玄葉内閣府特命担当大臣記者会見要旨 平成22年7月23日

(平成22年7月23日(金) 11:55~12:19  於:内閣府本府5階522会見室)

1.発言要旨

 本日は、私の担当でございます男女共同参画会議が開かれました。その中で、第3次男女共同参画基本計画策定に当たっての基本的な考え方について議論が行われまして、菅総理に答申をさせていただいたということでございます。これから計画をつくるに当たっては、実効性のある、地に足のついた計画にしていきたいと考えております。
 その後に、閣議及び閣僚懇がございましたが、改めて閣僚懇で概算要求の組替え基準に対する閣僚間の議論が交わされたわけでございます。私のほうから、昨日まとめた民主党の提言について、冒頭、説明をさせていただいて、それがたたき台となって、様々な意見が交わされたということでございます。27日の閣議決定を目指して、これから組替え基準について、しっかりと調整をしたいと考えております。
 私からは、以上でございます。

2.質疑応答

(問) 紹介できる範囲でいいので、閣僚懇でどういう意見があったかというのを教えてください。
(答)私のほうから昨日の提言について、皆様に説明したような形で説明をさせていただきました。何人かの方から意見なり質問が出ました。例えば、これはどういう意味なのかとか、昨日も質問が出ましたけれども、要求枠を下回る要求を行った大臣について、特別枠については、更に上積みの要求・要望を認めるというのは具体的にいうとどういうことなのかとか。あるいは、これはなるほどと思ったところは、補助金の問題がございました。補助金については一括交付金化をするという提言を民主党はしているわけです。
 私自身も一貫して地域主権の調査会長として取り組んできたわけでありますけれども、一部、平成23年度予算から一括交付金化を実現するということになっておりまして、仮にそれが実現するのであれば、その一括交付金化をすることで、一部削減することができるのではないかという意見が出ました。確かにそのとおりだなと思って、昨日、そのことについては、必ずしも触れていないということがありましたので、これは大変参考になる意見をいただいたなと思っています。
 更に申し上げると、本当に社会保障の自然増は聖域でいいのかという議論が、2、3人の方からございました。私のほうからは、いや、聖域だと考えているわけではないのだと。つまりは、昨日の提言にも書いてございますけれども、特に厚生労働省において合理化できる部分がないのかどうかということは徹底的に検証してほしいというのは前提だということを説明としては申し上げました。それぞれ建設的な御議論、御提言をいただいたんだと考えております。
 そんな議論がありまして、正にこれから組替え基準を仙谷官房長官と野田財務大臣と私を中心に、もちろん閣僚全体で最終的につくり上げるということでございますけれども、そういう意味では私も最終的な組替え基準の決定に当たっては、しっかりとこの提言を踏まえながら関与してまいりたいと考えております。
(問)今の質問の絡みなのですけれども、特別枠の2兆円については、昨日、玄葉大臣は、2兆円は各省庁の取り合いになると、大きな組替えのみそになるようなものだとおっしゃいましたけれども、この2兆円に関しては、どのような意見が今日の閣僚懇ではありましたでしょうか。
(答)この2兆円については、特に今回は出ませんでした。昨日も申し上げましたけれども、2兆円を出すということは、それぞれの省庁の中で相当の組替えを余儀なくされるというふうに基準をつくらざるを得ないだろうと思いますので、やはり相当の覚悟でそれぞれの大臣には当たっていただかなくてはいけないのかなと思います。
 なお、今の質問の補足でもありますけれども、私のほうにマニフェストで掲げた目標削減額、特に9.1兆円の工程表をつくってほしいという要望もありまして、昨日も若干御説明を申し上げましたけれども、それはそれとして、政調としてよく検討したいなと思っています。
 例えば、独法と公益法人に対して3.8兆円の補助金があって、半分、1.9兆円削減するということで、実は、既に平成22年には0.4兆削減しています。それでは、あと3年でどういう工程表でやるのかとか、あるいは庁費、委託費、施設費についても6.1兆円ありますが、これも1.8兆円削減すると言っていて、多分、平成22年度は0.2兆円の削減となるのですが、これをどうやっていくのかという課題は確かにあります。
 ただ、一方で、これらの経費をよくよく見ると、武器調達がメインだったり、あるいはいわゆる科研費がメインだったり、なかなか簡単に削りにくいものもありますから、そういう詳細をよくよく検討して、工程表をつくっていくというのも、やはり大事な課題だなと改めて感じたことも、せっかくなので御紹介申し上げたいと思います。
(問)今後、予算編成に当たって、昨日の提言を実行できる自信はあるのかどうかということと、党の政調の中でも議論すると思いますけれども、党の議員が自民党のように族議員化して、歳出増を認めるという懸念についてはどうでしょうか。
(答)今の質問は、結論から申し上げると、私は最終予算編成の中にあっては実現されるものと確信をしていますし、そのようにできるように、政調会長兼務の閣僚として最後まで努力をしたいと考えております。
 今日の新聞などでも、私も大変ある意味興味深かったのは、71兆円という枠で歳出の大枠が決められている中で、この提言について、いわゆる歳出増圧力を抑えたという報道と、そうではなく、歳出増圧力に屈したという報道と両方あったということです。これらについて、一言で申し上げれば、歳出増圧力を抑えたというほうが正直正しいのではないかと思っています。あくまで71兆円の大枠を守って、かつ国債発行額も平成22年度を上回らないようにすることは、つまりは下回るということでありますので、そういう意味では、族議員化しているのではないかという御指摘も一部に出ていますけれども、少なくとも先般の議論の中では、そういった大きな歳出増圧力というのはなかったと言えるかと思います。
 ただ、71兆円を多く見るのか、少なく見るのかというのは、これははっきりいって両論あるんですね。それは議員によっても持論がありますから。ただ、私は、バランスのとれたいい数字ではないかと思っておりまして、元々中期財政フレームで決められた数字でもありますが、71兆円という数字は、私からすれば、かなり景気に配慮した財政規模になっていると考えております。
 ただ、御懸念のように、これからその2兆円を割り振っていくに当たって、そういった、ある意味、族議員的な要望というのは、当然出てくるものと思いますので、そういった中でいかにこの国の将来を見据えて、メリハリのきいた、しかも菅総理の目指す元気な日本を復活させ、かつ、鳩山政権からの課題の命を守る、人を大切にするという民主党らしい予算を組めるかというのが、予算編成の中で最終的に問われてくるということではないかと思っております。
(問)昨日も若干伺いましたけれども、各省に対する要求枠は先般の政府の骨子とか提言にはないと思いますけれども、結果として一律の削減枠みたいなものをはめることになるのでしょうか。
(答)まだ調整中でありますけれども、問題は最後の結果だと思っています。つまりは、いわゆる100%の仕上がり予算を見たときに、どれだけメリハリがきいているかということが、一番大事な結果なのだろうと思いますので、そこはそんなに強くこだわらなくてもいいかなと、要求枠段階ではそう思っています。
(問)その点の議論は、今日はなかったのでしょうか。
(答)今日は特にはありませんでしたが、確かに官邸が各省、大臣に配分枠を決定するということについて、一言、どうなるんですかみたいな話はどなたかからありました。
(問)ということは確認ですけれども、一律削減については、容認することもあり得るということですか。
(答)それは結果として最終的にどれだけメリハリつくのかが大事だと思っています。そのために2兆円と言ったのであって、それが少ない額であればあるほどメリハリがつかないということですから。ですから、そこはこれから調整をしますけれども、正直、省ごとに配分枠を最初から変えるというのが理想だと私自身は思っていますけれども、それが可能かどうかというのは、なかなか大変かなという気もありますので、そこは最終形が一番大切だと思います。最終形という意味は、何度も申し上げていますけども、最終的に予算編成を終えた、その予算の仕上がりを見たときに、どのくらいメリハリがついた予算になっているかということが大切だという考え方です。
(問) 先ほど、一括交付金のお話が出ていたんですけれども、具体的に、今のイメージとして、どのような形でお考えになっているのかというのがあればお聞きしたいと思います。
(答)私もこの問題はライフワークでやっているものですから、非常に強い関心を持っておりますけれども、一括交付金化は、はっきり申し上げて革命です。省の中で一括交付金化するということではなく、府省を超えて一括交付金化するということは、それぞれの補助金にかかわってきた役人の人たちの居場所がなくなるということになりますので、これは相当の覚悟が必要だし、強いリーダーシップが必要になります。
 先般の地域主権戦略会議でも一括交付金化に踏み込み始めるという大綱を決めましたが、これは特にその対象となる経費をどのようなものにしていくということです。それを平成23年度でどこまでやるかというのはこれからですから、これは基本的には段階的に進めていかざるを得ないと思っています。これはすさまじいまでの関係省庁の抵抗があると思いますけれども、必ずやり遂げなければならない大事な課題だと考えております。
(問)削減分をその2兆円の枠に入れるとかということは考えられるわけですか。
(答)今日も実は議論で出たのですが、元々民主党の考え方としては、補助金を丸々府省の枠を超えて一括交付金化したときには、それぞれ、どういうふうに配分するかという問題はもちろんあるんですけれども、いわゆる補助金業務にかかわっていたコストというのはなくなりますから、なくなった分は、やはり削減をするという考え方ですので、これは国と地方との協議の場で最終的にまた協議をしなければいけない課題になってくると思いますけれども、やはりそこは、地方の自治体にも一部我慢していただくということは、あってしかるべきなのではないかと思ってます。それだけ権限が非常に大きくなって、自由裁量の余地がそれぞれの自治体にとって働くことにつながりますので、そこは若干かもしれませんけれども、やはり削減をしていくということが求められるのではないかと思っています。
(問)金元工作員の来日についてなのですが、多額の国費をかけて特別待遇をという話がありました。しかも報道陣への記者会見もなくて、報道機関に十分な取材の機会が提供されたとは言えない状態ですが、拉致被害者家族からも新しい情報はなかったという認識が示されていて、大臣は今回の来日の意義についてどういうお考えかということと、問題はなかったと思われるかどうかということについてお話をしていただけますでしょうか。
(答)この拉致問題の解決は、日本国にとっては最重要の課題であると思います。中井大臣を中心にこの問題を進めてこられたと思っていまして、私が推測するに、1歩でも2歩でもこの問題の解決が前へ進むという確信の下で進められているものと理解をしております。
(問)みんなの党から公務員制度改革の協議機関申入れ、協議をしたいという申入れがあったと思いますが、これについては、どういうふうに受け止められますか。
(答)浅尾議員が政調会長という立場で、ですから私も政調会長という立場で、おそらく受けてくださいということだったのだと思います。何か、国対に話をしたら「政調で」と言われたということでありまして、先ほど、そういった公務員制度改革などに対する申入れ、あるいは協議をというお話がありました。
 言うまでもないことでありますけれども、このねじれ下の国会は常態化すると申し上げても過言ではないと思います。これからおそらく、常態化されたねじれという状況の中で、新しい国会のルール、あるべき熟議の民主主義というのを追求していかなければいけないということでありますので、当然、様々な協議を、歩み寄れる余地がある政党とはそれぞれの政策について協議をしなければいけないというのが、まず一般論として考えていることであります。
 今回の浅尾議員の件についても、もちろん基本的な考え方ということでありますけれども、ただ同時に、これまでの経緯もあると思います。私個人の考えだけでも進めることはできないと思います。つまりは、これまで民主党の法案をつくってきた方々、これから公務員制度改革PTもつくりますし、同時にこれまでこの法案を政府、大臣として携わってきた民主党の方々ともよく相談をしながら、当然、また執行部全体で協議をしながら対応していくということにしたいと思っております。
(問)概算要求についての質問ですが、去年の要求段階のときに、金額を示さないで予算付けを求める事項要求というのも結構ありまして、今年もその要求枠をこれから決めるのですが、そのやり方はある種の抜け道になるおそれもあると思うのですが、今年の要求に当たって、何らかの対策を事前に講じる必要があると今、考えていらっしゃるんでしょうか。
(答)いずれにしても、去年の概算要求は、おっしゃるとおり、予想以上に膨らんでしまったと思います。その反省に基づいた組替え基準づくりでなければならないのではないかと私自身は思っております。ですから、事項要求という形なのかどうかはともかくとして、いずれにしても71兆円の大枠を決めましたので、その71兆円の枠に必ず収まるようにしなければならないというふうに考えております。
(問)代表選に関してなんですけれども、鳩山前総理が昨日、菅代表の再選の支持を表明されたのですが、菅政権にかかわってこられて、玄葉大臣として、今回の鳩山前総理の再選支持表明をどう受け止めになっていますか。
(答)昨日の鳩山前総理の発言は、まだ十分承知しておりませんので、何とも申し上げることはできませんけれども、ただ、とにかく代表選は誰が出るもよし、出ないもよしで、ルールに則って行われるということなのではないかと思っております。もちろん、私自身は、菅総理を支えていきたいと考えております。
(問)前総理が菅さんの再選の支持を表明されたというのは、心強くないですか。
(答)それは、菅総理を支える立場の者の1人としては、大変心強いと申し上げてよいと思います。ただ、きちっとコメントを見ていないので、何とも言いにくいところはありますけれども、仮にそのようにおっしゃっていただいたということであれば、とにかく今は党内をしっかり総括をして、この国の危機は深いというか、待ったなしの状況でありますので、前進をしていくということが大切なのではないかと思っています。

(以上)