蓮舫内閣府特命担当大臣記者会見要旨 平成22年8月27日

(平成22年8月27日(金) 11:49~12:03  於:第4合同庁舎6階605会見室)

1.発言要旨

 今日は私から1点。お手元に資料をお配りをさせていただいておりますが、行政救済制度検討チームを開催することになりました。
 行政不服審査法は、法律が制定されてから、これまで見直し、あるいは抜本的な見直しが全く行われてこなかった。やはり時代にそぐわないところが出てきていますので、何よりも国民が使い勝手のいい行政不服審査法に変えるべきだという思いを私も強く持っています。
 検討チームは仙谷官房長官を顧問としまして、原口総務大臣と私が共同座長となりまして、法学者や不服審査に精通した実務者も交えながら検討を始めていきたいと思っています。
 3つの課題がございまして、1つは行政不服審査法の改革、2つ目が不服申立前置の全面的な見直し、3つ目が地方における新たな仕組みの検討、この課題に取り組んでまいります。
 まず、行政不服審査法の改革から始めていくことになりますが、第1回のチーム会合におきまして、総務大臣、行政刷新担当大臣連名で、行政不服審査法の改正の方向性をまずお示しをさせていただきます。これに沿って議論を進めていきまして、そのほかの課題については順次取り組んでいくこととしています。
 関係法律、相当膨大なものになることが想定されますけれども、できる限り早目の法案提出につなげていきたいと思っています。
 なお、第1回目の会合は8月31日に行われる予定です。
 今日は私からは以上です。

2.質疑応答

(問)今の点なんですけれども、できる限り早目の法案提出というのは、来年の通常国会というふうに考えてよろしいでしょうか。
(答)秋には物理的に間に合いませんから、来年でそこを目標とはまだ実は考えていないんですけれども、実際動き出してみて、どれぐらいの作業量があり、どういう形で共同座長として思いを持ってスピーディに進めていけるかということもあると思いますので、目標は定めたくはないんですけれども、なるべく早期という思いは強いです。
(問)自民党政権のときも改正案が出されまして、2009年に廃案になっていると思うんですが、どこが不十分だというふうに考えるか、不十分だと考えるので、今回また別の法案が出されると思うんですけれども、どこら辺が不十分と。
(答)自公政権時代に確かに法案は出されたんですけれども、残念ながら審議はされていませんので、論点整理も実は国会の中ではオープンな形で行われてきませんでした。
 他方で、私たち民主党は野党時代からも、こうした国民に使い勝手のいい不服審査という議論は法務部門会議を始め、いろいろなところで進めてきていますので、そこの整合性も含めて検討チームで合わせていくことになろうと思っています。
(問)閣議後に総理とお会いになられたようですが、改めてどのようなお話をされたのかということをお聞かせください。
(答)先週の閣僚懇のときに総理から、規制・制度改革で前倒しで進められるものはぜひ進めていって、経済対策につなげたいので、洗い出してほしいという指示を直接いただきました。総理の指示を受けて、私のところで、第1回目の規制・制度改革分科会でまとめ、閣議決定されたものを全部再度洗い出しまして、実際に財源なき規制・制度改革で、経済成長に確実につながると思われるもの、国民の皆様方にわかりやすいもの、あるいは関係業界、あるいは市場にしっかりとしたメッセージをお届けできるものも含めて取りまとめていきたいと思っていて、まずその第1次案を総理にお示しして、総理の御関心の高いものの御意見をいただいたところです。
(問)その内容というのは、今度取りまとめる追加経済対策に盛り込むということではないですか。
(答)それは総理がお決めになることだと思いますが、実際玄葉政調会長から党の要望として、政府に出されたものの中にも規制・制度改革が入っておりますので、そこは十二分に私たちは取り上げていただきたいという思いを持っています。
(問)今日、それを提出して、総理からどういった反応といいますか、何か意見は。
(答)観光ですとか、あるいは環境ですとか、社会保障であるとか、具体的なメニューを御提示して御説明をさせていただきました。特に総理は林業であるとか、介護であるとか、あるいは環境の具体的な幾つかの規制について御関心を強くお持ちでしたので、積極的に私はそれを進めていきたいと思っています。
(問)不服申立の件に戻るのですけれども、時代に合わなくなったとおっしゃいましたけれども、具体的にどういう側面が時代に合わなくなったというふうにお考えですか。
(答)制定されてから40年以上が経過して、この間の時代の変化は当然皆様方も御案内だとは思いますが、私の観点はたった1つで、国民にとって使い勝手がいいかどうなのか、行政のほうにどうしても立脚点が置かれているのではないのか、まずこの点だけでも随分と論点は出てくると思っています。
(問)例えば、国民にとって、今の制度ではどういう点が使い勝手が悪いとお考えですか。
(答)検討チームで課題は細かく出していきます。
(問)規制改革のところで伺いたいのですけれども、今日提示されたのは、一体何項目くらいを提示されたのかというところと、あと分野で言うと何分野ぐらいあって、代表的なところで結構なのですけれども、具体的にどういうところを提案されたのか、ちょっとご紹介いただけますでしょうか。
(答)今日お示ししたのは、71分野かな、これまで分科会で提案をいただき、政務三役折衝で合意をしたもの、そして閣議決定をしたものの中から抽出した項目と国民の声に寄せられていて、実際に各省庁と折衝をして措置できると判断したもの、措置を検討していたものがもっと前倒しが可能だと思えるものも含めて、71の検討項目を御提案をしたところです。
 総理に71全部細かくご説明したということではなくて、象徴的に進めていけるもの、わかりやすいものをご提案しました。都市再生、住宅投資、環境エネルギー、医療介護、観光振興を始めとした地域活性化、国を開く経済戦略、これは23項目をご提案しました。
 老朽化したマンションの円滑な立て替え、改修、あるいはそこの環境においては、省エネ設備を設置した部分を容積率の算入から除外をすることによって、導入のインセンティブとするというようなこと。あるいはレアメタルや木くずの廃棄物処理法の規制緩和、これに対して総理は相当関心を強くお持ちでした。
 あとは医療ツーリズムの推進ですとか、潜在看護師を活用させる、訪問看護ステーションの規制で、看護師が2.5人いなければ開けないとなっている部分をこれを人員を削減して開きやすく、あるいは雇用にもつなぎ、在宅で介護を待っている方たちのニーズにもつながるという部分に総理は大変関心をお持ちでした。
 あとは林業、これは森林簿の情報公開をすることによって、集積が可能になって、強い林業につながっていくというのをもともと総理は御関心をお持ちでしたので、これはぜひ進めていきたいというような思いを発言されていました。
 あとは国を開くという部分では、羽田空港をどういうふうに活性化させていけるのか、あるいは高度外国人材の受け入れ促進という部分で、外国の方にどんどん日本に入ってきていただける、そのときになかなか例えば配偶者ですとか、あるいは家事使用人をともに連れて入国することに今規制がさまざまかけられてますので、ここを緩和することによって、より魅力的な外国の人材の方たちに日本に来ていただいて、活躍をしていただくことが経済成長にも資するということは、総理も大変関心をお持ちでした。
(問)民主党の代表選に関連してなのですが、小沢さんと菅さんの両者の対立という構図がほぼ固まっている状況の中で、大臣としてお二方の政治手法というか、政治特性、組織運営であったり、選挙戦略であったり、どのような特徴があって、両者の違いがあるかというふうにご覧になっているか、御所見を伺えればと思います。
(答)難しい質問をしますね。
 少なくとも菅総理はこれまでも何度も代表選に手を挙げ、実際に戦ってきてこられてますので、菅総理の選挙スタイルというのは、多くの民主党の国会議員、あるいは国民の皆様方の御記憶にもあると思いますが、ただ小沢さんは代表選にこれまで出られたことがないので、どういう形でご自分の主張を展開していくのかは、非常に私自身も関心を持って見守っていきたいと思っております。
 いずれにせよ大切なのは、内向きな議論ではなくて、国民の皆様方に民主党が代表選を通じてどういう国を改めてつくっていくのか、1年前同じ時期に政権交代をして、そのときにご期待をいただいた声にどこまで今応えていなくて、どうやって応えていくことができるのかを議論をできる場所にしたいと思っています。
(問)くどいようですが、蓮舫大臣としては菅さんを支持するというお考えにお変わりがないのかというのがまず1点と、もう1点は菅さんの陣営で選対をつくると思うのですが、何らかのご協力をされるようなお考えはありますか。
(答)私の支持するという姿勢はこれまでと全く変わりません。
 選対の話は、立ち上がるというのはメディア等で見てはおりますけれども、まだ具体的にお声がけをいただいていませんので、何とも答えようがありません。
(問)行政救済制度に戻るのですけれども、チームは何回ぐらい開いて、見直し案はいつごろまとめるのでしょうか。
(答)8月31日に始めるときに、少なくとも行政不服審査法の改正の方向性は私と原口大臣共同の名前で出させていただきますけれども、最終案が今どういう形になるのかをまだ詰めているところです。あるいはほかの2つの課題においても、実際どういう展開をしていくのかは、これから順次手をつけていくところですので、スケジュールの幅として今明快に頭に入れているわけではありません。ただ、早目にという思いは強く持っています。
(問)今日の閣僚懇なんですけれども、大分長い時間とっていたかなという感じがするのですが、主にどういうことに時間が割かれたのか、ちょっと説明いただければありがたいと思います。
(答)今日の閣僚懇のメインテーマは、たった一つでした。経済対策をどうするか。
 総理のもとには、これまで各経済団体であるとか、各種さまざまな組織、団体から、景気対策、経済対策、特にこのデフレ、あるいは為替の問題について、さまざまな意見が入ってきている。そして、そこに玄葉政調会長からも党の要望がまとまって提案をされた。
 今日のこの閣議後の閣僚懇で、どういうふうな対応をしていくことが望まれているのか、望ましいのか、各閣僚からさまざまな意見が出されまして、議論をしたところです。
(問)それに対して総理からはどのような言葉、指示があったでしょうか。
(答)非常に強いメッセージがありました。急がなければいけないのはもちろんだと。そのためには、環境整備も当然しなければいけない。それが慎重に見られ過ぎているという意見も閣僚の中からもありましたけれども、そこは総理として十二分に分かった上で、今日中にも今日の閣僚懇を受けて、総理の思いというのはどこかで言及されると思いますが、週を明けたら早々に動きを出されるという話になりました。

(以上)