蓮舫内閣府特命担当大臣記者会見要旨 平成22年6月18日

(平成22年6月18日(金) 10:37~10:54  於:第4合同庁舎6階605会見室)

1.発言要旨

 おはようございます。
 今、閣議、閣僚懇が終わりまして、閣議において私からは、「国民の声集中受付月間」において提出された提案等への対処方針、それと「職員の声」に寄せられた意見等に対する措置の方向性について御報告を申し上げたところでございます。あとは、お手元にお配りした資料を是非御参考ください。
 閣議に続いて行われた閣僚懇におきましては、事業仕分け等、事業の横断的見直しについて、徹底して各府省で行っていただきたいというお願いと、それと併せて行政事業レビュー、この更なる充実、公開プロセスは終わったところではございますが、各府省所管のすべての事業において、引き続きレビューを行っていただきたいというお願いをしたところでございます。
 その上で、今日は、私のほうから、これまでの仕分け結果を受けて、刷新方針といいますか、各府省において予算に反映させるために行っていただきたい取組を、具体的に提案させていただきたいと思います。今日も、公益法人においては横断的見直し並びにレビューにおいての徹底した取組を各府省にお願いいたしましたが、具体的にこれから23年度の概算要求に向けて、閣僚の皆様方にお願いしたい方針を御提案いたします。
 独立行政法人、独法に関しては、既に枝野前大臣のときにお願いしているのですが、2つ。とにかく「溜まり金」を徹底的に精査していただいて、不必要と思われるものについては、国庫に納付していただきたいと思います。2つ目は、組織の見直し・制度改革、これを行ってまいりたい。
 独法の「溜まり金」につきましては、利益剰余金等の形で各独法にたまっている資金、いわゆる内部留保なんですが、この内部留保については算定基準を民間企業並にしていただき、再精算をお願いしています。その結果、7月末を目途に国庫納付する金額を算定していただき、行政刷新会議に報告してもらおうと思っております。その結果は、23年度の当初予算以降の歳入に計上してまいります。独法の利益剰余金、内部留保が幾らぐらいあるのか。そのうち国庫に納付する額が内部留保より少ない場合には、その理由についても説明していただこうと思っています。
 次に、組織の見直し・制度改革ですが、これは抜本的組織の見直しで独法の制度の刷新を行ってまいりたい、そのお願いをしていきます。組織の見直しの検討に当たりましては、法人の縮小や廃止そのものを目的とはしていません。真に必要な事業が効率的に実施されるための組織のあり方について考えてまいりたい。国家公務員制度改革の議論の経過を踏まえつつ、雇用の問題等には十分に配慮していきたいと考えています。独法の業務は、すべてにおいてゼロベースで見直しと「選別」を行ってまいります。行政刷新会議においては、独法の業務の全容を検証しまして、その結果に基づいて見直しの基本方針を年内に策定してまいりたいと考えています。その後に、制度的課題の整理・検討を行いまして、制度的課題は併せて年度内を目途に詳細設計を行っていきたい方針です。
 政府系の公益法人については、幾つかお願いしたいと思います。まずは、政府、発注者側の条件、国費を支出するためのあり方を見直ししていただきます。政府が公益法人に対して公費を支出する事業においては、事業を所管する各府省庁は、そもそもその事業が必要かどうか、ゼロベースで見直しを行っていただきたい。国民にとって真に必要なもの以外は、廃止する方針で見直しを行っていただきたいとお願いします。この結果は、8月を目途に行政刷新会議に報告していただきたいと考えています。
 次に、指導監督の徹底。指導監督の実行は、今も行われているのですが、なお厳格に徹底していただきたいと思っています。特に、国家公務員のOBを含む役員の数あるいは給与水準について、法人の事業の規模や内容から適切かどうかというのを基準に考えていただきたい。あるいは、国費を受け入れての事業が、実質、公務員OBの人件費、給与等のねん出のために行われていないかどうか、そこは厳しく検証していただきたいと思っています。所管省庁は、不要、過大な資産等につきましても、8月末を目途に精査し、国庫納付を要請したいと思っています。
 次に、地方自治体からの負担金については、ゼロベースで見直ししていきたいと考えています。地方公共団体が国所管公益法人に対して負担している負担金について、法人所管省庁は、7月末を目途に、網羅的にこれはリストアップして公表していただきたいと思っています。そのとき、負担の法的根拠があるもの、負担の法的根拠がないものも、リストアップしていただきます。法的根拠がない負担金につきましては、もともとこれは法的根拠がありませんので、8月末までを目途に、義務ではないことを地方自治体に対して改めて確認を行いたいと思っています。そのために必要に応じて、義務ではない上に、義務のように思えてしまうかのような通知・通達があったとすれば、その拘束力についても見直しを行っていきたいと思っています。
 あとは、地方自治体が構成員となって基本財産を出えんしている団体もあるのですが、現段階において、地方公共団体において真に必要かどうかを、構成する地方公共団体に8月末を目途に再確認していこうと思っています。
 4番目は、権限付与の抜本見直し。法律等によって指定されて権限が付与されている、いわゆる指定法人についてなのですが、法人所管の各府省庁は、これはゼロベースで見直しを行っていただきたいのですけれども、そのときの観点としては、指定の根拠が何かをまず明らかにしていただきたい。法律なのか、政令なのか、省令なのか、通達なのか、そこをまず整理してリストアップしていただきまして、特に法令では複数の指定が可能な形式となっているのですが、通達などによって特定の法人が、実質上、指定されているケースがあります。これは、事業仕分けのときにも、例えば全日本交通安全協会の免許更新のときの教則本、あるいはパイロットなどの身体検査、これは実質上、複数の受けることが可能な民間もあるにもかかわらず、通達等によって縛られていたという事例がありますので、こうしたことがほかの法人にもないかを洗っていただきたいと思います。そもそも権限や資格自体が今なお必要かどうかも含めて検証していただいて、8月末を目途に行政刷新会議に報告していただこうと思っています。「指定」や「登録」の根拠の規制が必要かどうかというのも、併せて見直しを行っていきたいと思っています。
 次に、5番目として、第三者分配型助成事業、あるいは助成対象法人の見直しを行ってまいりたいと思います。公益法人が公益法人に対して助成を行う場合、所管府省庁はその事業が真に必要かどうか検証するほかに、本当に当該公益法人が分配する必要がある事業なのかどうなのか、分配されることによって事業の目的が変質してはいないかをチェックしていただきたいと思います。助成金の有無、あるいは国家公務員OBの在籍が密接な関係にないか、これは特に厳しく見直しを行っていただきたいと思っています。密接な関係にあると認められる場合には、天下りや役員報酬の是正、助成金の凍結を含めた抜本的な見直しなど、指導監督を強化していただきたいと思っています。
 特に、事業仕分けのときに大変な関心をいただきました2つの点に、個別に具体的な見直しを行いたいと思います。これは、私は行っていただきたいと思っています。1つは、「宝くじマネー」の透明化、それにかかわる公益法人の整理は、私は行っていただきたいと思っています。もう一つは、公益法人が行う公営ギャンブルの見直し、これもやはり国民の関心が高いと思っておりますので、ここも不断の見直しを行っていきたいとお願いします。
 最後に、その他なのですが、政府系公益法人についての新制度への移行でございますが、今お話ししたさまざまな点においての見直しの状況を踏まえて対応してまいりたいと思います。
 なお、昨日、視察、現地調査にも伺いましたが、政府系公益法人以外については速やかに新認定を受けていただくための申請を行っていただきたいと、改めてお願い申し上げます。
 国費による事業が、実質上、一社応札になっている場合があるのですが、その場合、全国で唯一指定されている法人、あるいは行政との関係がほかの政府系公益法人と比べて密接な法人、国への依存度が高い法人については、国との関係を再整理し、新たな枠組みの可能性においても、これは整理してまいりたいと思います。
 なお、その他の最後に「※」において、現時点における政府系公益法人の幾つかの条件、7項目を掲げておりますので、これもチェックしていただければと思います。
 以上です。

2.質疑応答

(問)現在、大相撲の野球賭博の関連で、力士や親方などが賭博に関与していたということでだんだん問題が大きくなっておりますけれども、今、来月の名古屋場所も、かなり開催を危ぶむ声も出ているようですが、率直にこういった事態をどのように御覧になっているのかということと、公益事業としての日本相撲協会という側面もあるわけですけれども、今後、協会自体を仕分けの対象にしたり、あるいは何らかの事業の見直し等のお考えはありますでしょうか。
(答)まず、率直な感想としましては、公益法人に対する信頼を著しく低下させたと思って、非常に残念だと思っています。遺憾だと思っております。
 ただ、一義的には所管省庁、文部科学省の指導監督をさらに徹底して、公開するべきものは公開し、問題がある部分は整理して、情報公開を徹底的に行って、国民の公益法人への信頼回復には取り組んでいただきたいと思っています。
(問)現段階で、既に仕分けの対象として検討するということはありますでしょうか。
(答)仕分けの前に、一体何が問題なのか、次から次へと明らかになっているものですから、また、ちょっと想定しがたい事態が次々と出てきているものですから、文科省がまずは指導監督を徹底していただきたいと思います。
(問)昨日、菅総理大臣が、政権公約の発表に絡んで、自民党側が掲げている10%の消費税を参考にするという発言に踏み込んだのですけれども、この発言自体を大臣は、大臣としてでもありますけれども、参議院選挙を戦う政治家としてでもありますし、そういった立場からどのようにお受けとめになっていらっしゃいますでしょうか。
(答)候補者としてのコメントは適切ではないと思いますので、大臣として思うことは、まず私の役割は、税金の浪費を徹底的に洗い、正す、改めるという役割ですので、私はこの事業を推進してまいりたい。
 ただ、その上で同時並行的に将来の税制改革がどのような形になるべきか、消費税を何%まで持っていくのかという議論を進めることは、私は決して違和感があるものではないと思っています。その際において、特に自民党から具体的な数字が上がっているものであれば、同じ土俵に立てれば与野党が政策論争する上で、極めて前向きな一歩になるのではないかと思っています。
(問)現段階で、世論調査などをすると、消費税に対して前向きな有権者も増えてきていると思うのですけれども、このタイミングでこういった争点を掲げて選挙を戦われること、大臣だけではなくて、選挙が行われることについて、有権者は理解すると大臣自身は思いますでしょうか。
(答)理解していただく努力を、まず菅内閣全体となって行わなければいけないと思っています。また、特に、選挙というのは国民の声を聞く、国民に問うべきものでありますので、そのときに掲げる公約というのはとても大事だと思っています。特に、税制において今後の方針については、選挙が終わった後に打ち上げるというのが、残念ながらこれまでの政権では幾つかありましたので、それはあってはならないと野党時代から私たちは言っておりましたので、今回の菅総理の姿勢というのを、私は一定程度、評価しています。
(問)今日、成長戦略が閣議決定されたと思うのですが、これをどう評価されるかお聞かせいただけますか。
(答)成長戦略は、もう私たちはとにかく力を入れて取り組んで一つの形にしたものでございますので、ぜひ多くの方々に御評価いただき、御議論いただき、国民的関心を高めていただきたいと思っています。
(問)大相撲に戻ってしまうのですけれども、現段階で公益法人としての認定取り消しとか、そういったことを考えていらっしゃるかというのと、新制度へ移行のときに、また新たに申請された場合、どう対処されるのかというのをお聞かせください。
(答)先ほどと同じ答えになるのですが、所管省庁の御判断というのを最優先するべきだと思っています。
 ただ、認定取り消しありきで議論するのではなくて、一体何が問題であって、公益法人としてどこに内部で問題があってこういう形になっているのかという徹底した検証は、情報公開の下で行うべきだと思っております。その結果がどういう形になるのかは、文部科学省、文部科学大臣の御判断になってくると思っています。
 新たな公益認定があるかないか、現時点でまだございませんので、私のほうから先走って言うのは適切ではないと思っています。
(問)独法制度の見直しについて、年内に中間報告、年度内をめどに最終報告というふうなことが書かれていると思うのですが、ということは、関連法案は来年の通常国会に提出する方向で検討していると受け止めてよろしいのでしょうか。
(答)制度設計を見直ししている上で、事業仕分けで出た論点以外の新たな論点、あるいは国家公務員制度改革と併せて議論していく上で、ほかの課題というのも当然出てくると想定しています。その部分では、最終的には前大臣がお約束していたように、あと3年あるわけなので、その3年間の中で形を出していきたいと思っています。

(以上)