蓮舫内閣府特命担当大臣記者会見要旨 平成22年10月26日

(平成22年10月26日(火) 8:38~8:48  於:第4合同庁舎6階605会見室)

1.発言要旨

 おはようございます。
 私から、1つ御報告です。
 9月30日に行われた行政刷新会議で設置が決定されました公共サービス改革分科会について、昨日、総理から民間有識者の構成員の指名がございました。分科会長代理に御就任いただきますのは、東京電力株式会社取締役会長の勝俣恒久氏を始めとしまして、9名の方々にお引き受けをいただいております。資料は皆様方にお配りさせていただいております。
 なお、分科会長には平野内閣府副大臣、もう1人の分科会長代理には、園田内閣府大臣政務官が就任しております。詳細については、お手元の資料を是非御参照していただければとお願いをいたします。
 第1回の分科会は、11月4日木曜日に開催する予定になっています。
 公共サービス改革につきましては、これまでも官業の民間開放を中心に取組が進められてきましたけれども、今後は、国や独立行政法人などが行う調達について大きく焦点を当てていきたいと思っております。柔軟な契約手法はどうあるべきなのか、あるいは無駄や非効率の排除がどこまで可能なのか、公共サービスの改善を自律的に推進するメカニズム、あるいは何でもかんでも調達の合理化を行った結果、国民に提供するサービスの低下を招いてはいけない、このバランスも含めて分科会には大いに議論をしていただいて、来春をめどに具体的方策を取りまとめていきたいと思っております。
 私からは以上です。

2.質疑応答

(問)今御説明のありました公共サービス改革についてですけれども、来春に方策を取りまとめて、それをどういう形で実現に移していくのか、その辺についてお願いします。
(答)実は、事務方も含め事前にいろいろな話はしているんですけれども、基本的にこれまで政府調達においては、合同庁舎において各省庁の縦割りを廃して共同調達をしているところもあるんですね。実際に、前年と比べると経費の節減ができている実例もありますから、来春までに取りまとめて一斉に進めるというよりは、最初に始められる分野も私はあると思っていて、そこは指示をしているところです。来春といいますと、各省庁一斉にできるところは一体どういうことなのか、また、法改正が必要なものもあって、政省令でできるものもあるんですが、何よりもインセンティブを含めて、その公共調達の改革を行うことを、最も意識的に公務員の皆様方に持っていただけるための取組も含めて取りまとめをお願いしようと思っています。
(問)宝くじの宣伝事業のように、これまで一度廃止と判定されたものがまだ続いているように、これまでの仕分けの結果というものが反映されていない事業というものが出ていると思うんですけれども、そういった実態をどう御覧になっているのか。また、その仕分けの結果というものがどこまで尊重されるべきものなのかということをどうお考えでしょうか。
(答)基本的には、仕分けで国民の皆様方に見ていただいて、なかなか税金の使われ方等で御理解いただけないものは、行政刷新の立場で各府省の政務三役を中心にしっかりと取り組んでいただきたいということはお願いをしています。基本的には、おおむね守っていただいているとは思うんですが、看板の付け替えであるとか、明らかに焼け太りであるという予算要求というのも見られますので、そこはおのずと再仕分けのヒアリング、あるいは再仕分け本番の対象になり得ると、これまでも何度も申しています。
 宝くじに関しましては、現片山総務大臣に、今省内で検討しているものを早急にまとめていただけるようにお願いをして、これは合意をしております。総務省内の検討の結果を受けまして、なお再仕分けの余地があると判断したときには、ちゅうちょなく再仕分けとしてヒアリングからまず始めていこうと思っています。
(問)明日から仕分けの第三弾が始まりますけれども、それについての現在の意気込みと、大臣が出られそうな日程というんでしょうか、どれぐらいの頻度で現場に顔を出そうと思われているかについてお願いします。
(答)今日夕方、実際に池袋の会場は事前に見に行こうと思っております。スタッフ、あるいは国会議員、民間の評価者の皆様方も最終調整ということで、本当にその緊張感を持って臨んできていただいていて、一体感を持って明日から取り組んでいきたいと思っています。
 今、こういう立場になりましたので、これまでの一仕分け人とは違いまして、国会でなかなか抜けられないと言いますか、国会で公務をやらなければいけないものもございますので、当然そちらを優先しますと、事業仕分け全部にこれまでのように出席するのはなかなか制限があるなとは思っていますが、党・政府一体となって党の全面的な御協力をいただきましたので、長妻行政刷新PT座長、あるいは枝野行政刷新PT顧問のお力も全面的に借りています。あるいは、信頼している1回生議員を中心とした評価者、そして専門性の高い民間評価者もおりますので、万全の体制を敷いています。あえて、その上で私の思い、あるいは国会の日程との調整が可能なものについては、できる限り参加をしたいと思っています。
(問)明日から仕分けが始まるんですけれども、そこで、今までの第一弾、第二弾と比べて、周りの反応であったりとか、注目度の違いというのはありますでしょうか。
(答)注目度は、仕分けにおいては、いつも御関心をいただいていることだと思っています。あとは、実際に仕分けが始まって、会場の熱気といいますか、お越しいただける方たちの思いであるとか、数であるとか、その空気で分かるものがあるんですね。だから、そこは実際始まってみなければわからない。あるいは、今回もインターネットのライブ中継、4社に御協力を頂いておりますけれども、そこへのいわゆるアクセス数というものも実際見させていただきながら、あるいはメディアの皆様方の御関心、報道の在り方も含めて、全体的に判断はしたいとは思っておりますが、是非一人でも多くの皆様方に御関心を持っていただきたいというのは、改めてお願いをします。
(問)私も続きまして明日からの仕分けで伺います。
 事業と制度の仕分けがありまして、事業をやった上で、最後、制度の在り方を見ていく流れだというふうに昨日も御説明いただいたんですが、ちょっと気になったのが、社会資本整備特会の中で、空港整備勘定だけが空港整備だけの在り方をまず見た上で、それ以外の勘定のあり方を見るというふうな、ちょっと時間割りが分けてあるんですが、空港勘定に関して特別な仕分けをしようという意図があるということなんでしょうか。
(答)決してそういうことではなくて、おそらく時間帯の設定と、1日確か社会資本整備デーがありますから、その中のいわゆるスケジュール感の調整だと思います。
(問)ただ、空港特会に関しては、前に前原大臣が廃止も視野に見直したいというような話をされていました。そういう意味では、廃止を視野にというふうなものが既に幾つか上がってきているというふうな実感は持っていらっしゃいますでしょうか。
(答)内閣のいわゆる改造前、改造後の継続性も含めて、前大臣のお考えというのは当然尊重し得るものですが、仕分けはまとめの結果を想定して行うものではないので、そこはとらわれないで臨んでいきたいと思っています。
(問)明日からの仕分けもありますけれども、民主党は去年の衆院選のときに、予算の組替え、それと無駄の削減、これで10兆円以上の財源捻出をするというふうに約束をされておりました。今もこの公約というのは生きているんでしょうか。
(答)もちろん生きています。
(問)であれば、どのように今後、それを達成していかれるおつもりなんでしょうか。
(答)まずは、基本的には内閣一体となってそれぞれの省庁でできること、マニフェストでお約束したことを達成するための努力を今行っているところです。事業仕分けというのは、どうしても全省庁的な事業をその手段が適切かどうかというのを見直しているものですから、どうしてもこの行政刷新のところですべての財源を捻出するのではないかという指摘があるんですけれども、基本的には、ここでは問題があるお金の使われ方を指摘させていただいて、あとは各省庁の政務三役を中心に徹底的な見直し、あるいは予算の組替えを行っていただくことが私は目的だと思っています。
(問)先ほどの宝くじの話なんですけれども、省内で早急にまとめてもらうようにというふうに指示を出されたと。これは再仕分けが11月中旬にあると思いますけれども、それまでに出せというというふうに指示されたんでしょうか。
(答)再仕分け、11月中旬までですと物理的に間に合いませんので、もっと早く出してもらえるようにお願いしています。
(問)話は少し変わるんですけれども、先週開かれた東京国際映画祭で、中国からの参加者が、台湾は中国の一部であって、台湾からの出席者に「台湾」という名称が使われることは不適切だというふうにクレームをつけたことによって、台湾、中国双方の出席者が参加を取りやめる事態ということがありました。日本のみならず、台湾ともあつれきを生んでいる中国の今の現状というものをどのようにお感じになりますか。
(答)ごめんなさい、その映画祭の話は、私、今初めて聞いたんですけれども、基本的には中国と台湾、この間で中台問題というのは話し合われていると承知しておりますので、そこにおいて、第三国である我が国が口を出すというのは適切ではないと思っています。

(以上)