり、小沢さんの問題をここで今議論している場合ではないという考え方でよろしいですか。
(答)まあそう受け取っていただいて結構ではないですか。
(問)予算の関係なんですけれども、法人税の件がなかなか財源の点で少々難航しているようなんですけれども、法人税の税率の引き下げ、改めて大臣のお考えと、財源をどこから見出してくるべきとお考えかということを。
(答)法人税について、今までいろいろな考え方をお話しをしてきました。その考え方は今も変わっておりません。ただ、今本当にこの法人税につきましては微妙な段階に差し掛かっておりますので、今日は発言をしないということで先ほど決めてきたところでございますので、申し訳ございませんが、今日は発言しないということでお許しをいただきたいと思います。
(問)それは、これまでおっしゃっていた5%の引き下げを行うべきであるというお考えについても今日はおっしゃっていただけないということですか。お考えが変わられたということでしょうか。
(答)申し上げられないということは、申し上げられないということであります。
(問)予算とも政策とも関係ないんですが、年末になりまして、恒例の今年一年を一つの漢字に例えるとというのが今日出てくると思うんですが、大臣として今年を一つの漢字に例えると何になりますでしょうか。
(答)今日出るのですか、あれは。
(問)2時に出ます。
(答)そうですか。なかなか難しい質問でありますが、今日、今、官邸からここへ来るのに随分車が渋滞していましたけれども、渋滞の「滞」で、滞るということで、これは別に渋滞ということよりも、例えば経済も、私、足踏み状態ということを発表することになりましたが、足踏みというのは滞るということだろうと思いますから、停滞の「滞」ですね。ですから、今年は滞るということでございましたので、やはり経済が足踏み状態で、特に後半足踏み状態になって滞っておりますので、一日も早くこの滞りを突き抜けて、そして前に進めると、あるいは昇るという字に来年はしたいなと思っております。今年は残念ながら滞るではないかなというふうに思いますね。
(問)滞るというのは、国会も滞っているという意味で。
(答)まあいろいろな意味を含めてね。法案もあまり成立しませんでしたからね。
(問)小沢さんの関係に戻って恐縮なんですけれども、大臣は先ほど、予算をつくるのが今一番大事であるという趣旨の発言をされましたが、民主党内で小沢さんの招致をめぐって政局モードになっているというか、対立が激しくなっている民主党のあり方そのものについてはどのようにお考えですか。
(答)それについて言えば、本当にやはり民主党はしっかり一つにならなければいけないと思います、これは。
(問)大連立に向けた動きというのもまたちょっと出てきているようなんですが、これについてどうお思いなのかというのと、あと、安保とか税制に関して全く考え方の違う社民党との連携を菅総理は求めているわけなんですが、これについてどうお思いになるかということをお願いします。
(答)前回の会見でもお話ししましたけれども、本当に今、ちょっと頭が税制と予算のことでいっぱいでございまして、まずやはり予算をつくって、まず税制改正を行って、そこから先のことでありますので、今本当に何も考えていません。
(問)法人税のことでちょっとだけお聞きしたいんですけれども、お考えは言えないということだったんですが、中途半端な下げ幅になると、費目の移し替えだけでかえって無駄が出るんじゃないかという話も出ていまして、そこら辺を大臣は、本当に事務方がいろいろな作業をするだけで終わってしまうようなことになったとしたら、ならないように、もしくは大臣のそこら辺のお考えをちょっと聞かせていただけないかと。
(答)先ほどもお話しをいたしましたけれども、今日は法人税あるいはそのほかの税制についてはお話ししませんと決めましたから、お話ししません。

(以上)