川端内閣府特命担当大臣記者会見要旨 平成22年7月30日

(平成22年7月30日(金) 9:30~9:53  於:文部科学省 記者会見室)

1.発言要旨

 私の方から一点だけ御報告いたします。文部科学省の参与という立場でお仕事をお願いしているポストがあるんですが、参与に関して政務三役への助言の職としての位置付けを明確にさせるために、規程の見直しを行いました。大臣、事務次官、各局長、文化庁長官の求めに応じて委嘱できるようになっていたものを、大臣の求めでのみ委嘱できることとしました。いわゆる文部科学省参与というものは、大臣、事務次官、局長、文化庁長官が指名して今までやっていましたので、極端な話、どこかで指名されていたら知らないという話があり得るところであったので、大臣の責任においてのみ委嘱できるように規程を変えました。更に、参与会議は、大臣、事務次官が招集できるようになっていたものを、大臣、副大臣、大臣政務官が招集できるようにということで、いわゆる政務三役が責任を持って任命と招集を行うことにいたしました。こうした趣旨を踏まえて、新たに教育関係について安西祐一郎氏、科学技術関係について山崎直子氏、文化関係について福原義春氏を、それぞれ任期1年として参与に委嘱することといたしました。その他の分野についても、今後随時、体制を整備して、政策形成機能を強化して参りたいと思っております。なお、改正前の規程に基づき委嘱し、主に医学教育、情報教育など、特定の分野において、より実務に近いところで参画していただいている者が現在6名おられますが、それぞれの任期の到来まではやっていただいて、それ以降は規定の趣旨に沿って見直していきたいと思っております。私の方からは、参与の発令についてということで、以上でございます。

2.質疑応答

(問)今回の異動ですけれども、参与それぞれの評価と、就任のねらいをお願いいたします。
(答)今申し上げましたように、教育関係の安西先生は、特に教育全体と同時にイベントへの参画、情報発信等々、今までのご経験を生かしつつ協力をしていただき、アドバイスをいただきたいと思っています。山崎直子さん、福原義春さん、いずれの方々もその世界で非常に業績があり、また著名な方でもありますので、文部科学省がいろいろな分野でやっていることについてアドバイスをいただくと同時に、文部科学省と国民との間でのイベントとか、そういうものへの情報発信のシンボル的な存在としてもご活躍いただきたいというふうに思っております。
(問)民主党の両院議員総会が昨日あり、菅総理への退陣論が続出しました。菅総理は代表選で再選を目指していますけれども、今後、民主党が国民の民意を得るために、どのようなことが必要だと思われますか。
(答)昨年の総選挙で国民の信を得て政権交代をし、約10か月たって、国民に参議院という選挙で審判を受けて、非常に厳しい結果を得ました。いずれも、民意であることには間違いありませんし、そういう意味では、やはり皆さんから政権をお預かりしているという原点、日本の政治を変える、そして国民の生活が第一という政治をやりなさいという信託を、原点に戻って、ひたすら真面目に、真っすぐやるしかないと私は思っております。
(問)昨日、相撲協会の村山理事長代行がいらっしゃって、リーダーシップを発揮してほしいと大臣がおっしゃったとお聞きしましたが、そのねらいといいますか、当初は名古屋場所の代行であるということで、しかし、理事長が体調が悪いという影響もあろうかと思いますが、リーダーシップを発揮してほしいという言葉に込めた思いを教えてください。
(答)リーダーシップを発揮してほしいという以上にないんですけれども、おっしゃるように、当初は、名古屋場所まで理事長が謹慎処分ということでの代行としてスタートいたしました。理事長のご体調が悪いということで、その終わった後の代行をどうするかということがありました。それと同時に、ガバナンスの整備に関する独立委員会がいよいよ動き出しました。かねて申し上げておりますように、そこの動きもできるだけ早くやってほしいという中で相当精力的にいろいろなことをやっていただく手順になっているというふうに聞いております。その間、武蔵川現理事長のご体調がどうなのか、私は詳細には承知しておりませんけれども、一刻の猶予も許されるものではない、昨日もスピード感を持ってやってほしいという中では、今の経過を含めると、現時点では村山代行にしっかり、ガバナンス委員会の動向も含めて、そして特別調査委員会についても、報道で反社会勢力との関係もいろいろ出て、これは捜査権がない調査委員会ですから、皆さんの報道等々、あるいは捜査当局の動きの後追いにならざるを得ない部分があると思うんですけれど、それに対しても、迅速に、正確に、適正に対処していただきたい。その流れをしっかりやるという意味で、とにかく村山さんにリーダーシップを発揮して、しっかりやって下さいというふうにお願いいたしました。
(問)当面というのは、それはいつまでのことを想定しているんでしょうか。
(答)当面ですね。
(問)理事長が、体調をご回復されるまでということでしょうか。
(答)ですから、当面ですね。ご体調がいかがなものかということがありますし、ガバナンス委員会によって、これからの協会の在り方というんですか、反社会的勢力との縁を断ち切り、国民に信頼されるためにはどうしたらいいかという幅広い御議論をいただくんだと思いますので、そういう議論も見ながら、いろいろなことが提言されてくると思います。一定の方向性が出てくるということを見ながらですから、今どうこうというわけにいかないので、とにかく一瞬の停滞もなく、迅速に進めるには、今やっていただいている方に当面しっかりと全力でやってくださいと。あなたはここまでだから、それまででいいという話は、もう逆に言うことが許されない毎日であるというふうに思っています。
(問)昨日の両院議員総会の話に戻るんですが、総会では結構、各出席者から現執行部への批判が聞かれたかと思うんですけれども、大臣も出席されていて、それをどういうふうに思われたかということとですね、菅総理大臣が、9月の代表選までは現体制でやりたいというふうなこともおっしゃてましたけれども、代表選というのは、どういうふうにあるべきかという点についてお願いします。
(答)昨日の両院議員総会は、場所こそゾーン指定をされておりましたけれども、一党員、衆議院議員として参加をいたしておりますので、その部分では、閣僚という立場でのコメントはありません。
(問)代表選に関しては、どうあるべきだと思われますか。
(答)いや、代表選挙はルールにのっとって淡々とやられるべきであるという以上。はい。私のこの場における立場は、文部科学大臣・内閣府特命担当大臣ですので、菅内閣の下で与えられた職責を、菅総理のリーダーシップの下で全力を挙げて取り組むということですので、それと代表選挙とは直接的には関係しない。衆議院議員川端達夫のインタビューがあれば、別の機会に。
(問)前回の会見時では、概算要求の基準がまだ正式に示される前でしたので、実際に示された後での大臣の見解を教えてください。
(答)非常に厳しい経済状況、厳しい財政状況、そしてマニフェストを国民との約束でしっかり果たさなければいけない。同時に、成長もしっかりさせなければいけない。前提条件、あるいは境界条件というのが、たくさんある、大変難しい方程式の中の予算編成ですので、いろいろな議論の中で、結果として、最終的に閣議決定として、先般示されたような概算要求基準が出ました。それを受けて、先般から政務三役を中心にして、予算編成にあたり、我々が民主党政権でこの分野を担っている部分で、どういうことをしっかりと、改革を含めて充実させなければいけないのか、それを実現するための予算と同時に、こういう基準が出ましたから、節約するところも出てくるということですので、あと一ヶ月しかありませんけれど、随時、政務三役を中心としていろいろ議論を始めました。トータルとして、新しい成長をもたらすと同時に、新しい日本を作っていくという予算、元気の出る予算ということでありますので、その意味では、いわゆる新経済成長戦略のエンジンと我々が自負している科学技術、特にグリーン・アンド・ライフ、そしてプラットホーム、基礎科学、同時に人材、そしてマニフェスト項目というのは、科学技術で世界をリードしていくという大きなものと同時に、教育の質の充実等々、高校無償化のような個別のテーマではなくて、マニフェストでは大きな理念として打ち出しているものがいっぱいあります。そういう意味で我々は、事業官庁ですから当然かもしれませんが、国の形、国をしっかり支えていく人材も含めて、成長戦略とマニフェストというものに大きく責任を持っている部署であるということをしっかり意識する中で、トータルとしては、各省庁間の再配分をやろうということ、内閣として要るところに重点化して、ちょっと我慢するところは減らそうということにトータルとしてなると思うんです。その中で、文科省としても、この前確認したのは、昔をたどれば文部省と科学技術庁という二つのまったく違う役所が一緒になりましたから、予算もミシン目でいうと両方あるみたいな世界がありまして、当然ながら、この厳しい制約条件付の中でのメリハリですので、そんなミシン目は全く関係がないということと同時に、各局においても横断的に重点化する中で予算の配分をしなければ、良い予算、この条件に合う予算は組めないということは、大前提として確認をしているのが今の段階です。
(問)復活枠についてはいかがですか。
(答)復活枠とは言っていなくて、特別枠というんでしょうか。トータルとしての話ですので、現実問題で申し上げますと、1割とは言っても、義務教育費、あるいは科振費、あるいは大学の運営費交付金、あるいは私学助成費というのは、例えが適切かどうか分かりませんが、地方自治体に渡す地方交付税のようにある種の積算基準を示しながら、総額として渡すから自由に使ってくださいねというのに近いものと、義務的に必ず要るもの、そして人件費もその中に含まれているものです。人件費は文科省がどうこうするというのではなくて、全省庁に横断し、人事院勧告というものもあるということですので、そういう意味では、なかなか1割というのは、数字的には非常にヘビーであることは間違いありません。ただ、それも込み込みで1割の部分を、大雑把に言えば特別枠ということですので、どういう仕組みでどういうふうに無駄を排するという部分でねん出するのは当然のことなんですが、中身の性格上、これは逆に言うと、義務的経費ばかりの省庁はまた大変だと思うんですね。そういう意味では両面あると思いますけれど、ちょっと今はフリーにいろいろな角度から議論を始めたところです。
(問)今日で坂田次官がご退任されるんですが、政権交代後、大きく政府関係が動く中で御一緒にやってこられたかと思うんですけれども、退任に関してのご所感を聞かせて下さい。
(答)正に、政権交代のど真ん中で事務次官をやっていただいておりました。ご本人はもちろんそんなことはおっしゃいませんけども、内心で言えば戸惑いと不安もあったんだろうというふうに思います。そういう中で、政権交代の意義をしっかり御理解いただきました。政治家が、政務三役を中心としてしっかりと政策判断を行い責任を取る。しかし、その情報提供、あるいは連携、そして実施に関しては、官僚の皆さんがしっかりその役割分担をするということで、総元締めの責任者として本当によくやっていただいたと感謝をしております。他府省のことは分かりませんが、高校無償化が一番大きな法案でしたけれども、マニフェストの理念に基づいて教育の質と量の充実、科学技術の進歩ということでの仕事は、政務三役と官僚の皆さんのチームプレーで、私は他府省に決してそん色のない、政権交代の意義を十分発揮する行政が、10か月にわたって進んできているというふうに思います。その部分では、その元締めの坂田次官においては、非常に誠実なお人柄と信頼される人格の持ち主ということで、頑張っていただいたと感謝をしております。
(問)ご退任に当たって、お二人で何か話されましたか。
(答)それは、随時いろいろな機会がありますから。
(問)文部科学省参与について戻るんですが、今後、具体的にどういう形で文科省の取組に参加してもらうというか、例えば政務三役会議に出るとかということなのか、何か会議に参加していただくのでしょうか。
(答)ルーティーンに何かということではないと思います。皆集まっていただいて、参与会議みたいなのはあるかもしれませんが、正にその必要に応じてということでありますし、それと、我々がいろんな部分で、このことに関してちょっとアドバイスをもらうというふうなことと同時に、こういう行事をやるからそこには是非とも協力して役割を担ってほしいという部分のことも含めて考えております。
(問)報酬は出すんですか。
(答)報酬は、何かで会議で来ていただいたりした時の旅費と、日当です。このポストの報酬はありません。
(問)役所によっては、参与のポストが、次官退任後の一時腰掛けになっていたこともあったと思うんですけれど、この場合はいかがでしょうか。
(答)このメンバーを見ていただいて、どう思われるか次第だと思います。その方が、我々の求める部分にアドバイスしていただき、あるいは、国際的にも参与というのはひとつのステータスですので、その部分を代表して国際会議のいろいろなところに行っていただくということも、場合によっては想定されるというふうに思います。そういう意味の適材な人を選ぶということで、昔あったと言われている、事務次官経験者が自働的にそこに行って、また何か行くみたいなのに使うというふうなことは全く考えていません。その人が適材であれば、お願いすることは当然あります。
(問)任期みたいなものはあるんでしょうか。
(答)任期は一年です。もちろん再任を妨げるものではありません。
(問)直近で何か集まる機会というのは、当面予定されておりますか。
(答)今はちょっと。新たに今日付ですので、もう少し可能であれば分野も広げたいなと思っています。
(問)予算の関係ですけれど、省内全体で削減をということですけれども、その中で、義務教育費国庫負担金ですとか、大学の予算ですとか、なかなか減らせるものではないというお考えだと思うんです。大学予算に関しても、機械的に一律1割減ということはないと思いますけれども、イメージとしてどれぐらい確保したいというようなお考えかお聞かせください。
(答)個々の話は全く分かりません。ただ、基本的には前から申し上げているように、教育や科学技術というのが極めて大事であって、我々の目標として、国際的な水準を一定満たすように求めていきたいということは思っています。その中で、教育で言えば初等中等教育だけではなくて高等教育も大きな問題であることはよくよく承知しておりますから、どういう枠で要求するかはこれからの議論ですけれども、背景として大変大事なものであることは、よくよく認識してやっていきたいと思っております。

(以上)