川端内閣府特命担当大臣記者会見要旨 平成22年8月10日

(平成22年8月10日(火) 10:59~11:11  於:文部科学省 記者会見室)

1.発言要旨

 私の方からは一点、人事案件でありますが、今日の閣議で口頭了解をいただきました。独立行政法人日本原子力研究開発機構理事長の岡崎俊雄が、8月16日付けで辞任予定でございます。後任に、公募による選考を経て、前内閣府原子力安全委員会委員長の鈴木篤之を8月17日付けで任命いたしたいのでご了解を願いますということで、閣議の了解をいただきましたので御報告をいたします。私の方からは以上です。

2.質疑応答

(問)高校無償化なんですけれども、朝鮮学校の無償化について、専門家会議での今の検討状況について教えていただきたいのと、8月中に結論をということなんですけれども、その結論について、文科省としてどのように国民へ理解を求めていく予定なのかという、この2点を聞かせてください。
(答)ここでも何度か御報告していますように、国会の議論も踏まえ、高校の課程に類する課程であるということは、どういう基準で判断すべきなのか。そして、その基準に基づいて、どういう仕組みで判定すべきなのかということを、専門家会議の皆さんにご審議いただき、ご答申をいただきたい。いろいろな意見がございますので、静かな環境でということで、今、非公開でやっております。できれば8月を目途にということでお願いをしてありますので、その答えが出てきた時点で、ご答申を受けて最終的にどう決定するかを判断したいと思っています。経過の委員会のご議論が一通り終わった時点で、概略として報告の開示をしたいというふうに思っていまして、それを受けての対応は、どういう形で対処するかの判断は文部科学省の方でやっていきたいと思っています。
(問)大相撲の一部親方らが、ガバナンス独立委員会の望月アドバイザーを解任するというふうに求める文書を、独立委員会のメンバーに提出したという報道がありました。大臣は協会の自主性というのを強調されていますけれども、文科省とのパイプを懸念されたとされるこの動きについて、どのように受け止めていらっしゃるのか聞かせてください。
(答)ちょっと事実を承知していないので、コメントしようがありません。
(問)原子力機構の理事長人事の件なんですが、選任された鈴木さんですが、選任された理由、背景について教えてください。
(答)公募をいたしました。経過を若干申し上げますと、3月末で本来任期が切れるところだったんですが、ちょうど御案内のとおり、「もんじゅ」が14年ぶりに運転を再開するということで、地元との信頼関係と同時に、立ち上げという非常に大事な時ですので、当分の間ご留任をいただきたいということで公募も中断をいたしておりましたが、立ち上げの一つのミッションは終わりまして、少し期間を置いて、ちょうどこの時期で退任し、区切りだろうということでありました。何人かの応募者があり、専門家を含めた第三者の検討委員会で書類選考と面接をしていただきましたが、鈴木さんは、原子力に関する技術的、専門的な見識、知識、経験、そして意欲、と同時に、行政、ガバナンス能力の経験実績を踏まえて、最適任であるという選考委員会のご答申をいただき、決定をいたしました。
(問)今日、日韓併合100年の首相談話が発表されましたが、これについての大臣の受け止めをお願いします。
(答)日韓併合から100年という大きな節目であります。次の100年という時には、間違いなく全く違う時代が、国際的にはいろいろな形である時代だというふうに思いますが、今なお、いろいろな課題を抱えているけれども、近くて非常に関係の深い国であることは間違いありません。そういう意味で、総理の思いとして、内閣の意思として、100年を節目に、正に一番近い大事な国と、これからの未来にむけてしっかりと協調して歩んでいくためのメッセージとして出したいということだというふうに私は理解しております。
(問)それに関連して、植民地時代に日本に渡った文化財を返還するというような話もあって、文化担当の大臣としてはどのような御見解ですか。
(答)どこまで皆さんに文章が渡っているかがよく分からないので、関係するところだけちょっと読みます。「日本が統治していた期間に朝鮮総督府を経由してもたらされ、日本政府が保管している朝鮮王朝儀軌等の朝鮮半島由来の貴重な図書について、韓国の人々の期待に応えて近くこれらをお渡ししたいと思います。」という表現であります。いわゆる統治期間に、朝鮮総督府を経由して我が国に来ている、日本政府が保管している朝鮮王朝時代の貴重な図書を近く渡したいということでありますので、非常に限定的な位置付けでこの談話はお話をされているんだというふうに理解をしております。基本的にこの談話によって新たな法解釈や法改正、今までの何かに変更がもたらされるものとは私は承知しておりませんので、文化財担当の文科省として、何かこれによって対応することは今のところ考えていません。
(問)8月15日、終戦の日を迎えるわけですが、靖国神社参拝の関係でお伺いしたいんですが、大臣御自身が、終戦の日若しくはその前後に、靖国神社にご参拝されるお考えがあるかないか、またその理由をお伺いできればと思います。
(答)予定はありません。鳩山内閣、菅内閣共に、閣僚の申し合わせとして、閣僚の立場では行くのを見合わせるということをしておりますので、それに沿った行動をしたいと思っています。
(問)岡田外務大臣の会見で、岡田大臣が、A級戦犯が合祀されている靖国神社に閣僚が参拝することは不適切だという形での御自身のお考えを述べられたんですが、一般論として閣僚が靖国神社に参拝することについて、大臣はどういうふうにお考えでしょうか。
(答)これはもう皆さん御案内のとおり、いろいろな角度でいろいろな議論があります。そういう意味で、戦争で家族、肉親、あるいは仲間を失った人たちの思い、そして亡くなった人の思いを考える時、むしろ静かな環境で私はその日を迎えたいと思っております。
(問)今月はもうお盆ということになりますけれども、大臣自身はどのように過ごされますか。
(答)これは皆さんへの御報告でもあるんですが、シンガポールで第1回ユースオリンピックというのがあり、14日夜に開会式が開かれます。御招待いただきましたので、13日に出発しまして、14日の夜出席して、15日の朝戻ってくるという、1泊2日で行って参ります。これは、IOCが開催するオリンピックでありまして、ユースオリンピック第1回です。これは、オリンピック競技自体が、世界最高のスポーツのレベルであることは間違いないんですが、一部にオリンピック精神と商業主義というものはどうあるべきかという議論があります。そういう部分で、現会長が、若者に原点に戻ったオリンピックをしてもらいたいという趣旨で、原則として選手は開会式から閉会式まで全部いなければならない。そして、自分の競技以外は、会場運営とかのお手伝いをしなければならない。要するに、参加することに意義があるということはそういうことではないのかということで開かれるので、これに15日の朝まで行ってまいります。15日は戦没者慰霊式典に出席をいたします。それまでは、政務公務いろいろあります。できましたら次の週に、少し充電期間を持てたらいいなと思っております。閣議も 27日までの間は、20日と27日以外はないということでありますので、それぞれ皆さん、お過ごしではないでしょうか。そういう意味では、今申し上げた20日と27日以外は閣議がありませんので、この会見もありませんので、皆さんの御予定もそれに合わせていただければありがたいと思っております。

(以上)