海江田内閣府特命担当大臣記者会見要旨 平成22年10月15日

(平成22年10月15日(金) 8:37~8:47  於:参議院議員食堂)

1.発言要旨

 ただいま閣議を終えたところでございますが、今日はあまりたくさん議題がございませんで、地方自治法の政令の一部を改正する政令、所得税法施行令の一部を改正する政令ですとか、そういうことについて、決定がございました。
 それから、私どものほうから、月例経済報告をこれから議論するわけでございます。月例経済報告閣僚会議がございますが、この月例経済報告閣僚会議のメンバーに玄葉国家戦略担当大臣を追加していただきたいということを発言いたしまして、それが了承されたということでございます。この月例経済報告のメンバーの中に玄葉国家戦略担当大臣を加えるということでございます。
 あともう一つ、各役所の出先機関の自己仕分け、これがどうも不十分ではないだろうかということがございまして、この各役所の出先機関の自己仕分けについてさらに徹底させるよう、それぞれの大臣が督促をしてくださいというような話がございました。
 以上でございます。

2.質疑応答

(問)昨日、ロンドンの外国為替市場で一時1ドル80円88銭と15年半ぶりの円高水準になったわけですけれども、改めまして、この水準が日本経済に及ぼす影響と、今後、日本政府が考えていくべき施策というのはどうお考えかお伺いします。
(答)これはかねてから、過度の為替の相場の変動というのは日本経済にとって好ましくないということをお伝えしてきたところでございますので、やはり今回ロンドンの市場で80円台になったということがございまして、これは足元の景気見通しに対して決していいことではありませんので、これは従来財務大臣が適宜適切に、しかも断固たる措置をとるというお話でございますので、タイミングを見計らった措置がとられるものだろうというふうに思っております。
(問)一昨日、党のほうの税と社会保障の抜本改革調査会が開かれまして、消費税をめぐる党内議論がスタートしたということなんですが、大臣はかねて無利子国債の導入等を提言されるなど、消費税に対しては一線を画された感がありましたが、この消費税に関する議論が始まったことについてどう受け止められるか、また調査会ではどのような議論のあり方を求められるか、御所見をお伺いしたいと思います。
(答)私は、消費税の議論をしてはいけないということを言ったことはございませんので、とりわけ、今回の党の議論が社会保障と一体化をした議論でございますので、これは大いに進めていただきたいというふうに思っております。
 それから、私どものほうでは、これはいずれ正確にメンバー等が決まりましたら、それは皆様方に発表させていただきたいと思いますが、無利子国債の発行も含めた国の資産の有効活用をする方策について研究する研究会を近いうちに開きたいと思っておりますので、もちろん、この社会保障の改革については大きな財源が必要になりますから、消費税の問題について触れないわけにはいきませんが、それと同時に、その手前の問題として、今、国が持っている資産、これは金融資産、不動産等も含めてでありますが、これが有効活用されているのかという視点、それから、税金の無駄遣いがまだまだ、いよいよこれから特別会計の仕分けに入りますが、そういう作業も同時並行でやっていかなければいけないと考えております。
(問)一部報道で、先ほど話題になった月例経済報告で、下方修正する方向で検討しているという報道がありました。最終調整中だとは思うんですけれども、そういう方向で検討中なのかどうかが一点と、昨日の参院予算委でも、大臣自らの見解として景気は踊り場にあるという趣旨のお話をなさっていましたが、改めて、現在踊り場ということをちょっとキーワードに景気認識をお伝えください。
(答)月例経済報告では、昨日、私は後でテープを見てみましたら、来週の金曜日という言い方をしていたようでありますが、これは来週の火曜日19日でございますので、これは訂正をしておきます。
 その月例経済報告についての中身は、昨日参議院の予算委員会でお話しをしたことがすべてでありまして、やはり皆様方御案内のように月例経済報告というものの重みがございます。市場に与える影響等もありますので、まだ公表になる前からこうなる、ああなるということは差し控えさせていただきたいと思います。
(問)月例に関連してなんですけれども、玄葉大臣を追加してほしいということをおっしゃられたというのは、どういうねらいでどういった活躍を期待されてのことかということを教えていただけますか。
 あわせて、改めてなんですけれども、足元の景気の認識について大臣のお考えをお聞かせいただけますでしょうか。
(答)月例経済報告の会議に玄葉国家戦略担当大臣を加えてほしいというのは、これは私と玄葉さんが歯と唇のような関係で、お互い連携をとりながら国の経済財政政策について責任を持っていくという立場でありますから、従来入っていなかったのがおかしいと私は思っておりますので、ごく自然な流れとして玄葉さんにも加わっていただくということでございます。
 それから、現下の経済の認識でございますが、これも昨日お答えをいたしましたが、一昨年のリーマンショック、そして去年春の景気の底から持ち直しの動きというのは見えております。だから、方向性としては持ち直しをしておりますが、やはりその中に幾つかリスクもあります。
 それから、そのリスクの顕在化、特に先ほどもお話がありましたけれども、やはり過度の円高、急激な円高というのもございますから、ブレーキがかかってきている。それからやはり何よりも人々の先行きに対するマインドが冷え込んでおりますので、やはりここは十分景気の先行きに対して注意をしなければいけないということでございます。
 そのためにも緊急経済対策をとったところでありますから、もうこの持ち直しの動きが自律的な回復に結びついていくという確信があれば、これはわざわざ緊急総合経済対策などとらないわけでありますから、こうした一連の私どもがとっております動きを総合的に勘案していただければ、今の景気に対する私どもの認識というものが理解していただけるんではないだろうかと、そう思っております。
(問)先日、国会答弁で菅総理から、経済の司令塔は玄葉大臣という御発言があったと思うんですが、就任当初は大臣が経済の司令塔という位置づけだったと思うんですけれども、その辺の御所感をお願いします。
(答)私はあまり司令塔という言葉にこだわらないわけでありますから、私はやはり現下の経済に対して責任を負うという立場、それから、もちろんそうした足元の景気対策だけではありませんで、中長期的な財政に対する展望なり試算なりということもやっているところでありますから、中長期的なことにも責任を持っていくということで、お互い協力をし合ってやればいいことであって、どちらが司令塔であってもそれは構わないということだろうと思います。

(以上)