玄葉内閣府特命担当大臣記者会見要旨 平成22年6月9日

(平成22年6月9日(水) 11:25~11:44  於:内閣府本府5階522会見室)

1.発言要旨

 どうもおはようございます。
 昨日も遅くまで皆さん御苦労さまでございました。初閣議の後の会見ということで、ここに立たせていただいておりますけれども、改めて少し気になっているのが、政策調査会長とそれぞれの分野、「新しい公共」、「男女共同参画」、「少子化」、「公務員制度改革」を兼務するということは、一部の方から、それらについておざなりになるのではないか、という声があるようでありますけれども、決してそんなことにならないように、むしろ昨日も申し上げましたけれども、例えば男女共同参画などは、政策調査会長として、様々な分野にそういう視点を取り入れていくとか、そういうことをむしろプラスの方向に持っていくように、兼務しているそのことがプラスになるようにしていくことが私の役割ではないかなと思っておりますので、冒頭申し上げたいと思います。

2.質疑応答

(問) 国家公務員の総人件費の2割削減についてお尋ねします。
 まず、この目標は大臣御自身は維持し続けるお考えかどうかということが1点と、あと、定年まで働ける環境づくりとの両立をどう図っていくかということについてお考えをお聞かせください。
(答)今の御質問、総人件費5.3兆の2割、1.1兆ということだと思いますけれども、これは実はマニフェスト、参議院選挙で見直すかどうかというときの研究会の会長を私がしていたときに、この公務員制度改革も実は担当分野でありまして、一部報道されましたけれども、全くのド素人というわけではなくて、検討してきたテーマの一つでもあります。非常に厳しい数字です、率直に申し上げて。ただ、それでもなお改めてマニフェストの研究会でも検討した結果、この旗は降ろすべきではないと。
 では、具体的にどうするんだということで、これは私の専門でもあります地域主権とも関係するんですけれども、いわゆる出先の地方移管という問題、あるいは退職金手当の問題、あるいは昨日も議論のあった労働基本権を付与する中で、労使交渉による給与カット、これが実際にどこまでできるかということに尽きると思っていまして、例えば、今日の段階であまり突っ込んだことを申し上げるのは適切かどうかということはありますけれども、やはり一時的過度期であっても、公務員の皆様に我慢していただくということが一定程度あるべきなのではないかとそう思っております。
 それと、2つ目の質問の定年まで働ける環境づくりということでありますけれども、おっしゃるとおり、定年まで働くということは、結果として総人件費を膨らませることにつながるわけで、だからこそ難しいと。もっと言うと、一時的に膨らんでも最終的に抑制されていけばいいということですから、少し長い目で見なきゃいけないという側面があるのと、やはり一定の年齢に達したら給与カーブをむしろ下げる。そういうことがあってもいいわけで、そういうことも含めて今、検討をしているということですし、私自身もそのことについて、しっかり検討していかなきゃいけないと、こう思っております。
(問)消費税の使い道として、現在は年金、介護、医療の社会保障に充てるというふうに言われていますけれども、大臣は、また政調会長として、少子化対策に充てるという目的を入れるかどうかについては、どういうお考えなんでしょうか。
(答)これは、今、おっしゃったように、法律上、消費税、国税分については社会保障に充てると決められていますけれども、残念ながら、現在はとてもとても消費税の国税分で、今、おっしゃったようないわゆる医療、年金、介護は賄えておりません。そもそもそれを賄うためだけであっても、相当大変であるのに、プラスアルファということになりますので、そこは消費税議論のときに一つの検討材料にしていくということだろうと。
 仮に引き上げるという結論に達した場合、あるいはそれなりの率ということであれば、そういうことも含めて検討するということはあってよいのではないかと思います。
(問)そうすると、増税の議論が出てきたときに少子化対策に入れるかどうかというのもあわせて議論する…。
(答)ということになろうかと思います。
 ただ、とても今の状況では足らないという状況ではないかなと推測いたします。
(問)この前の政調会長就任会見のときに、子ども手当は出し続けていないと少子化対策にならないとおっしゃったと思うんですが、消費税が増税できないとすると、どこから財源を賄うのか、どういうふうに賄うのか。
(答)子ども手当は出し続けないと、という意味は、額はともかくとして、恒常的に子ども手当があるというように、少なくとも子供を産む意思のある御両親というか、大人の方々が思わないと、1人目を産もう、あるいは更にもう1人産もうということにつながらないんだろうと思っているんですね。
 ただ、その額がどのぐらいかということについては、今正に検討しているというところでありまして、これは配偶者控除を廃止するかどうかということとも関連するので、そこは慎重に今、検討している。
 ただ、1万3,000円は間違いなく出しますけれども、例えば配偶者控除を廃止をすると。それで1万3,000円しか現金を出さないということになると、かなりプラスマイナスでマイナスの家庭が多くなっちゃうんですね。ですから、仮に1万3,000円で現金を止めるのであれば、やはり配偶者控除はそのままということにせざるを得ないと思いますし、現金を2万円に持っていくのであれば、配偶者控除を廃止するという結論もあり得るでしょう。だから、そういうさまざまなバリエーションが当然あり得るということになります。
 どこから財源を持ってくるのかというのは、少なくとも次の総選挙までは、ぎりぎりの歳出削減で賄っていくということです。
(問)今、税のお話だったんですけれども、税制の議論は政府税制調査会で政府に一元化された状態なんですが、これから政調会長が検討される中で、党の関与、整合値というのは、どのようにつくっていくのでしょうか。
(答)なかなかおもしろい質問だと思いますけれども、今、政策調査会の仕組みをどうつくるか、私なりのたたき台はあるんですけれども、今、出すことが適切でないと思っているので申し上げませんが、ただ、いずれにしても基本的に通常の法案審査、中・長期的なテーマ、税・予算というのは、政策関与の仕方が若干変わってもいいのかなと思っているんですね。ただ、何らかの形で今の状況よりも一定程度関与していったほうがいいのかなと、そんな気はしています。
(問)マニフェストについて伺いたいんですけれども、前政権下では、消費税を含む財政再建のあり方と44.3兆円の国債の削減をどうするか、この2つ以外は、ほぼでき上がったという判断をしていたと思うんですけれども、現政権でもこの2つからスタートするのか、それとももうちょっと見直す分野を広げてやるのか、また今後のスケジュール感も教えていただきたいんですけでれども。
(答)1つは国債発行額ですか。基本的には国債発行額については、来年度予算について44.3兆前後程度に抑えられるように全力で頑張るということになるのではないかと思っておりますが、今、最終調整中であるということです。
 消費税を含む税制改正の話も総理御自身が明確におっしゃっておられますので、よいのではないかと思いますけれども、いずれにしても、消費税を含む税制の抜本改革というのは、次の総選挙後は、やはりやっていかなければならないのではないか。
 ただ、いつも申し上げますけれども、大前提はぎりぎりの歳出削減と名目3%成長を実現するための成長戦略を早急に実行に移すということでありまして、このことはどうしても誤解を受けやすいんでありますが、玄葉光一郎は単なる消費税増税派とよく出るんですけれども、単なる増税派ではなくて、成長戦略と社会保障制度改革と財政の健全化は一体となってやらなきゃいけないという考えです。だから、総理御自身も強い経済、強い社会保障、強い財政、こういうことをおっしゃっているわけです。
 そういう意味で、やはり参議院選挙のマニフェストにも何らかの記述をしなければならないと考えております。
(問) その2つの書きぶりの調整は、最終的にはというか、総理といつ話し合うかという日程は決まっていますか。
(答)これはまだ決まっていません。いずれ、かつてあった政権公約会議、今、一旦なくなっておりますけれども、政権公約会議というものが恐らくつくられて、そこで最終調整がなされると思います。参議院選挙の日程を考えると急がなければならないと思います。
(問)政調会長と閣僚の兼務に関連してなんですが、党本部での記者会見の質疑でもありましたが、元々の民主党の政権構想の中では、国家戦略局長または官房長官が政調会長を兼務するという構想だったと思います。以前あったのも、高速料金の問題等、閣内で決定したことと与党での意見の齟齬が見られたケースなどで、一閣僚として、例えば官房長官や国家戦略局長であれば、政策を全般的に見渡せるわけですけれども、一閣僚として閣内に入るというお立場で、そういった難しい利害調整をどのように可能になるのか、どのようにしていけばいいのか、今のお考えを。
(答)おっしゃるとおり、一つの考え方は、官房長官とか、国家戦略局長というか国家戦略担当大臣が兼ねるというのは、私自身も以前申し上げました。自分自身が最初に提案した構想でありますけど、ただ、現実的には官房長官はとても忙し過ぎて手が回らないというのが現状ではないかと思います。
 ですから、本当は無任所、兼政調会長が理想なのではないかと。ただ、御存じのように、法律で大臣の数というのは決まっているんですね。ですから、なかなかそうはいかないということでありますので、であるならば、今回の私のような形で、逆にそしてそこで担当する先ほど申し上げた4分野は、逆にプラスに転化して政策調査会長という立場を活用して、積極的にむしろ進めていくということを考えたいと思っていますし、これはどういう仕組みを作るかによりまして、つまりは政策調査会長として、今日も閣議に出てまいりましたけれども、それは閣僚として出てはいるんですけど、兼務の閣僚として来ているわけですね。
 ですから、そういう立場として、例えば閣議で発言するということなどを通して、あるいはそういうその位置付けをどこかの段階でするというのも一つの考え方だと。そういうことも含めて、今、政調のあり方論として色々たたいているという状況です。
(問)無任所の閣僚を置けるような法改正の必要性とか、そういったことは将来的な…。
(答)大臣の数を増やすのがいいと思います。ちょっと少な過ぎるかもしれませんね、大臣の数はですね。国会議員の数はもっと減らしていいと思いますけど、大臣の数は増やしてもいいと思います。
(問)公務員制度改革について1点だけお聞きしたいと思います。
 先ほどの人件費の問題も大切だと思うんですけれども、一朝一夕に公務員制度改革は進みませんよね。大臣が一番制度改革で課題とされていること、何が一番今の官僚制度で問題と考えていらっしゃるか、それについてお考えをお聞かせいただきたいんですけど。
(答)たくさんありますけれども、一つはどこを向いて仕事するかという問題があると思うんです。ただ、それは幹部職と指定職と一般職とでは違うと思うんですね。
 ですから、今回は例えば幹部職は、それぞれ官邸を向いて仕事する。それはすなわち日本全体を見るということになるわけですね。どうしても組織というのはみんなそうなんですけれども、組織のことだけ考える、セクショナリズムで縦割りになる。これがいろんな弊害を生んできたということがありますから、そういうことを改めていくということが一つ公務員制度改革ではどうしても大きいし、まず、そこから風穴をあけるということで、今回の法律はできているんだと私は思っていますので、まず、そこから手がけるということだと思っています。
(問)そのための国家戦略局だったり、内閣人事局…。
(答)内閣人事局ですね。そういうことですね。そこで一元化して人事をするということであります。
 幹部の皆さんは、例えば経済産業省とか、農林水産省とか、基本的にそこのトップを見て幹部は仕事をするわけです。それはなぜかといえば、人事権があるからですよね。人事権ってすごいですよね。
 ですから、それが官邸に移ると、基本的に官邸を見ることになり、つまり官邸というのは基本的に日本全体のことを考える。
 どこの省もそうなんだけど、結局どうしてもその組織が「我が社」というわけだから。幹部になっても「我が社」とみんな言うでしょう。御存じでしょう。それってすごく違和感を感じるんですよ。国民全体の奉仕者じゃないですか、だから、忠誠心をどこに向かわせるのかということは大事だし、一方で、何か公務員をバッシングしていればいいんだというそういう空気も、またよくないなと、やっぱり優秀な人たちを確保するためにも、モチベーションを上げることも含めて、どういう方法があるのかということをしっかり考えていかないと、日本全体にとってよくないというふうに思いますので、そこはそういうことも含めて、これから検討したいと思っています。
(問)一部報道で、荒井大臣の事務所費の取り扱いについて問題があるという報道があるんですけれども。
(答)それは党でしっかり調査している。そう聞いています。

(以上)