玄葉内閣府特命担当大臣記者会見要旨 平成22年7月27日

(平成22年7月27日(火) 11:09~11:27  於:内閣府本府5階522会見室)

1.発言要旨

 おはようございます。
 今日は、朝からまずEPAの会議がございまして、菅総理、仙谷官房長官を始め、岡田外務大臣、直嶋経産大臣、山田農水大臣に加えて私も出席をいたしました。これから秋に向けて基本方針を策定していくということになった次第でございます。
 あとは、閣議でございますけれども、閣僚懇の中で、いわゆる概算要求組替え基準の原案について、閣僚の皆さんから御意見をいただいたところでございます。激論が交わされたという感じでは今日はなかったというふうに認識をしていますけれども、今日の夕方、あるいは明日にでもまとめられるのではないかというふうに感じております。
 その後、犯罪対策閣僚会議と口蹄疫対策本部がございました。
 私からは以上でございます。

2.質疑応答

(問) 概算要求の組替え基準についての議論ですが、差し支えない範囲で、どういうようなやりとりがあったのか、御紹介できればお願いします。
(答)いつものことですけれども、誰がどう言ったというのは控えていただきたいと、官房長官が十二分にブリーフするというお話でございましたので控えます。ただ、全体として、例えばマニフェストについて、9.1兆円の無駄遣いの削減目標というのがあり、また4年間で何をどこまで実現するのかということが書いてあるけれども、実際に財源の問題もあり、どこかの段階で何をどこまでやるのかということについて、閣僚間でも整理をする必要があるのではないかという意見が出ました。私からも2、3日、場合によっては合宿してでもそういう整理はしておいたほうがよいのではないかということを申し上げました。また、一括交付金化の議論、あるいは出先機関の原則廃止の議論なども、どのようにこの原案に関連をしてくるのかという議論もございました。
 また、使い切り予算、不要額というのをきちっと出そうということも党の提言にありますけれども、平成21年度、22年度についての検証などもあったということでございます。大体そんな議論だったというふうに思います。
(問)今、言われた合宿というのは、例えの話ですか。
(答)例えばの話、やはり閣僚間でもしっかりとそのあたりは整理をする必要があるだろうと思います。民主党の政調の政策的な整理の中でも、例えば子ども手当を1万3,000円プラスアルファと上積みをすると、こういう書きぶりにしたことは、参議院選挙で信任されたのかしないのかという議論が何回かありました。基本的には信任されたという意見が多かったというふうに思います。ただ、参議院選挙において結果が得られなかったということも踏まえて、財源にかんがみながら、09年の総選挙マニフェストについて実現を図っていくのだという書きぶりにしてあるのですが、そういうそれぞれの整理をしていく。当然、予算編成の過程で現実に整理されていくわけですけれども、できるだけ早い段階で整理をしていくことが必要ではないかという議論だと思います。
(問)意見交換の中で、一律1割カットについて、あるいは政策コンテストについて、それぞれ何か意見があったらお願いします。
(答)特に一律9割にという議論は、メリハリをつけた民主党らしいマニフェストの実現あるいは成長に資する予算をつくるための土台づくりでもありますので、そこについて、とても強い議論というのは今日はなかったように私には思いますが、4年間のマニフェストの無駄遣いの削減目標の中で、特にその公共事業については削減目標をもう既に達成したという議論はございました。
 ですから、私のほうからは、やはり党の提言にもあるように、また今回の組替え基準の原案にもあるように、これは財務省主導でも何でもなく、政治主導で私自身も深くコミットしてつくったものであるので、予算編成の過程の中で、これまでの削減努力は必ず勘案をしていくということを申し上げました。
(問)大臣が今おっしゃったように、政治主導で予算編成をやるということですけれども、これまでの過程の中で、一部党内では財務省主導ではないかという批判もあります。大臣のお考えになる政治主導というのは、具体的にどういう予算編成の仕方だと定義されますでしょうか。
(答)そういえば池田財務副大臣の話も閣僚懇で話題になりましたけれども、野田大臣から厳重注意をしたということでございまして、私から見ても見当違いも甚だしいというふうに思っております。
 今回も仙谷官房長官を中心に、私と野田大臣で何度もお会いをしてこの原案をつくり上げました。
 政治主導というのは、大きく分けると2つあると思っています。1つは、例えば、今回、各府省に前年比9割の要求を求めました。そうすると、その9割の中で、正に政務三役が主導する、当然、官の力も借りて主導するわけで、主導しながらいわゆる総予算の組替えを省内でまずやる。ここに、党の提言にも、あるいは今回の原案にもあるように、例えば独法、公益法人への切り込みの問題とか、あるいは行政レビューシートの率直な反映とか、あるいは20年以上経過したものはやっぱり廃止を前提に考えるとか、そういった項目があったと思いますけれども、そういったことについて、やはり政治主導で、まず府省の中でその総組替え、無駄遣いの根絶というものを査定大臣としてきちっとやるというのが、まず1つ政治主導だと思います。
 そして、もう1つの政治主導は、最終的にはやはりこれは官邸主導であり、総理主導というのが政治主導だと私自身は思っておりまして、そういう意味では、今回、官房長官、そして最終的には総理を中心に予算編成がなされていくという姿が必要だというふうに思っております。
(問)これまでの過程の中で、十分に総理はそのリーダーシップを発揮され、政治主導でやってこられていると評価をされますでしょうか。
(答)ええ。これはですね、私自身も意識をしているところもあるのですが、少なくとも今回、私自身が深くコミットしてみて強く感じるのは、菅総理の指示を受けた官房長官が取り仕切って決めたというふうに言っても過言ではないというふうに思います。
(問)今までのお話に関連するのですが、池田副大臣の御発言は野田大臣が厳重注意されたということですが、それは単に池田副大臣の認識不足なのか、あるいは皆さんのやり方というのが政治主導ではなく見える何かがあったのか。どうして閣内からそういう御発言が出たというふうにお考えでしょうか。
(答)閣内じゃなくて、財務省の中からですね。例えば私と仙谷官房長官と野田大臣が会っているのもあまりわからなかったんじゃないかというふうに思っています。率直に言って、我々で書き換えており、いわゆる財務省の役人が入って書き換えたわけではありませんので、わからなかったのではないかというふうに思います。
(問) あともう1点、政策コンテスト等の基準についてはこれからだとは思うのですが、今後、どうやって透明性を保つのでしょうか。
(答)これは予算編成の透明化を図るということでありまして、党の提言にも書かせていただいたので、何とか工夫をしたいというふうに思っております。そこは少し時間をいただきたいと思っています。一応誤解のないようにしていただきたいのは、いわゆる事業仕分けでは削るほうの仕分けを透明にしたということですが、今度はつける仕分けを透明にするということです。それと同時に、そういった公開で行う優先順位付けと同時に、党は党で当然優先順位を一定程度つけて提言をする。それは政治家として当然だと思います。公開で行うコンテストと、そして党の提言と、両方あって、そういうものがまとまってきた中で最終的に総理が判断をしていくという形を私は想定をしているということでございます。
(問)最終的に基準をつくる責任者というのは、総理なり官房長官ですか。
(答)最終的にその優先順位付けをするのは総理だというふうに思っています。
(問)話題は変わりますけれども、官房長官が昨日、自民党との大連立に関して言及しましたけれども、党の政策を預かる立場から、自民党との連立はあり得るのか、あり得ないのか、そこはどうでしょうか。
(答)まだそういう話をすることが適切かどうかということがあろうかと思います。いずれにしても、一般論として、政策が合致をする可能性がある政党とそれぞれの政策において協議をしていくということは、これからねじれが常態化された国会では、むしろ至極自然なことではないかというふうに思います。
(問)今の段階から、完全にその可能性を排除するというのではないということでしょうか。
(答)まず、いずれにしても、それぞれ政策をすり合わせをするということは、それぞれの政党において行われるべきことではないかというふうに思います。
(問)概算要求の組替え基準に関しては、臨時閣議は今日中には行われるのですか。
(答)ここは先ほども申し上げたんですけれども、今日中に行われるか、明日になるかは、ちょっとこれから、3大臣、つまり官房長官と私と野田大臣で相談したいという話でございました。
(問)明日になる可能性もあるということですか。
(答)可能性としてはあると思います。
(問)あと、党のほうの要望にあった特別枠2兆円が、1兆円を相当程度に超えるとするという書きぶりになった経緯なり意味合いなどについてはどうですか。
(答)私は、最終的に結論から申し上げれば、2兆円は確保できるというふうに思っておりますが、1兆円を相当程度に超える額というふうに書きました。では、この相当程度に超える額をどういう形で上積みしていくのかが問題だと思うのですね。
 それは、先ほど申し上げたように、まず前年比9割を各府省の要求枠として出していただくことになります。そうすると、各府省の中での先ほど申し上げたような独法、公益法人への取組とか、行政レビューシートの反映とか、庁費、委託費、施設費を削減するとか、そういったものはその9割の中でまずは総予算として組替えがなされるということです。
 その後、それを組み替えた予算を8月末に出すわけですけれども、その後、行われることが幾つかあります。例えば、いわゆる事業仕分け第3弾で特別会計の仕分けがあります。仮に、そこでこれは平成23年度に使っていいというお金が出れば、正にその1兆円に上積みされます。
 あるいは、先ほども話題になった一括交付金化というのは、平成23年度から一部実施をする予定でいます。一括交付金化されれば、補助金の額は1割から2割削減するというのが元々マニフェストに書いてある話でありますから、それも今度は1兆円に上積みされる額になっていくということが十二分に考えられるということですね。また、租特の改革で出るお金は、場合によっては歳出の大枠の枠外という議論もあるのですが、いずれにしてもそういう形で出てくる額がありますので、そこに対するインセンティブをある意味維持しておかないといけないのではないかという思いがありまして、我々は2兆円を要望しているんですけれども、あえて2兆円という数字を入れずに、1兆円を相当程度に超える額という形にしたということでございます。
 それともう一つ、人件費の問題をどうするかということもあるわけです。私に直接公務員制度改革の分野として関係してくるのですが、総人件費が例えば平成22年度より平成23年度が抑制されたということになれば、またそれも上積みになっていくし、小さなことのように聞こえるかもしれませんけれども、例えば国会議員関係経費なども削減されたとなれば、その1兆円にまた上積みできるということなどもあるものですから、そういうことへのインセンティブがなくなるというのはやはり好ましくないだろうということもあって、あえて1兆円を相当程度に超える額ということにいたしました。実は元々財務省が出してきたのは、お金の数字は一切出さないということだったのですが、それは許されないということで、そういう書き方にさせていただいたということでございます。
 なお、1つ言い忘れたのは、さっき9割の枠の中でそれぞれ要求枠がありますから、是非総予算の組替えをしっかりしてほしいということを申し上げましたけれども、同時に、皆さんもお読みになったと思いますけれども、3倍要望ルールというのがあって、もし9割以上深掘りした場合、つまり9割の要求枠を目一杯使わずに、例えば85%で持ってきた場合は、残り5%は3倍要望できるという3倍要望ルールにしていますので、そういうことも是非それぞれの府省では、あるいは各査定大臣におかれては大いに活用していただきたいという思いでいるということも併せて付け加えたいと思っています。
 以上です。どうもありがとうございます。

(以上)