玄葉内閣府特命担当大臣記者会見要旨 平成22年8月31日

(平成22年8月31日(火) 11:11~11:22  於:内閣府本府5階522会見室)

1.発言要旨

 おはようございます。
 本日は、まずEPAに関する閣僚打合わせが8時45分からございまして、更に9時半から安全保障会議があって、新たな時代の安全保障と防衛力に関する懇談会の報告書の説明がございました。ただ、これは閣僚の意見が反映されたものではありませんので、これから防衛計画の大綱、あるいは中期防衛力整備計画に向けて、当然政治家で議論をしていくということになろうかと思います。
 その後の閣議では昨日の夕方に総理が発表された経済対策の基本方針について、改めて説明と議論がございました。昨日も様々な調整があったわけでありますけれども、民主党政調会長という立場で申し上げれば、いわゆる党の提言が9割以上は組み込まれた経済対策の基本方針になっていると考えているところでございます。
 ただ、2つありまして、1つは金融政策で、昨日、臨時の会合を日銀に開いていただいたということは、私は評価をしたいと思いますけれども、金利差の問題がありますので、米国のFRBの動向をしっかりと見極めながら、全体として日銀には弾力的な対応をとっていただきたいという思いでございます。
 さらに、経済対策について申し上げれば、経済動向を見極めながら、補正予算の検討をしていかなければならないのではないかと考えているところでございます。
 私からは、以上でございます。

2.質疑応答

(問) 代表選に関して、昨夜の会談でトロイカ+1という方針が打ち出されましたけれども、場合によっては小沢さんが降りるというような観測も出ておりますが、大臣はかねてから無投票よりは正々堂々とやるべきだという御意見だったと思いますが、その辺も踏まえまして一言お願いします。
(答)一般論として、代表選が行われたほうが結果として菅総理の正当性というか、求心力というか、リーダーシップが図れるような体制になりやすいのではないかということを申し上げた経緯があります。また、一方で金曜日の会見で、木曜日の小沢前幹事長の出馬表明を受けて、どう思われますかと聞かれたときには、これが最終の構図なのかどうか、私にはまだわからないということも申し上げました。
 どうしてそのようなことを申し上げたかといえば、菅総理と小沢氏が激突をするということになれば、もしかしたら泥仕合になるのではないかという予感がして、本当にこれでいいのかという思いがあったから、そういう発言を少し金曜日の段階でしてきたわけであります。
 その後の状況を注意深く私も見守っておりましたけれども、案の定、泥仕合の様相を呈してきたと申し上げてもよいのではないかと思います。堂々の論戦が期待できるような代表選というよりは、どうもスキャンダル合戦とか泥仕合とか、そんな感じになってくるのではないかという気が非常に強くなってきました。
 更に申し上げれば、私が見るところ、党内の7割くらいの方々から、激突することがどうも望ましくないと考えておられるような声を私は聞いております。今の日本の置かれた状況を踏まえたときに、堂々のさわやかな論戦なら、一定の政治空白もやむを得ないと思いますけれども、泥仕合を仮に行うということであれば、日本全体にとっての私は損失につながりかねないと考えているものですから、そういう意味では様々な模索がなされることは、私は望ましいと思っております。
(問)昨日、菅総理が鳩山前総理との会談で、トロイカ体制、トロイカ+1ということをおっしゃっていましたが、それについて玄葉大臣はどのように受け止めていらっしゃいますか。
(答)ねじれ国会にどう向き合うかということでありますが、これはいつも申し上げておりますように、これから水面下で様々な協議を行うことが当然あってもいいのですが、同時に表で他党とそれぞれのテーマで向き合って協議をし、合意をするというプロセスを見ていただくということがとても大事だと思っています。
 同時に、このねじれ国会に向き合う、あるいは立ち向かうためには、民主党全体が同じ方向を向いていないと、これまた大変なロスだと私は考えています。ですから、今お話があったお三方とか、あるいは4人とかという方に限らずでありますけれども、全員が同じ方向を向いて、力を合わせていくという体制は当然必要なことだというふうに思いますし、それぞれが得意分野で力を発揮していくということが私は望ましいと思っています。
(問)脱小沢の転換というか、封印ということになるのでしょうか。
(答)その言葉が適切かどうかと言われれば、私は必ずしも適切ではないのではないかと思います。これだけの内憂外患の日本にあって、同じ党の中で党内抗争をしている場合ではないというのが国民の皆さんの声でもあると思いますので、やはり党内の結束を固めていくということは、この状況においては私は大切なことだと考えております。
(問)トロイカ+1ということですけれども、小沢氏の処遇はどうあるべきだとお考えですか。
(答)そういう個別のポストがどうだこうだということではなくて、やはり同じ方向をそれぞれの方々が向いていくということが大切なことだというふうに思います。
(問)人事権とお金について、一般論で構わないですけれども、総理、代表がしっかり掌握できる体制が望ましいとお考えですか。
(答)当然、トップは総理でありますから、総理が当然そういうものの最終権限を持っていると思います。
(問)一方で、民主的なプロセスを密室のようなところで回避していくということには、世論の反発ですとか、党員サポーターの方々の反発もあると思うのですが、これについてはどのようにお考えですか。
(答)率直に申し上げて、どちらになっても、つまりは激突しても、回避されても、一定の批判は当然出てくると思います。ただ、どちらがベターなのかということで判断をしていかないといけない局面なのではないかなと思います。また、そういった選択をしたときには、どちらかの批判に対しては、やはりできる限りの説明をしていくということが大切だと思います。

(以上)