海江田内閣府特命担当大臣記者会見要旨 平成22年12月3日

(平成22年12月3日(金) 11:12~11:27  於:合同庁舎第4号館6階642会見室)

1.発言要旨

 少し遅くなりましたが、閣議が始まる時間が遅かったもので、お許しいただきたいと思います。
 今日の閣議では、子ども白書の決定と申しますか、報告がありまして、それを承認をしたということでございまして、あとは人事案件、出張の決定、その間の代理の任命などがございました。
 閣議の報告は以上でございます。

2.質疑応答

(問)税調その他で、例の子ども手当の所得制限、あるいは年金の2分の1関連の議論が進んでいると思うのですけれども、これに対しての大臣としてのスタンスというか、ご所感をお願いいたします。
(答)私も税調の会議には何度か出席をいたしましたが、いよいよこれから議論が、党の側が大体方向を出しまして、そしてその中で今度はそれを受けて政府がどういう判断をするかということだろうと思いますが、子ども手当につきましては、昨日の党と政府の会議でも結論は得られなかったということでございますので、私もこれから政府税調の会長代行として、議論に積極的に加わっていきたいというふうに思っております。
 その中で特に子ども手当の所得制限の話でありますが、私はかねてから、この子ども手当については、何らかの形で所得の制限を設けることがあってもいいのではないだろうかということをお話しをしてきたところでございますので、その中でしっかりと議論をして方向性を出していきたいというふうに思っております。
 それから、年金の2分の1ですが、基礎年金の2分の1、これを税金で賄うということは、やはりその方向はしっかりと堅持をしていきたいと思っておりますので、問題はその財源をどこから出してくるかということでございますので、これから私どもの仕事として、この財源の問題、どういう形での財源の捻出方法があるのかということも、もちろん来年度の経済の成長率なども出していく中で、そういったことを考えるわけでございますから、その中で私どもなりの考え方も出していきたいと思っております。
(問)現時点で財源をいろいろと積立金の取り崩しとかあると思うのですけれども、あるいは鉄建から調達するとか、その辺のお考えというのは。
(答)これは幾つか具体案はあろうかと思いますが、その中でどれをとるかということは、まさにこれからの議論で決めることだろうと思っております。
(問)もう一つ税金に関連して、たばこ税の引き上げが見送られたということなのですが、愛煙家として、海江田大臣からこれについてご感想をいただければと思います。
(答)愛煙家ということがあまり前に出てしまいますといけませんので、そういう立場でなしに、私は地元のたばこの小売の方々でありますとか、いろいろな意見を聞いておりますが、今年の10月に税金を上げたばかりということで、また新しい年度からたばこの税金を上げるということは、とてもではありませんけれども、できない相談ですよという声を聞いておりますので、私もそれはそのとおりだと思っております。
(問)子ども手当ですが、所得制限を自公時代のかけ方をすると約2,700億円ぐらいとなるらしいのですけれども、そのご感想と、もう一つ、控除の見直しによって、捻出できるお金、特に配偶者控除のところはいろいろ議論があるようですけれども、大臣はその2つについてどうお考えか。どの程度の所得制限をかけるのかというのと、配偶者控除に関して。
(答)この2つの議論は、結びついているようで結びついていない部分も実はあるわけであります。特に配偶者控除の問題につきましては、これも特に昨年の選挙中などでもいろいろな意見がありましたけれども、例えば子育てをもう終わった方々がいると。子どもを3人ぐらい育てましたと。そのときは子ども手当のようなものはありませんでしたと。児童手当もなかったというような方々がそうやって自分はしっかりと責任を果たして、そしていよいよ年をとって、例えば年金で暮らしていると。だけれどもそのとき今は配偶者控除があるから、税金がほとんどかからないけれども、配偶者控除がなくなってしまうと税金がかかるのは大変つらいねというような声もありまして、そういう中で老年者控除というのが以前ございましたけれども、それとの関連を、それを復活をさせて、金額をある程度しっかり確保して、それで配偶者控除をなくすということも1つの考え方であったわけでありますけれども、今はそういう老年者控除の議論があまりされておりませんで、ただ配偶者控除をなくすか、なくさないかということでありますので、私はやはり今お話をしましたように、特に子育てを終わったけれども、夫婦2人で偕老同穴で仲良く暮らしているという人たちの税金の負担を急に増やすということのないようにしたいというふうに思っております。
(問)税に関連して法人税なのですけれども、これはネット減税で5%丸々下がるのか、あるいは財源の範囲内でやや縮小すべきなのか、大臣としてはどうお考えでしょうか。
(答)これは私は新成長戦略実現会議、あるいは国内投資促進円卓会議などにも参加をしておりまして、そこで議論、あるいはいろいろな意見を聞いております。特に経済界からの議論を聞いておりますが、「まず実効税率は下げていただきたい。しかもその実効税率を下げたときに、法人税の世界では実質減税にならなければいけない。」という議論が、そういう意見がありましたので、私はその方向で頑張りたいと思っておりますが、ただ先ほど来お話しをしておりますように、全体的な財源の問題がありますから、ここはもう少し議論を積み重ねなければいけないというふうに思っております。
(問)科学技術関係のことでお伺いしたいのですが、来週にも総合科学技術会議の本会議が予定されているかと思いますが、第4期計画の投資目標を盛り込む見通しについて、今現状どのようにお考えでしょうか。
(答)昨日、和田政務官と一緒に菅総理に会ってきまして、そして今の総合科学技術会議の議論の進捗ぐあい、これを報告をしてきたところでございます。
 その中で、今次回の総会の日程も調整中でございますから、それまでにしっかりとやはり科学技術というものが大切だということを明らかにできるような第4期の計画にしなければならないということを確認をしました。
 ただ、具体的にではどういう表現にするかということは、まだこれからの話でありますが、何らかの形で新しい政権も科学技術、これは成長のプラットフォームという位置づけでございますので、その科学技術の計画、一番根っこの計画でございます。5カ年の計画ですから、そこにしっかりとそういう姿勢がわかるような中身にしなければいけないと思っております。
(問)大臣として、数字についての思いはどうですか。
(答)これは従来も折に触れて言ってきましたけれども、ある程度そういう姿勢が見える形にしなければいけない。実際に第4期の計画がスタートするに当たって、第3期と比較してですね。第3期自体が実際には達成できなかったわけでございますが、これはもちろん経済の成長率3%台に置いていたのがそうならなかったというような理由もあります。
 しかし、だからといって、第4期のスタートに当たって、そこより低い目標というのは、これはさっきお話をした新しい政権が成長の基盤として科学技術を位置づけているということからすると、そこより低い目標であっては、そういう姿勢が感じ取られないことになるのではないだろうかというふうに思っております。
(問)子ども手当の所得制限なのですけれども、大臣は以前は子ども手当を課税対象とするということでしたけれども、それについての議論も全体的に進められているのでしょうか。
(答)ですから、先ほど申し上げましたけれども、単に所得制限をして、最初から給付しないという形にするのか、私が前回申し上げました子ども手当を課税所得にして、そうすると実質的に低所得の人たちが、これはよく誤解を受けた部分があるのですが、課税所得にすると即全部所得の低い人たちまで持っていかれると、税金で取って手取りが減るのではないかというような心配もあったわけですけれども、課税所得にする場合でも、もちろん高所得の人たちが一度受け取った子ども手当から税金を負担をしていただくという形で、低所得の人にはそのまま1万3,000円なり2万円なりが入るというような形にしなければいけないので、そういう工夫ができるのかどうなのか、なるべく簡便でですね、ということも議論をしてみたいなと思っております。
(問)全体的にどのぐらいの支持を得られているのですか。
(答)これからの話でありますので。ただ3歳児以下の方たちに2万円ということになると、そこは今のような形でいいのかということの議論はこの間出てきておりますので、その議論の延長線上にいろいろな形でのやり方があるかなと。もちろん所得制限ということになると、ではどこからなのという話も出てまいりますから。ただはっきり言って、国会議員が自分がお子さんが生れて、そのお子さんが子ども手当をもらうというのは、私はおかしいと思います。これは国会議員という立場ではなくて、国会議員で年収2,000万円ぐらいもらっているのですから。そこは思想の違いだという方もいらっしゃいます、これは。だけれどもそれは私は思想の違いではなくて、今の財政の現状というものを考えたときに、もらわなくてもいい人はもらわなくてもいいだろうというふうに思います。
(問)昨日の法人企業統計ですけれども、小幅増で民間エコノミストの間では、GDPを上方修正する動きも幾つか出ているようですけれども、改めてになりますけれども、景気認識を含めてご所見をお願いいたします。
(答)今お話のあります上方修正というのは、7‐9月の問題でありまして、この7‐9月は確かにそういういい数字が出ましたけれども、これは何度もお話をしておりますけれども、需要の先食いでありますので、やはり私が本当に心配をしておりますのは、これからの話でありまして、10‐12月もありますが、そこから来年の1‐3月という形で、私は将来に向って、幾つかのリスクがありますので、そのリスクが顕在化しないように、これから編成をします予算でしっかりと下支えをしなければいけないなというふうに思っております。

(以上)