川端内閣府特命担当大臣記者会見要旨 平成22年7月23日

(平成22年7月23日(金) 12:21~12:33  於:文部科学省 記者会見室)

1.質疑応答

(問)維持員席問題について、暴力団の使った入場整理券が元呼び出しのものであって、暴力団に渡るまでには、特別調査委員会の山口委員が最高顧問を務めるジムを経由していたという話があります。あとは、境川部屋の問題等もありますけれども、これらについて受け止めをお願いいたします。
(答)今の維持員席の問題、それから、場所ごとの建物や土地を借りた相手が暴力団関係者ではなかったかということが報じられました。特別調査委員会において、関係者本人も含めてしっかりと事情を聞いて、すべて改めて今日の委員会で審議すると聞いております。出てきたいろいろなことに関しては、厳正に事実関係をしっかり調べて適切に対応されるものと思っております。
(問)キム・ヒョンヒ元工作員の来日について、ヘリ移動ですとか、鳩山元総理の別荘に滞在するなど、国賓扱いだとか政治利用などの批判が出ていますけれども、今回の国の対応について、国民に対してどのように理解を求めるか、大臣はどのようにお考えでしょうか。
(答)拉致問題の解決は、国としても国民としても、そして人道的にもしっかりと対応しなければならない最重要課題の一つであることは事実であります。その一連のこととして、それぞれの担当の部署でやっておられることでありますので、適切にやられていると承知をしております。
(問)全国学力テストの関係で専門家会議が開かれ、中間まとめがおおむね了承されました。内容は、再来年度以降の教科増ですとか、あるいは秋以降ワーキンググループを作って細かい話を議論するというような流れになっていますけれども、そういった流れについて、大臣はどのようにお考えですか。
(答)かねてから、科目の問題はいろいろな声としてあったことは事実ですので、今回改めて、アンケートも含めて皆さんの意見を聞かせていただいて、これをしっかりと議論に供することにしました。その中でも、積極的にやってほしいという声もあれば、今の二つでいいというお声もあるということですので、やはり専門家のお立場で、それと同時に実施するとしたら、どういう課題があるのかということを含めて、しっかりと御議論していただいて、夏にまとめてほしいとお願いをしています。緒に就いたところでありますので、中身に関して私の立場から良い悪いということよりも、一方で熱心にやってほしいというお声は聞いておりましたので、しっかり議論をして答えを出すことは大事だと思っています。
(問)来年度の概算要求で、昨日、民主党の政策調査会が、2兆円の特別枠を設けると提言をされました。ただ一方で、政府は71兆円以下に歳出を抑えるということを方針として決められているんですが、非常に厳しい財源の捻出になるかと思うんですけれども、2兆円の特別枠に関してはどういうふうにお感じでしょうか。
(答)昨日の党の提言も71兆円ということですので、いわゆるマニフェストや、あるいは新成長戦略に沿って、無駄遣いを徹底的になくすことに最大の努力をしながら、新成長戦略とマニフェストを中心に優先順位をつけた、タイトルとしては「人を大切にし、命を守る予算の実現」という御提言をいただきました。これは、党からの御提言という意味では非常に重いものだというふうに思いますし、今日の閣僚懇談会では、これの担当大臣である玄葉さんから御説明を受け、フリーな意見交換をいたしました。中身は別にして、活発に議論をいたしまして、こういう御提言も踏まえながら、最終的には来週前半の閣議ででも概算要求基準を決めたいということでありましたので、一つの考え方としては重く受け止めたいと思っています。
(問)2兆円の特別枠について、これから議論すると思うんですけれども、このまま概算要求基準に盛り込まれるということになると、省庁としては本当に厳しいのでは。
(答)これは党からの御提言であって、中身は我々が主体的に決める話ですので、これが通ったらとか、通らなかったらということは、ちょっと今は答えられないんですけれども、財政的に非常に厳しい環境にあり、社会保障を中心とした、ある種の避けられない、制度上、あるいは義務的な費用があるという意味で言うと、特別枠を作るか作らないかを別にしても、相当厳しい予算編成であることは事実だと思っています。
(問)相撲協会の件ですが、昨日、局長が視察に行かれたということで、そこでどのようなことを御覧になったのかという報告と、今いろいろな問題が出てきていて、調査委員会の人たちも新たな不祥事に追われているような感じも受けるんですけれども、そういった意味で体制として十分かどうか、どのようなご感想をお持ちでしょうか。
(答)特別調査委員会と、ガバナンスの整備に関する独立委員会は全く別の組織でありますし、メンバーも重複しておりません。かかわりがあるのではないかという反社会的勢力との問題に関しては、徹底的に調査をして真実を明らかにし、二度とそういうことが言われないように、起こらないように、やらないようにということを徹底するために、本来いったん解散する予定でありましたが、また引き続きやっていただいているということであります。ガバナンスの整備に関する独立委員会は、正にそういうようなものを踏まえて、これから日本相撲協会が、国技とも言われる相撲を通じて活動していく、そして国民の信頼を取り戻すためには、どういう形で運営されていくべきかを議論しているということでありますので、片方でこういうのがあるから追われて何もできない、ということにはなっていない、当たらないと思っています。そういうことですので、場所が終わったら手始めに関係者全部から意見を聞く、個別のヒアリングもしたいということが言われております。局長と課長に行っていただいた報告の概略によると、力士はもとより関係者含め、今回この場所の開催における自分たちの置かれている立場が非常に厳しい環境であることは十二分に自覚をして、何としてでも再出発に向けて、この場所は成功裏に終えたいし、しっかりといろんな課題に取り組んでいきたいということを、皆の対応として感じたというのが全体の報告の一つであります。そして、個々の部分では、そういう意味で、力士・関係者も含めて、このガバナンスの整備に関する独立委員会から意見を聞いてもらえるということも歓迎をしていたというふうに聞いております。あとは、当面そういう中でいろんなテーマがありますから、しっかりと対応して、しかも迅速に対応していただきたいと思っております。
(問)結局、大臣は名古屋場所に行かれないということでしょうか。
(答)予算の概算要求で、シーリングも含めていろいろ議論がありますので、行きません。そういうことになったので、急遽代理を兼ねて、担当局長に行っていただきました。
(問)昨日、仙谷官房長官の方から省庁間の交流人事という発表がありまして、その中に文化庁長官と外務省の広報文化交流部長との交流というのがありました。これは、文科大臣としてそこに込めている思い、文化庁長官に外務省との交流の人をもってくるということへの狙いについて、伺いたいんですが。
(答)経過から申し上げますと、文化庁長官にいろんな部分で求められる資質という意味で、かねてから適材を一生懸命探しておりました。そういう中で、経験、実績、力量共に非常に適しているという方がおられました。この人を任用したいというときに、たまたまその人が外務省におられたということであって、結果として交流人事にもなったというのが経過でございます。そういう見方での交流人事と同時に、交流というのはお互いでありますから、そういう観点も含めて、これからの文化庁行政が、外交面、例えば世界遺産の問題とか、いろいろな文化財の海外展示、あるいはいろいろな美術品の交流で、外交的な要素も非常に強いということがあるので、この際、交流という効果を得るためにも、文化交流部長に我々のところから行っていただくという、結果としての交流人事が実現をしたということでありました。
(問)文化の国際発信ということも、やはり文化庁としてこれから強化していきたいということもありますか。
(答)はい、そういうことです。

(以上)