枝野内閣府特命担当大臣記者会見要旨 平成22年3月11日

(平成22年3月11日(木) 19:30~20:15  於:内閣府本府地下講堂)

1.発言要旨

 先ほど第6回の行政刷新会議を開催いたしました。
 私にとりましては、大臣を拝命いたしまして最初の会議でございます。
 また、稲盛前議員の後任として、本日付で吉川廣和議員が委嘱をされましたが、初めて御出席をいただきました。
 本日は3つの議題をお決めいただきました。
 1つは、いわゆる事業仕分け第2弾の実施、2つ目に、行政事業レビュー、そして3つ目には、規制制度改革に関する分科会の設置、この3つの議題について御議論をいただき決定をいただきました。
 まず事業仕分け第2弾は、独立行政法人や政府系の公益法人が行う事業の事業仕分けとして、本年4月下旬と5月下旬に実施すること。それから、予算面にとどまらず、事業の必要性、効率性等や、だれが事業を実施する主体として適当かを検証すること。そして、これらの事業仕分けを実施するため、ワーキンググループを設置することについて決定いたしました。
 さらに、これはお手元の資料ですと、資料の1-2になるかと思いますが、各府省で自主的に事業仕分けを実施する動きがありますことから、事業仕分けを行う場合に守っていただくべき基本原則をお示ししました。これらについて、意見交換を行って了承を得ました。
 議論の中では、対象事業の選定について、きちっとわかりやすく明快なルールに基づいてということの御意見が出されまして、今そのことを配慮しながら決まっていくプロセスを皆さんにもお示しをしながらやっておりますということで、私のほうから御報告をいたしました。
 それから、事業仕分けの前段階でもう報道等されていて、明らかに問題だというようなところについては、各府省内で独自に見直しを行うべきであるというような御意見も出されまして、これも府省によってはそういった努力を既に進めていただいているということを御報告させていただきました。
 なお、公益法人の事業については既にヒアリングを始めておりますが、本日の議論も踏まえて、対象事業の選定を進めてまいりたいと思っております。
 2つ目の行政事業レビューでございますが、各府省がそれぞれの府省内部において、予算の支出先や使途の実態把握などにしっかり取り組んでいただき、その点検結果を予算要求等に反映する仕組みをつくっていただこうということで、事業仕分けの内生化・平常化というべきものでございます。これについて御提起をさせていただきまして、大変大いに結構であると、民間の委員のそれぞれの皆さんから御意見をいただきました。各省が競い合って見直しを行うべきであるというような御意見もいただいております。
 それから同時に、こうしたレビューをしっかり行っていく上でも、ミッション管理をしっかりと進めていくべきだという御意見をいただきました。つまり、それぞれの事業を誰のために、どういう目的でやっているのかということをしっかりと確認して、共有していくと。そこにずれがあると、実は大変労力が大きくかかる、国民の目線からもずれていくということでございまして、このミッション管理をしっかりとしていくということも、このレビューの内側でか、あるいはその外側でか、いずれにしても、しっかりと次回の刷新会議までの間に、加藤事務局長とともに整理をしていくというふうにお話をさせていただいたところでございます。
 また、この行政事業レビューにつきましては、本年度初めて、今回初めて行うということでございますので、やりながら、試行というのがお手元のペーパーには入っているかと思いますが、ということでやらせていただくということでございますが、とはいっても、試行であるということが言い訳にならないように、本番のつもりで取り組んでもらいたいという御意見をいただいておりまして、まさにそのとおりであるというふうに思っております。
 また、各省の取り組みが不十分な場合には、行政刷新会議として、各省の取り組みに対していろいろと対応していくということも話として出まして、確認をさせていただいております。
 次回の会議までに、この行政事業レビューについての具体的な体制、行動計画案をつくりまして、各府省からも御報告をいただくということを予定いたしておるところでございます。
 それから3つ目、規制制度改革については、前回の会議で分科会を設けようという方向を決定したところでございますが、今回、分科会の会長には内閣府の副大臣、それから分科会の会長代理を2名置いて、1名は内閣府の政務官、もう1名は民間からの委員の方になっていただくという、この構造を決めました。
 それから分科会のもとに3つのワーキンググループを設置すると。1つはグリーンイノベーション、2つ目はライフイノベーション、そして3つ目が農業、この3つのワーキンググループを設置して、まずは特にこの3つのテーマを中心に、この規制制度改革の議論を進めていただくということで御了解をいただきました。
 なお、規制改革については、規制改革を進めると同時に、基盤整備を進めることが大変重要であるという御指摘を議論の中でいただきました。
 具体的に言いますと、事後チェックのルール、そしてその事後のしっかりとした監視、それから情報開示、そして敗者復活、セーフティネットの整備、こうした規制改革を進める基盤整備を同時にしっかりと進めていくこと、このことが重要であるという御指摘をいただきました。
 それから、かなり細かいことなんですけれども、実はこの規制改革においては特区をうまく組み合わせてやっていこうという議論もございまして、さらに言うと、特に地方などでは、既に効力を失っている過去の通達に基づいて、できないじゃないか、規制になっているんではないかというような受け止めがあると。このことについてしっかりと、もう効力を失っている通達等によって縛られている部分については、実は制度改革などする必要なくできるんですよということをしっかりと徹底することが重要ではないかという御指摘をいただきました。
 この議論を受けまして、終わった後でございますが、いろいろな声が上がってきたことに対して、しっかりと私のもとで、それはもう通達は効力はないんだから自由にできますよということをしっかりと確認してお伝えをする、ノーアクションレターというようなことも、既に実は部分的にはやっておりますので、こういったことも徹底していきたいと。これは議論の後の話でありますが、議論の中でそうしたことが出ましたので、対応をさせていただこうというふうに思っております。
 私のほうからは以上でございます。

2.質疑応答

(問)フリージャーナリストの若林亜紀と申します。
 2点質問なんですが、1つが今回の仕分けの目的を教えてください。
 あと2つ目の質問は、レビューが始まるということだったんですけれども、これまで、例えば小泉内閣の業績評価が始まったりとか、塩爺の予算執行調査とか、そういった内生化は何回もやってきましたが、目標がなければ意味がないと思うんですね。例えばシーリングといった目標をつくるのか、あとはもう一つ、これまで屋上屋を重ねてきたような業績評価とか、予算執行調査、一たんこれを外すのか、それともあれを置いたままさらにレビューを重ねるのか、教えてください。
(答)事業仕分け第2弾の目的でございますが、これはいずれにしても大きな意味では、国民納税者の皆さんから納得できない税金の使い方を見直すということが、大きな目標でございます。
 そして、特に今回は、前回の事業仕分けでも問題が多いということで取り上げられました独立行政法人と政府系の公益法人を中心にして取り上げまして、そして、できるならば、それぞれについての制度改革を目指したいというふうに思っております。
 独立行政法人についてはまさに国の機関ですので、直接の制度改革につながっていくような議論にしたいと思っています。
 公益法人については、政府系といっても民間法人でございますので、政府とこうした民間の公益法人との関係についての制度、ルールをつくるというか、変えるというか、そういったことにつなげていければというふうに思っています。
 それから、レビューのほうでございますが、これも税金の使い方を納税者の観点からしっかりと見直すということが目標ですので、シーリングなどのような、つまり歳入歳出管理の目的では直接にはありません。それにかわるものではありません。ですから、目標金額があってどうこうとか、そういう種類のものではなくて、おかしな使い方についてはしっかりと見直していただくと。
 逆に言えば、内部でできなければ行政刷新会議としてそこにメスを入れていくことになりますので、各省競い合ってしっかりと、行政刷新会議に取り上げられることのないように、内部でできることはやってくださいということだろうというふうに思っております。
 そして、屋上屋という話がありましたが、行政評価とは性格が違うというふうに思っています。行政評価は政策目標に対する達成度を評価するということでありますが、主に、むしろ事業仕分けでもやりましたが、そのことによって改めて明らかになったんですが、それぞれの府省でも、実は具体的にその事業でどう税金が使われているのかということ自体が、十分に把握できていない。まずそのことをしっかりと自ら把握をしていただく。そして、把握をしたものを公開していただく。
 今、具体的には、事業仕分けのときに用いました事業シートのような形のものを、統一的にそれぞれの事業についてつくっていただく、そのことも公開していただく。
 こういったことで、抽象的な事業ではなくて、抽象的な予算、決算ではなくて、具体的にどこにどうお金が使われているのかということをしっかりと確認をし、把握をし、公開をし、そしてその結果としてここはおかしいよねということを出していくということで、従来の事業の評価とは違いますし、そして予算の省内における見直しということでは、こういう手法に、ある意味では過去のいろいろなものはありますけれども、集約してやっていただきたい、こういうふうに考えております。
(問)過去のものはなくすんですか。それとも置いたままこれをまたするんですか。
(答)行政評価は、これは総務省の行政評価局で別にやっています。行政評価とは意味が違いますから、それは当然並列になります。
 しかし今、それ以外の部分のところについては、この形で集約をするということになると思います。各府省で独自にやっているようなことがあったりするのは全部把握できていませんので、まさにそういったことは、これから今日の結果を受けて、各府省と刷新会議の事務局のほうで協議をいたしますので、うちの省ではこういうことをやっているんだけれどもということがもしあれば、そこの協議・調整は要るとは思っています。
(問)1点目がちょっとわからなかったので、1点だけ。
 聞いているとすごくあいまいにうかがえまして、去年の事業仕分けでさんざん横串とか重複とか、制度改革の目安というのはできたんですね。それを横串で入れればこんなショーをやる必要はもうないような気がするんですが、目標があいまいに思えるんですけれども。
(答)昨年の場合は、まずとにかく、既に概算要求なども出ているという中で、それらの中から問題の多そうなものの事業をピックアップして、そこから出てきたものを結果的に横串を刺す努力をしました。率直に申し上げて、もっと横串を刺せるのではないかというのがあのときの反省です。
 今回は、横串を刺すといいますか、制度改革につなげることを初めから想定をして事業のピックアップをし、あるいはそれぞれの事業の取り上げる順番とか、パッケージの仕方とかも整理をした上でやっていくことによって、昨年必ずしも十分に通せなかった横串、制度改革に、より完璧につながっていけるようなことを今回は目指していこうというふうに考えております。
(問)日経BPの河野です。
 3つ質問があります。
 1つは規制改革ワーキンググループ、この3つの切り口でやられると選択された理由を教えてください。
 2つ目は、前政権時代もいろいろと規制緩和の試みがあったわけですけれども、必ずしも実効的に機能したとは言えない部分があると思います。今回の規制緩和で出てくる提言が実現されるという、その実現される仕組みの担保はどうなっているのかということを教えてください。
 3つ目は、今日の会見はフルオープンですが、今後、枝野大臣がやられる会見をフルオープンでするか、クラブ限定にするか、どういう条件で判断されるのかを教えてください。
(答)1点目は何だっけ?
(問)1点目は、3つの切り口がどうしてかということです。
(答)これは、成長戦略における重点項目をまずはピックアップしていくということで、この3つの分野を置きました。
 ただ、保育の分野だけは、別途子ども・子育て新システム検討会議というのを置いて、幼保一体化を含むシステム構築について検討を始めておりますので、これを除いて、成長戦略のポイントということで指摘を受けた部分をまずは取り上げるということです。
 ただし、これしか取り上げないということではなくて、分科会本体のほうでは、それ以外の部分のところについても取り上げていこうというふうに思っておりますし、また、今後、このワーキンググループを必要に応じて増やしていくということも考えております。
 それから、実現の担保ということでございますが、まさにこれは何か仕組みをつくったら担保になるという世界のものではありません。まさに政治的な意思だというふうに思っております。
 総理みずからが議長をやっている行政刷新会議というところにこの分科会をつくったということの意味は、まさにここで議論をし、提起をされるものは、総理の意思として刷新会議本体で決めていただければ、総理自らの意思としての政治的な力を持つというふうに思っておりますので、そういった政治的な担保する力はあるというふうに思っております。
 会見については、前回来、毎週木曜日に週に1回フルオープンの会見をさせていただくということにさせていただいております。だから、これは私のほうの主催の会見は、全部フルオープンでやらせていただくというつもりで今後もおります。
 ただ、私が呼ばれる会見がございますので、私が呼ばれる場についてどうこうしろという立場ではありませんので、呼ばれる会見が週に2回ございますので、そこには呼ばれているので出席をする、こういうことになります。
(問)フリーランスの小川裕夫と申します。よろしくお願いします。
 この今日配られた資料を拝見しまして思ったんですけれども、事業仕分け公開の対象が1府11省というふうに書いてあるんですが、これは計算してみますと、警察庁が抜けているということで、警察庁はなぜ公開しないのかということをちょっとお伺いしたいんですけれども。
(答)これはまだ現時点では案でございますが、警察庁とか金融庁とかが抜けています。というのは、これは基本的には、去年の事業仕分けで取り上げた事業をたまたま抱えている省庁というところがまず試行するという意味ではいいのではないだろうかということで、現時点では思っております。
 ただ、これはこれから各府省と協議、調整をいたしますので、最終的にどうなるかというのは現時点では固めておりません。現時点は、とりあえず事業仕分けを昨年やって取り上げた事業、特にここはちゃんとフォローアップしていただかなきゃならないということもありますので、1年目、試行ということであっても、ここは必ずやっていただこうと、こういう意識です。
(問)産経新聞の小田と申します。
 レビューの件なんですけれども、今回、試行として行うのは21年度予算ということなので、自民党政権時に行われた予算の精査となると思うんですけれども、来年以降は民主党政権がどんどんやって、来年、再来年、再々来年とやると、民主党政権がつくった予算を自分たちでチェックする、もう一回仕分けるということになると思うんですけれども、それはどういった理屈でやられるんですか。自分たちで事前にちゃんと無駄を出していなかったら、する必要はないような気もするんですけれども。
(答)という理屈で行政はずっと、行政の無謬性ということで間違いを繰り返してきたんだと思います。人間のやることですから完璧はあり得ないわけでして、ベストと思って予算を今審議していただいている。ベストと思って決めた予算に基づいて、ベストと思ったやり方で執行していくわけですけれども、事後的に振り返ってみたら、ここはもっと改善する余地があるということは、それは人間のやることですから、行政であっても必ずあるわけで、そのことに常に謙虚に、自分たちの決めた予算や自分たちのやってきた執行に問題がなかったかということをみずからまずは顧みるということは、私は当然のことだというふうに思っています。
(問)フリーランスの松田光世です。
 先週のフリーランス会見、1問目の答えが納得いかないので、かみ砕いてもう一度お聞きします。
 行政刷新会議を設けるというマニフェストの目的は、2つありました。一つは予算の無駄を洗い出して見直す、もう一つは行政の不正をただす、この2点でした。
 事業仕分けというのを第2弾をやったとしても、第1の予算の無駄については少しずつ重ねていけると私も思っていますし、どんどんやっていただきたいんですが、行政の不正をただすという、本来、政権交代をやった場合に「膿を出してほしい」という国民の期待があって、それで政権交代が起きたと思っているんですね。そこの部分にどうやって切り込むかというのが、これまで半年見て、何にもやっぱり出てこない。私が書いた、調査権限を持った調査スタッフをちゃんと置いて、本当に隠したいところまで入り込んで、暴き出して、直すということをやってこなかった。
 時間がなかった、いろいろ言い訳はいろいろな人から聞いています。だけれども、マニフェストどおりにやっていない。その結果、本当に膿が出し切れていないではないかということに関して、実は国民の不満が高まってきて、支持率が下がっているんではないかなと思っております。
 端的に言います。例えば検察の裏金問題、先週の質問に対して「それは総務省でやる」と言われました。確かに、やれる面もあります。だけれども、行政評価局や会計検査院ができること、それをちゃんとやればいいんであれば、行政刷新会議つくる必要ないんですよね。わざわざ書いたんですよ。その意味は、どこにあったかといえば、これまでの政権の中で、政官業癒着、特に官と政治のもたれ合いの中で、なあなあで隠されてきた部分を何とかしてほしいと、そこにあったんだと思うんですね。それを暴く仕組みができていないんじゃないですかということを、先週、実はお聞きしたかったんです。
 そのために、どういう調査権限のあるスタッフを置けばいいのか、松井孝治さんのところで取材して2週間前に書いてあります。そのとおりやっていただければできると思います。人事院総裁も、それでできると言っていました。どうやるかというと、総理大臣が内閣政務調査官なら政務調査官、こういうものを置いて、おたくの役所の調査に行かせるから、きっちり協力してほしいということを命令するんですね、総理大臣命令で。各大臣にも、おたくの役所でそういうことが、もし調査官が来たら協力するように命令しておいてくれと、こう大臣にも命令するわけです。各大臣がそれぞれの役人、あるいは所管の法人に対して、そういう調査官が行ったら調査に協力するようにと、しなかったら大臣命令違反で、国家公務員法で懲戒処分です。そういう形で二重に大臣命令をかければ、現行法を何もいじらなくても、官房長官がポストをつくって、政務調査官を置いて、総理大臣がやる気を示せばできるんです。
 そういう形でやれば、私が言っています、財務省には21兆円の裏金がある。全部、これ出しますよ、埋蔵金いっぱい出てきますよ。どうですか。ちゃんとした調査権限を持ったスタッフを置いて、本当に彼らが隠そうとしているものを暴き出して、こっそり金庫に隠してある、彼らの隠し金庫を引っ張り出して、国民のもとに戻すと、そこまでやるんだというために「行政刷新会議」というマニフェストを書いたんですよ、僕は。やってくれませんかね
(答)まずマニフェストを書いたのは、あなたではなくて、民主党でございます。そのことを申し上げたいというふうに思います。参考にさせていただいた御意見はあったと思いますが、マニフェストをつくったのは民主党です。
 それから、今、御指摘いただいた法律を変えなくてもできるということについては、総理大臣まで乗り出していただかなくても、私のもとで今と同じような形で各省に対して必要な調査はさせています。ただ、確かに、すべての膿を今の段階で出しているとは全く思っていません。まさに私自身も、就任をして今1カ月でございます。いろいろなところに隠れていると、「膿」と思われる部分は。事業仕分けだけが私の仕事ではございません、行政刷新会議の仕事だけではございません。例えば、この間も既に動いているところでは、ハトミミ、「職員の声」を通じて、内部からいろいろな情報をいただいているところがあります。これについては、通報者の保護のために、具体的なことを今の時点で申し上げられませんが、そこについて今おっしゃられたようなことから、総理大臣の指示を除いた部分の私の事実上の指示と、担当大臣に対する協力要請のもとで調査をさせている部分もございます。
 こうしたことで順次、過去の政権の膿、行政の膿というものをしっかりと明らかにしていくことが私の責任だというふうに思っております。
(問)テレビ東京の小野と申します。
 行政事業レビューの対象について確認させていただきたいんですが、21年度実施した事業の、これは事務的経費と人件費を除くと書いてあるんですが、これは予算のつく、この2つ以外の事業は、基本的にすべてレビューの対象と……
(答)聞きにくいね、ここね。ごめんなさい。
(問)すべての、レビューの対象として予算のついたものは、すべてレビューの対象として取り上げるのか、あるいはその中からピックアップするのか、そのことについてお願いします。
(答)これについては、これからの相談です。もちろん、可能であればすべての事業についてやりたいというふうに思っていますが、まさにそのために、たくさんの数の公務員がそのことに仕事をとられてということで、かえって行政コストが高くついては本末転倒ですので、そのあたりのところは今日の決定を受けて、各省の体制、それからそれぞれの作業に係る量、そして、それぞれ持っている事業の内容等を踏まえて、来月の次回の行政刷新会議までに具体的な中身を詰めていきたいと思っています。
(問)では、事業のピックアップの際の透明性、事業をピックアップした基準の透明性も担保して検討していくという。
(答)逆に、ある事業を、すべてができない場合にはどういう事業をピックアップするのかということについても、当然ルールを、もしその場合にはつくらないといけないというふうに思っています。全部選ぶならルールは要りませんが、ピックアップするならルールをつくらないといけないと思っています。
(問)物流ニッポン新聞社の田中と申します。
 公益法人の仕分けの件でお伺いいたしたいんですが、この間、聴取対象の50法人を公表されたんですが、大体、省庁丸抱えの法人が大半な、ほとんどの中で、いわゆる業界団体である全日本トラック協会が含まれていたことでちょっと多少違和感を覚えたんですが、多分、過去の国会審議の中で運輸事業振興助成交付金の問題が指摘されたことですとか、そういったことで交付金の公費の支出ですとか、基金積み立てを問題視されたんではないかとは存じますが、この間の税調の議論の中でも、安全環境、事業適正化の観点から、必要な原資ということで、国交省、あるいは民主党の党サイドのほうも、維持が必要ということで基本的に22年度は維持ということになったという経緯もありますので、トラック輸送、物流の公共性の観点から見ても、本来国が行う業務を代わりに行っているような面もありますので、四角四面に仕分けできないんじゃないかなと思いますけれども、いかがお考えでしょうか。
(答)まず50法人を前回公表いたしましたが、それはもう機械的に、過去において国会や会計検査院等で取り上げられたものということですので、その取り上げられた結果を踏まえて改善されたり、問題がないとされたりということも、当然含まれているだろうというふうに思っています。
 それから、事業仕分けで取り上げるというのは、仕分けるために取り上げるんですから、取り上げられたところは悪いところだという前提ではありません。これはぜひ皆さん、今後の報道でも注意をしていただきたいというふうに思います。取り上げたところが悪いんだったら仕分ける必要がないんで、初めから。色々とお尋ねをしてみないといけないだろうなというようなことがあるところを対象として取り上げるんであって、対象になったから、それが問題であるとかいうことが決まっているわけではないということでございます。その大前提の上で、なおかつ今申し上げたとおり、その機械的に50については公表しても問題ないだろうということで公表したということで、今行っているヒアリングの中で、その50の中からも対象になるところもあるだろうし、対象にならないところもあるだろうしということでございます。
(問)東京新聞の後藤です。
 レビューについてお伺いします。「各省庁で競い合ってほしい」ということでしたけれども、削減額を競い合うという理解でよろしいんでしょうか。あと、マニフェスト実行のための予算を、このレビューによって確保したいというお考えでしょうか。
(答)額を競い合うだなんていうのは、そもそも分母が違うんで、意味がない話ですよね。事業規模の大きいところと事業規模の小さいところと、全然意味が違いますから。競い合うというのは、それぞれちゃんと自分のところで行っている事業について、しっかりと全ぼうを把握して、それをオープンにして、なおかつ問題がないかどうかということを常にきちっと、公平な目で、納税者の視点でチェックをしているのかということについて競い合ってもらいたいということであります。
 それから、こういうことをやれば、結果的に、そこは当然、歳出の削減につながるわけですから、そこにつながっていくわけでありますが、そのことが、このことの主たる目的ではありません。納税者の観点から、容認できない税金の使い方をやめさせていくということが目的でありまして、何度も申し上げているとおり、マニフェストで約束した事業を行うための財源を確保するためには、ここで取り上げているような狭い意味での無駄だけではなくて、優先順位の低い事業を我慢していただくというようなことを含めて、広い意味での無駄といいますか、歳出の組みかえをしなきゃならないというふうに思っています。
(問)削減率は目安にはなりますか。
(答)これも事業の種類、例えば公共事業的な部分の多いところ、そんなものが全くないところとございますから、これも機械的な基準は間違いだと思っていますんで、私はかつて「シーリング」というやり方で予算を組んでいったというやり方は、私はもしやるとしても必要悪だと思っていて、機械的にやるということは、こういう仕事については、私は適さないというふうに思っていまして、例えば、ある糸口があったから、そこのところは集中的にメスを入れるというようなことは当然あり得るわけで、結果的にそこは省庁間のばらつきができて、何でうちばっかりねらわれるのということはあるかもしれないけれども、やはりおかしなことをとにかく、できるだけ早くしっかりと直していくという観点からは、あまり省庁の横並びとか、そういったことは考えるつもりはありません。
(問)日本医事新聞の上平と申します。
 規制・制度改革の分科会の件なんですけれども、まずこの規制改革というと、前政権でも規制改革会議がありましたけれども、この前政権の進め方とかメンバーと、今回のこの分科会との、もし違いがあるのであればその点、同じようなイメージで進めるのであれば、そういったことも含めて、ちょっとイメージをお伝えいただければと思います。
 それともう一つ、各ワーキンググループのことなんですが、特にライフイノベーションの分野で、大臣が特にこの点について規制改革を進めたいということがもしございましたら、それもお教えいただければと思います。
(答)前政権で具体的にどうやっていたのか、必ずしも正確に把握をしていないところはございます。ただ、残念ながら、特に前政権といいますか、政権交代までの規制改革会議の後半のほうでは、政治のほうが必ずしも規制改革に熱心でなかったということで、規制改革会議でなされていた議論が必ずしも生かされなかったという思いは、規制改革会議に参加されていた皆さんの中にはあるというふうに受けとめております。私どもとしては、まずそこは大きく変えようと。しっかりと政治がリーダーシップを発揮して規制改革を進めていくと、そういったことから、この分科会の主査だったか、座長かな―も分科会長も政務三役が直接やってもらうということにいたしました。
 それから、議論よりも結論だというふうに私は思っています。もちろん、それぞれの規制に対しては、さまざまな意見があるのはわかっていますけれども、相当大方の規制については、緩和賛成論も反対論も強化論も、それぞれの理由というのはもう示されてきていると思っていて、それは相当整理されていると。それを今さら繰り返すということよりも、ではどういうやり方をすれば、例えば規制緩和の、改革は緩和だけではありませんが、緩和の場合について、緩和すべきだけれども、こういう心配がある。では、どういうセーフティーネットを張ろうかとかという、そういうものと実務的、具体的な議論をして、結論を出していただきたいと、こんなふうに思っています。
 2つ目については、まだ具体的に私のほうから具体的なことを申し上げる段階ではないというふうに思っておりますが、大きな方向としては、基本的には、これは消費者、ユーザーの観点からの規制緩和を進めたい、規制改革を進めたいというふうに思っています。どちらかというと、今までは物やサービスの供給者の側から、例えば規制緩和が必要だとか、規制は強化するべきだとか、こういう議論が中心であったと。私は、基本的には消費者・ユーザーの観点から考えるべきだというふうに思っていまして、特にライフイノベーション、患者の立場ということを最優先して、そちらの視点から何が邪魔になっていて、何が甘過ぎるのかみたいなところの視点で議論をしてもらいたいというふうに思っています。
(問)共同通信の手柴です。
 1点確認なんですが、この事業仕分けの基本原則の確認、五つ今回出されましたけれども、これは、いわゆるレビューにも精神としては適用されるお考えなのかというのと、もう1点は、大臣は常々、広い意味の無駄、優先順位の格付みたいなものが予算の組みかえにつながっていくとおっしゃっていましたが、今回のレビューというのは、そういう広い意味の無駄にはつながっていかないとお考えなんでしょうか。
(答)まず1点目は、基本原則はレビューについても当然当てはまるというふうに思っています。具体的なやり方を、去年と同じことをやるという意味では全くありませんが、基本的な理念は、思想は一緒であるということです。
 それから、優先順位をつけるということに、直接はつながらないと私は思っていますが、昨年の事業仕分けの精査は、実はまだいろいろ続けているんですけれども、そこで出てきているいろんな議論の中には、優先順位をつける上での参考になる部分というのは出てくるだろうというふうに、あるいは出てきているというふうに思っていますので、それは参考意見がそこでピックアップされるという位置付けかなと、私は思っています。
(問)300億円ぐらいの規模の行政改革を、なるんじゃないかと思う問題を提出しておきます。必ずしも今日、ここで御返事いただこうと思っていないんですけれども、それは原子力の開発に関する問題でございます。私は、飯沼和正と申しまして、独立しております科学記者でございます。
 これは、御承知でしょうけれども、「もんじゅ」という増殖炉の再開のために、2010年度の予算では370億円ぐらいが既についております。これは昨年の暮れの要求段階では、プラス100億円、470億円ぐらい要求されておりましたが、行政刷新会議の第3部会で、直ちに削ったわけじゃなくて、終わった後でいろんなことを検討して100億円削っております。昨年の秋の段階で、私どもは、この「もんじゅ」の再開については、考え直すべきであるという意見書を出しております。私どもというのは、6人ばかりの科学ジャーナリストと、それから原子力の分野の専門家でございます。多分、その中の最もよく知られている人は、東京電力の前の副社長でありまして、もとの原子力本部長であります。それから、日本原燃の社長もやられた方であります。彼は豊田正敏さんといいます。
 彼は、今の「もんじゅ」の再開をやって、「もんじゅ」という、これは増殖炉の原型炉ですけれども、これが、よしんば技術的にうまくいくとしても、それでもってやった発電原価は非常に高くなると、これは単なる実験だから高くなるというんではなくて、実用段階になっても安くなる見通しはないということを、彼は著書にも書いておりますし、原子力委員会に対する意見書としても、何回も書いております。
 それから、その「もんじゅ」というものの最終的な目標は、2050年ということになっております。したがって、現在からいいますと、まだ大方40年も先ですから、そんなに緊急性のあるものではありません。となりますと、300億というようなお金は、もう少し緊急性の高いもの、あるいは同じ原子力でも、そんなにお金のかからないものに転ずるべきではないかと、そういう検討は少なくともなさるべきではないかと。その検討するということは、トリウム原子力という問題がもう一つあります。今の原子力というのは、ウラン原子力ですけれども、これとは別にトリウム原子力という大きな分野があります……
(答)大変恐縮なんですが、ほかにも質問をされたい方がいらっしゃって、時間の制約もある中でやっております。それから、御意見であれば、ここで言っていただくよりも、ハトミミ「国民の声」にお寄せをいただければきちっと伝わりますので、御質問をしていただければと思います。
(問)だから、そういうものを検討すると、それは行政当局から上がってこないわけです。上がってこないから、私どもはこういうところで。
(答)ハトミミ「国民の声」にお寄せをいただければ、必ず私のところに来ることになっておりますので、そこに御提起をいただければ検討いたします。
(問)そういたします。
 ここは新聞にも、いろんな新聞、もう10社ぐらいの新聞には既に書いてあります。そして、秘書官の方にも前回のときにお渡ししてあります。だけれども、もう一回書くつもりでおります。お願いいたします。
(問)ニコニコ動画の七尾と申します。
 視聴者からの質問を代読いたします。
 法令に関しまして、東京都青少年健全育成条例についてでございます。改正案では、従来の基準に該当しないアニメや漫画への規制や単純所持についても対象となっております。東京都の条例ではありますが、出版社の多くが東京に集中している点を踏まえますと、実質、国全体に影響を及ぼすことになるとの意見があります。
 もう一点として、児童ポルノ法改正案との関連性もございます。こうした理由から、この改正案に関します御見解をお聞かせいただければと思うんですが。
(答)まず一つは、条例でございますので、これは地域主権という観点から、例えば憲法に違反するなどの問題がなければ、内閣の一員として意見を申し上げるべきではないというふうに、私は思っております。
 憲法に違反するのか、疑いがあるのかどうかというのは、今お話しいただいたお話だけでは、ちょっと判断のしようがございませんので、具体的な中身を把握させていただければ、憲法との関係については、それは内閣としての見解は言い得る立場なのかなというふうに思いますが、基本的に条例について、私の立場から申し上げるのは地域主権に反するというふうに思っておりますので、御容赦ください。
(問)島田と申します。
 前回の事業仕分けで、例えばスーパーコンピューターが予算縮小と決まったけれども、またひっくり返されたというようなことがありましたけれども、今回ひっくり返されるという想定はされているんでしょうか。どこまで権限が強いのかなと思いまして、御質問させていただきました。
(答)実は、スーパーコンピューターについて、ひっくり返されたという認識は、少なくとも私は思っていないんですよね。あのとき指摘をされた問題点について、きちっと整理をして、それでそれは整理をした結果が正しいものかどうかは別問題として、少なくともなぜスーパーコンピューター事業が、あの時点のではだめですよと、大きく見直さなきゃいけないですよといったのかという趣旨には、一応お答えをいただいて、それでなおかつ予算も少し減って予算がついたというふうに理解をしていますので、まさに事業仕分けの結果を踏まえた流れになっているというふうに、私は理解をしています。
 そういう意味では、必ずしも明確にひっくり返されたというようなことが、必ずしも大きなところであったとは、私は思っていません。なおかつ、これは事業仕分けの性質として、一つの見解、意見をそこで出すということであって、それを踏まえて最終的な結論を出すわけですけれども、違う結論を出すに当たっては、きちっとした説明責任、より高度な説明責任を果たさなければならないというハードルがつくということなので、部分的には第2弾についても、事業仕分けの結論と違う結論が出るということはあり得ると思いますが、そこは相当高度な説明責任を求められるということになりますので、それほど多くはならないだろうと。

(以上)