枝野内閣府特命担当大臣記者会見要旨 平成22年4月20日

(平成22年4月20日(火) 18:10~18:55  於:内閣府本府地下講堂)

1.発言要旨

 お集まりいただきまして、ありがとうございます。
 今日は、オープン会見を火曜日にずらさせていただきまして、行政刷新会議の報告と併せてさせていただきます。特に、クラブ以外の皆さんには、オープン会見は原則木曜日ということで申し上げてきておりますが、今週はこういった形になりましたことを御理解いただければというふうに思っております。
 私の方から、まず行政刷新会議、本日の会議の報告をさせていただきたいと思います。
 本日は、ワーキンググループの評価者、そして事業仕分け前半の対象事業の選定を行いました。また、行政事業レビューにおける外部有識者選定の考え方について御議論をいただきました。ワーキンググループの評価者については、前回の会議で了承された考え方に沿って候補者を選定し、各議員の皆様にはあらかじめ固有名詞をお示しして御検討いただいた上で、本日の会議に諮り、了承をいただきました。
 事業仕分け前半の対象事業については、これは既に何度も申し上げてきておりますが、対象となる98法人すべてについてヒアリングを実施し、更に前回会議で了承された考え方に沿って、さらに個別事業の具体的なヒアリングや現地調査を進めながら、ハトミミ「国民の声」「職員の声」に寄せられた意見も活用した上で対象事業の案を選定し、これも議員の皆様にはあらかじめ案を御検討いただいた上、本日の会議にお諮りし、了承をいただきました。
 結論的には御了承いただきましたが、御意見を幾つかいただいております。まずワーキンググループのメンバーについて、草野議員から。前回の事業仕分けにおいても、そして今回の、今日お諮りいただいたメンバーにおいても、科学の専門家にお入りいただいて、専門的な知識を前提にした議論をしていただく部分が必要な事業については加わっていただいております。今回も、今日皆さんに配布資料でお配りをしている委員の中にも、科学の超一流の専門家の方に入っていただいておりますが、更にこうした専門家の方、どうも専門家がいないところで科学の議論をしているという誤解がまかり通っているようでございますので、それにも配慮して、更に適切な方がいたら追加をするのはいいことではないかということがございました。これはぎりぎりまで、実はこうした方にお加わりいただければいいなということで、ただ日程その他の関係で御検討いただいている方も、今日に間に合わずにいらっしゃいましたので、そういった方は議長に一任という形をとらせていただいて、ぎりぎりの段階まで追加するということも可能な対応をとらせていただきました。
 それから、対象事業については、今回は事業についての議論を行うけれども、組織の見直しの話とはどうつながっていくのかということも、御質問というか御指摘というか、いただきましたので、改めて整理をさせていただきました。事業仕分けで直接取り上げるのは、独法そのものではなくて、独立行政法人の行っている、あくまでも事業そのものでございます。ただ、その事業を取り上げるに当たっての視点においても、そして、事業仕分けで一定の御議論と結論をいただいたその結果においても、それがそれぞれの個別の独立行政法人の組織の在り方や独立行政法人という制度そのものの見直しにつながっていくということを視野に置いた視点でとらえていくということでございます。本日お決めをいただいた事業の選定に当たっても、そういった視点を踏まえて、対象事業の選定をいたしました。事業仕分けで事業を議論していただきますが、その事業についての議論の経過と結果は組織の見直しにつなげてまいりたいということを改めて整理をして、御了解をいただきました。
 また、事業仕分けの本番に当たって、これは片山議員から御指摘をいただきましたが、前回の事業仕分けでは、結論の一部分のみがクローズアップされるような形になって、それが事業仕分けの評価者の皆さんの意図、趣旨と違う結果につながっている部分もあるのではないかと。つまり、例えば「縮減」という評価結果がなされたものについて、議論のプロセスやその縮減という後のコメントのところでは、いわゆる「中抜き」などについて問題だから縮減をしろという趣旨であったのに、縮減というところが強調された結果として、中抜き部分は温存したまま、現場の本来強化しなきゃならないところが削られたというようなケースもあるのではないかという御指摘もいただきまして、そうしたことのないように、取りまとめの仕方、その発表の仕方を留意するようにという御指摘をいただきまして、これは私の方から取りまとめ役を務めていただく国会議員評価者の皆さんに徹底をするということを申し上げたところでございます。
 是非、報道の皆様方におきましても、一つの結論が出たときに、どの部分をどういうふうに見直すのかということを、取りまとめなどにおいて-事実上、具体的に前回も示されておりますが-私どものほうもアウトプットの仕方、留意させるようにいたしますが、ぜひ皆様方も、議論の中身をしっかりと踏まえた上で、そこでの結論がどういった中身であるのかということをとらえていただければありがたいというふうに思っているところでございます。
 なお、こうした議論を踏まえて、先ほど2点は御了承いただきましたが、23日からの事業仕分け本番におきましては、刷新会議の議員の皆様方にも可能な限り現場をご覧いただくようにお願いを申し上げました。また、次回の刷新会議で御議論をいただくことになりますので、それぞれ重点を置いて、法人の事業について、あらかじめ資料もお読みいただき、あるいは現場に足を運んでいただき、あるいはその議論の結果をできるだけ早く民間議員の皆様方にお伝えをいたしますので、御検討をお願いしたいということも、私の方からお願いをいたしました。
 それから、行政事業レビューの公開プロセスの外部有識者の選定の考え方について事務局から説明を行い、了承を得ました。これも基準については紙を配っております。これについても、今回の事業仕分けの評価者と同様、候補者の案を各議員に事前に御検討いただいて、次回の会議で具体的固有名詞を諮りたいと考えております。
 最後に、前回から始めたかったんですが、前回は時間がなくてできませんでしたが、行政刷新会議の運営全般に関して、自由な御討議をいただきました。各議員から、民間の議員の皆さんから積極的な御意見を頂戴いたしました。
 まず、次にもつながることとして、特に大きい話として、特別会計について、吉川議員と片山議員から、この特別会計についてしっかりと行政刷新会議としても検討を行う必要があるのではないかという御意見、御指摘をいただきました。これについては、私の方からその御意見を受け止めて、関係閣僚、特に財務大臣と国家戦略担当大臣とも御協力をいただきながら、刷新会議として特別会計の見直しについて積極的に取り組んでいく、ついては、次回の行政刷新会議には、その取組の段取り、方針についてお示しをするべく準備を進めるということを申し上げました。
 これについては、最後に総理からも御発言がございまして、なかなか色々な抵抗の予想される分野でありますが、しっかりとこの特別会計の見直しに取り組むようにと。ついては、菅財務大臣、仙谷国家戦略担当大臣においても、枝野の方によく協力をするようにということで、強い御指示をいただきましたことを申し添えたいというふうに思っております。
 それから、仕分けの話のようなところともつながるのかというふうにも思いますが、片山議員からは、事業仕分けは、具体的な削減目標を決めて行うものではないということをしっかりと更に徹底をしてほしいと。具体的な国民の皆さんからの直接の税金が、例えば使われていないとか、使われている部分が少なかったとしても、国民の皆さんから例えば受験料、受講料、会費その他の形で収入を得て運営されているところに無駄があれば、それは広い意味での国民負担になり、そこにしっかりとメスを入れていくということは、行政刷新という観点からは重要なことである。したがって、国費がどうなっているのかということと同時に、こうした広い意味での国民負担が小さくなるように、広い意味での国民負担に基づいている事業に無駄がないかということを、しっかりと徹底して議論をしていくようにというような御提言がございました。「事業仕分け第2弾」においてはもとより、今後の刷新会議で行っていく作業において、大変重要な御示唆、御指摘だというふうに思っております。
 また、草野議員からは、独立行政法人の事業仕分けについて、しっかりと横串を刺すと。制度改革につなげていくということであるから当然のことでありますけれども、その横串を刺す、直接取り上げていない事業や法人についても、刷新会議としては見直し、検討の対象であるということをしっかりと徹底してほしいという御指摘をいただきました。
 それから最後に、片山委員から、大変厳しい御指摘をいただきまして、「天下り」にメスを入れるということの観点から、いわゆる地方六団体の、これは委員の直接のメンバーは当然政治家でありますけれども、この地方六団体の事務局が典型的な天下り団体であると。この部分のところはしっかりとしていただくべきではないかということを御提起いただきました。
 今日、日程の都合で原口大臣―これは地域主権担当と言うべきなのかもしれませんが―大臣が途中で退席をされておりますので、しっかりと原口大臣にも、この片山議員からの強い御意見をお伝えするように指示をいたしました。この視点もしっかりと、広い意味での行政刷新の観点から、視野に入れておかなければならないというふうに思っているところでございます。
 以上が本日の刷新会議の御報告でございます。
 もう一点だけ私の方から、インターネットライブ中継について御報告を申し上げます。
 23日から行われます事業仕分けについて、インターネットライブ中継に御協力くださる事業者を募集いたしました。私どもの予想を超える多くの問い合わせをいただき、その結果、8事業者から御応募をいただきました。応募いただいた事業者の皆さん、あるいはお問い合わせをいただき関心を持っていただいた事業者の皆さんに、この場を借りて御礼を申し上げます。
 事前に-これは今日も配っていますね-資料を配布しておりますが、今回は仕分け期間の全日程についてライブ中継を行っていただきたい。同時に複数のライブ中継等を行った実績がある業者にお願いをしたい。それから、撮影機材、スタッフ等については、もちろん独自で手配を行われたいといった条件をあらかじめお示しいたしております。その条件を満たす5事業者について、ライブ中継を実施していただくことといたしました。
 具体的に申し上げます。
 1つ目に、Stickam(スティッカム)を運営しておられます株式会社E-Times Technologies、Ustream(ユーストリーム)を運営しておられる株式会社TVバンク、DMM.comを運営していらっしゃるデジタルメディアマート、それからニコニコ生放送を運営しているドワンゴ、ビットメディアを運営しているビットメディアの5社でございます。御協力いただく5事業者には、行政刷新会議ウェブサイトにリンクを設けることとし、事業仕分けの取組を国民に広く知っていただくために御協力をいただくことになります。
 私の方からは以上でございます。

2.質疑応答

(問)読売新聞の栗林です。事業仕分けの対象事業の選定及び、その後の本番での議論の切り口、視点について伺いたいんですけれども、以前、研究開発法人について言及されていましたが、そういった、その後の制度改正を見据えた意味での、大きな視点、切り口について幾つか教えていただきたいと思います。それと、研究開発に絡んで、追加で選定する仕分け人というのは、研究開発分野に限ってのことなのでしょうか。現在の32人の中で、そういう視点で選んだ方というのはどなたであるとか、そこをお願いします。
(答)切り口、視点というのは、列挙してすべてを申し上げることが可能かどうか、なかなか難しいところがあります。取り上げる事業としては多種多様なものがございます。それだけ視点も多種多様なものがございますが、若干抽象的になりますけれども、もちろんその事業そのものを国が関与すべきであるのかどうかということを、一般的にまずしっかりとチェックをしなければなりませんが、その事業を行う上で、最も効果の上がるやり方はどういうやり方なのか。そしてそうした事業をマネジメントする上で、どうしたら、どうした運営の仕方であれば、いわゆる間接部門の経費を少なく、直接実効性の上がる部分に国民の皆さんの負担を活かしていけるのか。こうした視点で事業のマネジメントであるとか、あるいは事業を進めていく進め方であるとか、こうしたことについて議論をしていただく。そして、それぞれの事業について、その結果を踏まえれば、当然それぞれの事業をどういった組織形態、運営形態でやっていけばいいのかということに必然的につながっていくと、こういうふうに思っているところでございます。
 ワーキンググループの評価者、民間評価者の追加の問題ですが、追加があるかどうかまだ分かりません。なおかつ、現時点である程度、この方ならば、ということで可能かどうかの打診をしていくような状況でなければ間に合いませんので、そういった意味では、具体的に若干の科学者、科学の専門家の方について、具体的に可能かどうかの内々の打診をしているけれども、今日の時点で間に合わなかったという方はいらっしゃいます。この方が可能であれば入っていただく、こういうことになろうかというふうに思っております。
 具体的に科学者の視点でということは、ワーキンググループの評価者の名簿をお付けさせていただいておりますので、それをご覧いただければというふうに思いますけれども、ただ、今回新たにお入りいただく方だったと思いますが、資料1の1ページにあります南淵さん、この方は日本の最先端の医療をやっておられて実績を上げておられる方でございまして、皆さんも御存じの方が多いんではないかというふうに考えております。
 それから、松井孝典さん、前回もお入りいただきましたが、宇宙科学の専門家、第一人者でおられる。こういった方を始めとして-すみません、大学の先生など専攻、学部を書いておりませんので、私もそちらの資料と一緒ならば、すぐこれを指摘できるんですけれども-こういった形で、ある意味ではいわゆる第一人者の方に、前回もお加わりいただいておりますが、今回もお加わりいただくということでございます。
(問)日本テレビの平本と申します。「事業仕分け第1弾」のときと比べて、取り囲む環境が今大きく変わっていると思うんですけれども、今日も刷新会議の方で、鳩山総理の方は国民の期待は非常に大きなものがあると、改めて事業仕分けに対して期待感を示しております。
 今、鳩山内閣が支持率が下がる中で、鳩山総理がこの事業仕分けに対して、非常に高い期待を示していますけれども、枝野さんとして、この鳩山総理の期待に対してどう応えていきたいと思っていますか。
(答)私自身、政治家でありますし、鳩山内閣の閣僚の一員という立場でありますから、今おっしゃられたような政治的な意味での期待に応えなければならないということは、十分認識しているつもりでありますが、それと同時に、この事業仕分けを直接担当する行政の責任者という立場からは、それは鳩山総理の期待に応えるためにやるのではなくて、国民、納税者の皆さんの負託に応えるということが、この事業仕分けを行う本質的な目的であります。そうした意味では、鳩山内閣を取り巻いている政治的な環境は、いろんな見方があるかもしれませんけれども、国民、納税者の皆さんを取り巻いている、この国の財政や行政の在り方の環境というのは、昨年の11月と全く変わるものではないと。そういった意味では、周りの皆さんからいただいている期待というものの状況は、昨年の11月と全く同じであると、そういう思いで、特にこれからの詰めの準備作業と本番の作業に当たりたいと、こういうふうに思っております。
(問)フリーランスの小川裕夫と申します。よろしくお願いします。2点ありまして、すみません。
 1点は、5月末、もう発売されているんですけれども、アップル社のiPadが5月末に日本版が発売されるんですけれども、実はアメリカ製のiPadは、日本の総務省が認定している「技適マーク」というのがついていなくて、これは国内で無線LANを使用すると、200万円の罰金ということになっておりまして、使うことができないということに一応なっているんですが、これは日本人が使う分には、来月まで待てばいいので、そんな大した問題ではないんですけれども、例えば外国人ビジネスマンなどが日本にやってきて使うということは禁じられているということで、そのあたり、ICTなどでは議論をされているようなんですが、規制緩和の面からして、枝野大臣はどういうふうに考えているのかなという点が1点。
 それともう一つは全く違うんですけれども、先ほど「地方六団体が典型的な天下り団体である」という御指摘をされている、ということがあったということなのですけれども、例えば総務省顧問の方々、メンバーを見ますと、こういう言い方は申し訳ないんですが、選挙に落ちた方が結構多くて、選挙に落ちたときの、そういった対策ではないかというふうに思ってしまうんですけれども、そのあたり、官は天下りはだめだけれども、政治家の天下りみたいなものはオーケーなのかという、ちょっと思いがあるんですけれども、そのあたりちょっとお伺いできればと思います。
(答)1点目なんですけれども、具体的にはまだ規制改革の私の部局のところで検討はいたしておりません。ただ、今伺うと急を要する話と思いますので、私の部局の方から、担当は総務省だと思いますので、事実関係の確認等は必要に応じて協議、御相談をさせていただこうというふうに思っております。
 それから、2点目のお尋ねでございますが、これはいろんな御評価があるんだろうというふうに思いますが、総務省などで前議員、元議員の方が顧問になられていたケースはございますが、それぞれ、単に議員であって落選をされた方ということではなくて、一種、専門的な知見をお持ちの方がなられていたというふうに理解をいたしております。
 また、これが常勤でたくさんの報酬を得ているとか、そのことで選挙に向けた安定的な経済的な基盤が作られるというようなことであれば、御指摘のようなこともあるのかなというふうに思いますけれども、せっかくの知見を活かさないともったいないということで、非常勤で必要に応じて知見をお貸しいただくということであるならば、御指摘のようなことには実質的にはならないというふうに思います。ただ、そういった御指摘もいただきかねないことであるということは、おそらく総務大臣も、今後は留意されるのではないかというふうに思っています。
(問)テレビ東京の小野と申します。独法、公益法人の天下りでない職員の方の雇用についてお尋ねします。今回、制度改革ということにまで進むということになりますと、当然、独法、公益法人の事業を大幅に削減するということになって、プロパーの職員の方の定数削減、人数削減ということにも当然進んでいくこともあると思うんですが、この雇用の安定確保ということについて、枝野大臣はどのようにお考えかということと、それにどこまで担当大臣として、政府が関与、責任を持つべきかということについて、御所見をお願いします。
(答)まず、今の段階では、これから事業仕分けを行います。事業仕分けにおいては、その事業が国が行うに値するか、あるいは税金を使うに値するかという観点で、まずは徹底して議論をいただき、一定の結論を出していただくというのが、やはり事業仕分けの趣旨だというふうに思っております。
 その結果として、例えば事業がいらないとかということになれば、当然それの仕事をしていらっしゃる人もいらなくなるということになりますので、この事業仕分けの結果を踏まえた組織、制度改革の議論においては、今度はそこで働いている方をどうするのかということを当然視野に入れて行わなければならない。ここはなかなか難しいところですが、一方で、民間企業においては大変厳しいリストラで仕事を失っている方もいらっしゃるという状況の中にあります。もちろん、ここは広い意味での使用者としての立場が我々の側にはあるわけですから、そこに配慮しなくていいということには全くならないというふうには思います。
 でも、一方で、民間で厳しいことが行われているという状況の中で、民間で厳しい状況でリストラをせざるを得ないときに、どういった配慮とどういった手当てがなされているのかということと、基本的には横並びだろうというふうに思っております。そうした意味では、刷新会議の方にも前回から吉川さんという企業の人事、労務のところをかなり抜本的な改革をして、企業業績を上げられたという方にもお入りをいただいています。組織としてのインセンティブや、そこで働いている方のインセンティブを維持しながら、なおかつ組織をスリム化していくということについて、適切な一種のソフトランディングをされた御経験だというふうに思っておりますので、そうした御経験なども活かさせていただいて、厳しいリストラを民間並みにしなきゃいけないということと、民間でもしっかりした企業ならば一定のきちっとした配慮をしているということを、国あるいは独法においてもしっかりやるということの両面をしっかりとバランスさせていきたいというふうに思っています。
(問)確認なんですが、民間と同様の企業努力というものを、独法、公益法人もリストラの際には確保しなくてはいけないというふうな意味合いととらえてよろしいでしょうか。
(答)両面です。企業努力として、リストラもやるという意味ではしっかりやらなきゃいけない。ただ、リストラをするときに「1カ月後から君は来なくていいですよ」ということで、無責任な対応をしている民間企業は、これはまた、あまりない。何とかそこで働いている皆さんが、生活に困らないような範囲を最大限しながら、企業としての努力をされているのが大部分の民間企業だと思います。したがって、そういったことに取り組む際の民間企業の労務担当、総務担当の方は大変な御努力をされているということになります。その両面の努力、一種、二律背反しそうな両面の努力をしっかりとしてやっていくと、こういうことです。
(問)産経新聞の小田と申しますけれども、よろしくお願いします。
 先ほど配られた資料で、参考資料3というもので、ハトミミ「職員の声」資料というので、独法の事業仕分けの意見募集が入っていると思うんですけれども、これでちょっと見ましたところ、一番件数が多い文部科学省所管の国立高等専門学校機構、あと何かそれに続いてですか、経産省の産業技術総合研究所とかは、今回の仕分けの対象に入っていなかったと思うのですが、何か多いところが入っていなかったというのはちょっと何か不思議に思ったのですが、これは何か理由があるのでしょうか。
(答)多いということですので、しっかりとこの声も受け止めて、取り上げるかどうかということについての検討をいたしました。実は正直言って、高専機構は相当迷いましたが、結局ここは、今たくさんある高専が一つの独法という組織になっているけれども、これが個別の法人的な方がいいのではないかというような、いわば組織論にほぼ収れんされる。事業そのものがどうあるべきかという議論と、ちょっと違うということでございますので、私も強い関心を持って-実はここのヒアリングについては私自身も直接対応したうちの一つなんですけれども-結局、事業仕分けには、なかなかなじまない論点であるなと。
 そうだとすると、これは他の独法の事業仕分け結果を踏まえた上で、独法の制度改革の議論において、ハトミミで寄せられた意見も踏まえながら、ここの組織の在り方をどうしたらいいかという検討をしたいと、こういうふうに考えております。
 もう一つは産総研ですね。実は産総研だけではないんですが、これまた前回の事業仕分けにおいて、中心となる事業を前回取り上げたところをどうするのかというのは、ここに限らず一つの大きな、我々にとっては判断を迫られるところでございます。一律に、前回取り上げたから取り上げないということはいたしておりませんが、前回取り上げた、そこで出された議論で、今回の事業仕分け後に想定をしている組織、制度の改革に向けた議論がある程度なされているということであれば、重ねて行う必要はないんじゃないかと。前回、第1弾の事業仕分けの結果と、ハトミミなどに寄せられた御意見等を踏まえて、第2弾で取り上げている独立行政法人と一緒に制度、組織改革の議論の俎上(そじょう)にのせる。こういうことで、今回は産総研の事業は取り上げていないということになっているかと思います。
(問)関連で、ちょっとこれは一点お願いになるのかもしれないんですけれども、国民の声の方については、何か意見が丸めて書いてあるような気がするんですけれども、この独法に関しては、件数だけで何もないですよね。要するに、どんな意見なのか、どんな意見というか、どんな指摘だったのかが全くわからないので、丸めてわかるように何か資料を……。
(答)丸めてついていませんか、3ページ目、独法の提案の事例。1ページ目、2ページ目で、独法、公益法人の総括の数の表が出て、3ページ目で独法の丸めた具体的提案で、4ページ目で政府系公益法人の例ということだと思います。もしかすると、資料の落丁かもしれません。落丁だったら、ちょっと事務的にできるだけ急いで配ってあげてください。
(問)NHKの草ケ谷です。よろしくお願いします。先ほどの刷新会議の発言の中で、総理からも特別会計の見直しに取り組んでほしいという話があったということなんですが、今の枝野さんも、非公式のチームを作って検討を進めているとおっしゃっていたんですが、特に、これからどういう視点でこの見直しを進めていきたいかということと、今後の運びについて、今お考えになっていることがあればお聞かせください。
(答)特別会計については、実は2つの視点があります。制度としての特別会計をどうするのかという視点と、それから特別会計にある、いわゆる「埋蔵金」をどうするのかという話と、両方あると思います。本質は、やっぱり制度そのものをどうするのかということが本質だというふうに思っております。ここを軸にしながら、同時に、いわゆる「埋蔵金」問題についても、しっかりと議論、検討をして提起をしていくということを考えております。
 ここは、かなり専門的な政府の特別な会計の仕組みみたいなことを熟知をしておりませんと、なかなか十分な議論もできないということでございますので、私のもとで、そういった実務的な整理、検討をもう既にしてもらってきています。そこでの検討を踏まえて、少し中期的なこういう段取りということと、まずは定性的な特別会計の在り方のような視点が出せればいいなと思っていますが、ちょっとこれは事業仕分けの作業と並行しながらやっている中で、ちょっと今のところ、とりあえず4月28日までは独法の仕分けの方を優先したいと思っています。その間に事務的にはいろんなバリエーションで論点を整理してくれていると思いますので、それを踏まえて連休にでもじっくり考えて、それを踏まえて次回の行政刷新会議に提起をしたいと思います。
(問)毎日新聞の谷川と申します。事業仕分けが削減額の積み上げを目指すものではないという考え方は理解できるんですが、一方で、民主党のマニフェストでは、予算の無駄の削減とか組み換えで9兆円の財源を捻出するとしています。この9兆円の財源をどうやって捻出するかについては、事業仕分けと離れて、政府として今後どういう場で、いつまでに求めていくのか、これは4年間ということなので、4年間、当面具体的な場がないのか、あるいは今年の概算要求でやっていきたいとか、具体的なものがあるのか教えてください。
(答)御理解いただいておりますように、事業仕分けというのは、4年後に9兆円のフローで財源を捻出するということの一部分であります。事業仕分けを踏まえた、様々な制度改革というもので、いわゆる狭い意味での行政の無駄を削減すると。これは事業仕分けからさらに横串を刺す形で、私の責任で、できるだけ無駄というものは徹底してあぶり出すということを考えて進めていきます。
 ただ、これはまさに無駄がどこにあるのかを探りながら、監査をしながらやっていく話でありますので、時々「工程表を示せ」というような御意見もあるんですが、むしろ工程表などに縛られるよりも、やりながら、ここを探っていけばもっと無駄を掘り出せるんじゃないかということを臨機応変にやっていくべきだと思っておりまして、今回、特別会計を刷新会議として取り上げることになったのも、事業仕分け第1弾と第2弾の準備を踏まえて、民間委員の皆さんから御提起いただいて、なるほどそういうことだということで進んでいきますので、ここはそういったことで、とにかく4年間かけて徹底して、あらゆるところの無駄を察知しながらやっていくということです。
 その上で、全体としての9兆円は、それを含めて予算の使い方に優先順位をつけて、優先順位の低いものを後回しにしていくということの中で生み出していくということになってまいります。これは、どこかの1回の1カ所の場で、何か具体的にこうなりますという話ではなくて、まさに、この4年間の予算編成作業のトータルの中で、最終的に9兆円の組み換えをするということでありますので、なかなか具体的にどこでどうこうということではないと思うんですが、そこに向けて中期財政ビジョンとか、財政何とか……、すみません、正確な名称は私も直接の所管でないので―というような形で、全体の財政構造についての議論を既に始めていると。こういった場を通じた4回にわたる予算編成の作業で、結果的に4年目に9兆円の財源が捻出できるかどうか、こういうことだと思います。
(問)毎日新聞の影山です。関連になるんですけれども、今回の事業仕分けで対象となった47法人151事業の事業額、総枠幾らぐらいかということと、そのうちの国費がどれだけ投入されているのかというのを、もし積算して出されていたら伺えるとありがたいです。お願いします。
(答)すみません、全くしておりません。そういった視点は、今回は全くといって-実は前回もそうなんですけれども、今回は特に、計算をしておりません。申し訳ありません。
(問)すみません、大体どのぐらいとか、そういう感触でも。
(答)それは、まして全くわかりません。少なくとも、事業仕分けの現場においては、そうした金額は、それぞれの事業仕分けのシートの当然の必須記載事項でありますので、それは皆さんにも配られますので、皆さんの方で御集計いただければと思います。
(問)朝日新聞の赤田と申します。よろしくお願いします。先ほど民間の感覚というのが大事なんだという御趣旨だったと思うんですけれども、今回仕分け対象の中に、美術館を運営しております国立美術館と、それから博物館を運営しております文化財機構というのが入っておりますけれども、いずれも民間的な経営では非常に難しい不採算の世界なんですが、それはほかの、多分独法でもあるかと思うんですけれども、そういった、非常に不採算でやらざるを得ない分野について、どこまで効率性というのを求められるというふうにお考えなのかということと。
 あと、これはいずれも枝野さんは複数の、科学博物館などとの合併というようなことも御検討されているというようなことも漏れ伺っているんですけれども、そういった、つまり合併、統合等をするとなると、専門的な立場から、それはおかしいんじゃないかという、当然、専門家の抵抗もあるかと思うんですが、そういった専門家の意見に対する反論というか、抵抗があったときにどういうふうに対応されるのかという、大綱2点を伺えればと思います。
(答)これは第1弾のときにも、これは私どもの説明不足もあると思っているんですが、誤解がなかなかあるなと。つまり、民間にならってとか効率性とかという話は「部分」なんです。この「部分」についてはそういうことは言われるけれども、そもそもが国が行う事業、そして国がやるべき価値があるということであれば、逆に言えば、民間の営利企業的採算性には合わないことが大前提なわけです。
 これから議論するのに結論めいたことを言うと、またお叱りを受けそうですが、美術館とか博物館とかを運営するというのは、それが採算に合わなくても、国として、あるいは少なくとも大きな意味での公・官としてやるべきことであるのは間違いないと思うんです。ですから、そのこと自体を事業仕分けで、民間のように、何かディズニーランドのように儲けろみたいな話というのは、これはやっぱりないわけなんですよね。ただ、そういう前提だけれども、国がお金を出してやらなきゃならない前提だけれども、そこで営んでいる様々な事業の、この部分については民間でやっていることを考えたら、非常に効率が悪くて、もっと安い値段で同じ効果を上げられるんではないですかと。こういった意味での民間のことを参考にして、そういった意味での効率性をやると。税金を使うという前提で、その税金の使い方を、より効果的にするということで、事業仕分けというのはあるんだというふうに思っていまして、そもそも、全部営利事業的にやれということを想定しているわけでは全くない。同じ効率性といっても、そこは全然次元の違う話だということを是非我々ももっと強調して示していかなければならないと思いますが、御理解をいただければと思います。
 それから、どこの法人をどう合併させるのかというのは、全く事業仕分けとは別次元で、個人的にはいろんな考え方、意見を私自身も持っていて、この間も例えばということで申し上げておきましたが、今の時点で、ここまで来て申し上げると、これこそ予断を与えるということなので、具体的に今おっしゃったところがどうなるかということについては、コメントを控えたいと思いますが、一般論として、組織のマネジメントのあり方、ガバナンスのあり方、つまり、専門性を持ってやらなければならない部分と、それから一般的に共通するマネジメントの部分、それからガバナンスの部分というのは、整理できる余地はあるのではないだろうかと。あえて具体名を挙げて申し上げれば、先ほど高専機構の話がありました。高等専門学校は、それぞれの学校に個性、特性がたくさんあります。個性、特性がたくさんあって、学校ごとに独自のさまざまな運営を、学校としての運営はしているけれども、そのガバナンスは今、高専機構という一つの独立行政法人でやっていると。これがいいのか悪いのかということは、事業仕分けの後、議論の俎上に乗るテーマだと思っていますが、例えばそういう形というのもあり得るわけで、そういったことも含めて、どういうやり方が間接経費を一番小さくして、同じ税金を最大限、その事業の本来の目的に活かせるかということでは、予断なくいろんなことを議論、検討していくことになるかと思います。
(問)毎日新聞の山田といいます。よろしくお願いします。いただいた資料で2番、事業仕分けの前半の対象となる事業案というのが出ているんですけれども、グループA、Bと分けられているんですけれども、当日の仕分けはこの順番通りに大体進むと考えてよいんでしょうか。それとも、何らかのカテゴリー別に、大分類してまとめてやるという形になるんでしょうか。4日間の大まかな時間割というのか、流れというのを、もしわかれば教えてください。
(答)この並んでいる順番ではありません。今、そのコマ組みを実務的にしている作業中であります。このコマ組みについては、それぞれの事業の性質、特徴ごとに、できるだけ同じような論点のものを一まとめにし、なおかつ、その並べ方についても、議論がやりやすいようにということで整理をしているところでございます。
 これはまだ確定していませんが、できれば事前に全体の4日間のタイムテーブルをお示しをしたいという意欲を持って、準備作業をしております。ちょっと最終的にいつどう出せるのかということは、現時点では申し上げられないんですが、できるだけ事前にお示しできるように、努力をしているということで御了解いただければというふうに思います。

(以上)