海江田内閣府特命担当大臣記者会見要旨 平成22年10月29日

(平成22年10月29日(金) 9:56~10:21  於:合同庁舎第4号館6階642会見室)

1.発言要旨

 先ほど院内の閣議室で閣議を終えたところでございますが、今日の閣議では、一般案件としましては、所得に対する租税に関する二重課税の回避及び脱税の防止のための日本国政府とマレイシア政府との間の協定を改正する議定書の承認についてということと、あとはサモア国駐箚特命全権大使の信任状、そして前任者の解任状ということの決定でございました。あとは、質問主意書がございましたので、各種の質問主意書に対する答弁書の確認であります。
 それから、大臣からの発言、報告がございまして、一つは総務大臣からで、労働力調査結果、あるいは消費者物価指数及び家計調査についてでございます。
 この労働力調査につきましては、9月の就業者数でございますが、6,309万人と1年前に比べて14万人の増加、完全失業者数は340万人、1年前に比べ23万人の減少、完全失業室は5.0%となり、前月に比べて0.1ポイントの低下になったということでございます。
 それから、厚生労働大臣から有効求人倍率がございまして、これも9月は前月に比べ有効求人は1.9%の増加となり、有効求職者は0.4%の増加となったということでございますから、雇用の情勢はやや持ち直しをしているかなというところでございます。
 ただ、今お話しをしましたように、依然として完全失業率が5%でありますので、まだ水準は厳しいと。しかし、方向性とすればやや持ち直しをしたかなというのがこの2つの調査結果からわかることだろうと思います。
 それから、消費者物価指数及び家計調査のほうでございますが、これも9月の消費者物価、全国でございますが、1年前に比べて0.6%の下落。前月の値は0.9%の下落ですから、下落幅が0.3ポイント縮小したということでございます。
 また、生鮮食品を除く指数でございますが、これは1.1%の下落、それから、食料とエネルギーを除いた指数は1.5%の下落ということでございます。ですから、物価は相変わらず下落をしているという状況でございます。
 それから、全国二人以上世帯の9月の消費支出は27万5,000円で、1年前に比べて実質で同水準ということでございます。
 以上でございます。
 それからあと、特にいろいろなところで発言をしておくようにと言われましたけれども、11月になりますと児童虐待防止推進月間になります。私が着けておりますオレンジリボン、これが児童虐待を防止するキャンペーンのシンボルのリボンでございますので、どうぞ、今日はまだ10月でございますが、11月になりましたら、この児童虐待、もちろん皆さん方は御自分のお子さんを児童虐待なんていうことはゆめゆめないと思いますが、御近所でやはりそういう児童虐待のケースもあろうかと思いますので、やはり近所の目というのが大切だろうと思いますので、よろしく御協力お願い申し上げます。
 以上でございます。

2.質疑応答

(問)TPPなんですけれども、今週、内閣府を含めた3府省がそれぞれ独自の試算を出して、政府与党内でも見解が大分割れていますが、その現状をどう思われるか。
 あと、大臣自身は日本はTPPに参加すべきと考えるかどうか。
 以上、お願いします。
(答)まず先に私自身の態度からでありますが、私は参加すべきであるというふうに思っております。
 ただ、今御指摘のありましたように、党内の調整が今行われているところでございますので、その党内の調整を見守りたいと。ただ、時間はあまりございません。やはり週明けは11月でございますが、APECの横浜会議というものもございますので、やはりそこは一つのめどであろうと思っておりますので、私の立場からすれば、早く党内の意見をまとめていただきたいという思いでございます。
(問)党内の意見をまとめということですけれども、政府内での意見のまとめというのも必要だと思うんですが、その辺はいかがですか。
(答)政府内は、せんだって日曜日の勉強会でかなり意見交換をいたしました。それで、意見交換をいたしましたから、お互いの認識というのは、やはり長時間の勉強会を通じて一歩も二歩も深まったのではないだろうかというふうに思っておりますので、今ちょうど総理、それから経産大臣がハノイに出張中でありますが、帰ったあたりでもう一度意見を集約していただけるものではないだろうかというふうに思っております。
(問)2点お伺いしたいんですけれども、まず、ニューヨークタイムズのほうで、レアアースについて輸出を再開したというような話が一部報道で出ているんですけれども、これについて政府として確認されているのかどうか。
(答)私もそのニュースは聞きました。今朝8時半ぐらいからという解禁でございますが、御案内のように中国とは1時間の時差がありますから、その意味で、中国時間の8時半ということは日本時間の9時半ですから、まだ確定した、確認できたかという話は私は聞いておりません。それから、ちょうど閣議がありましたのが9時15分でしたから、その話は残念ながら出なかったわけでございます。まだ1社だけですよね、たしか。ニューヨークタイムズだけですので、それはもう注意をもって見守りたいと。9時半で、ちょうど30分ぐらいたったところですから、どうなったのかということがわかろうかと思いますので、注意をもって見守りたいと思います。
(問)もう1点、今日、雇用等々に関しては割といい統計が出たんですけれども、ただ、一方では、日銀は昨日決定会合を繰り上げるなど、機動的な対応を今とろうとしているんですが、現状、日本の経済が足踏み状態である中で、改めて、知財本部なんかも御担当されている大臣として、どんな政策をもってどんなふうに日本経済を浮揚していくべきなのか、少しお考えをお聞かせください。
(答)やはりまず何といいましても補正予算であります。来週月曜日に財政演説ができて、そして、いよいよ補正予算の審議に入ってくれるという日程が昨日の夜の段階で固まりましたので、やはり私とすれば、まず補正予算の充実をした審議をして、そしてこれは一日も早く上げていただくということが本当に最優先でございます。
 そして、それと同時に、これは国会などでも答弁していることでありますけれども、第一次のファーストステップの予備費を利用した経済対策、それから今度のセカンドステップの補正予算を伴う経済対策、ここでまだ手つかずのものが、減税、税制の問題でございます。やはり企業のお金を動かしていくのには、減税、これも大変大きな役割があります。それから、いよいよ本格的な税制改正の議論も始まりました。私も政府税制調査会の会長代行でありますので、この税制の議論をしっかりやって、企業のところにたまりましたお金を投資なり、あるいは消費なりに回してもらいたいと、そう思っております。
(問)先ほど、雇用と物価についてお話がありましたけれども、今日、鉱工業生産が発表されて、前月比で4カ月連続のマイナス、10月もエコカー補助の終了の反動でマイナスが見込まれておるわけで、そうなると、実現すると5カ月連続ということになるわけですが、景気回復期で5カ月連続というのはあまりないようなんですけれども、これを受けて、景気は足踏みじゃなくて景気後退だという声も出るんじゃないかという指摘があるんですが、大臣はそのあたり、景気後退のリスクは今のところどんな感じで御覧になっていますか。
(答)今御指摘のありましたように、鉱工業生産の問題、落ち込みでございますが、これは大変深刻なものがあろうかと思います。
 それを受けての話でありますが、実は私は、この10月の月例経済報告の中で真っ先に生産の落ち込みということを、この足踏み状態という表現をとる一つの根拠、一番大きな根拠にしたわけでございますが、今度のこの数字でもそれが非常にはっきりしてきた。それから、今おっしゃるように、これから先の見通しも大変厳しいということでございますから、これは今の段階で後退という見方をとるということではありませんが、注視をして、そして、その時々の状況は私どもはやはり月例経済報告でしっかりと分析をさせていただくわけですから、見方をお示しをするわけですから、その中ではっきりとお示しをしていきたいと思っております。
(問)民主党が企業献金の一部再開を決めましたけれども、一部の大臣からおかしいという発言もありましたが、海江田大臣のお考えをお願いします。
(答)実は私はこの職に就く前は、民主党の中の政治改革推進本部の事務局長をやっておりまして、今お話のありました政治献金のことについて取りまとめをやった実質的な責任者、事務担当者です。ですから、その意味では、大変な、自分で苦労してというのはおかしいですが、衆議院、参議院、これは全議員の会合を何度も開きまして、そして、みんながかなりやせ我慢をして決めたことでありますから、そのやせ我慢を続けてほしかったという思いがございます。
(問)TPPの話に戻ってしまうんですけれども、大臣は参加すべきということですが、一方で、農業が壊滅的な打撃を受けるということで慎重論も強いわけですが、農業との関係については大臣はどのようにお考えでしょうか。
(答)今、御質問は農業との関連ということでございますが、実はTPPは農業だけでありませんで、特にアメリカがかなり大きなヘゲモニーといいますか、影響力を持っていますので、例えば金融の問題でありますとか、それからBSEの牛肉の話は、これは農業の部類に入りますが、その他、これまでの規制、我が国にあった規制の撤廃の問題とか、かなり包括的な話でありますから、その全体像をまず考えなければいけないということが一つ。
 ただ、そうはいっても、その中で一番大きな影響を受けるのは、これはやはり農業でございますから、やはり農業をしっかりと、それこそ本当に国際的な競争力のある農業に変えていかなければいけない。そのためには、時間もかかるし、お金もかかるというのが私の見方でありますが、ただ、お金もかかるし、時間もかかる。時間のほうはやはりそういうTPPの枠組みがありますから、これもそんなに悠長なことは言っていられないということですが、そういうことを踏まえた上でも、やはりこの際国を開くべきではないだろうかというのが私の考え方です。
(問)消費者物価が前年比下げ幅が0.1%拡大しています。景気の足踏みとともに、極めてデフレが長期化しそうな様相を見せているんですが、大臣の御見解をお伺いできますか。
(答)確かに、私どもは2011年度末、ですから正確に言うと2012年3月31日までに、まず物価をプラスにしなければいけないということを一つのデフレ克服のための大きな目標にしているわけですから、やはりそこへ向けて最大限の努力をしなければいけないということで、これは政府、日銀一体となって、これまでも努力してきたところでありますが、やはりさらに努力をしなければいけないというふうに思っております。

3.資産公開関係発言要旨

 お手元にお配りをしているかと思います。正誤表というのは、誠に申し訳ない話でありますが、ちょっと私どもの記載のミスで、正しくは256と書くところを、この提出しました資産公開表の中では265と書いてございますので、それを、256が正しい表記でございますので、そこに訂正させていただくということでございます。
 それから、私が持っております特にこの資産の中でも、不動産関係はマンションがほとんどでございます。
 それから、戸建でいいますと杉並区高円寺の分でございますが、これは、この間、母親、父親を亡くしまして、その相続でございます。兄弟が何人かおりますので、その兄弟間で争いごとのないようにということで、兄弟間でこの土地と建物を相続したということになっております。
 それから、マンションもそうであります。この渋谷区宇田川町は前から事務所として使っておったところでございますが、これも父親が一部持っておりまして、それを相続したので、非常に細かな数字になっております。
 それから、そのほかは全部マンションでございますので、マンションの関係上、これはマンションをお持ちの方は御案内だろうと思いますが、マンションをお持ちでない方は何でこんなに面積がややこしいのということでございますが、まずそういうマンションでございますので、共有部分、それから専有部分含めてそれぞれの持分が決まって、しかもその中が、さっきお話しをしたような事由で、それから、私の配偶者も働いておったこともありましたので、その共有持分ということで、区分所有で共有持分になっておりますから、こういう複雑な計算式になっているということでございます。ただ、金額でいえばそんなに多くないのかなというふうに思いますが。
 それから、株式、有価証券のところでいいますと、NTT株が100株ということになっておりますが、これは株式分割がありましたので、私はずっと1株持っていたという認識でございますが、このたび改めて、全部これは登記簿と残高の証明書をとりましたが、100株、私もびっくりしまして、突然100株NTT持っていたのかなと思ったら、何のことはない、前の1株で、しかも時価が33万円に減っておったということでございまして、買ったときは90万円ぐらいで買ったんじゃないかなというふうに思いますが、そういう体たらくでございます。
 それから、その他の株式については、これも気がつかないうちに端株が若干、JXホールディングスなんか出ておりましたけれども、これは私は政治家になりましてから、だからもうかれこれ16年、17年でございますが、一切株は売ったり買ったりしておりません。ですから、その前に持っておりましたものがそのまま残っているということでございます。
 それから、貸付金というのは、これは政治団体、当初、政治資金団体ですね、これが全くお金がありませんでしたから借り入れをして、もう少し大きな額を借り入れをしたはずでございますが、徐々に返していって、今現在残っておるのがこの500万円ということでございます。貸付金が500万。
 それから、借入金というのは、不動産を買うときに借金をしたということでございまして、それが今現在まだ返済の途上でございますので、こういう形で残っているということでございます。
 あと、ゴルフはやりませんのでゼロでございます。
 車はいろいろな関係がございまして2台持っているということでございます。
 絵画も、絵は好きでございますので、3点持っているということでございまして、これはフランスのベルナール・カトランという作家で、今亡くなりましたけれども、その作品を2点。あと、テレスコビッチという、これもロシアから亡命した画家でございますが、これの絵を1点持っているということでございます。

4.質疑応答

(問)改めて御自分の資産内容をこういうふうに並べてみて、感想なんですけれども、思っていたより少ないとか、意外と資産家だなとか、感想がありましたら。
(答)小さなマンションがあちこちにあるんで、ただ、自分で仕事をやっていたり、それから貸付をして、安定したサラリーマンじゃありませんから、家賃収入を少し得ようかなと思っておりましたけれども、ただ、今、売り家の物件なんかはもう半年以上入っていませんので、その意味では不動産不況の余波をもろに受けていますね。
(問)あともう一点、公開制度を今回経験されて、問題点とか、ここは改善したほうがいいと、何かそういうお気づきの点がありましたらお願いします。
(答)本当に結構大変ですね。特に全部登記簿謄本をとって、そして、実は実務はこちらにいる方に、税理士さんとそれから私の秘書でございますが、やってもらったのですが、ただそれをチェックするのも大変で、本当にお恥ずかしい事態ですが、256と265を書き間違えたとかいうようなこともありますけれども、これも訂正しなければいけない話であって、これはなかなか大変だなと思いました。
 ただ、だから本当は、最初に議員に誓約書をとって、私は議員の在職中は株の売買は一切やりませんとか、それから不動産の取得はしませんとか、そういうのを何かこう誓約書をとって、それに違反したら、あんた違反したじゃないかということでやってもいいのかなと。公開することも意味があるのかもしれませんが、私はもう少し政治家を信用してもらいたい、信じてもらいたい。本当に自分で書いて、自署して、自分でサインして、一切こういうことはやりませんとかいうことを書いて、それを預けて、それで、終わったときにやっていたら、それこそ、それがばれた場合は職を辞しますとか、何かそういうのを書いて、そういう誓約書を出したほうがいいのではないかなと思いますね。

(以上)