海江田内閣府特命担当大臣記者会見要旨 平成22年11月15日

(平成22年11月15日(月) 13:08~13:20  於:合同庁舎第4号館6階642会見室)

1.発言要旨

 朝方、7-9月のQE、速報を発表いたしましたが、私は国会の予算委員会で待機をしておりましたので、会見がこの時間になってしまいました。
 既に皆様方のもとには私のコメントを数字の発表と同時にお配りをしてございます。
 その中に書かれておりますが、この7-9月期、猛暑の効果、あるいは環境対応自動車購入に対する補助金制度、あるいはたばこの値上げ前の駆け込み需要などによりまして民間の消費が伸びました。その結果を受けまして、前期比で0.9%の上昇、プラス、そして、年率に換算しますと3.9%という伸びになったわけでございます。
 ただ、足下の景気を見てみますと、やはり生産が弱含みになっているということ、それから輸出も、特にアジア経済の停滞から伸び悩みということもございます。それからまだまだ円高も続いておりますので、これからの経済の動きに十分注意を払って、そして、まさに今日これから予算委員会が開かれると思いますが、この補正予算、しっかりと成立をさせていきたいと、そのように思っております。
 私からの冒頭の御挨拶は以上でございます。

2.質疑応答

(問)2点ほどお伺いしたいと思います。
 個人消費がかなり伸びたということがかなり今回の3.9%という増に寄与したと思われますが、ただ、一時的なものではないかという市場からの意見も多いようですけれども、大臣は個人消費の実力についてはどのようにごらんになっていますでしょうか。
(答)朝お配りをしました私のコメントの中にも、「一時的」という言葉は入っていますね。「一時的に民間消費が伸びた」ということが入ってございますが、先ほどもお話しをしました環境対応自動車購入に対する補助金制度が終わりまして、10月の販売が20%のマイナスというようなデータもございます。それからたばこも、これは御案内のようにいよいよ10月で、まだまだストックがたくさんあるという方もおりまして、私のところのストックはなくなりましたけれども、そういう状況もございますので、まさにこの個人消費の伸びは一時的だろうと。
 ただ、若干給与の部分、特に残業などが少しずつ増えておりまして、そこによる収入増というものもありますから、私はこれから補正予算をしっかりと通して、それから雇用に万全を期して、そして個人消費が増える条件というものをつくっていかなければいけないと思っております。
(問)もう一点、短期的な経済政策についてはこれからも3段ロケットということでされていくと思うんですけれども、中長期的な経済政策といいますか、内需を増やすための取り組みといいますか、そういったことについてちょっと不十分ではないかという批判もあるようなんですけれども、それについてはどのようにお考えでしょうか。
(答)今やっとロケットの2段目に点火をしようというところですから、当面は3段目、来年度の本予算、特に今まで第1弾、第2弾で手がつけられなかった税制改正ができますので、この税制改正をできるだけ投資や消費を後押しをするものにしたいと思っております。
 ただ、御承知のように、私どもが定めました「新成長戦略」というのは、来年度1年度で終わるものではございませんから、「新成長戦略」に基づきまして、やはりこれからもこの成長、日本の経済を成長させる分野に重点的にそれこそ資源を配分していくような政策を考えていきたいと思っております。
(問)エコカー補助金の取りやめによってこれだけ駆け込み需要が発生して、反動減も予想されているわけですが、政策の期限切れによって景気の波が激しくなるという現象が起きていると思うんですけれども、これについてどういうふうに対処いくべきだとお考えでしょうか。
(答)そう考えましたので、今度のこの補正の中で、特に家電のエコポイントにつきまして、もちろん財源が底をついてきたということもありますけれども、できるだけそうした政策効果の期限切れによって大きく落ち込まないように、その落ち込みをモデレートにするような方策は考えているつもりでございます。
(問)その補正予算なんですけれども、なかなか成立がどうなのかなということで、大臣はかねてから11月中に成立できればいいかなというふうにおっしゃっていたと思うんですが、今の段階で成立の時期の見通しと、あと、遅れた場合の経済への影響というのはどのように感じていらっしゃいますか。
(答)私は今でも11月中の成立、これに希望をつないでいるわけでございますが、やはり補正というのは、これは言わずもがなのことでございますけれども、その性格上、いろいろな国会時々に問題はありますが、その国会の時々の問題に優先をして、そして成立をさせてきた。私も野党の時代が長かったわけでございますが、この補正審議については協力をしてきたという記憶もありますので、ここはぜひ、もちろん今さまざまな問題が山積みになっています。しかし、この補正予算はぜひ早目に成立をさせていただいて、そして本当にこの景気の回復の足取りを切れ目なく確実なものにしていきたいというふうに思っています。
 回復の足取りということは、誤解を招くといけませんが、今のようなこの足踏み状態、これをまさに持ち直し、そして自立な回復につなげていきたい、そのために政策を切れ目なく打ち出していきたいと、こういうことでございます。
(問)今回のプラス成長には、エコポイントによる押し上げ効果もあったということなんですけれども、10-12月期のGDPにエコポイントはどのように影響するとお考えでしょうか。
(答)これはまだ本当にまさに途中でございますのでわかりませんが、ただ、本当に最近、私もまちの中の家電の量販店なんか見てみますとすごい列ですね、これが。それこそ品物を決めてお金を払うまでに1時間半待ったなんていうような話も聞いていますから、その意味ではこの10月あるいは11月というのは特に家電のエコポイントの押し上げ効果というのはあろうかと思いますが、ただ、12月になるとその効果も少し失われます。半減ということではありません。そこもいろいろ工夫したつもりでありますけれども、そういうことを踏まえて10-12月、どうなるのかなということを注視しなければいけないと思っております。
(問)今、半減というのは、ポイントの付与が半減になるということでの影響ということですか。
(答)もちろんそうです。
 それからただ、厳密に言うと、すべてが半減するのではなくて、小型のといいますか、従来は大型のほうがポイントが大きかったわけですけれども、小型のところは半減になっていませんからね、7割ぐらいになったりしていますから。なるべく正確に言いませんとね、いろいろ誤解を生んでもいけませんので。
(問)ポイントの付与が12月から変わるんですけれども、そこら辺の影響というのはどのぐらいあると。
(答)少なくとも今は、そういう意味では、ポイントが変わるということがかなり消費者の方々が理解をしていて、そして今かなり本当に、それこそ量販店、これはただの家電の量販店ですけれども、長蛇の列をつくっているということが現実の事象として起こっていますね。
(問)先行きを見て、消費もそんなに強くない、要は景気対策がないとなかなか大きく伸びないという状況がある中で、海外の経済もちょっと減速しているという状況がある中で、日本経済の成長というのはどこに求めていけばいいとお考えでしょうか。
(答)これは中長期的に見たときは、やはりこれは「新成長戦略」の中でも書いていますけれども、アジアの内需を日本の内需とするということだろうと思います。それからやはり日本のものづくりの技術でも、高度な、そして先端的な技術がありますから、やはりこういうものをしっかり伸ばしていくということだろうと思います。
(問)そういう意味で、今期7-9月の中国GDPに2期連続で抜かれるというような形になりますけれども、中国を取り込んでいくということは重要なことになるんでしょうか。
(答)中国だけでありませんで、このAPEC、これは私はそれなりに得るところの大きかった会議だと思っておりますが、中国だけではありませんで、アジアの国々、インドも含めたこういうところの成長を取り込んでいくということだと思います。
(問)もう一点、10月から12月、マイナスに転じるというような見方を予測しているような研究所もあるんですけれども、大臣はどのように見ておられますか。
(答)それは全くわかりません。そうならないために今一生懸命やっているところです。

(以上)