蓮舫内閣府特命担当大臣記者会見要旨 平成22年8月26日

(平成22年8月26日(木) 18:21~18:45  於:第4合同庁舎4階408号室)

1.発言要旨

 お疲れさまです。お待たせしました。
 今日は特段私のほうから報告することはございません。
 何かありますか。

2.質疑応答

(問)共同通信の岡といいます。
 党の代表選についてなんですが、小沢前幹事長が出馬を表明されました。それについての受け止めをお聞かせください。
(答)選挙になるのはいいことだと思っております。やはりいろいろな議論があって民主党がどういう国を目指していくのか、総理を目指す方が自由に議論を戦わせるのは極めて健全だとは思っています。
(問)大臣は今まで菅総理を支持するとおっしゃっていましたけれども、これまでどおり菅さんを支持することでいいんでしょうか。
(答)はい。
(問)それと、その理由というのを教えていただけますか。
(答)菅内閣の一員として、当然菅総理とこの国を支え、この国をつくり、政権交代をした結果というのをしっかりと国民の皆様にお示しをしようと思っております。その意味では、菅さんを支持し続ける、この思いに変わりはありません。
(問)フリーランスの上出と申します。
 同じような質問がほかの方から出るかと思いますが、一般の国民の目から見て、やはり説明責任を果たしていない小沢さんが選挙に出て、もしかしたら総理大臣になるかもしれないということについては、一体どうなっているんだろうという声を周辺から随分聞くんです。率直なところ、国民のことが視野に本当に入っているのだろうかと。ある大臣は、小沢さんを支持する議員の人にちょっと批判的なことを言っている方もいますが、そういうことも含めまして、お立場上言いづらいこともあるかもしれませんが、言える範囲で国民向けに今回の出来事は一体何なのかということをちょっと解説していただけませんでしょうか。
(答)代表選自体は予定をされていたものですから、それは当然行われると思っています。
 ただ、国民の皆様方の声を私たちが無視したということにはならないような選挙にしなければいけないと思う。その部分では、国会議員は国民を代表していますから、しっかりと現地に帰って、地元に帰ってさまざまな声を聞いてきて、そしてみんなで選挙に臨むことになるんだと思っています
(問)フリーランスの畠山です。こんにちは。
 代表選のことなんですけれども、サポーターの方が投票する代表選というのがかなり久しぶりなんですけれども、民主党の代表選に投票できるサポーターの方というのが、日本国の総理大臣になる可能性のある方を選ぶのですけれども、日本の国籍をお持ちでない方もサポーターとして登録をされております。そういった方々の意見というのも当然反映されるわけですけれども、そのことについて蓮舫大臣御自身はどのように受け止めていらっしゃるのかというのを伺いたいと思います。
(答)たしか枝野幹事長がこの件に関しては見直しを進めていきたいということを発言されていたと思います。基本的に支持します。
(問)それは枝野さんのことを。
(答)はい。
(問)フリーランスでエコノミストのライターをやっています横山と申します。
 10月下旬でしたか、仕分け、特別会計だと思うんですけれども、これは現状どこら辺まで作業というか、進んでいらっしゃるかというのをお聞かせください。
(答)特別会計は政調から仕分けの調査をしていただけるチームを3チームつくって、今日の段階で3日目のヒアリングを終えたところです。各主査の方たちと先ほど会議もしましたけれども、手ごたえとか、あるいは自分たちの中でどういう問題点を出していくのかという議論がようやく始まったところでありますけれども、そこの論点はこれから細かく連携をとって整理を進めていきたいと思っています。
(問)民主党としては、一般会計だけじゃなくて、特別会計を含めた予算の総組み替えということを政権をとる前からおっしゃっていたわけなので、埋蔵金を掘り出すというだけが目的ではないということは前からおっしゃってはいたんですけれども、とはいっても、やはり総組み替えといっている以上、やはり特会から幾らかでも一般会計に戻さないと、国民目線から見るとやはりなかなか納得がいかない。そうじゃないと組み替えじゃないんじゃないかという感じがするんですけれども、そこら辺はいかがでしょうか。
(答)ぜひ御理解をいただきたいのは、特別会計を仕分けするのは、お金を出すのが目的じゃありません。それは今までの事業仕分けもそうです。理念、目的があって、その目的を達成するための手段として、税金が正しく使われているのかどうなのかを問わせていただくのが仕分けであります。
 特別会計においても、これはどちらかというと事業というよりも制度仕分けの色合いが強くなる。それは区分会計をしている意味があるんだろうか、あるいは受益と負担の関係で一般会計に一緒にすぐさまできるもの、あるいはできないものも含めて、あと3年間かけてどういう形で国民の皆様方から見て簡素でわかりやすい国の会計という形にできるのか。その結果として、この国の本当の支出のサイズというものが当然見えてきて、理念、あるいは他省庁との重なっている部分も含めて整理をしていくこと、あるいは費目が今ばらばらになっているものを一つの形に、雛形に組み替えていくことによって、自然とそのサイズは小さくなってくるんだと思っています。
(問)つまり、今現状18特会ありますよね。そこに勘定というのがぶら下がっていますね。これがたしか51でしたか、ありますよね。そうすると、その51全部それを精査するというふうに理解してよろしいんでしょうか。
(答)事業仕分けの精査の手法とはちょっとは違うんですけれども、18会計、51勘定は全部見ていきます。
(問)勘定の中で当然つぶすべきものはつぶすという考え方でよろしいんでしょうか。
(答)つぶすのが前提ではないのは理解をいただきたいんですが、壊すとか、つぶすとか、廃止をするとか、出すとか、極めて衝撃的なキーワードは目指していません。
(問)といいますのは、これは自民党政権のときに三十幾つでしたか、特会があって、それが今現状の形で18になったんですけれども、実際はくっつけただけで、これは自民党の話ですけれども、大した整理になっていないということがあるわけですよ、正直なところ。ですから、そこら辺のところは注意してしっかりやっていただきたいなというふうには考えております。
(答)御指摘は全くそのとおりで、特別会計の数自体は随分小さくなったように思いますけれども、会計が勘定につけ替えられただけのものもありますし、そこは当然特別会計の仕分けというときには注意をしてみることになります。
(問)医療専門誌メディファクスの山口と申します。
 規制・制度改革に関する分科会のメンバーについて伺いたいんですけれども、選考状況は今どのようになっていますでしょうか。
(答)ほぼ最終的な段階までまとまってきています。あとは本当にどういう形でどういうメンバーで確定をしようか、あるいは個々の候補の方々に御都合等も実際聞いて判断をしているところですので、そんなに遠くない時期に御案内できると思っています。
(問)8月中にはというお話があったと思うんですけれども。
(答)なるべく目指しています。
(問)たびたびすみません、フリーランスの畠山ですけれども、現在、国民の税金の使い道に対する目というのが非常に厳しくなっていると思うんですけれども、首相官邸を始めとして、各省庁には記者室と称する特定のメディアだけが使える無料のオフィスがありまして、それは賃料が無料で提供されているんですけれども、この記者室の賃料を周辺の相場で換算すると、全国すべての記者室の家賃を換算すると110億円、中央省庁だけでも13億円賃料がとれるんじゃないかという試算があります。
 現在、各記者クラブのメディアもいろいろな紙面などで増税が必要なほど日本の財政は厳しいというふうにおっしゃっているところなんですけれども、それでも不思議なことに、一等地にある記者室の賃料というのは一円も払っていないわけです。
 また、これは総務省なんですけれども、記者クラブのために配置される職員という方がいらっしゃいます。この方々のお給料というのも税金なわけですけれども、その職員の方々が記者室で使う枕の枕カバーを勤務時間中に備品ということで縫っているんだと思うんですけれども、そういったような働き方をされていると。今であれば、例えば家賃をとるとか、職員はクラブのほうで費用を負担するとか、そういったことを言ってもクラブの側から理解が得られると思うんですけれども、その点について大臣はどのようなお考えを持っているかをお聞かせいただければと思います
(答)記者クラブの歴史というのは随分長いと思っています。
 ただ、原点としては、やはり近いところで情報交換をお互いさせていただきながら、そして、我々行政がやっていることをしっかりと報道していただく、あるいは報道していただいたことに対してさまざまな御意見を寄せていただいたものを直接いただく、いわゆる情報交換をする。お互いのいい意味での関係というのが原点だったように思えるんですね。それがどこかでもたれ合いになっていたりとか、あるいは俗っぽい関係になっていたりとか、あるいはいわゆる御用聞きっぽいような関係になっていったりするのは望ましくはないと思っています。
 その部分において、やはり記者クラブ制度はどうあるべきなのか、お金の使い方以前に、私たちは報道していただく立場でございますから、ただ、フリーランスの皆様方からしてみますと、記者クラブの方だけが恵まれているという思いがあるのは十分承知をしています。私自身もメディアにいましたからそれはよくわかっています。ただ、これも私の領域だけでなかなか前に進むものではないんですけれども、問題意識は私は持っています。
(問)こんにちは、医薬経済社の槇ヶ垰(まきがたお)と申します。
 話は戻るんですけれども、先ほどの規制・制度改革の人選なんですけれども、秋から、前回から引き続きOTC薬のネット販売の規制について議論されると思うんですけれども、人選の中で専門性の高いものについて専門家が残る可能性があることを前回おっしゃっていたんですけれども、OTC薬のネット販売、そちらの専門家の方が残る可能性というのはどうなんでしょうか。
(答)ほとんどクイズみたいになってきたんですけれども、もう少しお待ちいただいたらちゃんと発表いたしますので。
(問)可能性はありそうですか。
(答)ごめんなさい、今詳細に覚えていないものですから。あと、それよりも規制・制度改革は、先週の閣議後の閣僚懇の席で、総理から経済対策も含めて前倒しをしてもらいたいという指示がありましたので、第1クールで閉じて、提案をしたものをもっと早く進めていくことができないかという作業も新しく入ってきましたので、今そっちも並行してやらせていただいているところです。
(問)それは要するに引き続きのものはスピードを早めるということですか。
(答)一度結果を得られたものでまとまったもので、経済成長に資すると私が判断したものは早目に進めていきたいと思っています。
(問)たびたびすみません、フリーランスの畠山ですけれども、先ほど記者クラブ問題について問題意識は持っているというふうに発言されました。代表選に出馬を表明されている小沢一郎さんと菅直人さん、記者クラブの問題についてより問題意識を高くお持ちなのはどちらの候補だと大臣はお考えでしょうか。
(答)2人のいわゆる選挙公約を見たわけでもありませんし、ただ、大変申し訳ない、優先順位をつけるつもりはありませんけれども、今のこの国が直面している状況、問題を考えたとき、最も議論を交わしてもらいたいところは記者クラブの前にちょっとあるのかなという気はいたします。
(問)日経新聞の原田です。
 今回の代表選で、小沢前幹事長が勝利して首相に就任した場合、1年間で3人目の総理大臣ということになると思うんですが、大臣は以前、3人目になれば解散総選挙が筋であるというふうな御趣旨の御発言をされたと伺っているんですが、その考えには今も変わりはないでしょうか。
(答)変わりません。
(問)フリーランスの小川裕夫と申します。よろしくお願いします。
 今の質問にちょっと引き続くんですけれども、もしですけれども、仮に小沢総理大臣が誕生した場合、蓮舫大臣に引き続きやっていただきたいと言われた場合は引き受けないということなんでしょうか。
(答)相当記者の皆様方は先を先を報道されたいと思っておりますが、まだ候補が出るかもしれませんし、どういう形の選挙になるのかも全くわからない段階で先の話はできないと思いますね。
(問)ちなみに、大臣が出るという可能性は。
(答)ないです。
(問)毎日の青木です。よろしくお願いします。
 小沢さんが代表選に出馬を表明ということなんで、民主党を二分するような戦い、これから可能性が出てきております。そうした中で、党一体となって取り組まなければいけない事業仕分け、今回の代表選が事業仕分けに影響があるのか、ないのか。そして、こういう代表選の中ですけれども、大臣としては事業仕分けをどのように進めていきたいか、その意気込みを聞かせていただきたいと思うんですが。
(答)なるべく代表選の日程による影響が出ないような形でこれまでも丁寧なスケジュールを組んできていますので、現段階で危惧しているような問題は特にはないです。
 また、ヒアリングも85名の仲間、議員が参加をして進めているところですけれども、当初予定していたよりも出席率も相当いいと思っています。関心が極めて高いし、やる気も持っていただいているので、問題の整理はこの3日間だけでも早くも出てきていると思っていますので、やはりチーム民主党の力が最も発揮されやすい仕分け第3弾にしたいという意気込みは変わっていません。
(問)フリーランスの上出です。
 同じく代表選の問題で、ちょっと先を聞いてしまうかもしれませんが、仮に小沢さんが当選をして、そして代表として仕事をするけれども、内閣はそのまま菅さんということはあり得る、あるいはそういう論議というものは皆さんの中でなさったことはあるのでしょうか。
(答)いわゆる総代分離ですよね。現実的じゃないと思います。
(問)というのは、どういう状況になっても菅さんがまた総理大臣が代わって、3人目に短期間でまたかわるということは国益にとってもよくないということはよく言われていますし、現実の国民の皆さんの声も菅さんがやってもいいんじゃないかと。支持率はそんなに高くなくても、続投に対しては結構高いという数字が出ているわけですね。いわゆる民意というものをどういうふうに民主党が今回受け止めるかということを、ちょっとしつこいんですがお聞きしたいんです。
(答)民意には最も敏感でなくてはならない私たちの党だと思っています。
 ただ、若干報道の軸足が反小沢か親小沢かというようなところがあるのは残念だし、そう見えてしまう民主党だとしたら、そこはこの代表選を契機に挙党態勢、挙党一致なんだという部分、政策論争で私たちは国民の生活をよくするんだという原点に帰るべきだし、そのための努力を私もしたいとは思います。
(問)何度もすみません、フリーランスの小川です。
 代表選の話はもういいので、事業仕分けの話をちょっとしたいんですけれども、枝野前大臣のときは、行政刷新会議という、事業仕分けが結構目立っていたんですが、それ以外にも実は政策グランプリですとかいろいろやっていらっしゃいまして、大臣になってから事業仕分けの話がメーンになり過ぎていて、ほかの政策がちょっと聞こえてこないなというのが実感でして、どうしても、これはちょっと民主党の意向なのかもしれませんが、ちょっと支持率が下がっているから目立つ事業仕分けで支持率を上げようということでそっちをクローズアップしているのかもしれませんけれども、ほかに大臣が事業仕分け以外で今後手がけたい、もしくはやっていきたいとか、今既に現段階で計画があるもの、もしくは大臣のまだ腹案としてあるものがあればちょっとお伺いできないかなと思います。
(答)大前提として、これまでも同じことをずっと一貫して言っていますが、支持率のために仕分けをしたことは一回もありません。これからもそうです。
 ほかの部分でというのはぜひアンテナを張っていただきたいと思うんですが、つい先日も行政透明化検討チームの中で、国民共有の財産である情報をどのように公開していくかという議論はこれまで6回チームの皆様と議論を重ねて、大臣試案を提案をさせていただきました。来年の通常国会をめどにこれは法案化を進めていきたい。ここへの思いは、枝野前大臣も大変強く思っておられましたし、民主党が政権をとったときに、やはり情報公開、今日こうやってこの場で本当にさまざまな政治に御関心を持っていただける立場の人たちが一堂に会してこういうふうな質疑をやらせていただくことも含めて、民主党でなければできなかったことがようやく進んできているんだと思います。この部分はまた仙谷官房長官、あるいは原口大臣と一緒にできることがあれば協力をしてさらに前に向かって進めていきたい、これは私も思い入れが強くあるところです。
 それと、財源なき成長、規制・制度改革、これもこれまでの政権時とは違って、ある種政務三役、特に副大臣、政務官に汗をかいていただいて、極めて短い時間でそれぞれの規制・制度のあり方を検証していただいて、どうやったら国民の皆様方にとってよりよい形で、経済の成長も含めて、あるいは雇用も生み出す形で新しい制度のあり方ができるかというのを第1クールでまとめてきたところで、ようやく第2クールに移ろうとしていますので、ここも私は力強く進めていきたいと思っています。
(問)今の総論的なものではなくて、何か各論で具体的なものがあればお伺いできればなというふうに思うんですけれども。
(答)例えば規制・制度なんかでいいますと、特に前原大臣もこの国の観光、日本をやはり外に開くという意味で外国人にたくさん来ていただけるような国づくりをしたいとおっしゃっておるので、そこであれば、例えば日本の古来の古い民家をホテルに変えることができるときに、今の規制のもとでは統一基準でフロントをつくらなければいけないとか、建築基準、さまざまな規制がかかっていますけれども、日本のよき姿を肌で感じていただくためにも、ここは制度をある程度撤廃していったほうがよりいい形で国土交通省を応援することもできると思っております。
 あるいは、医療ビザにおいても、これは仙谷官房長官の強い思い入れがありまして、外国の方に例えば人間ドックで日本に来ていただいて、そして医療を受けていただく。この国の医療技術の高さというものをお持ち帰りもいただけますし、世界の方々の健康をお支えすることを医療従事者、日本人の方たちが寄与できるというのは私は大変すばらしいことだと思っています。ここは厚生労働省、あるいは内閣官房、あるいは私の力で省庁を超えて規制を緩和して応援していきたいと思っています。
(問)今の観光の話なんですけれども、そうすると、今現在、日本経済はすごい円高基調になっていますけれども、そういうことに関するとちょっと観光は不利かなという気がするんですが、そのあたりは。
(答)短い期間で見たらそうでしょうけれども、観光は短い期間で考えていませんから。

(以上)