川端内閣府特命担当大臣記者会見要旨 平成22年8月20日

(平成22年8月20日(金) 10:40~11:03  於:文部科学省 記者会見室)

1.発言要旨

 既に前回発表いたしましたように、7月30日付けで政務三役へのご助言をいただく職として、安西祐一郎さん、山崎直子さん、福原義春さんの3名を文部科学省参与に委嘱をいたしましたが、この度、本日付けで日本サッカー協会理事の岡田武史さんを任期一年として参与に委嘱することにいたしました。もうあえて御紹介するまでもないと思いますが、岡田さんはスポーツ関係はもとより、環境問題についても優れた識見と行動をしてこられた方であり、文部科学省の諸策に対して、より専門的な立場からご助言をいただきたいと思っております。4名の方を参与に決めましたので、できるだけ近々に、文部科学行政全般について率直な意見交換を行う場も設定させていただきたいと思っております。その場ができれば、皆さんにもフルオープンでさせていただきたい思っておりますが、何しろ超ご多忙な方ばかりですので、現在日程を調整しております。来週にも行えればと思っております。決まり次第、また皆さんにご連絡をさせていただきたいと思っております。私の方からは以上であります。

2.質疑応答

(問)先日、日本相撲協会の臨時理事会が開かれ、新しい理事長に放駒親方が就任されました。今月5日に、当時の武蔵川理事長は、理事長職に復帰された際「協会再生のためにこれからも頑張っていきたい」として続投の意思を示しておられましたが、結果的に健康上の理由で改革道半ばで退任されたことについてどのように思われますでしょうか。また、新しい理事長の放駒親方に対してどのようなことを期待されますでしょうか。
(答)先般の名古屋場所での処分が明けて、しばらく体調上の問題で休んでおられましたけれども、復帰されたということで、一連のいろんなことが起こりましたので、改革について正に体調がすぐれない中を頑張ってきていただきましたが、やはり非常に厳しい状況であるということを含めて、我々としても突然の辞任ということでありました。特別調査委員会あるいはガバナンスの独立委員会を含めて、正に土俵際一杯の相撲協会を何とか正常に戻す先頭に立ってきておられたということで、そういう外部委員会を立ち上げ、スタートされたということで、大きな改革への一歩を踏み出された途中でありますので、やはり残念だったというふうに思っています。健康回復にお努めをいただきたいと思っています。そして、皆さんの御議論の中で、私も現役時代はよく承知をしております、非常にまっすぐな放駒親方に皆さんの選挙でお決めになったということでありますので、監督官庁としては、諸課題山積の中でありますだけに、できるだけスピーディーに、そして大胆に改革が進むように、リーダーシップを発揮していただきたいと期待をしております。
(問)岡田監督を参与としたのは、具体的にどういうことを期待されていたのかを、もう少しつまびらかにお願いします。
(答)委嘱という形の内容というのを公式に申し上げますと、「スポーツ関係および社会教育関係全般について調査検討し、必要に応じ助言をいただく。また、イベントへの参加や情報発信に協力していただく」ということであります。スポーツへの情熱と実績は、言うまでもないことでありますが、倉本聰さんの北海道の自然塾の講師もしておられたりですね、そういう自然環境、それから、特に子どもへの環境教育教育とか含めて、非常に幅広く行動しておられる方ですので、そういう部分でのいろいろなご助言をいただくとともに、やはり超有名な人でありますので、いろいろな我々のイベント等にも御協力をいただきたいと思っております。
(問)スポーツ立国戦略の制定に向けた、それとの兼ね合いというのはどうでしょうか。
(答)これは、それぞれいろいろな方にも伺っておりますから、当然そういうことを進めていく中では、参与としてのお立場でのご助言をいただくということだと思っています。
(問)放駒新理事長と直接お会いになって、何か報告を聞くような場面というのは近々あるんでしょうか。
(答)事務方を通じて、就任したのでご挨拶に伺いたいということのご要請は今来ております。今日、理事会があるとかですね、いろいろな動きも一連ありますので、そういう方向を見極める中で、改革の具体的な進め方、考え方について、お話を伺いたいと私も思っていますので、今、日程調整をさせていただいています。
(問)昨日、軽井沢で鳩山グループの研修会がありまして、小沢一郎さんが参加されたんですけれども、出馬を検討しているということなんですけれども、小沢さんのグループの中には出馬してほしいという声もありましたけれども、大臣はどのように考えていらっしゃいますか。
(答)かねてから申し上げていますように、ここに立っている大臣としてという意味では、代表選挙に関して何らかのコメントをすることはありません。一民主党の国会議員ですから、小沢さんも一民主党の国会議員ですから、代表選挙に出馬する立候補資格は、一応私も小沢さんも皆等しくあるということです。20人応援してくれるかどうかは別ですけれども。だからこの件に関しては、私としてはコメントはありません。
(問)一般論で結構なんですが、代表選は無投票再選という可能性もあると思うんですが、その場合よりも選挙をやったほうが望ましいとお考えでしょうか。
(答)だからさっきと同じ答えです。
(問)朝鮮高校を無償化の対象にするかどうかを、今月中に決めたいと大臣はかねてからおっしゃっていましたけども、8月もあとわずかになってきましたが、最後の専門家委員会は開かれたんでしょうか。
(答)最後にはなっていないと思っています。もう直き最後ではないでしょうか、と聞いていますが。
(問)8月中という予定は変わらないということですか。
(答)8月中という予定でございます。
(問)方針が固まった際に、春からの会見の中では、議事録、要旨などを公表していただける、あるいは紙面にして公表していただけるというふうに思っているんですけれども、実際にそのような公表の仕方になりますでしょうか。
(答)ご本人たちとの御議論を始めるに際して、静かな環境で議論をしたいということで、名前も含めて公表しないということで、今スタートしております。議論の経過等々を含めて、何らかの形で、一言一句こうしゃべった議事録ということになるかどうかは別にして、こういう時期に、こういう議論をして、こういうことだったというのが分かるように開示をしたいと思っております。まだ詳細は終わっておりませんので、確定はしておりません。
(問)それは、方針が決まった際に同時にということで、それが出てくるということなんでしょうか。
(答)それはちょっと、どうでしょうか。可能であれば同時でしょうが、若干ずれるかもしれません。まだやってもらっているところなので、詳細は詰まっておりません。最後にそれを発表するときに、どうするかを最終確認したいと思っています。
(問)その最終の専門委員会は、来週という認識でよろしいんでしょうか。
(答)会議の日程は今一切申し上げておりませんので。
(問)相撲協会なんですけれども、やっぱり理事長は元力士の親方の中から選ばれたということ、いわゆる外部から選ばれなかったということに関して、どちらがいいかは別として、文科省として、外部からの新しい理事長が選ばれなかったということに関して何かお考えがありますでしょうか。
(答)かねがね私、これは皆さん私の発言をいろいろ調べていただいても結構なんですが、外部がいいとか悪いとかということは一切言っておりません。何か文科省は外部がいいと言っているような報道も一部見られますけれども、私の発言ではありません。もちろん当然ながら、これは相撲協会が自分の責任において決めることであります。基本的には、こういう事態でありますから、その事態の深刻さを受け止めて、全力で改革を進めて、周りのファンや国民の皆さんの信頼を回復して、相撲がまた新しい歴史を刻めるようにということをしていただきたいということ以外にありませんから、そのことをやる人が自分たちで考えて、しっかりやってほしいということがすべてであります。
(問)予算の関連なんですけれども、去年の概算要求で高校無償化とセットで要求されて、結局全額カットされた給付型奨学金のことなんですけれども、去年の要求では123億円ぐらいで、今日それを上回るぐらいの規模なのか、その額はどれぐらいなのか。
(答)現在、ぎりぎりねじり鉢巻きで、予算の概算要求をしているところでありますから、個々具体の部分をどうするのか、あるいは額をというお問いに対して、お答えする時点ではまだないんですけれども、高校無償化のときに我々は、前回は給付型奨学金を創設してやろうと。それから、国会の議論でもそれが非常に大きな論点として、与野党を問わずしっかりやるべきだということも、議論としてはたくさんありました。そして、ある意味ではそういうことも踏まえた、3 年の見直し修正というのも法律としてあります。そういうことを踏まえながら、この問題についての概算要求に知恵を絞っているところであるということ以上のことはありません。
(問)概算の関係なんですが、昨日の民主党の部門会議では、マニフェストを含めて、来年度充実したものにするためには、やはり深掘りをして3倍ルールで、というようなことをお考えのようですが、そういう意味で、そんなものを削っていかねばならないそこの視点というのは、どういう視点で臨まれていらっしゃるのでしょうか。
(答)これは非常に、今までどおりの発想ではなかなか厳しいです。義務教の部分で言えば、ある程度義務的経費になる部分がほとんどでありますし、大学の運営費交付金にしても、あるいは私学助成金にしても、例えは若干違いますが、経費削減の枠外であるとされた地方交付税と、性格的には非常に似た性格ですが、そういう中を深掘りするというのは、けっこう至難の業でありますが、まあ人間念ずれば出来ないことはないと思って、今はやっております。
(問)科学技術関連の予算についてお聞きしたいんですけれども、今年から新しくなった総合科学技術会議のアクションプランは、こちらは見方からすれば、オーソライズされたものという見方もできますから、来年度予算で獲得しやすいんではないかという見方があります。このアクションプランが、特別枠に何を入れるかという判断部分に、どのような影響を与えるとお考えでしょうか。
(答)今年度の概算要求方針が決まるまでに、アクションプランというのはやり方を決めて、総理の下の総合科学技術会議でそういう方針を決めてやっているわけです。しかも今までの予算編成であれば、概算要求を各府省がやって、関連でもそれを総合科学技術会議が、S、A、Bを付けていくということをしていたのを、時系列的には逆にして、特に今回の新成長戦略をベースにした大きなテーマについて、各府省からテーマを上げてもらって、精査をして、正にランク付けをして、それを踏まえて各府省が概算要求をするようにということでありますから、今それぞれがちゃんとやってますよねという確認は、連携を取りながらやっている段階であります。ですから、あそこまでオーソライズして進めてきた、しかも予算編成の中で言えば、非常に大きな内閣の方針の根幹になるテーマに関しては、各府省がしっかり連携を取って重複をなくして、重点化を政府の統一判断としてやるという趣旨がアクションプランですから、それに基づいてやってくださいという段階で、今やっていただいているはずなので、ちゃんとなってますよねと。そして、調整する必要がある部分は、しっかり調整しましょうということで、これは改めてお盆前にもそれぞれにお願いをしてあります。だから今は、ある意味で出してあるので、フォローをしているということですので、これが極端に言えば、最終的に概算要求をして府省でどうなるのか、最終予算に財務省との部分でどうなるのかというのは、もちろんまだ未定でありますし、今回初めてのことでありますから、できるだけおっしゃったように、そこでオーソライズしたものはきちんと位置づけされていくということでないと、やっている内閣の意思としての科学技術政策の根幹にかかわる問題だと、私は思っています。
(問)文部科学省の大臣としてお聞きしたいんですけれども、そうであるならば、要求だけを持ってきた際に、コンテストに耐えうる施策であるというふうにとらえることができると思うんですが、そういった判断が、今回の文部科学省の科学技術関連予算を概算要求する際に、アクションプランというのはどのように影響しているのでしょうか。
(答)アクションプランの今回の分は、新成長戦略のグリーン・アンド・ライフイノベーションに、ある種特化をして、「基礎研究」というのを入れたんですけれど、大きな二本柱にテーマを集約しました。今回の概算要求基準に関しても、新成長戦略の柱となるこの二つの部分は位置づけられているわけですから、当然ながら政府の方針は、アクションプラン、総合科学技術会議という総理の下に決めた方針と、それから閣議で決めた概算要求方針の両方で、重点のものであると位置づけられているわけです。それは、本体予算あるいは特別枠予算にしろ、当然ながらその評価には耐え得るものであるのは当たり前だと思っています。
(問)予算編制の仕方について、特別枠に何を盛り込むかとか、そういった点で、文科省を含めて各省悩ましい問題だと思うんですけれども、そもそもこういう形の決め方のルール、今後のコンテストのやり方も含めて、そういった点についてはどのようにお感じになりますか。
(答)閣議決定をしたということは、私も決めた一員ですから、これはもうそういうものということであります。いよいよあと一週間ほどで概算要求を決めるという段階において、特別枠、そして、その評価の方法、とりわけコンテストの中身が分からないという意味では、先のお問いもそうなんですけれども、中身が評価に耐え得るといっても、どういう評価か分からないのに、受験勉強絶対合格するぞと言って受験のやり方は分かりません、学科なのか実技なのか分からないということはあまりよくありません。今日の閣僚懇等々で、そういう議論があったわけではありませんので、私としてはできるだけ、閣議決定のものでもありますから、閣僚間の意見も聞いていただいて最終的にそういうものは決めてほしいという気持ちは、このコンテストの在り方等々に関してはあります。全部優先順位を付けろと言われていると、教育、文化、スポーツ、科学技術、ここの皆さんでもそれぞれの得意分野があると思うので、一番が二番がと言ったら、何でうちは四番やねんなんていうことも、無用の混乱と不信を招いてもいけないということも、気持ちとしては持っていますので、そこら辺はどうするのかというのは、我々も結構苦労はしています。まだコンテストの中身は分かりませんので、皆の意見はよく聞いてほしいということはお願いをしています。
(問)夏休みは既にお取りになったかと思うんですけれども、久々に息をつくという意味での、どんな夏休みを過ごされたでしょうか。
(答)東京におって、宿舎におりました。掃除をしたり、テレビを見たり、ゆっくりと。
(問)読書をされたりは。
(答)読書はもちろん、何冊か読みました。1泊3日のユースオリンピック以外は、3日4日休ませていただきました。読書と掃除とテレビと電話ぐらいで、さらにWiiのゲームでなまった体を。暑かったです。どこか行ったり、地元に帰るというと、SPの皆さんや県警の皆さんの夏休みがなくなるので、その人たちにと思うと、宿舎にじっとしていること以外の選択がなかったということであります。

(以上)