川端内閣府特命担当大臣記者会見要旨 平成22年6月11日

(平成22年6月11日(金) 10:24~10:48  於:文部科学省 記者会見室)

1.発言要旨

先般の会見のときに、ある記者の方から、この会見の幹事社質問の在り方と、それからオープンにやっている委員会等々の、ペンはいいけれどもカメラはここまでとかというのを見直してほしいという御要望がありましたが、これについては是非とも記者会として御議論をいただいて、今のような点を含め、他のことも含めて、こういうふうにしてほしいという御要望があればおまとめいただいて、全体の意見として言っていただければ、できるだけ叶えるように対応したいと思いますので、よろしくお願いしたいと思います。

2.質疑応答

(問)一点目は、今日の未明に亀井郵政改革担当大臣が辞任の意向を表明しました。新内閣発足間もないタイミングで、政権に与える影響を含めて閣僚の一員として受止めをお聞かせください。もう一点、ちょっと違う話題なんですけれども、「はやぶさ」が13日に7年ぶりに戻ってきます。後継機の予算化について大臣のお考えをお聞かせください。
(答)私も深夜の報道で亀井大臣が辞任されるということを聞きました。鳩山内閣スタート以来、一緒に閣僚としてやってきた仲間でもありますし、大先輩でもあります。お辞めになることは大変残念なことだというふうに思っております。国民新党にとっての一丁目一番地の郵政民営化法案を、どうしてもこの国会で通したいという強い思いがあることは、お立場として十分理解いたしますが、一方で、参議院の事情を含めて、延長しても難しいという客観的な国会の情勢を含めての難しい御判断を、それぞれがせざるを得ない状況であったというふうに思いますが、そういう中でのことでありますので、けじめを付けられたということは残念ですけれども、受け止めざるを得ないということです。幸いにも、与党の連立のパートナーとしては引き続き一緒にやっていこうということでございますし、後任には自見幹事長がおなりになるやに、漏れ聞いておりますけれども、次期国会でできるだけ最優先で仕上げるということを実行するとともに、新政権がスタートしてすぐに交代というのは残念でありますけれども、力を合わせてやっていきたいというふうに思います。「はやぶさ」に関しましては、この日曜の夜に戻ってくる予定ということです。よくぞ7年掛けて、約5~60億キロという、誰もぴんとこない距離なので、今聞いてみましたら、太陽まで行って帰ってくるというと20往復ぐらい。それもよく分からないので、人類が行ったことのある月を往復した場合は何回かといったら、大体7,000回ぐらいではということで、7年間飛んでいたわけですから、1年に1,000回往復、1日に3往復、毎日月を3往復して、7年間飛び続けたぐらい、少しだけ着地をしていますが、アバウトそれぐらい飛んだということでありますので、もちろんこれだけの長い期間宇宙を飛行して戻ってくるという、往還するというのは初めてでありますから、すごいことだというふうに思いました。対象になるのかどうかは知りませんが、私から、ギネスに申請してほしいとお願いをしておきました。これだけすごいことをやって、やっぱり、世の中的にも分かってもらいたいなというふうに思います。後継機ですけれども、宇宙開発全体は、こういう惑星探索という非常にかなりアカデミックな世界と、それから、宇宙ステーションを中心とした部分のかなり実際のイノベーションにもつながるような部分にリンクする部分と、現実の実用衛星、通信衛星とかという、そういう部分と、いろんな分野があるんですけれども、トータルとして、例えば月への有人飛行をどうするのかということを含めた総合的な宇宙計画を、やはり宇宙開発戦略本部でできるだけ早い時期に議論をして大きな方針を立てるべきだと思いますし、私は世界の中で誇るべきこういう実績を含めてですね、しっかりと次にもつながるようにしたいと思っております。
(問)亀井大臣の辞任は、今の新内閣の政権に対する影響という意味ではどうでしょうか。あると思われますでしょうか。
(答)スタートして2日か3日で大臣がいなくなるわけですから、それは影響がないとは言えないと思います。できれば国民新党の皆さんの思いも、若干時間はずれるけれども実現するということの中で、改めて信頼関係を構築してですね、せっかく国民の皆さんの御期待も高く持っていただいているので、いわゆるダメージとしては少なくなるようにしたいと思っています。影響がないとは言えないと思いますけれども。
(問)関連というか、かぶる質問になるかもしれませんが、こういった結論になったということは、つまり、参議院民主党側がですね、国会延長を求めない、支持率上昇傾向にある中で7月11日の参院選を優先したという形になるかと思うんですけれども、こうした判断になったことに対する受止めに関してはどうでしょうか。
(答)これは正に国会運営の話ですので、法案の成立の見通しとかいろんなことで、内閣にいる立場としていえば、内閣で出している法案は可能な限り、欲を言えば早期に成立させていただきたいというのが基本ですので、それ以上のことは私の口からは言うことではないと思っています。たまたま文科省関係の法律は通していただきましたけれども、各省庁とも法律が残っていることは事実ですから、内閣の立場としていえば、閣法をできるだけ国会会期中、あるいはできるだけ早くに通していただきたいと、ひたすらそう願うところです。それを受けながら、国対あるいは党として、全体の判断をいろいろされるということだと思います。
(問)菅政権になって政調が復活しますけれども、これまでの鳩山政権とは政策形成過程に違いが出てくると思いますが、大臣はどのように変化があるというふうに考えていらっしゃるでしょうか。
(答)いわゆる内閣に一元化するという意味では、これから具体的にどういう形で政調が、例えば文部科学省に関するパートナーとしての、ある意味で部会というものが、どういう構成でやられるのか、そして、それが政務三役とどういうふうにリンクするのかというのはこれからの話ですけれども、私は、特に議員立法を含めた活発な議論というのは、部門会議がある方が議員同士の議論はあると思うんです。どうしても我々の部分でいうのは閣法を前提とした議論になりますから、そういう部分では、党の側の議論というのは閣法への当然つながりと同時に、議員立法というものもありますから、そういう部分では議論は活発になる面は、大いに期待できるんではないかと思います。ただ、やはり我々の新政権の基本は、やはり政治主導であると。そして内閣が正にそれを主導するという意味では、どういう役割分担と、どういう権限を持つのかは、きちんと整理を明確にしておくべきだろうと思っています。これは、その意味でも、会長が閣僚になられたということは、これは菅内閣の意思として、政調でまとめた部分は内閣の責任の下にやっていくのだということだと思いますので、政治主導の基本は変わらないと思っています。
(問)スポーツに関して二つお尋ねしたいんですけれども、日本相撲協会の維持員席が暴力団関係者に渡っていた問題について、大臣は既に中井国家公安委員長とお会いになって、連携をして調査することになって、それを踏まえてですね、競技スポーツ課と警察庁の暴力団対策課が既に会合を開いて作業に当たっているそうです。一昨日には、相撲協会の陸奥親方と尾車親方が来られて、直接、徹底調査をと指示しているようですが、間もなく名古屋場所が始まります。競技スポーツ課としては早急に徹底調査をして報告を上げるようにと指示しているようですけれども、それは名古屋場所までなのか、それを越えても仕方がないんでしょうか。
(答)6月9日に、協会に対しては、「可能な限り」というのが付きますけれども、可能な限り7月場所前に調査を終えるようにという指導をしました。協会としては、昨年の名古屋場所分は名古屋場所前に、他の場所分は、7月場所終了後に調査予定というふうに言っておりますが、できるだけ前倒しでやるようにと指示しています。それから御指摘の警察庁とは、中井大臣と私も一緒に、それぞれの担当局長がお会いしました。そこでは、これまでもそうだったんですが、引き続き情報交換、連携を密にしていこうということと同時にですね、当然捜査上の問題で外部に言えない問題もあると思うんですが、我々としては、捜査あるいは取り締まりをするという立場ではなくて指導する立場です。実際に捜査当局として実態を見る中で、こういう事象はこういう案件が起こり得るということはやはり彼らが一番よく分かるのですが、ただ、ある種の規制を掛けるという法律や指導は文科省の立場ですので、具体的にここでシャットアウトをしないと再発防止にならないよというのは、彼らの方が分かる知見があります。そういう役割分担を見据えて協力していこうという話をしました。その後、言われたように、いろんなことをやっておりますし、新たにまた東京場所で暴力団関係者が見ていたという情報があって、注意したら退席したということがありますが、私としては先般から申しておりますように、この前のチケットだけではなくて、ああいういわゆる砂かぶりの席のチケットがですね、実態としてどういう形になっていて、暴力団に流れたというふうな、要するに買った人以外のところへ流れ得るものがどうして発生するのか、どうなっているのか、そして、それはどういう経路で流れているのか、当然ある種の有償のものですので、その金銭の流れはどうなっているのかといった、全体をはっきりさせない限り再発防止ができないということで、これは本当に徹底して調査をするようにと言っているんですが、場合によっては、外部の調査を利用してもらうとかということを含めて、しっかりと調査するように改めて要請をしているところであります。
(問)もう一つはですね、国会の会期延長がなくなったことで、ワールドカップサッカーに政務三役あるいはどなたか行かれて、2018年、2022年の日本開催招致に向けた活動をされる計画も進められるんではないかと思いますけれどもいかがでしょうか。
(答)2022年招致に向けての、いわゆるある種のロビー活動といいますか、それは、極めてそのときに、このワールドカップの時期には、各国の協会それからFIFAのメンバーがおられるわけですから、大変貴重な期間であると承知をしておりますので、国会に影響がなければ可能な限り対応したいと思っています。御案内のとおり参議院の選挙もすぐに、ちょうどかぶって行われるということでありますので、政務と党務の部分でですね、全体的な調整も必要かと思いますので、政務三役が対応したいという思いを込めつつ、ちょっと調整をこれから、ほぼ日程が確定をしましたので、調整をしたいと思っています。
(問)カメルーン戦はどうですか。カメルーン戦への期待は。
(答)日程的にカメルーン戦に行くのは無理です。
(問)勝敗の期待は。毎回お伺いしていますので。
(答)それは当然3勝0敗で予選を突破するというのが目標ではないでしょうか。2番であってはいけないと。
(問)大臣指示ですか。
(答)以前、私が国対委員長のときに、国対の野党クラブの皆さんと年末国会が終わったときに、お酒を飲む懇親会ではなくて野球をしようということで、野球をやったことがあるんですが、サインを一つだけ決めまして、監督、ピッチャー、4番ですから、私が攻撃中に帽子を脱いで大きく回せばホームランを打てというサイン、ピンチで同じサインを出したら三振を取れというサイン、以上、ということを言ったことがありますけれども、そういう意味ではサッカー協会に対しての指示は一つだけです。「勝ちなさい」と。
(問)前原国土交通大臣が報道各社のインタビューに対してですね、公共事業はこれ以上削らないんだというふうにおっしゃっているんですけれども、概算要求より前に閣僚がそのような予防線を張るということに関しては、大臣はどのように受け止められますか。
(答)前原大臣が、何をどこでどう言われたかは直接見聞きをしておりませんので、そのことに関してのコメントはありません。一般論として予防線というのは、それぞれの立場で何かを言われることはあり得るのかもしれません。発言はそれなりに自由ですから、ある意味ではね。ただ、予算編成に関していうと、やはりトータルとしての方針、あるいはフレーム取りみたいなものが粗々決まってくるのは、概算要求をするころから、もやっとしたものから始まるということだと思いますので、それぞれの大臣が概算要求を作っていくときの、自分なりの、その省でまとめる基本方針を述べられることは、それはあり得るのではないかと思います。
(問)大臣としては、今のところ文科省の予算でですね、これは削らないぞというようなものは。
(答)削らないぞというよりも、教育費の公的負担のOECD並みとかというのは堂々と今まで言っておりますから、同じようなことは私も言っている。科学技術に関する予算はGDP比で1パーセントとか言っていますよね。そういうやはり我々としては目指すという部分でいうと、当然、ここだけは削らないではなくて、もっと増やしてほしいというのが思いです。予算編成が非常に厳しい状況にあることは理解していますが、やはり、あるべき論というのは、当然ながら我々は我々なりに充実強化をして、教育と科学技術は、正にソフトパワーによる未来の成長への投資ですから、これに投資することは間違いなく成長戦略の大事な戦略の一つだと思っていますから、これは声を大にして、各方面に理解を求める発信は続けていきたいと思っています。
(問)OECDの教育局長さんたちの研究チームが来日していて、文科省との共同イベントなどにも出られています。今、投資の部分で、教育投資というのは就学前の方がより効果が高く出るという研究データを元に、高校無償化をするのであったら反対はしないけれども、高校無償化をするのであれば、幼児教育に力を入れるべきではないかというような意見も述べられているんですが、その部分についてはどう思われますか。
(答)彼らの持論でもあり、そして、実際にそういう効果があるということが出ているというのも承知をしております。だから、正におっしゃるように、高校無償化が悪いわけではないけれども、ある種のウエイトの話の判断はそういう考え方もあると思うんです。特に幼保一体化の議論も、ある面では待機している子どもが多い、そして、いわゆる保育園が足りないという面が割と言われるのですが、この議論の中で、実は就学前教育というものが大事であるから、一体化するということは、保育機能と教育機能を併せ持つということですので、就学前教育の強化ということは、今幼稚園に行っている子との比率でいうと保育園の方が多いという意味でいうと、結果としてはそこの強化も当然我々としては、一つの方法だと思います。認識としてそういうことは大事であることは分かりますし、我々もそう思いますけれども、トータルとして見ると、高校無償化はマダガスカル島みたいなことも一方では言われるわけですから。高校無償化は、最低限の教育インフラの整備だと私は思っていますし、それと同時に、学力の強化向上というものは、インフラのその次の施策ということで、そうした中、どういうことができるのかというときに、その考え方自体は、我々も承知しているのと同時に、一定の説得力があるなと思っていますので、また参考にしていきたいと思います。
(問)その提言の中でもう一つ、幼児教育、保育に関する包括的な戦略を組み立てるべきだというのがあるんですが、それに対してはどうでしょうか。
(答)ですから、今はそういう位置付けまで行っていないですよね。そして、国民の関心も含めて、実は保護者の関心も子どもの学力というものには非常に強くあるんだけれども、一方で生活の実態からいったら保育をきちんとしてほしいという部分があります。先ほどの繰り返しになりますが、一体化の中で教育も保育もということの環境整備は進むんだと思いますが、まだ現状としてトータルとしてはそこまでいっておらず、私自身、個人的にはそういうものを目指していくべきなんだと当然思っています。一方で、あまり国がああだこうだ言うなという話もありますから、各方面でいろいろまた意見、議論をしていく一つの大きなテーマだと思っています。

(以上)