玄葉内閣府特命担当大臣記者会見要旨 平成22年9月10日

(平成22年9月10日(金) 10:29~10:38  於:内閣府本府5階522会見室)

1.発言要旨

 おはようございます。
 本日は、閣議の前に2つ会議がございました。一つは経済関係閣僚委員会、もう一つは沖縄政策協議会です。
 経済関係閣僚委員会は、本日の閣議で決定された「新成長戦略実現に向けた3段構えの経済対策」について議論を交わし、最終的な確認をしたということです。
 そして、沖縄政策協議会については仲井眞知事も出席されて、沖縄の振興と基地負担の軽減について協議の場を正式につくったということです。
 その後、閣議がございまして、先ほど申し上げた経済対策について閣議決定がなされたところです。
 なお、この「新成長戦略実現に向けた3段構えの経済対策」というのは、正に3段構えと銘打っておりますように、そこに一つの特徴があると理解をしていただきたいと思います。
 1段目としては、まず予備費9,200億円を活用して、正に機動的な対応をする必要があるだろうということで、今回は特に低炭素型の工場立地に対する助成の積み増し、あるいは要件緩和とか、家電エコポイントとか住宅エコポイントの拡充とか、あるいは病院の耐震、学校の耐震とか、そういったところに対して対策を打つということで、緊急対策の側面があります。
 2段目は、昨日、野党5党の申入れがありましたけれども、必要に応じて機動的・弾力的に補正予算を組んでいくということです。
 そして3段目は、新成長戦略を本格実施することであり、既に今回の措置でも9,200億円の予備費を含めた対策を打って前倒しをするということで、具体的に85項目決めましたけれども、本格的に新成長戦略を実施する予算をきちんとつくるということであります。そういった経済対策が今後効果を発揮するように、閣僚の一人として、また、政策調査会としてもしっかりと後押しをしていきたいというふうに考えております。

2.質疑応答

(問) この景気対策に関係してですが、昨日、小沢さんが札幌の演説の中で、新幹線や高速道路の建設等、早期に全国ネットワークをそろえるということの必要性を説いていらっしゃったのですが、「コンクリートから人へ」という民主党がそもそも主張していたこととちょっと矛盾するのではないかと思いますが、そこはいかがお考えでしょうか。
(答)確かに、マニフェストのいわば最も骨太な理念は「コンクリートから人へ」ということだったと思います。そういう意味からすると、そちらに予算を重点配分するということが果たしてどうなのかということはあろうかと思います。
 ただ、全国的な交通ネットワークの問題について、人口が1億2,000万人いて平地が少ないこの日本の国土の中で、十二分に有効な空間の活用が日本全体でできているのかという問題意識は私自身もありますので、そこは優先順位の付け方なのかなと思っています。
(問)自民党役員人事の感想を伺いますが、特に石破政調会長が留任になっていることと、あとは小池総務会長が女性初の三役ということで、男女共同参画担当大臣としての感想をお願いします。
(答)それぞれ論客の方々がそろったという印象であります。特に石破政調会長の留任ということについて申し上げれば、私自身、野党時代から常に心がけていたのは、党利党略ではなくて、国益・国民益を第一に考えた政治姿勢で臨むということでしたけれども、私は石破政調会長はそういう意味で野党になられても国益・国民益を第一に考える方だと認識をしております。
 小池総務会長については、できる限り女性の方が様々な場で、これは政治の場もそうでありますし、企業の場でも、幹部に登用されるということは非常に望ましいことだと思っております。実は民主党政調役員も意識的にそうしており、例えば今の政調副会長は、男性の場合は実は当選3回以上ですが、女性はあえて当選2回以上にしています。
 つまり、そういうことをあえてしていくことで女性の活躍の場を広げていくということは、男女共同参画社会を形成していく上で大変大切だし、もっと大きな言葉で申し上げれば、日本のこれからの根本問題がこの問題です。日本には潜在力があって、その蓋開けをするということが最も大事なことでありますけれども、その潜在力とは何かといったらやはり女性だというふうに思います。専業主婦を否定するわけでは決してありませんけれども、先進国の中で日本ほど女性の就業率が低い国はありません。確か46%だったと思いますけれども、これは逆に言えば潜在力に蓋をしているということにもなります。
 したがって、その蓋開けをするという意味で、女性の活躍の場を広げるということは大変大切なことで、意義深いことだというふうに思います。
 なお、閣僚懇談会で自見金融担当大臣から日本振興銀行の破綻の問題について、金融システムの安定を損なうものではないと報告がございました。初のペイオフでありますけれども、一定の緊張感を持って対応しなければいけないと考えております。

(以上)