川端内閣府特命担当大臣記者会見要旨 平成22年8月31日

(平成22年8月31日(火) 10:58~11:17  於:文部科学省 記者会見室)

1.発言要旨

 今日の閣僚懇でも報告がありましたが、昨日、経済対策の基本方針が関係閣僚で決定されました。正式決定に向けて、大枠が決定されました。それを受けまして、文科省としては非常に厳しい経済対策の中で、とりわけ大学におけるキャリアカウンセラーの増員ということでの相談支援の強化、あるいは学校等の耐震化などについて盛り込まれたところでございますが、正式決定は多分10日になるのではないかと思います。まだ10日も先に正式に動き出すということでありますので、それぞれの項目について、実施されるという前提での関係各方面の準備、あるいは体制づくり等々をすぐにやるようにという総理からの御示唆もございまして、特に大学へのキャリアカウンセラーの増員配置のためには、大学での取組準備をしてもらわなければいけません。準備をしてくださいという書状を出す等々を含めて、正式決定がされたら直ぐに動けるように準備に入ったところでございます。私の方からは以上です。

2.質疑応答

(問)民主党代表選についてなんですけれども、以前、いずれかの時点で御自身のお考えを述べられると大臣はおっしゃっていましたが、明日告示ということになりましたけれども、現時点で御自身のお考え、また、鳩山氏が仲介して、トロイカ体制を重視するという話も入ってきておりますが、この辺りの受け止めをお聞かせ下さい。
(答)かねがね代表選挙は党の規約に基づいて行われるものであり、1党員、1国会議員としては極めて大事なものだと思っておりますが、この場は閣僚としての分で言えば、菅内閣の一員として職務に全身全霊を尽くして、内閣の一員としての責務を果たすということで、コメントはないと申し上げております。前回申し上げたのは、代表選挙が行われて、遅くても終わった時点においては、私が誰に投票したか、どういう考えであったかは明らかにすると申し上げました。現時点においては、明日が受付でありまして、どなたが立候補されるか分かりません。立候補された人が何をおっしゃるのかも分かりませんので、コメントは申し訳ないですがありません。以上です。
(問)関連してなんですけれども、明日から代表選の告示が始まるんですけれども、始まる前に、立候補されると見られる総理とか、あと小沢さんの代理みたいに鳩山さんが会われて、昨日話し合いをされたようですが、ちょっとまあ、代表選で正々堂々と戦ったほうがいいんじゃないかという意見もある中で、そういう密室談合みたいなことを、自民党時代と同じようなことをやっているのではないかという批判については、どのようにお考えでしょうか。
(答)それに関してもコメントはありませんが、評論家的に申せば、こんな時に代表選挙なんかしている時かというご批判もあれば、それで、そういうことに関して相談しておられるということになると、密室談合ではないかと。物事は右から見る、左から見る、上から見る、下から見る、といろんな絵が見える。物差しは国のためにしっかりと責任を果たす、以上終わり、ということではないかと、私は思っています。
(問)予算関係ですけれども、全体の予算の概算要求が90兆円をはるかに超えるような額、そのことのまずご認識と、文部科学省としてどれだけ取れるのかという動きとですね、あとは要するにまだペンディングになっていると思うんですけども、決め方のルールの点について、改めて現時点でどんなふうになっているのかというのをお聞きしたいんですけれども。
(答)何のルールでしょうか。
(問)決め方のルールですね。特にコンテストみたいな。
(答)全体像は、今日が提出でありますので、私自体、正確にグロスを承知しているわけではありません。報道では結構多いなということでありますが、よそ様のことを余り考える余裕はございませんので、やはり文部科学行政にかかわる、それぞれの仕事が本当に国の将来のために極めて大事なものであるということです。積極的に、正に元気が出る日本を作るということの信念に基づいて、厳しい制約条件の下でありましたが、知恵を絞って組みましたので、ほかと比べるということは、まだよく詳細を精査していませんが、精一杯の元気の出る前向きな要求をしたというふうには思っております。ただそういういろいろな制約条件の下で、コンテスト等々評価されるということでありますので、正直申し上げて、この前いろいろな意見交換をしましたが、そのフレームがどうなるかはまだ決まっておりませんが、やはり全部やるということではないんだというふうに思ってます。全部の項目をコンテストにということではなくて、やはりいろいろな、世論的なパブコメみたいなものを物差しにしながら、一定絞り込んで国民の理解を得てやろうというものと、やはりこれは内閣の意思として、極端に言えば、総理の意思として大事だからやろうという政治決断のものとか、いろいろあると思うんです。だから、これからどうされ、どうするという方針が出るときにも、また私としてはいろいろな意味で、本当にいい予算が組めるようにという提言はして参りたいと思いますが、個々具体のことは承知してませんので、これ以上のことはちょっとわかりません。
(問)昨日の民主党の部門会議の席上、笠座長の方から、高校の無償化について党の政調で議論してほしいという指示を受けて、部門会議で話し合うことになりましたという御説明がございました。その中で、川端大臣と菅首相とのやりとりについて御紹介があったんですけれど、その点についてちょっと御説明願えないでしょうか。
(答)詳細は午後から副大臣が会見をまた皆さんに説明をいたしますが、かねて申し上げましたように、専門家会議でいろいろ御議論をいただきました。どういう基準がいいのか、その基準が現実に本当に評価に足り得るのかということを含めて詳細に御議論をいただいた報告を、昨日いただいたんですが、ほぼまとまるということを受けまして、これからの取り扱い、最終的な方向性を関係各位とも相談を致しました。その時に、振り返れば、出来た時と、専門家会議に、法律が通って専門家会議を作ると言ってスタートしていただいた時と、今日時点で、党・内閣の政策決定の仕組みが、政調が出来たという意味では、大きな変化があったということでありますので、大変国民の関心も高く、重要な課題であるので、総理からは政調も新たに出来たという事態を踏まえて、党の意向も十分に聞く、政調を通じて意見を聞くという手順を、丁寧に踏んでやってほしいというご指示がございましたので、私の方からは、政調会長にその旨お伝えをして、専門家会議の報告が出るので、それを一度、それは専門家会議の意見ですから、それを踏まえた、含めて党の政調として御議論をいただき、意見を出してほしいというお願いをいたしたところであります。経過はそういうことです。
(問)今おっしゃったような経緯があった中で、一方で大臣は新学期から適用されるようにということをおっしゃってましたけれども、東京の朝鮮学校は今日始業式ですけれども、結果として多分間に合わないということになるということについてはどのようにお考えでしょうか。
(答)一定の結論をという時に、新学期からというのは、今例えば、今年度でいろいろ判断が遅れて、結果として全部採択されなかったということもあるんですが、どこかで決定するということになれば、その子たちに対しては4月にさかのぼって適応するという基本は決めてありますので、いろいろな事務手続きから言うと、新学期というのは一つの節目だから、それが望ましいという思いはありました。ただ、8月に、全部決めてしまうまでの手順ができるかどうかは、物理的にいろいろな、要するに基準が決まる、そうするとそこで審査方法も提言されているわけですから、その審査方法に基づいて審査をするというと書類も集めなければなりません。そして判断する、告示をするということで言うと、いろんな手順があるので、物理的には結構厳しい状況ではあったということです。
(問)これまでの会見の中では、大臣御自身がお決めになるというような表現を多々されていらっしゃったと思うんですけれども、そういう意味ではせっかく5月、6月、7月、8月と時間をかけてきて、最後の結論が決まるかなという時期に党に判断を仰ぐというのは、ちょっと流れとして、若干時間がかかるのかなあという印象もあるんですが。
(答)時間が少しかかる可能性はあります。ただ、大臣が決めるというのは、これ、何も変わっていませんから、大臣告示で決めるわけですから、大臣が決める。その時の判断として、今までは政府と党は一体として、内閣にある種任されているということで進めてきましたけれども、政調が出来たという意味では、政調を通じての党の集約は、党としての意思表示をしていただく、意見聴取をするということを、手順としてそこに加えたということで、最終判断は私がするのは当然であると思います。
(問)総理からの指示というのは27日、26日だったのでしょうか。
(答)覚えていませんが。
(問)前回、官邸に行かれてお会いになった時でしょうか。
(答)かもしれません。昨日のことを、よく覚えていないという、昔のことになりつつありますが。正確にはちょっと申し上げられない。
(問)今後のスケジュール感として、今から党の政調で議論をしてもらって、その結果を受けて最終的に大臣が判断されるということだと思うんですが、目途としていつぐらいまででしょうか。
(答)起こるべき手順は、党の意見を聞き、それを踏まえて参考にしながら、基準を文科省として決める。そして、その時に審査方法も決めますから、それに基づいた、その審査をどこでやっていただくかを決めて、そこにお願いをすると。そこでお願いを受けたところは、その審査基準に基づいて、資料の提示を求めて審査をして、その審査結果を私に報告をいただいて、それを受けて私が告示をすると。これだけの手順があるわけですから、今日言って、明日党の返事が出たから明後日というわけにはいかない。それぞれの部分は、できるだけコンパクトになるようにということで思っておりますが、今はまだその第一段階の党の政調に、政調会長を通じてお願いをした段階でありますから、連携をよくしてやっていきたいということです。
(問)今ので確認なんですけれど、今後の流れとしては、党の政調の意見を聞き、なおかつその後で、何かしらかの機関に対して審査をお願いするという、そのプロセスが固まった上で大臣が決定をすると、そういう交通整理ですか。
(答)そうです。だから今、正確に申し上げましたように、党の意見を踏まえて、私が基準をまず決定するということなんです。制度的に基準を決めるということです。その基準と審査方法を決めるということです。その審査方法に基づいて、審査をどこかの、どこでやっていただくかお願いをして、その基準に基づいて、お願いをされたところ、お願いを受けていただいたところが、その書類収集を含めて審査をして、適しているかどうかを判断していただく。それを受けて私が判断する、告示するということです。
(問)その審査は、専門家会議がまたおやりになるという可能性があるわけでしょうか。
(答)可能性はいくらでもありますけど、まだどこにするかという意味でのことを含めて、昨日の報告は、そういう別途審査をするという仕組みでやりなさいという報告ですから、それも含めて政調で御議論をいただくわけですから、それを受けてのことで、可能性としてはあると思います。
(問)宇宙の話なんですが、来月打ち上げ予定の準天頂衛星一号機みちびきについての、まず大臣としてどういうふうに期待されているかということと、あと二号機以降の開発をどうするか、開発した場合どういう運用をする、どの省庁が運用をするのか決まっていませんが、その準天頂衛星の将来像を、大臣としてはどのようにお考えですか。
(答)これは、宇宙戦略本部の中に準天頂に関するチームを作って、今言われたようなことを含めて、予算の問題は当然ですが、長期的にどうしていくのかということをしっかりそこで議論していこうという、別グループをわざわざ作るということは、やはり実用も含めて相当期待をしているということではあります。1 号機は、この11日にも打ち上げ予定になっておりますから、まずはこれをしっかり成功させること。そうでないと、次に動かないことは事実ですけれども、一基だけでは意味がない。ほとんどトータルの計画で言いますと、こう8の字にやるわけですから、順番に、最低3つは要るということですので、宇宙委員会を含めて文科省の立場では、しっかりと着実にやっていくべしであるという姿勢をもって臨んでおります。ただし、やはりお金が相当かかる話でありますので、新たに戦略本部の中でチームを作って、どういう課題があるのかと、それからどういう効果がもたらされるのか、そして後々そのことに対しての費用負担がどうなのかということを、しっかり位置づけて議論をしようということは、進めようという前提があるからだと、私は思っています。
(問)概算要求の関係なんですけれども、小中学校の少人数化の部分で、小学校1・2年生の35人学級化について、特別枠で要求という形になっていますが、新たに発生する負担の部分だけではなくて、1・2年生の教員全体が特別枠になっているということについてなんですけれど、総理指示もある中で、認められないということはまずないだろうという判断なのかもしれませんが、仮に認められないと、1・2年生の先生がいなくなってしまうというか、手当できなくなってしまう。そういう要求の仕方になったということについて、これはそういう方法しかないということなのか、知恵を使った結果ということになるのか、どういう御判断だったのでしょうか。
(答)ひとつは法改正を伴う、正に制度改正ですから、新たな仕組みを作るという意味では、今のから全く違うものを作るという意味で、要求するという形にしました。そしてさかのぼれば、今言われたように総理指示、マニフェスト項目であり、新成長戦略においても人材育成というのは極めて大きな柱であることはもう内閣の意思だというときに、そういう意味での、いわゆる教育の問題、科学技術の問題、大学の問題含めての大きな部分が、実は文科省予算のほとんどがその3つで占めているというときに、義務的経費を含めて1割をまず切りなさいという仕組みで要求するということの中で、どういう知恵が出せるのかということの中で、そういう環境であればこのやり方しかないということでありました。形式的ないろいろな議論は、いろいろ言う議論はあり得ると思うんですけれども、我々はこの政策を何としても実現させないといけないという重要性にかんがみて、しかし、一方で一割削減というハードルを設けられているという仕組みがあったという中でああいう形にさせてもらいました。

(以上)