枝野内閣府特命担当大臣記者会見要旨 平成22年3月19日

(平成22年3月19日(金) 9:27~9:40  於:第4合同庁舎642会見室)

1.発言要旨

 お待たせしました。おはようございます。
 今日の閣議ですが、マグロが昨日いい結論になりましたので、始まる前の閣僚の応接室のところから、その話で盛り上がっておりました。
 直接私の所管に関係するところはございません。
 それから、閣議と直接関係ございませんが、一部色んな見通しが報道もされておりますが、事業仕分けの対象として、特別の法律により設立される民間法人、いわゆる特別民間法人について、前政権下では特殊法人の民営化の一環として認められてきたものだということだそうでございます。ただ、法人形態は変わったものの、事務事業の見直しが不徹底なものがあり、権限や資格の付与などの実態は変わっていないものも見られるところでございまして、この際、必要なものについては事業仕分けの対象として取り上げることとしたいというふうに思っております。権限や資格の付与などの観点から問題があるという可能性のある特別民間法人の事務事業についても、まずはヒアリングを行って、実態を把握したいと考えております。
 独法、公益法人以外の法人でも、今後も同様の問題点を有する法人があれば、必要に応じて実態を把握し、対象とすることを検討していきたいというふうに思っております。
 私の方からは以上です。

2.質疑応答

(問)今、お話があった特別民間法人なんですけれども、今、把握されているだけでどのぐらいの数があって、実際事業仕分けではどのぐらいのものを取り上げられるのかというボリュームの問題と、あと、今、これまで一部見聞きしているところで特に問題があると思われる点について、幾つか指摘していただければと思います。
(答)幾つ取り上げるのかというのは、全体の中のバランスになるというふうに思っています。独法、公益法人自体も最終的に幾つ取り上げるのか、まだ数を確定させていませんので、その全体の兼ね合いの中で、独法や公益法人で取り上げなきゃならないものとの比較の中で決まっていくということだと思っています。
 具体的な問題点等については、独法、公益法人についても、現時点では具体的な固有名詞を挙げて、私どもの視点でここが問題だということ自体は申し上げておりません。この間、過去に指摘をされた公益法人だけ申し上げただけですので、現時点で予断を与えるようなことを申し上げないほうがいいかなと思っておりますが、先ほど申し上げたとおり、いわゆる公的な権限や資格付与等の事務を行っている特別民間法人もあるということの中では、独法や政府系公益法人と同じように見ていかなきゃいけないなという、こういう認識です。
(問)特別民間法人は38あると思うんですが、このうちヒアリングの対象になるのは全てということなんでしょうか。
(答)いや、ここはまだ決めていません。とりあえず、そこも対象の外にはしないということを決めた段階ですので、数から言ったら全部聞けば聞けると思うんですが、逆に言うとネガティブリストかなと。聞かなくてもいいと明らかに思われるところを外して、一通り聞いてみようかなと。名前を聞けばどういうところか大体わかるところと、それから、何をやっているのだろうなというところと両方ありますので、名前を聞いて、ここは今回は取り上げなくてもいいんじゃないかというところを外して聞いていくのかなと思っています。
(問)今日から独法のヒアリングが始まりますが、それの終わった後続けていくということですか。
(答)そうですね。結果的にそうなると思います。
(問)話題は変わりますけれども、民主党の生方副幹事長が、あらためてですけれども、副幹事長を昨日解任される方向になりましたけれども、まず受け止めを、どのようにこの事態をご覧になられているでしょうか。
(答)昨日も申し上げたとおり、私は報道されている生方さんの発言、新聞にインタビューが記載されたものしか、生方さんの御意見、御発言について聞いておりません。テレビ等で発言されていることについては、中身は直接把握をしておりません。
 少なくとも、私が新聞で読んでいる限りでは、幹事長室内部の会議その他でどういう御発言があった、なかったかということはあるかもしれませんが、副幹事長を直ちにお辞めにならなきゃいけないような種類の部分がどこにあったのかなというふうに首をかしげております。
(問)今回こういった事態を受け止めまして、いわゆる小沢幹事長に対して批判的な発言をした人は執行部から外すと、党内では自由な議論ができないのではないかというような指摘が起きていますけれども、こういった事態は、そういった党内の自由な議論をする上でどういった影響が与えられると思われるでしょうか。
(答)詳細な理由やいきさつを私は聞いておりませんが、小沢幹事長に、皆さんから見れば批判的な発言をしていたら閣僚になってしまいましたので、ケース・バイ・ケースというのか、そういったことで発言が抑制されるというような人間は、私はそう多くはいないというふうに思います。
(問)自由な議論をする上で、しにくくなるような雰囲気がこういうことがあるとつくられると思うんですけれども、そういう影響はあると思いますか。そういうような人として発言するべきだという枝野さんの考えはわかるんですけれども、枝野さんみたいに自由になかなか発言できない方も党内には多分いると思いますけれども、そういう方に対して発言しにくいような影響は出ると思いますか。
(答)何かを言ったらポストを外されるのではないかというようなことで発言を抑制するような人は、政治家をやる資格がないと私は思っています。
(問)生方さんの、「更迭」ではなく「交代」という表現をするんですけれども、その理由の一つとして、小沢さんに直接言わなかったり、党内で言うのではなくて外で言ったことが問題だという意味付けも一つあるようで、昨日、鳩山総理もそういった趣旨のことをおっしゃっていたんですけれども、「外で言ったんでしょうね」という感じでおっしゃったんですが、枝野さんも大臣就任前に、メディア向けではないですけれども、有権者に向かってけじめをつけるべきだという発言をされていた、それはある意味では、中で言わず外で言ったという構図は同じだと思うんですが、そういうお立場からして、外で言ったからいけないんだという理屈についてはどう思われますか。
(答)基本的に、一般論として、内部の議論の場で発言の機会があれば、それがまず先行するのが一般的な筋であると、私も全くそれはそのとおりだというふうに思います。
 問題は、だからといってすぐに副幹事長を代わってくれという話にどうしてつながるのかというのは、私にはよくわからない。意見があるならば内部で言ったらいいじゃないかというようなことをおっしゃられればいい話ではないのかなというふうに思いますけれども。
(問)枝野さんはそれを理解できない、首をかしげていると今おっしゃいましたけれども、その一連の状況は国民の理解を得られると思いますか。
(答)民主党や民主党政権に対する支持率には、プラスに働かないのは間違いないと思います。
(問)生方議員なんですけれども、党の政調の復活を求めるグループでいろいろ活動されていたと思うんですけれども、改めて、党の政調の復活については枝野さんはどう考えられますか。
(答)私は、一般論として、政調の復活がいいとか悪いとかということはなかなか言いにくいと。内閣に政策決定を一元化するというこの政権発足以来の方針、これはきちんと堅持をしなきゃならない。一方で、内閣に入っていない与党の議員の皆さんの力をより活かして発揮していただくための工夫は、試行錯誤は常に進めていかなきゃならないというふうに思っています。
(問)大臣直接の所管ではないんですけれども、今日、閣僚懇でも皆さんクロマグロの話が出たということだったんですが、改めて、枝野さんから見て、今回、取引禁止案が否決されたということの受け止めをお願いできますでしょうか。
(答)理屈で考えれば当然の結論なんであって、クロマグロがだめなら、じゃ何で豚や牛はいいのかという話に当然なるわけなので、理屈で考えたら当然の結論だと思うんですが、国際政治は理屈だけでは通らないのもよくわかっていますので、そうした中では、外務省、水産庁、しっかりとした努力をされたのかなと。理屈の通らない話が終わってよかったなと。ただ一方で、もちろん資源の乱獲という問題はありますので、そこは赤松大臣の下でしっかりと対応されていくのだろうなというふうに思っています。
(問)昨日のオープン会見で配られた『「ハトミミ」職員の声』の活用状況についてなんですが、705件という寄せられた数と、あとは、中を見ると、予算の使い切りのほうですけれども、例えば出張旅費を作るために一日がかりで作業をするとか、そういったちょっと一般的な感覚からするとちょっとずれているような意見があったんですが、この意見に対してどう思われたのかという感想を教えてください。
(答)政権交代を機にこういうことをやらないと、こういうことがまかり通っちゃっているんだなというのが、半分あ然とし、半分想像していたとおりだなというような感じです。
 ただ、あえて申し上げれば、やはり基本的には、従来やってきたことを継承するという全体としての体質構造がある中では、やはり政治が不断にいろいろな現場の声を踏まえて、一個一個は決して大きくないかもしれないけれども、矛盾があればそれを正していく、指導力を発揮していくと。その意味で、こういった「ハトミミ」のようなやり方の意義は大きいのだなということを感じていますけれども。

(以上)