玄葉内閣府特命担当大臣記者会見要旨 平成22年12月7日

(平成22年12月7日(火) 11:15~11:36  於:内閣府本府5階522会見室)

1.発言要旨

 おはようございます。
 私のほうからは特にはございませんけれども、本日の閣僚懇では、農林水産大臣から鳥インフルエンザについて、早期の封じ込めに全力を挙げた結果、すべての防疫措置が完了したということで御報告がありました。気を緩めることなく、発生予防等に全力を挙げてまいりたいというお話でございました。
 また、昨日、国民新党の亀井亜紀子政調会長から私のほうに、予算に対する要望がございました。連立パートナーであるわけでありますから、しっかり検討して、でき得る範囲にはなりますけれども、取り込んでいく努力をしたいとお伝えさせていただいたということでございます。同時に昨日、社民党と党首会談があったわけでありますけれども、予算編成においても御意見をいただきたいという旨の総理の発言がありました。それを受けまして、私のほうでは、元々、国民新党と社民党で定期的な政策協議をされておられたということでございますが、そこに城島政調会長代理が入って、場合によっては政府のほうも入って予算に対する要望を聞いていくということを考えております。今週中には開かれることになると思います。
 以上でございます。

2.質疑応答

(問)予算の話で2点お尋ねします。社民党、国民新党から意見を聞くということですけれども、今後、他の野党からも、来年度予算編成に当たって御意見を聞くお考えがあるのかという点と、話は変わるのですが、子ども手当をめぐって、7,000円の一部上積みを決めたのですが、それを圧縮することを検討しているという報道に関して、その検討状況をお聞かせください。
(答)後者のほうから申し上げますけれども、先日、子ども手当関係5大臣会合では、財源見合いで子ども手当について0歳から3歳未満まで7,000円を目安に上積みするということでございまして、それは全く変わっておりません。当然ながら、一定の財源の見当がついているから、そういう結論を出したわけでございますので、変わっておりません。
 そして、1つ目の質問でありますけれども、他の野党という話でありますが、まずは少なくとも今週は国民新党、そして社民党の意見を伺うというところから始めなければならないということでございます。他の野党からも、そういう御意見を伺う機会があれば、私としては伺いたい気持ちはございます。
(問)子ども手当の財源に関連してですが、いわゆる候補の一つとして登場している配偶者控除に対する所得制限について、昨日、民主党から出された各種提言の中で、一方では検討する、一方では慎重に対応すべきと、相反する見解が示されていたわけですが、外から見るとちょっとわかりづらいこうした状況に対する大臣の御見解と、配偶者控除の見直しに関する大臣の御見解を改めてお尋ねできますでしょうか。
(答)今の質問はごもっともだと思いますけれども、元々、子ども手当については2万6,000円を支給する、あるいは2万円以上支給するということで、財源は何かといえば、配偶者控除も含めたありとあらゆる控除の見直し、もっと言えば廃止によって財源を捻出するということをマニフェストに書いていたということがございます。
 ちなみに、配偶者控除を廃止することで、国税と地方税を合わせて1.1兆円の財源が捻出できるということがございますので、まずその議論をきちっとすることが私は筋だと思っていましたし、議論をするという意味では今でもそう思っております。
 そういう中で、正に民主党の子ども・男女共同参画調査会ではそういう議論をしてきたし、いわば予算の提言の中では、配偶者控除も含めたすべての控除を見直すということが前提で子ども手当の2万6,000円があると謳っています。でも、これまでの議論の経過を私もその都度聞いておりますけれども、すべての控除を廃止するとか見直すということは、現実にはなかなか難しいという結論に事実上なってきているということではないかと思います。
 一部上積みをいたしますが、それは0歳から3歳は若い親が多くて、生活も大変だと、所得が少ない人が多いというのが理由ですけれども、もう一つの理由は、いわゆる手取額の逆転現象が確かに生じます。ですから、それを解消することがベースにないといけないということで、子ども手当関係5大臣会合の結論になったということでございます。
 一方、民主党の税制改正PTでは、正に先ほど申し上げたように、配偶者控除すべてをなくすということはなかなか難しいのではないか、もっと言えば所得制限がおかしいのではないか、つまりは民主党の税制改正PTの書きぶりをきちっと注意深く読むと、一言で言えば配偶者控除をなくすということに反対だと言っているわけではありません。やるならゼロか100にしてくれと、すべて廃止するか、全く残すかにしてくれという結論だと思います。
 その理由は、元々、配偶者控除というのは、働き方に中立であるべきだという考えがあるからです。配偶者控除をなくしなさいというところから元々出発してきました。ライフスタイルも多様化して、これからそれこそM字カーブを解消して、女性の就業率を高めなければいけないという状況の中で、本当にその途中で切っていいのかという議論だったと思います。
 ですから、私は、そういうことを踏まえながら、民主党の考え方を伝えていかなければいけないなということでございまして、よく注意深く聞いていただきたいのですが、あのときから私が何と申し上げていたか。子ども手当関係5大臣の会合のときに財源をどうするのかと言われたときに、配偶者控除について議論することは来年以降のためにもすごく大事です。配偶者控除のみならず、そのほかの項目も含めて幅広く議論するということを間違いなく申し上げているはずでありまして、あの段階ではそういう言いぶりが私なりに適当かなと思って、あのような言い方をさせていただいたということでございます。
(問)確認ですけれども、7,000円を目安にした上積みというのは、7,000円より下がる可能性があるのかということと、上積みの実施は来年4月からなのか、それとも6月以降に、財源の見合いでスタートが遅れるのか、その辺いかがでしょうか。
(答)財源の見合いでスタートが遅れるなどというようなことは考えておりません。そして同時に、基本的に先ほど申し上げた0歳から3歳未満で7,000円が目安というのは全く変わっておりません。
(問)4月からの上積みを予定ということですか。
(答)これはちょっと技術的なことなので、いつからになりますか、場合によっては確認しますけれども、時期的には元々6月支給です。これは事務的な話だと思います。
(問)昨日、総理が午前中には社民党と会って、夕方の会見では社民党との連携を強調されましたけれども、今年の5月には普天間の問題があって社民党が離脱したばかりで、外交・安保でこれだけ民主党と差がある中でどういう連携が望ましいとお考えになっているのか。また、本当に根本的に社民党と連立までを目指すべきなのかどうか、果たしてそれができるのかどうか、そこら辺どういうふうにお考えでしょうか。
(答)安全保障の面を考えれば、連立というのはなかなか厳しいのではないかと私自身は考えております。ただ、以前も申し上げましたけれども、局面打開、つまりは政権を安定させる、政権運営を安定させるための局面打開というのは、いろいろな選択肢があるのだろうと思います。
 様々な選択肢を選択でき得るようにするために、今まで連立を組んでいた国民新党は当然のこととして、社民党との連立合意もあったわけですから、特に予算については、補正予算も賛成をしていただいた経緯があるわけですから、そういった予算に対する要望をお聞きする、様々な将来に向けての選択肢を広げておくということは、私はあっていいことだと思っています。ただ、それが即連立だとか、そういう話に直接つながるような話ではないのではないかと考えております。
(問)本予算を通したいがために、ほかの部分について社民党に対して妥協を強いられることにならないですか。
(答)昨日も普天間の議論がございましたけれども、総理はあくまで5月28日の日米合意を踏まえて、これからも進めていきたいということを繰り返しおっしゃっていました。
(問)先ほどの子ども手当の財源の関係で、配偶者控除のみならずその他の項目も含めて幅広く議論するとおっしゃいましたけれども、相続税の見直し分を財源に充てるという報道が一部でありますけれども、控除ではなく相続税そのものを財源に充てるということに対してどうお考えなのか、教えてください。
(答)様々な選択肢があり得るだろうと思っております。
(問)菅政権発足から半年を迎えますが、この半年の所感を国家戦略担当大臣として、政調会長として、二面からお答えいただければと思います。
(答)半年ですか、こういうことを話し出したら切りがないような気もいたしますけれども、一言で言えば、もどかしいという思いは総理御自身も持っておられたと思いますし、私自身もそういう気持ちはございます。恐らく20年来自民党政権がやろうと思ってもできなかったことを何とか突破したいという思いで臨んでおられた。静かに大きな改革が進んでいるところが私はあると思っています。例えば、一括交付金、これは霞ヶ関の人員を大幅に少なくすることにつながります。霞ヶ関改革に確実につながる話でありますし、地球温暖化対策税を導入するというのも画期的な話になります。
 同時に、ハイレベルの経済連携に踏み出して、農業対策もこれまでよりもかなり踏み込んで、幅広く展開をし、実現をしよう、つまり足腰の強い、持続可能な農業、農村にするために大きく展開をしようということは、今まで自民党政権がやろうと思ってもできなかった。だけれども、我々は実はやっている。やっているのですが、残念ながら政局の陰に隠れてしまうというもどかしさというのは、私もありますし、恐らく総理もおありではないかという気がいたします。
 同時に、政策調査会自体は様々な評価はあろうかと思いますけれども、政策調査会を新しく立ち上げて、私はまあまあ順調に来たのではないかと思っております。去年の税調などは、10人とか20人しか最後は出席しなかったと峰崎参与から聞きました。今年は百数十名の議員が夜8時からの会議に出るというくらいの状況であります。
 それぞれの提言について、100%とは言いません。また、先ほどの質問にあったように、一部若干方向感が違うのではないかというような提言も一部出てきたりしますけれども、最終的にこちらで判断できる材料というのは、ほぼ揃えていただいておりまして、また同時に多くの人たちがそれだけ参加をしていただいているということから、私は政策調査会はまあまあ思っていたとおり回っていると思っております。
 また、国家戦略室については政治主導法案が通らないことがとても残念でありますけれども、一方、総理大臣指示という体制の下で、例えば経済連携についての基本方針を正に国家戦略室中心にまとめる、あるいは今後も経済連携について、特にハイレベル経済連携についての司令塔になるということになりましたし、今回、予算とか税についても、特に予算編成の基本方針をしっかりつくるということでございます。
 さらに、松本環境大臣がカンクンから帰ってこられたら、地球温暖化の問題についての調整を本格的に開始をしたいと思っております。元々、現状の守備範囲の中ではフル回転できているのではないかと思っておりまして、まだ気が早いですけれども、新たな戦略課題という設定の問題も今、内部では浮上しているという状況でございます。
(問)冒頭の予算要望の件ですが、国民新党については、しっかり検討して、できる範囲で取り込む努力をすると、社民党はこれからお話をするということですが、そもそも論として話を聞き入れる余地はおありなのか、おありでしたらどの程度反映させていくのですか。
(答)昨日も申し上げたのですけれども、既に例えば主要政策とか予算の主要項目については発表しているものもあれば、内部では大分詰まってきていたり、調整済みのものも相当出てきているものですから、どこまで取り入れられるかということはあろうかと思いますけれども、でき得る範囲で取り入れていこうと思います。
 ただ、連立パートナーの国民新党とは、やはり他とは少し温度差を持って接しないと、逆に連立パートナーに失礼ではないかという思いでおります。

(以上)