玄葉内閣府特命担当大臣記者会見要旨 平成23年1月14日

(平成23年1月14日(金) 10:18~10:43  於:内閣府本府5階522会見室)

1.発言要旨

 おはようございます。
 本日の閣議では、辞表の取りまとめがなされたところでございます。
 総理からは、補正予算の成立を始め、前向きな予算編成ができて大変感謝しているというお話をいただいたところでございます。より強力な態勢をつくり上げるために、本日、内閣改造と党役員人事を行いたいというお話が閣議の中でございました。
 私からは、この間の7カ月を少し振り返りながら、簡単にこの間の経緯をおさらいしたいと思います。昨年6月7日に政策調査会長に就任させていただき、そして、6月8日に兼務という形で、公務員制度改革担当大臣、そして少子化対策、男女共同参画、「新しい公共」担当の国務大臣に就任いたしました。これが9月17日まで続いたわけでございます。この間、特に政策調査会を立ち上げるということに、主にエネルギーを注いだと記憶しています。また、政調会長として参議院選挙を戦い、同時に、終わった後の総括を政調としてさせていただいた。さらには、概算要求がありましたので、組替え基準についての提言をまとめ、同時に、予算編成に関する閣僚委員会の1人として、あるいは政調会長兼務の国務大臣として、積極的に参画をさせていただき、閣議決定を行ったところであります。
 9月17日に発足した菅改造内閣で、今度は国家戦略担当大臣兼務の政調会長ということで、併せて「新しい公共」の内閣府特命担当大臣となったわけでありますが、特に最初に補正予算の取りまとめの指示が総理からございまして、私のほうから他党も含めて御意見をいただきしつつ、民主党としての提言を取りまとめて政府に提出し、それらについての閣議決定もいたしました。
 また、特別枠要望については、議長という立場で評価会議において政策コンテストを行い、また実際に評価を行ったということでございます。これはさまざまな評価があるかもしれませんけれども、恐らく自民党政権下では、それぞれの省庁と主計局の間で、事実上、すべての査定がなされていたようなところがあったかと思いますけれども、正に国家戦略室で、あるいは国家戦略担当大臣として査定がなされたという意味では、一つの大きな前進だったのではないかと思います。
 さらには、補正予算の閣議決定がなされ、「新しい公共」についても、推進会議を立ち上げて初会合を開いたのが10月27日であり、また、EPA、包括的経済連携に関する基本方針も取りまとめました。これについては、党で激論があったわけでありますけれども、御案内のとおりの内容で取りまとめが行われたということでございます。併せて、食と農林漁業の再生推進本部、更には実現会議を設立し、それぞれ経済連携に関するいわば司令塔役、同時に、農業についても、農林水産大臣と並びで事実上の責任者の1人となったわけでございます。
 12月に入りまして、予算と税ということになりまして、それぞれ民主党として提言をまとめ、政府に提出をしたところでございますし、子ども手当、あるいは一括交付金を始め、鉄運機構の問題もそうだったのですけれども、それぞれ表に出たか出なかったかはともかく、内々、調整を行って、スムーズに予算編成、また税制改正もできたのではないかと思います。少しスムーズ過ぎたのではないかとも言われましたけれども、大体、当初考えていたとおりの、与えられた条件の下では、私はベストな予算、税であったと、今でも考えております。
 さらには、暮れも押し迫って、地球温暖化の問題について、いわゆるイノベーションというものをキーにした戦略的再構築を主要3政策について行うということを以前から申し上げていたわけでありますけれども、当初考えていたとおりの戦略的再構築ができたと考えておりまして、これを取りまとめたのが12月28日でございます。
 総じて、最初の3カ月は政策調査会、政調会長としての役割、もっと言えば政調の立ち上げということにエネルギーを注ぎ、その後は国家戦略担当大臣兼務ということになりましたので、今度は国家戦略室を立ち上げ、フル回転させる、ワークさせることにエネルギーを注ぎ、同時に、予算と税制をしっかり取りまとめようということで努力してきたところでございます。自分としては、一定の役割を果たせたのではないかと考えているところでございます。
 私からは以上でございます。
 皆さんも、いろいろ御協力ありがとうございました。

2.質疑応答

(問)冒頭の御発言にあったように、今日、内閣改造、党役員人事がありますが、最初に確認ですが、総理から大臣に再任の連絡があったかどうかということをお願いします。
(答)聞くところによりますと、留任の方には連絡がないということのようでございます。ただ、私には8時半に総理から連絡がありました。
(問)大臣は閣僚ポストと党のほうのポストも兼ねられているわけですが、両方の再任という連絡でしょうか。
(答)引き続き、国家戦略担当大臣ということでございました。
(問)政調会長のほうもでしょうか。
(答)それは、特に触れていませんでしたが。
(問)今回の内閣改造では、政権の重要な役割をこれまで担ってきた仙谷官房長官が閣内から去られることになるかと思うのですが、今後の政権運営や閣内の政策調整への影響について、大臣はどのようにお考えでしょうか。
(答)人事そのものは、これから正式に閣僚の呼び込みがあるということですから、今の段階でどこまで触れるのが適切かということは、率直に言ってあろうかと思います。
 ただ、巷間言われている方々がそれぞれお入りになるということであれば、いずれにしても、意思疎通をよくしないといけないということは強く感じております。それは、新しい官房長官にせよ、あるいは税と社会保障に関係する大臣、あるいは経済財政に関係する大臣にせよ、そういった方々とコミュニケーションをしっかりとらないといけない、そこに気を配らないといけないという思いを持っています。
(問)次期内閣においては、税と社会保障の改革が重大なテーマになっていて、昨日、総理も党大会で強くおっしゃっていましたが、今後、与謝野議員が入ってくることによる役割分担についてのお考えがあればお聞かせください。
(答)これについては、もし聞いていただけるなら、次の記者会見で聞いていただくほうが、やはり適切なのだろうと思います。まだすべてが固まったと私は聞いておりませんし、官房副長官の人事などもあるかもしれないとも聞いておりますし、そういったすべての状況が定まってから、どういう形で役割分担を考えていくべきなのかということを検討したほうがよいのではないかと考えております。
(問)党大会、両院議員総会等々で、マニフェストの実行状況等、いろいろ厳しい声も一部にあったかと思いますけれども、今日は改めて節目ということで、これから御自身が取り組まれるべき重点課題について、そういった声を踏まえてどのようにお考えかをお聞かせください。
(答)マニフェストの見直しについては、マニフェストの総点検ということで、党大会で幹事長が提起されて、党大会で了承されたということは、非常に重いと思います。
 マニフェストを変えるなら総選挙をやれという声が一部にございますけれども、私は違うと思います。100%変えるなら、それは考え方としては正しい。ただし、基本的な理念、基本的な考え方というものを変えずに、それぞれマニフェストについて総点検し、優先すべきこと、先延ばしすべきことを決めるということは、私は当然、政権政党になればあって然るべきだし、むしろそうあるべきだと考えております。
 したがって、そういったことをしっかりと整理できるような態勢をどうつくり上げるべきかということも、人事も含めて、今、考えているところでございます。
(問)態勢というのは、党のほうもありますけれども、政府のほうでも何か考えられているのでしょうか。
(答)蛇足になるかもしれませんけれども、メディアにオープンではなかったので残念だったのですが、昨日の各県連の幹事長の会議、あるいは地方代議員会議の答弁の6割は私がしたと思いますけれども、皆さん、相当理解してお帰りになられたと思います。マニフェストで約束したことのうち、かなりの程度はやっています。やっていないことがどうしても目立つので、そういう報道になりがちです。総理はしっかり自信を持ってというお話をされましたけれども、よくよく考えてみると、しっかりやっていることはやっている。子ども手当にしろ、高校の授業料の無償化にしろ、求職者支援制度にしろ、あるいは介護職員の待遇改善にしろ、あるいは診療報酬を10年ぶりにアップしたというのもそうでございますし、あるいは不妊治療の助成の拡大をしたり、出産一時金を引き上げたり、約束したことはやっています。そういったこともきちんと整理して、やはり自信を持って訴えるべきところは訴えていかないといけない。その上で、16.8兆円の財源というのが十二分に見出せないということがしっかり見極められるということであれば、それを隠して嘘を言ってはいけない。やはり正直に、誠実に、しっかり整理をした時点で謝るべきは謝って、再出発するということが大事であって、基本的な理念、基本的な考え方が変わらなければ、マニフェストは金科玉条で絶対に変えてはいけないというものではありません。
 私は、マニフェスト運動を始めた1人であります。議連の会長、共同座長の1人でもありました。そもそもそういうことで始まったわけでありまして、そこを一切変えてはいけないということでは、日本の将来のためにむしろならない。状況が変化している以上は、世の中の状況そのものが変化しているわけでありますから、そういったことを一定程度、踏まえていく必要がある。同時に、税収については、元々のマニフェストの前提と実際の税収が大きく乖離したわけです。37兆円からスタートしなければいけなかった。そういう現実も、やはり踏まえないといけない。もっと言えば、マニフェストに書いてあることを、着実に少しでも前進させることが大事であると同時に、書いていなかった新たな課題ということについても実現していく責務が政権政党にはあります。それはすなわち、新成長戦略の実現であったり、あるいは社会保障のより具体的な姿を描き、同時に、それに対応する税制の抜本改革を行うことです。
 ただ、前提となるのは、国会経費や、あるいは公務員に関する経費を削減するということでありますけれども、そういったことを前提にしっかりと、いつも申し上げているように、次の世代、あるいはその次の世代に豊かさを引き継ぐための責務を果たすために、困難な課題に立ち向かっていかなければならないと考えております。
(問)今回の人事で、枝野幹事長代理が官房長官になったとか、仙谷官房長官が代表代行とか、また、今度、野党の与謝野議員を取り入れたりとかしていますけれども、全体の印象からすると、同じメンバーで回して、かつ、野党から、つまり、民主党の中に人材がいないのではないかという懸念があるのですけれども、民主党の人材不足かどうかという、この辺の認識というのはどのようにとらえていますか。
(答)人事が本当に定まってから、きちんともう一回聞いていただければお答えいたしますけれども、やはり人材は、私はたくさんいらっしゃると思います。ただ、得手不得手とか、あるいは適材適所というのがあると思いますし、当然、総理との相性というのもあると思います。やはりこういうのは間合いとか呼吸とかというのがすごく大事な世界ではないかと私は考えております。
 ですから、今回、政策調査会もよくワークしたと思っておりますけれども、それは人材がたくさんいるから回ったということでもありますので、決して人材がいないということではないと思います。
(問)基本的には、政策調査会の幹部の人事というのは、例えば会長代理、あと筆頭副会長レベルは代えないというお考えですか。
(答)これは、まだ正式に私も話を聞いておりません。今日、もう1回会見があると思いますので、是非、そこで聞いていただければと思います。
 ただ、私自身は、今の政調幹部の方々は、本当によく頑張ってくださっているし、能力も高いと思っております。さらに、仮に政調会長を続投ということであれば、更なる人事を考えなければいけないと思います。内閣と入れ代わりがあったりしますし、新たな課題にどう対応するかということもありますので、そのあたりを今、考えているところでございます。
(問)今回の人事で、仙谷官房長官が代わることが確定的で、馬淵国土交通大臣も代わるということで、結果的に問責が可決された閣僚が代わるということになりますけれども、その場合、今後、同じように問責が出されて、それが可決された閣僚が前例となって、問責イコール閣僚の交代につながるという懸念がありますけれども、この参議院での問責の扱いについて、大臣のお考えがあればお聞かせください。
(答)参議院の意思は重い、ただし法的拘束力はない。こういうことだと思います。
 問責が出れば交代するということでは、衆議院の優越を定めた憲法の想定を超えている。こういうことを慣例にしてはいけないと思います。
(問)野党から内閣に入られる与謝野議員という政治家をどのように評価されるかということと、あと、民主党の経済政策をかなり厳しく本でも批判をされていた与謝野議員の過去については、どういうふうに思われますか。
(答)これも、後で聞いてもらったほうが本当はよい質問ではないかと思いますが、内閣に入るか入らないかは別として、与謝野議員という方をどう思うかということでの質問であれば、私は、与謝野議員という方はとにかく日本の将来に対する危機感を強く持っておられて、困難な課題を解決するための時間を気にしておられるということなのではないかと考えております。
(問)小沢元代表の問題ですけれども、岡田幹事長が要求している政倫審出席についての回答期限については、どうなるかわからないのですけれども、もし小沢元代表が出席しないということであれば、離党勧告なり処分というのはすべきかどうか、その辺はどうお考えでしょうか。
(答)これもですね、これからの問題だし、いつも申し上げていますけれども、私は、挙党一致というのは代表、幹事長の下で党がまとまるというのがあるべき姿だと思っています。ここが、多分、大きな違いなのだと思うのです。つまり、代表選挙があったわけです。代表選挙があって、代表選挙で決着がついて、その決着がついた勝者の下でまとまるということが、挙党一致のあるべき姿だと。いずれにしても、そういうことではないかということだと思います。

(以上)